【完結】数学教員の 高尾 さん

N2O

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12 涙と四つん這い

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泣き出した楓くんに、慌てて体を離す。
力が強すぎて苦しくなったのかと思い必死で謝ったが、鼻を啜る楓くんは「そうじゃないし」と口角を上げ、今度は楓くんが俺に抱きついた。

いつも思うが、楓くんは力が強い。
こんなガタイのいい男を抱きしめて何も面白くないだろうに、嬉しそうに頬をすり寄せる楓くんが可愛くて、また笑いをこぼしてしまった。



「何でまた笑ってるの。俺、怒って、たんだからね。」

「楓くんが愛おしいな、って思ってただけ。」

「・・・・・・」

「愛おしくて、笑っちゃうっておかしいかな。」

「・・・可愛すぎでしょ。」



オチのない会話に二人して笑い合う。
さっきまで枷つけて跨られたのに、ほわほわした雰囲気だ。


「こんなことで嫉妬するなら、我慢しないで実習の時から押しとくんだった。」

「・・・あの時はもういっぱいいっぱいで・・・」

「い~っぱい癒してあげたのに。」

「・・・俺を甘やかしすぎだよ。」

「いいでしょ。好きなんだから。」

「じゃあ俺も楓くん甘やかしたい。」

「・・・は・・・?」



みるみるうちに顔を赤くする楓くんの頭を、彼がいつもしてくれるみたいによしよし、と撫でる。
慣れないことに挙動がおかしくなる楓くんはとても新鮮だ。
何だか楽しくなってしばらく頭を撫で続けた。(あそこに紐つけたままで)

十分に楓くんを愛でた後、突然不敵に笑った楓くんは再びベッドに俺を押し倒す。


「お互い気持ちを確かめ合った後にすることって言ったら一つしかないよね?」


妖艶な顔で唇を舐めた色気全開の楓くんに俺は声が出ず、曖昧に頷いた。
「じゃあ準備しに行こうね」と手を引っ張られ、始まった準備にドギマギしたのは言うまでもない。

----------------⭐︎

再びベッドに戻ってきた。
珍しく枷は付けられていない。
その代わりと言えば何だけど、俺はベッドの上で四つん這い。

よし、もう一度言おう。

34歳の大人が、四つん這い。
そんなことあるか?


尻を楓くんの方に突き出しているから、彼からは全てが丸見え。
ちょっとでも抵抗しようもんなら、楓くんの"おねだり攻撃"が始まる。
上目遣い+涙目パターンとドS全開パターンの2種類を巧みに使い分け、俺は何も言えない。

最近の25歳って、使い分けが上手なんだな。


俺の尻に大量のローションがぶっかけられ、かれこれ20分は穴を丁寧にほぐされている。
楓くんの細い指(コンドーム付)を最初から2本突っ込まれ、ゆっくり抜き差し。
初めての感覚に汚い呻き声が漏れたのは、どうか許して欲しい。


だが人間の身体とは不思議なもので、あんなにキュっと締まっていた穴も、時間をかけて慣らしていけば緩くなり、広がるもの。
しかも『前立腺』と呼ばれる少し膨らんだところを指でぐりっと押されると、頭がびりびりする。
その刺激で背中が弧を描き、何度も何度も背伸びする猫のようだった。
その快楽を何とか逃したくて身を捩っていた俺のささやかな抵抗はすぐにバレてしまい、手枷を付けられてしまった。



「ゔぅ~っ、ま、まだするの?何か変な感じ、するから、も、もう抜いて~、うひゃっ!」

「今日ここに俺の挿れるんだからまだダメ。」

「うあっ!そ、そこ、押さな、んんっ、ね、ねぇ?!聞い、てる?!」

「はいはい、聞いてる。」


涙目で訴えても、楓くんはくすくす笑うだけ。
指の動きを止めてはくれなかった。
楓くんの指は細いから、もうすでに3本も入っている。
信じられる?
3本だぞ?
穴が裂けると思ったが、裂けるどころか未知の快感が押し迫ってきた。
射精の快感とはまた違う、知らない快感。

俺は「やだやだ」と駄々をこねる子どものように頭を左右に振ったが、更に指の動きが激しくなるだけ。
それどころか楓くんは俺の肉厚な尻の肉を鷲掴みにしたり、パチン、と弾ける音がするぐらい叩いたりする。

右手は尻、左手は別の手段で俺の尻をいじめる。
顔に似合わず、楓くんは本当にドS。
刺激を与えられるたびに俺はまたガシャガシャと鎖を揺らして、ベッドを軋ませた。


「かえ、でっ、楓くんっ、何かくる、よっ、やだ、やだぁっ、」

「そのまま感じてればいーの。」

「ひゃ、わっ、あああっ、」



楓くんの指が強く前立腺を刺激して、目の前がバチバチと弾けた。
ぽたぽたと涎が垂れて声が出ない。
経験したことのない強すぎる快感に涙まで浮かぶ。
体からは一瞬にして力が抜け落ち、ベッドに全身を委ねた。
ピク、ピク、と体が痙攣し、垂れた涎はシーツに染みをつくっていく。


ぐちゃぐちゃな俺の顔を覗き込んで心底嬉しそうな顔なのは俺の恋人、楓くん。


「あはっ、ケツイキした元の顔めちゃくちゃエロい。涎舐めていい?いいよね?」


はしゃぐ子どものように俺の涎をじゅるじゅる舐め取ったあと、今度は尻の穴を舐め出した楓くん。

俺はまた汚い喘ぎ声をあげて、何度か意識を飛ばした。
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