【完結】数学教員の 高尾 さん

N2O

文字の大きさ
上 下
17 / 31

お仕置きの日

しおりを挟む
俺は慣れたように低層マンションの9番の駐車場に車を停めた。あの後田代先生はそそくさといなくなり、残された俺と花村先生の間には沈黙が訪れたのである。

その沈黙を破ったのは花村先生でツカツカと俺に寄ってくると耳元で「はじめ、今日は定時で上がれ」と有無を言わさない威圧感を放ちながら囁いたのである。俺は脳内で「部活どうする?副顧問の宮木先生にお願いしに行こう、よし決定」という1秒会議を開催した後、こくんと深く頷いた。

そして合鍵でオートロックを解除して部屋に入ったところをそのまま捕まえられ、雑にシャワーを浴びせられた後ベッドに連行、今に至るのである。もちろん両手両足にはピンクファーの枷がつけられた。

俺はパンツ一丁で、目隠しまでされ腹の上にはすでに花村先生・・・いや、が跨っている。付き合い始めてすぐ「花村先生って呼び方やめて。楓って呼んで」とお願いされ、呼び捨ても何だから・・・と妥協点で「楓くん」と呼ぶようになった。もちろん2人きりの時だけだが。

その楓くんは俺に初めての目隠しをつける前、何やらめちゃめちゃ怒っていた、というより、拗ねていた。どうしてそんなに拗ねているのか分からない俺は目隠しも渋々つけることを許した。
楓くんは枷をつける時も毎回確認してくれる。「俺の性癖に付き合ってもらってるから」と気にしてくれているらしい。そんなところも可愛い、好きだ。

目隠し、枷、両方付けられて早10分?は経っている。俺に跨っている楓くんは何もして来ない。いつもならすでに意識がとろ、っとし始めている頃だ。
どうしたんだろう、と不思議に思っているとようやく楓くんが動き出した。放置されたし、視界も遮られている分少し緊張する。

すると突然乳首をグィッといつもより強めに摘まれた。毎週のように弄られているそこは少しの刺激にも敏感に反応するようになった。それをグィッと強めに摘まれたのである。視界も遮られていて、感覚がさらに研ぎ澄まされているから、俺は「ひぎぃ」と大きく叫び、分厚い背中をしならせた。

「・・・ねえ、元。田代先生とナニしてたの?イチャイチャしてたよね。のこと好きなの?ねえ?」

「いっ、そんなことあるわけないだろ?田代先生とは・・・ちょっと昔話してただけで・・・うわ!い、痛いってぇ!」

「昔話ぃ?俺の知らない元を知ってるって自慢か、あいつ。元は自分の可愛さに疎いとは思ってたけどさぁ。」

「か、可愛い?!そ、んなこと思ってるの楓くんぐら」
「いーや。あいつは絶対思ってる。・・・くそ!いつもなんか距離近いとは思ってたんだよ。俺のいない間に元に近づきやがって・・・!」

俺は「なるほど、これは世間一般で言うというやつだな」と推測した。初めての経験であるが、この体勢はまずい。身動きが取れない上に、跨られ、楓くんの顔も見えない。おそらく声色からしてかなり不機嫌モードだ。
「どう説明すれば分かるのか?楓くんからの愛情を再認識してましたー」っていうのか?いや、何か恥ずかしい。

俺はぐるぐる思考を巡らせていたが、何を勘違いしたのか楓くんは乳首をピーンと思いっきり弾いたのである。強い刺激に俺の頭は電気が流れたみたいにビリビリと痺れた。
この痛みの後に来る快感も、もうすっかり身体が覚えてしまっていて、情けないことだが、めちゃめちゃ痛いのに下半身はどんどん熱くなるのだ。
もう、『痛みに快楽を重ねる』と言う立派な俺の性癖である。



「元は、俺だけのものなんだから。分かってないなら身体に教える。」

不機嫌そうな声でそう言い放つと、痛みと快感でうまく息が吸えない俺の口に、噛み付くようなキスをして来たのだった。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

ハヤテの背負い

青春 / 連載中 24h.ポイント:255pt お気に入り:0

スパイだけが謎解きを知っている

ミステリー / 完結 24h.ポイント:127pt お気に入り:3

番から逃げる事にしました

恋愛 / 連載中 24h.ポイント:30,834pt お気に入り:2,385

魔王とたのしい閨教育

BL / 完結 24h.ポイント:7pt お気に入り:113

浮気した彼の末路

BL / 完結 24h.ポイント:49pt お気に入り:30

進芸の巨人は逆境に勝ちます!

ファンタジー / 完結 24h.ポイント:120pt お気に入り:1

僕の番が怖すぎる。〜旦那様は神様です!〜

msg
BL / 連載中 24h.ポイント:298pt お気に入り:385

9歳の彼を9年後に私の夫にするために私がするべきこと

恋愛 / 完結 24h.ポイント:1,876pt お気に入り:102

処理中です...