駄目神チートと征く、異世界創世記

ねこのにくきう

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1章 異世界転移は無理難題

1-4 俺、獣人の子供から事情を聴くようです

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 獣人の子供は泣き疲れて、そのまま寝てしまった。しょうがないから毛布にくるんで、俺も隣で寝ることにした。ついでにシオンもいそいそと毛布に潜り込んでくる。

 おっと、寝る前に召喚しておかないと勿体ないな。かといって、すぐにいいアイディアが沸くということもない。ということで当初の目的通りにたんぱく質を、つまりは業務用の干し肉であるビーフジャーキーをチョイス。

「駄目神の権能を行使、『取り寄せ』ビーフジャーキー業務用」

「行使を許可します。『神力』レベル1、残り回数0/1です」

容量はなんと5キロの物があった。カビにさえ注意すれば保存もそこそこ効くし、おかゆにいれてもいい。とてもいい買い物をした。満足満足。しかし、相変わらずどこから取り寄せしているのか謎すぎて怖い。泥棒になってなければいいけど……。


 次の日の朝、早速ビーフジャーキーを使用して米を炊く。ジャーキー自体に塩味があるから塩は入れない。塩分過多になるからな。彩と栄養を考え野草もちぎって投入する。米もジャーキーも水を吸うとかなり膨張するから、分量も申し分ない。

「あの……」

 神殿の外で炊事をしていたのだが、匂いを感じたのかいつの間にか子供が起きてきた。昨日よりも警戒心が薄い。だいぶ慣れてくれたようだ。

「おはよう、よく眠れたか? もうすぐ食事だから、少し待ってろ」

「うん……」

 その後、出来上がったジャーキー炊き込みご飯を2人で綺麗に食べ終わり、水を飲んで一息ついたところで、話を聞くべく会話を試みる。

「話がしたいんだが、いいか?」

 子供が頷いたのを確認して、少しずつ質問をする。まずは簡単なことから聞いていこう。

「まず、名前はあるか?」

「……ココ」

「ココはいくつだ? 歳、わかるか?」

「……わからない」

 自分の歳を数える習慣がないのか、それとも歳がわからないほどの環境で暮らしていたのか……。いずれにしても確認は後回し。

「本来であれば、この付近は獣人がいるはずのない地域です。言いたくないですが、まともな理由ではないと思います。それにあの祭壇の場所、まるで生贄ですよ。聞くつもりなら心を強く持ってください」

 シオンが情報を耳打ちしてくれたが、めちゃくちゃ嫌な内容だった。まぁ、心の準備ができるだけマシなのだが。それにしても、子供がシオンを気にしている様子が見られない。

「私、こう見えて女神ですから、信者以外には姿を見えなくすることも容易いことです!」

 はいはい、それはすごいですねー(棒読み)。

「……そうか。それで、ココはなんで森に、しかもあんなところにいたんだ? 他に家族はいないのか?」

「ココは、邪神エリュシオン様に捧げられた、生贄です……。獣人は血の力が強いから、良い供物になるのだそうです」

「えっ!?」(えっ!?)

 おい、駄目神、貴様、邪神だったのか! なんてやつだ! 俺を騙してやがったな!

(誤解! 誤解です! 何かの間違いです! 私が邪神だなんて、何かの間違いのはずです! 断固、否定します! 名誉棄損で裁判です! さいばんちょーーーー)

「それに、ココに家族はいません。ここに連れてこられる前に、みんな、ヒト族に殺されてしまいましたから……」

 ……へヴィ。重い、重すぎる。駄目神への聴取は後回しにして、ココへの対応をしないと。

「そうか……、いままで大変だったな。ここには食べる物と住むところしかないが、出ていきたくなるまで、好きなだけいると良い」

 俺がそういって頭をなでると、ココはまた泣き始めた。今度はシクシクといった感じだが。

「ココ、こんなに親切にされたこと初めてです……」

 こんな子供なのに、相当、過酷な人生を送ってらっしゃる……。それに引き換え、駄目神ときたら正体は邪神ときたもんだ。ついに犯罪に手を染めてしまったか。

(ちょ、ちょっとーーーー! 絶対、誤解だって! なんで邪神なのか、この子から聞き出してよーーー! 私は自分にそんな設定したことないよー)

 うるさいやつだな。ちょっとは静かにしなさい。

(理不尽ー!!!)
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