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第一章 一人ぼっち
第八話 帰りを待ってくれてる人がいるのは幸せなことなんだね
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新しい朝が来た!……と元気には行かない。身体の節々が痛い……床で寝たせいだ。
マウは僕の腕の中で丸まっている。僕の寝相が悪くなくて良かった……。
……。お腹が空いているせいで力が入らない……気がする。
マウが起きた。ん?……何だろ……外を見ているけど……。あ、誰か来たみたいだ。
「神様。どうかお願いします。ウチの猫に帰ってくるよう伝えて下さい」
来た!昨日の子だ。……。今更だけど、学校に通ってるんだよね。ランドセル背負ってるから登校の途中に寄ったみたいだ。
あの子が昨日昼頃に来たことを考えると、今日は月曜日かな……?僕も本当だったら高校に通ってたんだよね……休みでも全然得をした気がしない。
「ミカちゃん。それじゃ神様分からないんじゃない?」
「えっ? そうかな……」
「猫ちゃんの名前も教えないと。それと赤ちゃんがお腹にいたことも……」
「……。そうだね。ありがとう、ユキちゃん」
今回は飼い主の女の子だけじゃなく友達も一緒みたいだ。ミカって子はどこかおっとりしてる印象があるお下げ髪の子。ユキって子は活発そうなポニーテール。
二人はバラバラな作法で柏手を打って賽銭を投げ入れた。
「神様。ウチの猫……レモンを見付けて下さい。そしてウチに帰るように言って下さい」
「神様。ミカちゃんのウチの猫をお願いします」
………。取り敢えず僕は神様じゃないとだけ言いたいけど、どうせ聞こえないか。
とにかく、この機会を逃しちゃいけない。僕は急いでペンを走らせた後、行動を開始した。
女の子達が帰ろうと背を向けた瞬間、本坪鈴を鳴らす。流石に驚いたみたいだ。ゴメンね。そして二人が振り返ったのを確認してから、改めて葉っぱを一枚宙で手放した。
「えっ! な、何?」
「今……何もないところから葉っぱが出たよね、ミカちゃん……」
「う、うん……」
とんだ心霊現象を体験させちゃったな……でも、これは君の願いでもあるし許してね。
「この葉っぱ、何か書いてあるよ?」
「本当だ。え~っと……『ネコの居場所を教える。放課後また来て』だって……。えぇっ! もしかして、か、神様?」
違いますよ~?でも、勘違いされてるなら都合が良いかな。
「ど、どうしよう、ユキちゃん……」
「どうしようって……か、神様なら信じても大丈夫じゃないかな?」
「でも、神様のフリをした悪いものかもしれないし……」
怪しい人に付いて行ってはいけません!の神様バージョンかな?うぅ~ん……ま、まぁ、普通は警戒するかな。僕なら多分怖くてダッシュで逃げてたと思うし。
その点ではこの子達、胆が座ってるなぁ。子供ならではの順応性だろうか?
仕方無い。もう一枚……。
「あっ! また葉っぱが……」
「今度は何て書いてあるの?」
「え~っとね………」
『学校に遅刻する。放課後、またここに』
「…………」
「……ミカちゃん! 学校!」
「そうだった!」
女の子二人は早足で神社を出ていった。
「……さて。マウは朝御飯食べて来て。僕は葉っぱをもっと集めに公園に行くね。あの猫……レモンの様子も見てくるから、後から来てくれる?」
「…………」
ゴロゴロと喉を鳴らしたマウはどこか申し訳無さそうに去って行った。
空腹を誤魔化す為に神社の水道で水をお腹に流し込む。あの親子ネコを無事に返したら本格的に食べ物を何とかしないと……。
そうして向かった公園で葉っぱを拾い集めながら、親トラ猫──レモンの元に向かう。
僕だけだったからレモンはかなり警戒していたけど、その内マウがやって来たから警戒を解いてくれた。今回のお土産は白身魚のフライ。揚げ物多いな……マウの行き付けは惣菜屋さんかな?
白身魚は衣を剥がしてレモンに進呈。レモンはもの凄い勢いで食べている。子供が小さいから動けないんだよね……良く頑張ったね。もうすぐ帰れるよ。
もし帰れない時は神社まで運ぼう。この公園よりはずっと安全だから。もし子供が連れ帰れないって話になっても、あの神社に神主が居るなら飼い主を見付けてくれると信じよう。
神社に戻る途中、図書館に寄り色々調べてみた。神社の御神体は僕の元いた世界と同じで社の中にあって然るべきみたい。そして猫にはやっぱり油ものは良くないそうだ。
この世界の学校制度は僕の元いた世界と大体同じ。そして、宗教……神道、仏教、海外発祥の各種宗派加えてもう一つ『命界万象教』っていうのがある。
世にある全ては命で繋がり、命の価値に差はない。植物も動物も皆等価値で尊いという教え……らしい。弱肉強食は否定しないけど人間はより高い霊格があるから調製役にならねばいけないという考えだった。
正直、宗教には興味がない。皆が優しく暮らせるなら宗教を否定もしない。でも、神様の言葉を騙りながら人を利用した金儲けや、権力に絡むものは大嫌いだ。
幸い『命界万象教』は悪い宗教じゃないっぽい。時折街で見掛ける民族衣装の人達は『命界万象教』……略して【命界教】の信徒らしい。
あ……あと、この世界の各国は基本的にカード決済と現金決済が半々くらいの割合で使われてるみたいだった。個人で登録されたカードへのチャージは子供すら対象にされている。その為の機材やセキュリティが各家庭にあるという徹底さ。
全部カードじゃない理由は、電気系統がダウンした際に経済が止まらない様にする為とのこと。まあ、何にでも完璧は無いからね……。
………。今の僕にはどのみち関係無いか……。
マウは僕の腕の中で丸まっている。僕の寝相が悪くなくて良かった……。
……。お腹が空いているせいで力が入らない……気がする。
マウが起きた。ん?……何だろ……外を見ているけど……。あ、誰か来たみたいだ。
「神様。どうかお願いします。ウチの猫に帰ってくるよう伝えて下さい」
来た!昨日の子だ。……。今更だけど、学校に通ってるんだよね。ランドセル背負ってるから登校の途中に寄ったみたいだ。
あの子が昨日昼頃に来たことを考えると、今日は月曜日かな……?僕も本当だったら高校に通ってたんだよね……休みでも全然得をした気がしない。
「ミカちゃん。それじゃ神様分からないんじゃない?」
「えっ? そうかな……」
「猫ちゃんの名前も教えないと。それと赤ちゃんがお腹にいたことも……」
「……。そうだね。ありがとう、ユキちゃん」
今回は飼い主の女の子だけじゃなく友達も一緒みたいだ。ミカって子はどこかおっとりしてる印象があるお下げ髪の子。ユキって子は活発そうなポニーテール。
二人はバラバラな作法で柏手を打って賽銭を投げ入れた。
「神様。ウチの猫……レモンを見付けて下さい。そしてウチに帰るように言って下さい」
「神様。ミカちゃんのウチの猫をお願いします」
………。取り敢えず僕は神様じゃないとだけ言いたいけど、どうせ聞こえないか。
とにかく、この機会を逃しちゃいけない。僕は急いでペンを走らせた後、行動を開始した。
女の子達が帰ろうと背を向けた瞬間、本坪鈴を鳴らす。流石に驚いたみたいだ。ゴメンね。そして二人が振り返ったのを確認してから、改めて葉っぱを一枚宙で手放した。
「えっ! な、何?」
「今……何もないところから葉っぱが出たよね、ミカちゃん……」
「う、うん……」
とんだ心霊現象を体験させちゃったな……でも、これは君の願いでもあるし許してね。
「この葉っぱ、何か書いてあるよ?」
「本当だ。え~っと……『ネコの居場所を教える。放課後また来て』だって……。えぇっ! もしかして、か、神様?」
違いますよ~?でも、勘違いされてるなら都合が良いかな。
「ど、どうしよう、ユキちゃん……」
「どうしようって……か、神様なら信じても大丈夫じゃないかな?」
「でも、神様のフリをした悪いものかもしれないし……」
怪しい人に付いて行ってはいけません!の神様バージョンかな?うぅ~ん……ま、まぁ、普通は警戒するかな。僕なら多分怖くてダッシュで逃げてたと思うし。
その点ではこの子達、胆が座ってるなぁ。子供ならではの順応性だろうか?
仕方無い。もう一枚……。
「あっ! また葉っぱが……」
「今度は何て書いてあるの?」
「え~っとね………」
『学校に遅刻する。放課後、またここに』
「…………」
「……ミカちゃん! 学校!」
「そうだった!」
女の子二人は早足で神社を出ていった。
「……さて。マウは朝御飯食べて来て。僕は葉っぱをもっと集めに公園に行くね。あの猫……レモンの様子も見てくるから、後から来てくれる?」
「…………」
ゴロゴロと喉を鳴らしたマウはどこか申し訳無さそうに去って行った。
空腹を誤魔化す為に神社の水道で水をお腹に流し込む。あの親子ネコを無事に返したら本格的に食べ物を何とかしないと……。
そうして向かった公園で葉っぱを拾い集めながら、親トラ猫──レモンの元に向かう。
僕だけだったからレモンはかなり警戒していたけど、その内マウがやって来たから警戒を解いてくれた。今回のお土産は白身魚のフライ。揚げ物多いな……マウの行き付けは惣菜屋さんかな?
白身魚は衣を剥がしてレモンに進呈。レモンはもの凄い勢いで食べている。子供が小さいから動けないんだよね……良く頑張ったね。もうすぐ帰れるよ。
もし帰れない時は神社まで運ぼう。この公園よりはずっと安全だから。もし子供が連れ帰れないって話になっても、あの神社に神主が居るなら飼い主を見付けてくれると信じよう。
神社に戻る途中、図書館に寄り色々調べてみた。神社の御神体は僕の元いた世界と同じで社の中にあって然るべきみたい。そして猫にはやっぱり油ものは良くないそうだ。
この世界の学校制度は僕の元いた世界と大体同じ。そして、宗教……神道、仏教、海外発祥の各種宗派加えてもう一つ『命界万象教』っていうのがある。
世にある全ては命で繋がり、命の価値に差はない。植物も動物も皆等価値で尊いという教え……らしい。弱肉強食は否定しないけど人間はより高い霊格があるから調製役にならねばいけないという考えだった。
正直、宗教には興味がない。皆が優しく暮らせるなら宗教を否定もしない。でも、神様の言葉を騙りながら人を利用した金儲けや、権力に絡むものは大嫌いだ。
幸い『命界万象教』は悪い宗教じゃないっぽい。時折街で見掛ける民族衣装の人達は『命界万象教』……略して【命界教】の信徒らしい。
あ……あと、この世界の各国は基本的にカード決済と現金決済が半々くらいの割合で使われてるみたいだった。個人で登録されたカードへのチャージは子供すら対象にされている。その為の機材やセキュリティが各家庭にあるという徹底さ。
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