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第七話
文豪、恋の手ほどき?! その一
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カードを素早く展開する。
……あー。これは、どうしてこうなるかなぁ……
真帆は迷いながらも結果を伝える。あくまで占いは参考程度であり、意思決定するのは本人だからだ。
「あくまで占いで、数有る未来の中の可能性の一つとして聞いて頂けたらと思うのですが……」
(そうか、そう前置きされる、て事はやっぱり宜しくない結果なんだ……)
とみのりは感じながら、耳を傾ける。
「みのり先輩から告白と言う形を取りますと、お相手の方は一瞬嬉しく感じるものの、『そんな筈ない! きっと揶揄われてるんだ』と感じたり『もし仮に付き合ったら、こんな人だと思わなかった、と失望されて愛想をつかされたらどうしよう』などと感じてしまい、断ってしまう、と出ています」
「えっ? それって、何だかなぁ……。自分に相当自信が無い方なのかしら?」
「まぁ、そうですねぇ。この占いでは、そこまでは分りませんけれども、恐らく何か過去に傷つくような事があったのかな、と推測されますね。……それで、アドバイスなのですが、友人や仲間の手を借りる。時には小狡い手も必要、と出てるんですよね」
「小狡い?」
「はい。アドバイスを示す位置に、『悪魔・正位置』『ペンタクル3・正位置』で出てまして。この場合、二つ合わせて解釈するとそうなるんですよ」
……もう一つの意味は、人では無いものに協力を仰げ、と解釈出来るけど、まさかねぇ。ファンタジー小説や漫画じゃあるまいし……
内心ではどうアドバイスを進めるべきか迷う真帆。その時真帆の左隣にふわりを舞いおりる紺色の影。その名を呼ぼうとする真帆の口元に右手人差し指を軽く当て、笑顔で話しかける太宰。
『シー、だよ。真帆ちゃんにしか視聞き出来ないように調整しているから。悪いけど、少し前から話しを聞かせて貰ってたんだ。それでね。その人ではないものからの協力だけど、僕たちの事だよ、きっと』
真帆は半ば呆れながら、心の中で会話をする。
『……て、こんなプライベートなお話、いくら太宰先生でも……』
「仲間って……ここのスタッフの事かなぁ?」
真帆が太宰に軽く厚誼をしようとしたのと同時に。何も知らないみのりが問いかける。まら、自分の事で手一杯で、少々真帆が落ち着かない行動をしていても目には入らない。
「ここのスタッフ、ですか?」
「うん。だってね、だってね……」
みのりは頬を真っ赤に染めつつ、照れくさそうに話す。
「私が気になる人、て……実はね、蒼介さんなんだもの」
「え、えーーー? そ、そうだんったんですか?」
全く予想外の台詞に真帆が驚きの声を上げるのと、
『ほらね? 蒼介君とは少し話しをしたんだ』
と言って満面の笑みを浮かべる太宰。
『あまりプライベートな事に首を突っ込まない方が良いぞ、と私は言ってるんだがね』
と、困ったように真帆を見つめる芥川龍之介が、太宰の少し後ろに立っていた。
ピピ、ピピ、ピピ……
そこでタイミング良くアラームが鳴る。休憩が終わる15分前に設定しているのだ。そこから休憩が終わるまでに歯磨きをしたり、メイクを直したりして仕事に備える。これは休憩室に置かれているタイマーだ。大抵のスタッフはこれを使用して食事を早く済ませ、仮眠を取ったりする。みのりは茜色に火照る頬を右手で多いながら、左手でアラームを止めるとサッと立ち上がった。
「ありがとね! また改めて相談に乗ってね」
「あ、はい。勿論です」
「と、取りあえず、一旦忘れて」
というと、みのりはメイクや歯ブラシ等が入ったポーチを持って従業員専用の洗面所に走った。
(本当に、蒼介先輩……私の事……だったらいいなぁ。真帆ちゃんの占いは当たるもの。でも、先輩……私に気のある素振りなんて一度も見せた事ないんだよねぇ。どの道、私から告白なんて無理だな)
と思いながら。
『詳しくはさ、夜の休憩時間の時に話すよ。取りあえずね、蒼介君の方は僕が話しを聞いておいたんだ。さっき真帆ちゃんが占ってた「人では無いものの助け・協力」て、僕たちの事だよきっと。みのりちゃんも彼の事を好きだったなんて! これは是非とも二人にはくっついて貰わなきゃ。そこで、真帆ちゃんとも段取りを相談しやすいし』
太宰は素早く説明する。
『おいおい、そうなったらいっそ、オーナー夫妻や……えーと、彰仁君か、彼もみんなで相談して計画した方がより上手く行くんじゃないか? 奥手そうな二人だし、特に彼の方は色々と抱えてそうだから』
芥川は新案顔で切り出した。
……写真の通りだ。何か考え込む時って、顎に手をやるのね、芥川先生。いつの間にか、太宰先生と仲良しになってるし……
あまりに突然の事で、思考の整理が追いつかない真帆はぼんやりとそんな事を思いながら、
「分かりました。取りあえず、仕事に戻ります」
歯磨きとメイク直しをしようと席を立った。
……あー。これは、どうしてこうなるかなぁ……
真帆は迷いながらも結果を伝える。あくまで占いは参考程度であり、意思決定するのは本人だからだ。
「あくまで占いで、数有る未来の中の可能性の一つとして聞いて頂けたらと思うのですが……」
(そうか、そう前置きされる、て事はやっぱり宜しくない結果なんだ……)
とみのりは感じながら、耳を傾ける。
「みのり先輩から告白と言う形を取りますと、お相手の方は一瞬嬉しく感じるものの、『そんな筈ない! きっと揶揄われてるんだ』と感じたり『もし仮に付き合ったら、こんな人だと思わなかった、と失望されて愛想をつかされたらどうしよう』などと感じてしまい、断ってしまう、と出ています」
「えっ? それって、何だかなぁ……。自分に相当自信が無い方なのかしら?」
「まぁ、そうですねぇ。この占いでは、そこまでは分りませんけれども、恐らく何か過去に傷つくような事があったのかな、と推測されますね。……それで、アドバイスなのですが、友人や仲間の手を借りる。時には小狡い手も必要、と出てるんですよね」
「小狡い?」
「はい。アドバイスを示す位置に、『悪魔・正位置』『ペンタクル3・正位置』で出てまして。この場合、二つ合わせて解釈するとそうなるんですよ」
……もう一つの意味は、人では無いものに協力を仰げ、と解釈出来るけど、まさかねぇ。ファンタジー小説や漫画じゃあるまいし……
内心ではどうアドバイスを進めるべきか迷う真帆。その時真帆の左隣にふわりを舞いおりる紺色の影。その名を呼ぼうとする真帆の口元に右手人差し指を軽く当て、笑顔で話しかける太宰。
『シー、だよ。真帆ちゃんにしか視聞き出来ないように調整しているから。悪いけど、少し前から話しを聞かせて貰ってたんだ。それでね。その人ではないものからの協力だけど、僕たちの事だよ、きっと』
真帆は半ば呆れながら、心の中で会話をする。
『……て、こんなプライベートなお話、いくら太宰先生でも……』
「仲間って……ここのスタッフの事かなぁ?」
真帆が太宰に軽く厚誼をしようとしたのと同時に。何も知らないみのりが問いかける。まら、自分の事で手一杯で、少々真帆が落ち着かない行動をしていても目には入らない。
「ここのスタッフ、ですか?」
「うん。だってね、だってね……」
みのりは頬を真っ赤に染めつつ、照れくさそうに話す。
「私が気になる人、て……実はね、蒼介さんなんだもの」
「え、えーーー? そ、そうだんったんですか?」
全く予想外の台詞に真帆が驚きの声を上げるのと、
『ほらね? 蒼介君とは少し話しをしたんだ』
と言って満面の笑みを浮かべる太宰。
『あまりプライベートな事に首を突っ込まない方が良いぞ、と私は言ってるんだがね』
と、困ったように真帆を見つめる芥川龍之介が、太宰の少し後ろに立っていた。
ピピ、ピピ、ピピ……
そこでタイミング良くアラームが鳴る。休憩が終わる15分前に設定しているのだ。そこから休憩が終わるまでに歯磨きをしたり、メイクを直したりして仕事に備える。これは休憩室に置かれているタイマーだ。大抵のスタッフはこれを使用して食事を早く済ませ、仮眠を取ったりする。みのりは茜色に火照る頬を右手で多いながら、左手でアラームを止めるとサッと立ち上がった。
「ありがとね! また改めて相談に乗ってね」
「あ、はい。勿論です」
「と、取りあえず、一旦忘れて」
というと、みのりはメイクや歯ブラシ等が入ったポーチを持って従業員専用の洗面所に走った。
(本当に、蒼介先輩……私の事……だったらいいなぁ。真帆ちゃんの占いは当たるもの。でも、先輩……私に気のある素振りなんて一度も見せた事ないんだよねぇ。どの道、私から告白なんて無理だな)
と思いながら。
『詳しくはさ、夜の休憩時間の時に話すよ。取りあえずね、蒼介君の方は僕が話しを聞いておいたんだ。さっき真帆ちゃんが占ってた「人では無いものの助け・協力」て、僕たちの事だよきっと。みのりちゃんも彼の事を好きだったなんて! これは是非とも二人にはくっついて貰わなきゃ。そこで、真帆ちゃんとも段取りを相談しやすいし』
太宰は素早く説明する。
『おいおい、そうなったらいっそ、オーナー夫妻や……えーと、彰仁君か、彼もみんなで相談して計画した方がより上手く行くんじゃないか? 奥手そうな二人だし、特に彼の方は色々と抱えてそうだから』
芥川は新案顔で切り出した。
……写真の通りだ。何か考え込む時って、顎に手をやるのね、芥川先生。いつの間にか、太宰先生と仲良しになってるし……
あまりに突然の事で、思考の整理が追いつかない真帆はぼんやりとそんな事を思いながら、
「分かりました。取りあえず、仕事に戻ります」
歯磨きとメイク直しをしようと席を立った。
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