駄目神チートと征く、異世界創世記

ねこのにくきう

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1章 異世界転移は無理難題

1-1 俺、いきなり行き詰ったようです

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 問題発生。みなさん事件です。

 まず初めに、駄目神の加護が役に立たない。いや、まったくのゼロかと言えばそうでもないのだが、本人がチートですよ、といったようなものではとても思えない。レベル1とか言ってたから今後に期待しているのだが、それよりも今をどうするか……。

 1日1回召喚ではリスト内であれば任意の物を取り寄せることができる能力、今は飢えないように地球の食べ物を取り寄せている。

 軽度の怪我が治せる能力、擦り傷とかちょっとした打撲は治せる、が、相応の何かが消費されるため効率がすこぶる悪い。つまりは使用した俺がすごく疲れるか、お腹がすごく減る。

 生活魔法級の異能を行使できる能力、火が熾せたり、水が出せたりする。これは意外と便利だった。水があれば人間それなりに生きていけるし、火があれば冬に凍死することもない。他にも色々できるらしいが、今必要そうなのはコレ。ただ、使いすぎると疲れる。


 次、神殿、森、人里へ行くとか言ってたから、神殿から出てみた。本当に何も考えずに気軽に外に出てみた。でも、即、神殿に戻った。全力で神殿に滑り込んだ。理由は簡単。外は危険すぎる。もはや命の危機である。

 森には1メートル級のオオカミの群れとか、3メートル級のイノシシの番とか、10メートル級のトカゲ? ドラゴン? とかが歩いてた。ここは大切だから2回言う。普通に散歩するみたいに歩いてた。何このわんぱく動物園。

 救いなのは、このエリュシオン神殿が森の中で唯一の聖域で外部からの脅威を鉄壁な守りで防御してくれるということだ。それすらもなかったら完全に死んでいた。

 シオン曰く、狼は強さレベル50くらい、猪は55くらい、ドラゴンは90くらいらしい。ちなみに人間の場合、一般人を素手で撲殺できる地球のへヴィ級プロボクサーで10相当らしい。

 そんな重量級な連中に一般人の俺が勝てるわけがねー。そんなのサバンナで肉をぶら下げて裸で歩いて、どうぞお召し上がりくださいって言っているようなものだぞ。

「おい、駄目神。全然どうしようもないじゃないか! 何が神殿から森、森を抜けて人里だ。あんなところを抜けれる人間が地球にいるか!」

「ハジメさんこそ何を言ってるんですか? この森は比較的温厚な生き物しかいないのですよ? 現に始さんが森に行っても、彼らに襲われてないでしょう?」

「そもそも考えてみてください。もし、今まで出会った生物が敵性の生き物だった場合、ハジメさんが今生きてられるわけがないじゃないですか。もれなく彼らの胃袋の中ですよ。まぁ、いくら温厚だからと言っても、こちらから手を出せば例外なく襲ってきますけどね」

 そう言ってシオンはケラケラと笑う。言われてみれば、確かにその通りだわ。

「って、そんなので納得できるかーーー!!」

「いたたたたた、いたーーい」

 とりあえず、笑っているシオンをアイアンクローしておく。くっそー、やっぱりおとなしく成仏しておいたほうがよかったじゃねぇか。

 ふと、そう考えた瞬間、シオンがすごく寂しそうな顔になった。なんだよ、その顔。そんな顔するなんて反則じゃないか。

 はぁ、もういいや、今日はもう寝よう。何か考えるのも辛い。明日のことは明日考えよう。そうしよう。人、これを問題の先送りと言う。

 いそいそと毛布にくるまり、神殿の床に寝転がる。俺が寝転がったのを見計らって、シオンもいつもみたいに毛布に潜り込んでくる。こいつ、本来寝る必要がないのに、毎日俺が寝る時には一緒に寝ようとしてくる。

 しかし、明日からどうやって生きていこう……不安。
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