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第1章
(11)それぞれの判断、告げられる過去
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ここはベイフロー公国会議室。第3番隊隊長以外の1~6までの隊長と国王、そして3人の大臣が揃っていた。
「失礼します、アルフレッド・ベルトレア入ります」
重々しい空気の中、俺は定位置の席に着く。
「では、定例会議を始める。まずは城砦の修復についてだが……」
国王サエモンドロ・アーサー・ベイフロー様のお言葉で長い、定例会議が始まった。俺はこういう窮屈な所よりギルドの冒険者みたいに自由気ままでモンスターを狩りまくりたい……
「……最後にあの森の主についてだ。3番隊隊長」
「はい、フェンリルは捕獲するため多少戦闘になりました。しかし、突如現れたフェアリーデイの幼子とグリフォン、そして上位精霊らしき人物がフェンリルを回復させました。フェアリーデイはその後眠りにつき、現在もその森の中で過ごしています」
大臣たちがざわめく。その理由は俺でもわかる。フェアリーデイという貴重な存在をそのまま森の中に放って帰ってきたことだろう。仕方ないだろう、あのとき恵みの神が降臨しあの子どもが大人に姿を変えるし、更には俺達を森の入り口まで追っ払ったなんてこの場で言ったら、この報告自体笑いもので嘘にしか聞こえない。
「合分かった。以上で定例会議を終わりとする」
「……ふう」
「アルフ、こっちに来い」
ほうら、国王様のお呼びだ。
「フェアリーデイの話は本当なのだろう?」
多くの隊長や大臣らが去って、今ここにいるのは国王を中心に、1番隊隊長エリック・モザゲンスキー、2番隊隊長フィリップ・キヴァシエル、5番隊隊長ジャックリン・クリストファー、そして……
「入るぞ」
ベイフロー国立ギルド、ギルドマスターのダグリアス・ヘイルスラード。国王とは騎士時代からの仲だとか。
「遅いぞ、ダグラス」
「すまんすまん、ちょっとサブマスと揉めてな」
「……とにかくアルフよ、どうなのだ?」
「はい、事実です」
「お前らしくないな、そのまま放置だなんて」
エリックが軽く乗っかってくる。
「恵みの神がそこに現れたんだよ」
「ホントっすか?」
ジャックも突っ込んできた。
「ああ、そこにいた4人全員が証人だ」
「そのフェアリーデイにはグリフォンに上位精霊……恐らくフェンリルも、いたんだろう?」
ギルマスも情報把握が早い。
「そうです。フェアリーデイのみを保護するのは、そう簡単にはいかないでしょう」
「どこかの隊まるごと出動させたらどうでしょう?」
フィリップが提案する。
「多すぎないか?」
「アルフ、お前が行ってこの結果だぞ?これくらいが妥当だろう」
「それは一理あるな。この中で1、2を争う程の強さだからな」
「エリック…お前まで」
「おいおいおーい!わしを置いてくな」
「おう、サエモンいたのか」
「わし一応国王じゃぞ……」
少し和やかな雰囲気を味わったところで、
「国王、どうするんですか?」
エリックが国王に尋ねる。
「うむ、そうだな…1番隊とアルフで行ってくれ」
「「了解しました」」
『ソフィアそろそろ起きないかしら?』
『ソフィアとたくさんお話ししたいのに』
いつもの2匹が眠っているソフィアの周りをぐるぐる回って離れない。
ソフィアがフェンリルの穢れを祓ってからもう3日。ソフィアはまだ眠ったまま。
《何故じゃ!なぜソフィアは起きぬ…》
グライとスピーレとフェンリルは精霊の住処に戻っていた。
<落ち着け、恐らく魔力を回復しているんだろう。俺の穢れを根元から取り除いたんだ。フェアリーデイとはいえ、魔力は相当消費しているはずだ>
『私がもっと前に出れば、このようなことにはならなかったのだ…』
<それは精霊王のせいではない、私が穢れをあのままにしておいたのがいけなかったんだ…>
《お主のせいでもないぞい…わしも守るつもりじゃったのに何も…何も出来なかったわい》
『ほうら、そなたたちがその調子ではソフィアが悲しむぞ?』
『《<…!>》』
天から聞き覚えのある声が聞こえてきた。
『ヘラムント様…!』
すると、草陰からヘラムントが現れた。
『久しいなグライ、スピーレ』
《はい、久方ぶりですヘラムント様》
『それから、これが初見だな、フェンリルよ』
<はっ、お初にお目にかかります>
『そんな硬くならずとも良い』
ヘラムントは地面に腰を下ろす。
『さてと、ベネディクタから少し話は聞いていますね』
《はい》
ソフィアが眠った後のこと…
『じゃあソフィアはフェンリルちゃんにぬくぬくさせて………と、よし。私は戻るわね~』
《お、お待ちを!ご助力感謝いたします。しかし、どうしてこちらへ……》
『あ~、アビラスとヘラムントに頼まれたのよ』
ベネディクタはソフィアをじっと見つめると、
『あなたたち、この子をお願いね。この子はまだ気づいてないけど、―ここに来る前にも色々あって…体もそうだけど、心の傷の方が相当深いのよ』
グライ達はお互い顔を見合わせて、頷き合う。
『あ、あとこの子の寿命のことは気にしなくていいからね!あと100年は生きるようにしてるから』
それを聞いてグライ達は少し安堵する。
「失礼します、アルフレッド・ベルトレア入ります」
重々しい空気の中、俺は定位置の席に着く。
「では、定例会議を始める。まずは城砦の修復についてだが……」
国王サエモンドロ・アーサー・ベイフロー様のお言葉で長い、定例会議が始まった。俺はこういう窮屈な所よりギルドの冒険者みたいに自由気ままでモンスターを狩りまくりたい……
「……最後にあの森の主についてだ。3番隊隊長」
「はい、フェンリルは捕獲するため多少戦闘になりました。しかし、突如現れたフェアリーデイの幼子とグリフォン、そして上位精霊らしき人物がフェンリルを回復させました。フェアリーデイはその後眠りにつき、現在もその森の中で過ごしています」
大臣たちがざわめく。その理由は俺でもわかる。フェアリーデイという貴重な存在をそのまま森の中に放って帰ってきたことだろう。仕方ないだろう、あのとき恵みの神が降臨しあの子どもが大人に姿を変えるし、更には俺達を森の入り口まで追っ払ったなんてこの場で言ったら、この報告自体笑いもので嘘にしか聞こえない。
「合分かった。以上で定例会議を終わりとする」
「……ふう」
「アルフ、こっちに来い」
ほうら、国王様のお呼びだ。
「フェアリーデイの話は本当なのだろう?」
多くの隊長や大臣らが去って、今ここにいるのは国王を中心に、1番隊隊長エリック・モザゲンスキー、2番隊隊長フィリップ・キヴァシエル、5番隊隊長ジャックリン・クリストファー、そして……
「入るぞ」
ベイフロー国立ギルド、ギルドマスターのダグリアス・ヘイルスラード。国王とは騎士時代からの仲だとか。
「遅いぞ、ダグラス」
「すまんすまん、ちょっとサブマスと揉めてな」
「……とにかくアルフよ、どうなのだ?」
「はい、事実です」
「お前らしくないな、そのまま放置だなんて」
エリックが軽く乗っかってくる。
「恵みの神がそこに現れたんだよ」
「ホントっすか?」
ジャックも突っ込んできた。
「ああ、そこにいた4人全員が証人だ」
「そのフェアリーデイにはグリフォンに上位精霊……恐らくフェンリルも、いたんだろう?」
ギルマスも情報把握が早い。
「そうです。フェアリーデイのみを保護するのは、そう簡単にはいかないでしょう」
「どこかの隊まるごと出動させたらどうでしょう?」
フィリップが提案する。
「多すぎないか?」
「アルフ、お前が行ってこの結果だぞ?これくらいが妥当だろう」
「それは一理あるな。この中で1、2を争う程の強さだからな」
「エリック…お前まで」
「おいおいおーい!わしを置いてくな」
「おう、サエモンいたのか」
「わし一応国王じゃぞ……」
少し和やかな雰囲気を味わったところで、
「国王、どうするんですか?」
エリックが国王に尋ねる。
「うむ、そうだな…1番隊とアルフで行ってくれ」
「「了解しました」」
『ソフィアそろそろ起きないかしら?』
『ソフィアとたくさんお話ししたいのに』
いつもの2匹が眠っているソフィアの周りをぐるぐる回って離れない。
ソフィアがフェンリルの穢れを祓ってからもう3日。ソフィアはまだ眠ったまま。
《何故じゃ!なぜソフィアは起きぬ…》
グライとスピーレとフェンリルは精霊の住処に戻っていた。
<落ち着け、恐らく魔力を回復しているんだろう。俺の穢れを根元から取り除いたんだ。フェアリーデイとはいえ、魔力は相当消費しているはずだ>
『私がもっと前に出れば、このようなことにはならなかったのだ…』
<それは精霊王のせいではない、私が穢れをあのままにしておいたのがいけなかったんだ…>
《お主のせいでもないぞい…わしも守るつもりじゃったのに何も…何も出来なかったわい》
『ほうら、そなたたちがその調子ではソフィアが悲しむぞ?』
『《<…!>》』
天から聞き覚えのある声が聞こえてきた。
『ヘラムント様…!』
すると、草陰からヘラムントが現れた。
『久しいなグライ、スピーレ』
《はい、久方ぶりですヘラムント様》
『それから、これが初見だな、フェンリルよ』
<はっ、お初にお目にかかります>
『そんな硬くならずとも良い』
ヘラムントは地面に腰を下ろす。
『さてと、ベネディクタから少し話は聞いていますね』
《はい》
ソフィアが眠った後のこと…
『じゃあソフィアはフェンリルちゃんにぬくぬくさせて………と、よし。私は戻るわね~』
《お、お待ちを!ご助力感謝いたします。しかし、どうしてこちらへ……》
『あ~、アビラスとヘラムントに頼まれたのよ』
ベネディクタはソフィアをじっと見つめると、
『あなたたち、この子をお願いね。この子はまだ気づいてないけど、―ここに来る前にも色々あって…体もそうだけど、心の傷の方が相当深いのよ』
グライ達はお互い顔を見合わせて、頷き合う。
『あ、あとこの子の寿命のことは気にしなくていいからね!あと100年は生きるようにしてるから』
それを聞いてグライ達は少し安堵する。
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