4 / 41
第一章 謎の組織、異世界へ行く
悪事4 謎の組織、意図せずマッチポンプを行う
しおりを挟む
4人の人間が逃げていた。
ただし、1人は負傷して動けないようで、ひと際大きな男に担がれているようだった。
「ちくしょう! 何でこんな時期に、こんな場所に、Aランクのメタルアーマーリザードが出るんだ! 休眠期のはずだろうが!」
「ガル! そんなこと言っている場合じゃないでしょう!? 早く逃げないと! アリサが怪我した時点で私たちに勝ち目はゼロよ!」
「まずい、このままだと振り切れるどころか、運よく逃げ切れたとしても街まで案内してしまう。そうなったら、俺たちは弁明の余地もなく犯罪者だ」
「そんなこと、言われなくてもわかってるよ! でも、どうしようもねぇだろ! 大人しくエサになれっていうのかよ!?」
先頭を走るのは軽装の女、女を背負った重装の大男、軽装の男と続く。
その後を、体長10メートル程の巨大なトカゲが追いかけていた。
メタルアーマーリザード。分類は生物、爬虫類魔獣に該当する。
名前の通り、全身金属かと思うくらい強固な鱗に覆われたトカゲで、通常の金属製の武器では傷1つつけることができない。雑食で何でも食べる。体長は幼体で1メートル、成体で最大15メートル程。生まれた時から硬い。物理に強い反面、特定の属性攻撃に弱いが、対策がとれないパーティには逃げることしかできないため、エンカウントは絶望的である。
特記事項:目と口内以外の部位への被物理攻撃に99%のペナルティを付与。水氷以外の被属性攻撃に100%のボーナスを付与。微量のリジェネーションを保有。
移動速度は拮抗しているようなので、逃げる側の体力が続く限りは追いつかれることはないだろう。
「参ったな、なぜか魔獣避けも効果がないようだ。まさに万策尽きた感がある」
「不良品で、ぼったくられたんじゃねぇのか!?」
「そんなことはない。ギルドの公式ショップで購入しているから間違いなく効果は発揮しているはずだ。そうでなければ、ギルドの権威が地に落ちるからな」
「こんな時に、言い争いしてる場合!?」
しかし、現在トカゲは恐慌状態に陥っているため、冷静な判断ができていない。
本来であれば作用するはずの魔獣避けのアイテムもこの時ばかりは効果がなかった。
「仕方がない、2手に別れよう。お前たちは先に行け。私が足止めする」
「おい! まさか、てめぇ1人が犠牲になるつもりかよ! 俺たちは仲間だぞ!? それだったら2人で時間を稼いでリリーに行ってもらったほうがいいだろうが!」
「今回は、アリサがその状態だ。私一人が残るのが最善だ。独りなら私が最も動ける。引き付けている間に、出来れば助けを呼んできてくれ」
軽装の男が冷静に提案するが、重装の大男が頑として引かない。
しかし、後ろには狂ったように追いかけてくる巨大トカゲ。考える時間はあまり残されていなかった。
「くそが! 絶対に死ぬんじゃねぇぞ!? すぐ戻ってくるから……な?」
軽装の男の提案を渋々受け入れようとして、後ろを振り向いた大男。
それとほぼ同時に空から何かが落ちてきて、ズシンっと地響きを伴った重量音が響いた。
「「「はぁ!?」」」
そこで3人が見たもの。
その光景が俄かには信じられずに、切羽詰まった状況だったことを忘れて3人3様にマヌケな顔をして固まった。
「飛び降りたら、足元にいたトカゲが丁度クッションになってしまった。私は生き物が好きなのに、とても可哀想なことをしてしまったよ……ふう」
地面にめり込む巨体、物理攻撃が効かないはずのAランク魔獣が人間1人に踏みつぶされて瞬殺されてしまった。
この魔獣がどれだけ厄介かを知っている3人にとって、それはとても現実とは思えない光景だった。
それにしても、狙っておいて抜け抜けとどの口が言うのか。
「お前さん……一体、何者だ?」
「第一村人発見。何者だ、と言われてもな……仲間内からは『統領(ボス)』と呼ばれているぞ、私は」
踏みつぶしたトカゲの頭の上から降りながら、全身黒スーツにフルフェイスを被った変態こと『統領』は、それがさも当然だと言わんばかりに言い切った。
果てしなくツッコミどころ満載である。
「ボスさんか、俺たちを助けてくれたんだよな? ありがとう。仲間が1人やられていたところに予想外の魔獣に襲われて困っていたんだ。助かったよ」
「私は通りすがりにうっかりとそこにいたトカゲを踏みつぶしてしまっただけだ。君たちにとっての結果がそうなったに過ぎない。気にすることはない」
「そうか……すまないな」
「うむ」
助けたことを気に病まないように相手を気遣う。
この世界には珍しいほどの謙虚な御仁だと、大男たちは都合よくそう解釈した。
「それでだな……」
『統領』は、まず情報収集をすることにした。
この4人に近づいたのはそのためで、助けたのは自分に協力的になってほしかったからなのである。シメシメと思いながら不自然にならない範囲で聞き取りを行う。
実は、この巨大トカゲが休眠から目覚めたのは黒竜王ニッグ接近のせいで、トカゲが少しでも逃げようとしていたところを4人がたまたま遭遇したという経緯があった。
そこに偶然を装って助けに入り、恩を着せる。人、これをマッチポンプと言う。
「なるほど、な。ところで、そっちのケガをしている方は大丈夫なのか?」
「ああ、気を失っているだけで命に別状はない。そのうち気がつくさ」
「それは結構。それで、コレをどうする? ここに置いたままではダメだろう? 君たちさえ良ければ引き取ってくれないか?」
「ボスさん……正気か? いや、貶してるわけじゃない。こいつはAランク魔獣で硬くて軽い鱗や皮は防具に、牙や爪は武器にと売り先は引く手数多な代物だ。しかもほぼ欠損なく仕留められてるから相当の金額になるぞ?」
初めて会ったやつに、馬鹿正直にそれを教えるやつがあるか? 『統領』は大男のお人好しさを少し心配になってしまった。
「私は視察の移動中でな。あまり自由な時間がないのだよ。故に、処理するのも換金するのも現実的ではない。では、こうしようか、次に君たちと会う時があったら、私に飯でも奢ってくれればいい。それ以外は君たちに丸投げする手間賃だ」
「そうか……あんたがそう言うならそれで構わない。ギル、リリーもいいな?」
「もちろん」「うん」
何の意図があるのか、大男たちは疑問に思いつつも『統領』の提案を飲むことにした。
「それでは私はもう行く、またどこかで会おう。ニッグ!」
『統領』が空に向かって呼ぶと、一帯に影を落として巨大な何かが舞い降りてくる。
「くそ、なんてこった……」
「うそ……」
3人は地面にぺたりと座り込む。
トカゲの時とは違い、逃げるなんて行動をすることすら馬鹿馬鹿しいほどの絶望感。
地面で潰れているトカゲなんて比較にならないほどの巨体。
大気が軋むほどの魔力波動を、息苦しくなるほどの重圧を纏って、黒い死神を体現する者が現れたのだから
「ん? ああ、安心していいぞ。これは私の下僕(ペット)だ」
「ご主人。お迎えに来ましたー!」
『統領』はニッグの頭に乗り込むと、一言さらばだ、と言い残して飛び去って行った。
「あのひと、私たちを助けるためにわざわざ来てくれたんだね……」
「ああ、凄い人もいたもんだ。俺たちもああ成りたいぜ……」
「見知らぬ誰かを助けて、何の見返りも求めない。何という素晴らしい御仁か……」
座り込んだ3人は、『統領』と黒竜王の姿が見えなくなるまで呆然としていた。
「それより、これって絶対にギルドへ報告する必要あるよね? どうする?」
「見たままを報告するしかねぇだろ、信じてもらえんかもしれないけどな」
「まぁ報告したって誰も本当だと思わないよね」
「私は、いくらギルドに見たままを報告とは言っても、命の恩人であるボスさんを売るわけにはいかない。特に竜の情報は伏せるべきと思う。あの御仁に無用な迷惑をかけかねない」
「「賛成」」
軽装の男が提案した内容は即座に承認され、拠点としている街へ帰ろうかとしたところで、どうやって巨大トカゲを運べばいいのかということを思い出すのだった。
後日、彼らの持ち帰ったメタルアーマーリザードが引き金になって更なる騒動を起こすのはお約束だった。
ただし、1人は負傷して動けないようで、ひと際大きな男に担がれているようだった。
「ちくしょう! 何でこんな時期に、こんな場所に、Aランクのメタルアーマーリザードが出るんだ! 休眠期のはずだろうが!」
「ガル! そんなこと言っている場合じゃないでしょう!? 早く逃げないと! アリサが怪我した時点で私たちに勝ち目はゼロよ!」
「まずい、このままだと振り切れるどころか、運よく逃げ切れたとしても街まで案内してしまう。そうなったら、俺たちは弁明の余地もなく犯罪者だ」
「そんなこと、言われなくてもわかってるよ! でも、どうしようもねぇだろ! 大人しくエサになれっていうのかよ!?」
先頭を走るのは軽装の女、女を背負った重装の大男、軽装の男と続く。
その後を、体長10メートル程の巨大なトカゲが追いかけていた。
メタルアーマーリザード。分類は生物、爬虫類魔獣に該当する。
名前の通り、全身金属かと思うくらい強固な鱗に覆われたトカゲで、通常の金属製の武器では傷1つつけることができない。雑食で何でも食べる。体長は幼体で1メートル、成体で最大15メートル程。生まれた時から硬い。物理に強い反面、特定の属性攻撃に弱いが、対策がとれないパーティには逃げることしかできないため、エンカウントは絶望的である。
特記事項:目と口内以外の部位への被物理攻撃に99%のペナルティを付与。水氷以外の被属性攻撃に100%のボーナスを付与。微量のリジェネーションを保有。
移動速度は拮抗しているようなので、逃げる側の体力が続く限りは追いつかれることはないだろう。
「参ったな、なぜか魔獣避けも効果がないようだ。まさに万策尽きた感がある」
「不良品で、ぼったくられたんじゃねぇのか!?」
「そんなことはない。ギルドの公式ショップで購入しているから間違いなく効果は発揮しているはずだ。そうでなければ、ギルドの権威が地に落ちるからな」
「こんな時に、言い争いしてる場合!?」
しかし、現在トカゲは恐慌状態に陥っているため、冷静な判断ができていない。
本来であれば作用するはずの魔獣避けのアイテムもこの時ばかりは効果がなかった。
「仕方がない、2手に別れよう。お前たちは先に行け。私が足止めする」
「おい! まさか、てめぇ1人が犠牲になるつもりかよ! 俺たちは仲間だぞ!? それだったら2人で時間を稼いでリリーに行ってもらったほうがいいだろうが!」
「今回は、アリサがその状態だ。私一人が残るのが最善だ。独りなら私が最も動ける。引き付けている間に、出来れば助けを呼んできてくれ」
軽装の男が冷静に提案するが、重装の大男が頑として引かない。
しかし、後ろには狂ったように追いかけてくる巨大トカゲ。考える時間はあまり残されていなかった。
「くそが! 絶対に死ぬんじゃねぇぞ!? すぐ戻ってくるから……な?」
軽装の男の提案を渋々受け入れようとして、後ろを振り向いた大男。
それとほぼ同時に空から何かが落ちてきて、ズシンっと地響きを伴った重量音が響いた。
「「「はぁ!?」」」
そこで3人が見たもの。
その光景が俄かには信じられずに、切羽詰まった状況だったことを忘れて3人3様にマヌケな顔をして固まった。
「飛び降りたら、足元にいたトカゲが丁度クッションになってしまった。私は生き物が好きなのに、とても可哀想なことをしてしまったよ……ふう」
地面にめり込む巨体、物理攻撃が効かないはずのAランク魔獣が人間1人に踏みつぶされて瞬殺されてしまった。
この魔獣がどれだけ厄介かを知っている3人にとって、それはとても現実とは思えない光景だった。
それにしても、狙っておいて抜け抜けとどの口が言うのか。
「お前さん……一体、何者だ?」
「第一村人発見。何者だ、と言われてもな……仲間内からは『統領(ボス)』と呼ばれているぞ、私は」
踏みつぶしたトカゲの頭の上から降りながら、全身黒スーツにフルフェイスを被った変態こと『統領』は、それがさも当然だと言わんばかりに言い切った。
果てしなくツッコミどころ満載である。
「ボスさんか、俺たちを助けてくれたんだよな? ありがとう。仲間が1人やられていたところに予想外の魔獣に襲われて困っていたんだ。助かったよ」
「私は通りすがりにうっかりとそこにいたトカゲを踏みつぶしてしまっただけだ。君たちにとっての結果がそうなったに過ぎない。気にすることはない」
「そうか……すまないな」
「うむ」
助けたことを気に病まないように相手を気遣う。
この世界には珍しいほどの謙虚な御仁だと、大男たちは都合よくそう解釈した。
「それでだな……」
『統領』は、まず情報収集をすることにした。
この4人に近づいたのはそのためで、助けたのは自分に協力的になってほしかったからなのである。シメシメと思いながら不自然にならない範囲で聞き取りを行う。
実は、この巨大トカゲが休眠から目覚めたのは黒竜王ニッグ接近のせいで、トカゲが少しでも逃げようとしていたところを4人がたまたま遭遇したという経緯があった。
そこに偶然を装って助けに入り、恩を着せる。人、これをマッチポンプと言う。
「なるほど、な。ところで、そっちのケガをしている方は大丈夫なのか?」
「ああ、気を失っているだけで命に別状はない。そのうち気がつくさ」
「それは結構。それで、コレをどうする? ここに置いたままではダメだろう? 君たちさえ良ければ引き取ってくれないか?」
「ボスさん……正気か? いや、貶してるわけじゃない。こいつはAランク魔獣で硬くて軽い鱗や皮は防具に、牙や爪は武器にと売り先は引く手数多な代物だ。しかもほぼ欠損なく仕留められてるから相当の金額になるぞ?」
初めて会ったやつに、馬鹿正直にそれを教えるやつがあるか? 『統領』は大男のお人好しさを少し心配になってしまった。
「私は視察の移動中でな。あまり自由な時間がないのだよ。故に、処理するのも換金するのも現実的ではない。では、こうしようか、次に君たちと会う時があったら、私に飯でも奢ってくれればいい。それ以外は君たちに丸投げする手間賃だ」
「そうか……あんたがそう言うならそれで構わない。ギル、リリーもいいな?」
「もちろん」「うん」
何の意図があるのか、大男たちは疑問に思いつつも『統領』の提案を飲むことにした。
「それでは私はもう行く、またどこかで会おう。ニッグ!」
『統領』が空に向かって呼ぶと、一帯に影を落として巨大な何かが舞い降りてくる。
「くそ、なんてこった……」
「うそ……」
3人は地面にぺたりと座り込む。
トカゲの時とは違い、逃げるなんて行動をすることすら馬鹿馬鹿しいほどの絶望感。
地面で潰れているトカゲなんて比較にならないほどの巨体。
大気が軋むほどの魔力波動を、息苦しくなるほどの重圧を纏って、黒い死神を体現する者が現れたのだから
「ん? ああ、安心していいぞ。これは私の下僕(ペット)だ」
「ご主人。お迎えに来ましたー!」
『統領』はニッグの頭に乗り込むと、一言さらばだ、と言い残して飛び去って行った。
「あのひと、私たちを助けるためにわざわざ来てくれたんだね……」
「ああ、凄い人もいたもんだ。俺たちもああ成りたいぜ……」
「見知らぬ誰かを助けて、何の見返りも求めない。何という素晴らしい御仁か……」
座り込んだ3人は、『統領』と黒竜王の姿が見えなくなるまで呆然としていた。
「それより、これって絶対にギルドへ報告する必要あるよね? どうする?」
「見たままを報告するしかねぇだろ、信じてもらえんかもしれないけどな」
「まぁ報告したって誰も本当だと思わないよね」
「私は、いくらギルドに見たままを報告とは言っても、命の恩人であるボスさんを売るわけにはいかない。特に竜の情報は伏せるべきと思う。あの御仁に無用な迷惑をかけかねない」
「「賛成」」
軽装の男が提案した内容は即座に承認され、拠点としている街へ帰ろうかとしたところで、どうやって巨大トカゲを運べばいいのかということを思い出すのだった。
後日、彼らの持ち帰ったメタルアーマーリザードが引き金になって更なる騒動を起こすのはお約束だった。
0
あなたにおすすめの小説
異世界ビルメン~清掃スキルで召喚された俺、役立たずと蔑まれ投獄されたが、実は光の女神の使徒でした~
松永 恭
ファンタジー
三十三歳のビルメン、白石恭真(しらいし きょうま)。
異世界に召喚されたが、与えられたスキルは「清掃」。
「役立たず」と蔑まれ、牢獄に放り込まれる。
だがモップひと振りで汚れも瘴気も消す“浄化スキル”は規格外。
牢獄を光で満たした結果、強制釈放されることに。
やがて彼は知らされる。
その力は偶然ではなく、光の女神に選ばれし“使徒”の証だと――。
金髪エルフやクセ者たちと繰り広げる、
戦闘より掃除が多い異世界ライフ。
──これは、汚れと戦いながら世界を救う、
笑えて、ときにシリアスなおじさん清掃員の奮闘記である。
異世界転移から始まるハーレム生活〜チートスキルを貰った俺は、妹と共に無双する〜
昼寝部
ファンタジー
2XXX年、X月。
俺、水瀬アキトは戦争の絶えない地球で『戦場の悪魔』と呼ばれ、数多の戦で活躍していた。
そんな日々を過ごしていた俺は、ひょんなことから妹と一緒に異世界へ転移することになった。
その世界にはダンジョンが存在しており、ライトノベルなどで登場する世界観と類似していた。
俺たちはその世界で過ごすため女神様からチートスキルを貰い、冒険者となって異世界での生活を満喫することにした。
これは主人公の水瀬アキトと妹のカナデが異世界へ転移し、美少女たちに囲まれながら異世界で無双するお話し。
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
俺だけ永久リジェネな件 〜パーティーを追放されたポーション生成師の俺、ポーションがぶ飲みで得た無限回復スキルを何故かみんなに狙われてます!〜
早見羽流
ファンタジー
ポーション生成師のリックは、回復魔法使いのアリシアがパーティーに加入したことで、役たたずだと追放されてしまう。
食い物に困って余ったポーションを飲みまくっていたら、気づくとHPが自動で回復する「リジェネレーション」というユニークスキルを発現した!
しかし、そんな便利なスキルが放っておかれるわけもなく、はぐれ者の魔女、孤高の天才幼女、マッドサイエンティスト、魔女狩り集団、最強の仮面騎士、深窓の令嬢、王族、謎の巨乳魔術師、エルフetc、ヤバい奴らに狙われることに……。挙句の果てには人助けのために、危険な組織と対決することになって……?
「俺はただ平和に暮らしたいだけなんだぁぁぁぁぁ!!!」
そんなリックの叫びも虚しく、王国中を巻き込んだ動乱に巻き込まれていく。
無双あり、ざまぁあり、ハーレムあり、戦闘あり、友情も恋愛もありのドタバタファンタジー!
男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。
カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。
今年のメインイベントは受験、
あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。
だがそんな彼は飛行機が苦手だった。
電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?!
あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな?
急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。
さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?!
変なレアスキルや神具、
八百万(やおよろず)の神の加護。
レアチート盛りだくさん?!
半ばあたりシリアス
後半ざまぁ。
訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前
お腹がすいた時に食べたい食べ物など
思いついた名前とかをもじり、
なんとか、名前決めてます。
***
お名前使用してもいいよ💕っていう
心優しい方、教えて下さい🥺
悪役には使わないようにします、たぶん。
ちょっとオネェだったり、
アレ…だったりする程度です😁
すでに、使用オッケーしてくださった心優しい
皆様ありがとうございます😘
読んでくださる方や応援してくださる全てに
めっちゃ感謝を込めて💕
ありがとうございます💞
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる
仙道
ファンタジー
気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。 この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。 俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。 オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。 腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。 俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。 こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。
12/23 HOT男性向け1位
嵌められたオッサン冒険者、Sランクモンスター(幼体)に懐かれたので、その力で復讐しようと思います
ゆさま
ファンタジー
ベテランオッサン冒険者が、美少女パーティーにオヤジ狩りの標的にされてしまった。生死の境をさまよっていたら、Sランクモンスターに懐かれて……。
懐いたモンスターが成長し、美女に擬態できるようになって迫ってきます。どうするオッサン!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる