リアルにファンタジーのほうがやってきた! ~謎の異世界からやってきたのは健気で可愛いモフモフでした~

ねこのにくきう

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第1章 灰色の男はファンタジーな生き物と出会う

1-9 灰色の男はファンタジーな生き物と出会う①

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 時は進んで、地下の施設を案内してもらった3日後。今、俺がいるのは両親と住んでいた家だ。来たときは1人だったが、いま俺の腕の中には、一匹の犬?がいる。そう犬である。断言するが、これは犬である。見紛うことなく、犬である。・・・・・・・・

「司さん、司さん、今日のご飯はなんですか?・・・・わん?」

 つぶらな瞳を俺に向けて、ご飯をねだってくるのを除いたら、ただの犬といっても過言ではないだろう。くっ、最後に首をかしげやがった。なんて、なんてあざと可愛いやつなんだ。

 そう、一つ問題があるのである。こんなこと問題じゃないわけがない。なぜならば、この犬?が人間の言葉をしゃべってくるのである。・・・・・・俺はどうしたらいいと思う?

 なぜ、今こんな状況なのかというと、両親の家に着き、家の管理者を待っている間に、偶然見つけてしまったのだ。雨の日、両親の家の前に、汚い段ボール箱に入れられて犬が捨てられていた。そして、見捨てるには忍びなくて、ついつい拾ってしまったわけだ。この不可思議な犬?を。





 事の発端は3日前の朝に遡る。つまりは、施設説明の翌日の朝な。ここまでの経緯を軽く説明しておくと、地下施設の説明の後は、時間も遅かったため、夕食を軽くとって自分の部屋で休むことにした。頭の整理もしたかったし、正直、環境が変わりすぎて脳が考えることを拒絶しそうだったからだ。考え事は多かったが、その日はすぐに寝付いた。

 そして、次の日の朝、いつも通り、朝7時に起床し、兎神たちにあいさつを済ませる。朝食を食べている最中に、ぽつりと兎神が言ったのだ。

「本日の予定ですが、源様のお手紙にありましたように、一度ご両親の実家に行ってもらうことになります。そこで、ご実家を管理している方とお会い頂き、あるものを受け取ってきてください。現在、ご実家の管理については、その方に任せておりまして、1か月に1回は最低でも清掃などを行う契約になっております。具体的にいつにということは決めておらず、その方の裁量に任せております。先月は月初めにいらしたようですので、今回は最大で1週間も滞在頂けばお会いになれると思います。ご実家の近くまでは私が車でお送りいたします。また、私はお邪魔にならないようにご実家の近くで司様の護衛をいたしますので、ご心配なく。」

 その後、兎神の運転する車で数時間移動して、両親と住んでいた家についた。

「司様、ここでございますが、覚えていらっしゃいますか?ちなみに管理者の方は、家事に関して掃除はそれなりですが、料理は壊滅的だとか。ですので、ご実家には食料がないと思います。幸いにも付近にスーパーマーケットがございますので、そこで調達するとよいかと思います。資金は先ほどお渡しした中に入っておりますが、万が一、不足した場合は私にご連絡ください。それでは私は付近に控えておりますのでよろしくお願いいたします。」

 そう言って、車に乗って去っていった。一体どこにどうやって控えているのか、兎神のことだから、俺の気づかない位置で控えているのだろうが、監視されているようでとても不安である。

 それはさておき、5歳のときに両親が死ぬまで一緒に住んでいた家を眺める。

 もう両親が亡くなって13年はたつのに、相応の年月による風化は感じるものの、常時、人が住んでいないわりには綺麗だった。祖父が管理を手配してくれていたことに感謝だな。  
    
 その分、余計なこともしてくれたが。ちくしょうめ。

『あ、かわいい孫への最後のプレゼントに、お前に許嫁を決めておいた。わしの知り合いの娘でな。今はお前の両親の家の管理を頼んでおる。この手紙を読んだら、会いに行くと伝えてある。よろしく頼む。』

 あ、ちなみに祖父からの手紙のこの文章な、本当に本当に、大きなお世話だ。

 俺は祖父の手紙を読むまで、両親と暮らしていた家が当時そのままで残っていることを知らなかった。先日、奇しくもそんな内容を手紙で知り、さらには兎神にも俺の両親の家に行き、家の管理者に一度会うように言われ、さらに預けているという荷物を受け取ってくるように言われてここに至るというわけだ。

 まぁ、今のご時世、親が決めた許嫁なんぞ、真に受けていることもあるまい。適当に話をつけて、うやむやにしてしまえばいい。うん、そうしよう。さて、来るのはいったいどんなやつなのか。話のわかるやつだといいんだが。
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