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1章 異世界転移は無理難題
1-3 俺、獣人の子供を餌付けするようです
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食べ物の匂いに反応して意識が戻ったようだ。人間の原始的な欲求である食欲があるならば、ひとまず身体は大丈夫だろう。細かいところは医者じゃないからわからない。
目が開いて、こちらを一瞥した瞬間、獣人の子供は飛び起きて臨戦態勢になった。体操選手みたいな、すごい身体能力だ。子供なのにすごい。
「ううううううう」
四つん這いになり、顰めた表情と唸り声をあげて、こちらを威嚇しているつもりなのだろうか。しかし、威嚇しながらも視線は鍋に固定されている。本能と匂いで、これが食べ物だということがわかるのだろう。
相手を刺激しないように、鍋と匙を床に置いて、ゆっくりとその場を下がる。
「まだ少し熱いから、ゆっくり食べろよ。……って言葉が通じるのか?」
しばらく俺と鍋を交互に見て威嚇を続けていたが、空腹に耐えきれなくなったのか、結局は鍋に飛びついておかゆを食べ始めた。
「!? あひゅい」
しかし、子供は一口目で火傷した。予め、注意は促したのだが……通じていなかったのか、それともお腹が空きすぎてそれどころじゃなかったのか。おそらく後者だろうけど。
「これ、飲むといい。あと、誰も盗らないから、ゆっくり食べろ」
生活級魔法で水を出し、杯を満たして、ゆっくりと近づいて渡す。喉も渇いていたのか、一瞬で飲み干した。苦笑しながら、もう一度、魔法で水を出して杯を満たす。
何もないところから水が現れたからか、子供はびっくりした顔をしたが、それよりもお腹が減っていたことを思いだしたのか、おかゆを少し冷ましながらもきゅもきゅと食べ始めた。今度は慌てていない。どうやら言葉は通じるようだ。
食べている姿をずっと見られているのも嫌だろうから、暇つぶしにシオンからもらった召喚リストを眺める。今までに召喚したもの。1日目は弁当、2日目は米20キロ、3日目はサバイバルナイフ、4日目は塩1キロ……といった内容だ。次は何を取り寄せようか。
食器系は何とかなったから、優先順位は低い。毛布は神殿にあったものを拝借しているから、冬が来ない限りは大丈夫。服も神殿の神官みたいな服を拝借……まぁ着れれば何でもいい。衣食住で厳しいのは、やっぱり食だよなぁ。子供のためにも何か栄養のあるものを取り寄せたいが、物量があって、保存が効いて、なるべくなら美味しいモノが良い。
炭水化物は米がある。野菜は……野草が食べられなくもない。塩もある。となると足りないのは、たんぱく質かぁ。肉か卵あたりが食べたいよなぁ。でも冷蔵庫ないから保存がなぁ。
ハッと我に返り、子供のほうを見ると、既に食べ終わったようだった。空になった鍋を凝視していた。鍋いっぱい3人前くらいの量があったのだが、無事に食べきったようだ。それにしても、ついつい長考して放置していた。いかんいかん。
「あの……、ごめんなさい」
こちらの視線に気づいたのか、子供はぽつりと呟いた。ごめんなさい? なぜだ。
「食べ物、食べたら、無くなっちゃった。ごめんなさい……」
いわゆる獣耳をへにょんと垂れさがらせて、すまなそうに子供が謝ってきた。どうやら食べ終わったことを謝っているらしい。なぜ謝る必要がある? そこはありがとうじゃないのか? 謎の思考でわからない。
「たぶんだけど、全部食べたことを謝っているんだと思うよ? 自分が食べ過ぎたとか思っているんじゃない? ほら、ハジメさんの食べる分、無くなったわけだし」
いつの間にかシオンが現実世界に戻ってきており、こっそりと耳打ちしてくれた。
なるほど、そういう考えもあるのか。俺は飽食の日本で普通に育ってきたから、基本的に分け合って食べなければいけないという感性が無かった。確かに地球でも食料が満足に得られない状況だと、そうなる気がする。戦争中とか、食料配給を独り占めなんてしたら周りからタコ殴りされそうだし。
「いいよ、それは君に作ったもの、全部、君のものだ。それよりも足りたか? お腹はいっぱいになったか?」
俺の言葉を聞いた子供は顔をあげて、うるうるしたと思ったら、声をあげてワンワン泣き始めた。えっ!? どゆこと!? 俺、なんか不味いことでも言った?
目が開いて、こちらを一瞥した瞬間、獣人の子供は飛び起きて臨戦態勢になった。体操選手みたいな、すごい身体能力だ。子供なのにすごい。
「ううううううう」
四つん這いになり、顰めた表情と唸り声をあげて、こちらを威嚇しているつもりなのだろうか。しかし、威嚇しながらも視線は鍋に固定されている。本能と匂いで、これが食べ物だということがわかるのだろう。
相手を刺激しないように、鍋と匙を床に置いて、ゆっくりとその場を下がる。
「まだ少し熱いから、ゆっくり食べろよ。……って言葉が通じるのか?」
しばらく俺と鍋を交互に見て威嚇を続けていたが、空腹に耐えきれなくなったのか、結局は鍋に飛びついておかゆを食べ始めた。
「!? あひゅい」
しかし、子供は一口目で火傷した。予め、注意は促したのだが……通じていなかったのか、それともお腹が空きすぎてそれどころじゃなかったのか。おそらく後者だろうけど。
「これ、飲むといい。あと、誰も盗らないから、ゆっくり食べろ」
生活級魔法で水を出し、杯を満たして、ゆっくりと近づいて渡す。喉も渇いていたのか、一瞬で飲み干した。苦笑しながら、もう一度、魔法で水を出して杯を満たす。
何もないところから水が現れたからか、子供はびっくりした顔をしたが、それよりもお腹が減っていたことを思いだしたのか、おかゆを少し冷ましながらもきゅもきゅと食べ始めた。今度は慌てていない。どうやら言葉は通じるようだ。
食べている姿をずっと見られているのも嫌だろうから、暇つぶしにシオンからもらった召喚リストを眺める。今までに召喚したもの。1日目は弁当、2日目は米20キロ、3日目はサバイバルナイフ、4日目は塩1キロ……といった内容だ。次は何を取り寄せようか。
食器系は何とかなったから、優先順位は低い。毛布は神殿にあったものを拝借しているから、冬が来ない限りは大丈夫。服も神殿の神官みたいな服を拝借……まぁ着れれば何でもいい。衣食住で厳しいのは、やっぱり食だよなぁ。子供のためにも何か栄養のあるものを取り寄せたいが、物量があって、保存が効いて、なるべくなら美味しいモノが良い。
炭水化物は米がある。野菜は……野草が食べられなくもない。塩もある。となると足りないのは、たんぱく質かぁ。肉か卵あたりが食べたいよなぁ。でも冷蔵庫ないから保存がなぁ。
ハッと我に返り、子供のほうを見ると、既に食べ終わったようだった。空になった鍋を凝視していた。鍋いっぱい3人前くらいの量があったのだが、無事に食べきったようだ。それにしても、ついつい長考して放置していた。いかんいかん。
「あの……、ごめんなさい」
こちらの視線に気づいたのか、子供はぽつりと呟いた。ごめんなさい? なぜだ。
「食べ物、食べたら、無くなっちゃった。ごめんなさい……」
いわゆる獣耳をへにょんと垂れさがらせて、すまなそうに子供が謝ってきた。どうやら食べ終わったことを謝っているらしい。なぜ謝る必要がある? そこはありがとうじゃないのか? 謎の思考でわからない。
「たぶんだけど、全部食べたことを謝っているんだと思うよ? 自分が食べ過ぎたとか思っているんじゃない? ほら、ハジメさんの食べる分、無くなったわけだし」
いつの間にかシオンが現実世界に戻ってきており、こっそりと耳打ちしてくれた。
なるほど、そういう考えもあるのか。俺は飽食の日本で普通に育ってきたから、基本的に分け合って食べなければいけないという感性が無かった。確かに地球でも食料が満足に得られない状況だと、そうなる気がする。戦争中とか、食料配給を独り占めなんてしたら周りからタコ殴りされそうだし。
「いいよ、それは君に作ったもの、全部、君のものだ。それよりも足りたか? お腹はいっぱいになったか?」
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