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「やはり綺麗だ……タクミの体は……」
ハルはベッドの横に座り、全裸にした匠の体を眺めていた。
「どうした? 感じているのか?
初対面の男に見られて興奮したか……?」
腕を押さえつけられた痛みに呻き、脚を動かし体を捩る姿を見て、ハルはクスリと笑いながら、ゆっくりと胸に触れ、その先を指で弄んだ。
「……んっ……っ……触る……な……」
「……タクミ? もう忘れたのか?
そんな口を利いてもいいと誰が言った?」
ハルがそっと顔を近付ける。
「このビルにいる全ての人間の運命が、タクミの出方一つで決まる。
明日、笑っているか、泣いているか……それとも、もうこの世にいないか……。
全てタクミ次第だと言ったはずだが」
「そういえば……」
それを聞いていた老人が、思い出したようにハルに視線を向けた。
「あの馬鹿な男は放っておいて、よろしいので?」
「ん? ……ああ、あの委員長か。
構わん、どうせあそこから簡単には出られはしない。
それは浅葱も同じ事だ。急ぐことは無い。
今は……」
浅葱さんも、あの委員長の男も……やはり、皆、あのまま閉じ込められているのか……。
建物を制御したと言っていたが……下は今、どうなっているのか……。
匠はあの審議会場で見た4人の仲間の姿を思い出していた。
まさか、朝の子供達まであんな事に……。
「今はタクミだ。
私がどれほどこの時を待っていたか……」
ハルは匠をじっと見つめると、頬に両手を添え、覆うようにその唇を奪った。
「……!」
挿し込まれるハルの舌から逃れるように、僅かに体を捩り強く目を閉じる。
「良い子だ。大人しくする気になったようだな」
ハルは、悔しそうに目を閉じた匠の体に手を伸ばした。
唇を塞いだまま、その曝け出された匠のモノに指先で触れる。
「……ンッッ……!」
ビクンと体を震わせ匠の腰が反り上がる。
匠の腕を押さえる秘書の男は、目の前で行われるこの光景に言葉を失っていた。
そんな男の姿を、ハルは冷たい視線でチラリと伺い見た。
ふいに匠から指を離すと立ち上がり、男の後ろに回ると、背後から上着の中に手を突っ込み、まさぐり始める。
「な……何を……」
男が驚いた様子で振り返った。
「私がついさっき拾ったばかりのお前を、100パーセント信用したと思うのか?」
ハルの手は男の上着の中……銃を探していた。
「ここには無いようだな。
お前が本当はどういう男なのか、私は知らない。
そんなヤツの前でタクミを抱き、無防備な姿を曝すほど、私は御人好しではないし、馬鹿でもない。
お前が武器を持っていないのならそれでいい。
服従の姿勢を見せるなら尚更良いが……。
……先生、手伝ってください」
そう呼ばれ、ベッドの脇で興奮しきりに目を輝かせていた老人は、喜んで立ち上がった。
「はい、判っております。
こいつを剥いてしまえばよろしいのでしょう? ……ククッ……」
言うが早いか、老人の手は男の上着を脱がせ、シャツのボタンを外していく。
「……お……お待ちください……。
本当に武器など……!
それに逆らうような事は……!」
男は言いかけるが、ハルも老人も手を止めることは無い。
「お前はそのまましっかりタクミを押さえていろ。
絶対に手を離すなよ」
そう言われた男は無抵抗のまま、上半身を裸にさせられていた。
「銃は……無いようですな……」
老人が脱がせた服を探りながら言った。
ハルはベッドの横に座り、全裸にした匠の体を眺めていた。
「どうした? 感じているのか?
初対面の男に見られて興奮したか……?」
腕を押さえつけられた痛みに呻き、脚を動かし体を捩る姿を見て、ハルはクスリと笑いながら、ゆっくりと胸に触れ、その先を指で弄んだ。
「……んっ……っ……触る……な……」
「……タクミ? もう忘れたのか?
そんな口を利いてもいいと誰が言った?」
ハルがそっと顔を近付ける。
「このビルにいる全ての人間の運命が、タクミの出方一つで決まる。
明日、笑っているか、泣いているか……それとも、もうこの世にいないか……。
全てタクミ次第だと言ったはずだが」
「そういえば……」
それを聞いていた老人が、思い出したようにハルに視線を向けた。
「あの馬鹿な男は放っておいて、よろしいので?」
「ん? ……ああ、あの委員長か。
構わん、どうせあそこから簡単には出られはしない。
それは浅葱も同じ事だ。急ぐことは無い。
今は……」
浅葱さんも、あの委員長の男も……やはり、皆、あのまま閉じ込められているのか……。
建物を制御したと言っていたが……下は今、どうなっているのか……。
匠はあの審議会場で見た4人の仲間の姿を思い出していた。
まさか、朝の子供達まであんな事に……。
「今はタクミだ。
私がどれほどこの時を待っていたか……」
ハルは匠をじっと見つめると、頬に両手を添え、覆うようにその唇を奪った。
「……!」
挿し込まれるハルの舌から逃れるように、僅かに体を捩り強く目を閉じる。
「良い子だ。大人しくする気になったようだな」
ハルは、悔しそうに目を閉じた匠の体に手を伸ばした。
唇を塞いだまま、その曝け出された匠のモノに指先で触れる。
「……ンッッ……!」
ビクンと体を震わせ匠の腰が反り上がる。
匠の腕を押さえる秘書の男は、目の前で行われるこの光景に言葉を失っていた。
そんな男の姿を、ハルは冷たい視線でチラリと伺い見た。
ふいに匠から指を離すと立ち上がり、男の後ろに回ると、背後から上着の中に手を突っ込み、まさぐり始める。
「な……何を……」
男が驚いた様子で振り返った。
「私がついさっき拾ったばかりのお前を、100パーセント信用したと思うのか?」
ハルの手は男の上着の中……銃を探していた。
「ここには無いようだな。
お前が本当はどういう男なのか、私は知らない。
そんなヤツの前でタクミを抱き、無防備な姿を曝すほど、私は御人好しではないし、馬鹿でもない。
お前が武器を持っていないのならそれでいい。
服従の姿勢を見せるなら尚更良いが……。
……先生、手伝ってください」
そう呼ばれ、ベッドの脇で興奮しきりに目を輝かせていた老人は、喜んで立ち上がった。
「はい、判っております。
こいつを剥いてしまえばよろしいのでしょう? ……ククッ……」
言うが早いか、老人の手は男の上着を脱がせ、シャツのボタンを外していく。
「……お……お待ちください……。
本当に武器など……!
それに逆らうような事は……!」
男は言いかけるが、ハルも老人も手を止めることは無い。
「お前はそのまましっかりタクミを押さえていろ。
絶対に手を離すなよ」
そう言われた男は無抵抗のまま、上半身を裸にさせられていた。
「銃は……無いようですな……」
老人が脱がせた服を探りながら言った。
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