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第一章 一人ぼっち
第十二話 特別であることを望まなくても特別なことは起こる
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神の眷族……そう言われても全くピンと来ない。その前に僕は何も変わってない気がするんだけど……。
「そういえば神様……」
「今はお前ぇさんも神の端くれだぜ?」
「じ、じゃあ、何て呼べば……」
「ギデリ、若しくはアニキだな」
「……。じゃ、じゃあ、ギデリさん……。僕、転生じゃなかったですよね? 年齢も姿もそのままだったし……」
「いや……アレはな?」
神様……ギデリさんの話では、赤ン坊に転生する直前に神の眷族を取り込んだから転生にならなかったらしい。
「とはいえ、一応は転生だぜ? 『人から人』じゃなく『人から神族』に……だがな?」
「……でも僕、何の力も無かったですよ?」
「ん~……まぁな。実はお前ぇさんには《認識率操作》ってのと《指定対象保護》、あと《運命開拓》って恩恵を授けたんだがな。神化したせいで効果が変化──ってか暴走しちまったんだろうぜ。代わりにひたすら頑丈な身体を得た訳だ」
「その結果が誰にも気付かれないホームレスですか……嫌がらせされたのかと」
「カッカッカ。因みにあの神社はお前ぇさんの転生予定先の近くだった」
「………」
じゃあ、僕が宿る筈だった赤ん坊は……。
「心配すんな。ちゃんと別の魂が宿ってらぁな。あの時はちっと急いでたからな……適当になっちまったが、今度は兄弟分だから最低限の生活は用意してやる。そこで、だ……」
ギデリさんは葉巻を思い切り吸い込み僕に向けて吐き出した。別段煙くはない……。
「現時点でのお前ぇさんは最低辺の神……力も能力もろくすっぽ使えねぇ頑丈なだけな存在よ。神が格を上げるには信仰を増やさにゃならん。人間の意思エネルギーがその神の力を高める素だからな」
「それって、信者を勧誘しろってことですか?」
「ハッハッハ。違う違う。俺はな? 【カルムンド】はお前ぇさんに任せることにした。今後、お前ぇさんはカルムンドの神だ。あの世界を正しく導くのはお前ぇさんの責務って奴よ。と言う訳であの神社はくれてやるから拠点に使ってくれや」
拠点と言われても……。それに神の責務なんて重すぎる。考えようによっては野宿のが楽かな……。
「おいおい……。今更無かったは利かねぇぜ?」
「でも、どうやったら……」
「具体的にはだな? 参拝する奴を助けて願いを成就させると感謝されて意思エネルギー力が貯まる。ある程度貯まったらお前さんの好きな能力を創りゃいい。その時期ややり方は感覚で判る筈だ」
「……何かゲームみたいですね」
「正当な労働に対して正当な対価って奴よ。ま、簡単にはいかんぜ? 只でさえお前ぇさんは気付かれない身体のまんまだからな?」
「………。はい?」
何やら大変な言葉が聞こえたような……。
「さっき言ったろ? お前ぇさんへの恩恵は暴走してるって。神になった時点でソイツは恩恵じゃなくお前ぇさんの力になっちまった。だが、お前ぇさんは全く使い熟せてねぇ。こればっかりは俺じゃ治してやれねぇんだわ。自力で調整できるようにならにゃあな?」
つまり、またしばらくは見えない生活か……。ハハハ……ハァ~。
「クックック……代わりに助言をやる。お前ぇさんのモノになった神社の賽銭箱は、そのままお前ぇさんの収入になる。で……金ってのは巡るモノ──つまり、多くと繋がるモンでもある。賽銭箱の金に直に触れりゃあ、恐らく投げ銭した奴には見える筈だ。長くは持たんだろうけどな?」
「じゃ、じゃあ、会話くらいは……」
「出来るぜ? まぁそれも認識から消えるまでの間だろうがな。効果の時間は自分で調べることだ。何せ珍しいからな……人間が神を取り込んで神化するのはな」
珍しい……か。転生する前は本当に平凡だった筈なのに何があるか分からないなぁ。
「そう言えばギデリさん……僕の姿は何で猫にだけ見えたんでしょうか?」
「【カルムンド】の猫は全体的に魂の格が高ぇんだよ。だから知能も高い。一応言っとくが、あの世界にゃ妖精もいる」
「妖精……」
「会っただろ? 馬鹿デカイ黒猫に……。人間だと無理だが、神化してるお前になら困った時ぁ力になってくれるぜ?」
成る程。だから協力してくれたのかな……。でも、マウの説得が無ければ分からなかったかも……。
「と、まぁそんなトコだな。他に何かあるか?」
「いえ……。あ、あの……食事に関しては……」
「その身体だから食わなくても死ぬこたぁねぇ。が、地に降りてる時点でエネルギーは使うことになる。確かに空腹は辛ぇわな? 取り敢えず賽銭箱の金で飯を食え。これからは頑張って自分の食い扶持は稼がねぇとな?」
「………はい」
働かざるもの食うべからず……神化してもそれは変わらないみたいだ。
取り敢えず、帰ったらマウに何か御馳走を買ってあげよう。心配もさせちゃったし……。
「さて……そんじゃ送るぜ?」
「はい。色々ありがとうございました」
「おう、気にすんな。またな、兄弟」
ギデリさんが指を鳴らすと、僕はソファーに座ったまま高速で移動を始めた。あっという間にギデリさんは見えなくなる。
初めて見るけど遠退く景色に光が集まって行く。あれは星?瞬く間に眼前に銀河が生まれた。
………。神化か……。しかも見えないのは以前と変わらないって……ツイているのかツイてないのか……。
ともかく、今は早くマウに会いたい。そして一緒にご飯を食べるんだ。
「そういえば神様……」
「今はお前ぇさんも神の端くれだぜ?」
「じ、じゃあ、何て呼べば……」
「ギデリ、若しくはアニキだな」
「……。じゃ、じゃあ、ギデリさん……。僕、転生じゃなかったですよね? 年齢も姿もそのままだったし……」
「いや……アレはな?」
神様……ギデリさんの話では、赤ン坊に転生する直前に神の眷族を取り込んだから転生にならなかったらしい。
「とはいえ、一応は転生だぜ? 『人から人』じゃなく『人から神族』に……だがな?」
「……でも僕、何の力も無かったですよ?」
「ん~……まぁな。実はお前ぇさんには《認識率操作》ってのと《指定対象保護》、あと《運命開拓》って恩恵を授けたんだがな。神化したせいで効果が変化──ってか暴走しちまったんだろうぜ。代わりにひたすら頑丈な身体を得た訳だ」
「その結果が誰にも気付かれないホームレスですか……嫌がらせされたのかと」
「カッカッカ。因みにあの神社はお前ぇさんの転生予定先の近くだった」
「………」
じゃあ、僕が宿る筈だった赤ん坊は……。
「心配すんな。ちゃんと別の魂が宿ってらぁな。あの時はちっと急いでたからな……適当になっちまったが、今度は兄弟分だから最低限の生活は用意してやる。そこで、だ……」
ギデリさんは葉巻を思い切り吸い込み僕に向けて吐き出した。別段煙くはない……。
「現時点でのお前ぇさんは最低辺の神……力も能力もろくすっぽ使えねぇ頑丈なだけな存在よ。神が格を上げるには信仰を増やさにゃならん。人間の意思エネルギーがその神の力を高める素だからな」
「それって、信者を勧誘しろってことですか?」
「ハッハッハ。違う違う。俺はな? 【カルムンド】はお前ぇさんに任せることにした。今後、お前ぇさんはカルムンドの神だ。あの世界を正しく導くのはお前ぇさんの責務って奴よ。と言う訳であの神社はくれてやるから拠点に使ってくれや」
拠点と言われても……。それに神の責務なんて重すぎる。考えようによっては野宿のが楽かな……。
「おいおい……。今更無かったは利かねぇぜ?」
「でも、どうやったら……」
「具体的にはだな? 参拝する奴を助けて願いを成就させると感謝されて意思エネルギー力が貯まる。ある程度貯まったらお前さんの好きな能力を創りゃいい。その時期ややり方は感覚で判る筈だ」
「……何かゲームみたいですね」
「正当な労働に対して正当な対価って奴よ。ま、簡単にはいかんぜ? 只でさえお前ぇさんは気付かれない身体のまんまだからな?」
「………。はい?」
何やら大変な言葉が聞こえたような……。
「さっき言ったろ? お前ぇさんへの恩恵は暴走してるって。神になった時点でソイツは恩恵じゃなくお前ぇさんの力になっちまった。だが、お前ぇさんは全く使い熟せてねぇ。こればっかりは俺じゃ治してやれねぇんだわ。自力で調整できるようにならにゃあな?」
つまり、またしばらくは見えない生活か……。ハハハ……ハァ~。
「クックック……代わりに助言をやる。お前ぇさんのモノになった神社の賽銭箱は、そのままお前ぇさんの収入になる。で……金ってのは巡るモノ──つまり、多くと繋がるモンでもある。賽銭箱の金に直に触れりゃあ、恐らく投げ銭した奴には見える筈だ。長くは持たんだろうけどな?」
「じゃ、じゃあ、会話くらいは……」
「出来るぜ? まぁそれも認識から消えるまでの間だろうがな。効果の時間は自分で調べることだ。何せ珍しいからな……人間が神を取り込んで神化するのはな」
珍しい……か。転生する前は本当に平凡だった筈なのに何があるか分からないなぁ。
「そう言えばギデリさん……僕の姿は何で猫にだけ見えたんでしょうか?」
「【カルムンド】の猫は全体的に魂の格が高ぇんだよ。だから知能も高い。一応言っとくが、あの世界にゃ妖精もいる」
「妖精……」
「会っただろ? 馬鹿デカイ黒猫に……。人間だと無理だが、神化してるお前になら困った時ぁ力になってくれるぜ?」
成る程。だから協力してくれたのかな……。でも、マウの説得が無ければ分からなかったかも……。
「と、まぁそんなトコだな。他に何かあるか?」
「いえ……。あ、あの……食事に関しては……」
「その身体だから食わなくても死ぬこたぁねぇ。が、地に降りてる時点でエネルギーは使うことになる。確かに空腹は辛ぇわな? 取り敢えず賽銭箱の金で飯を食え。これからは頑張って自分の食い扶持は稼がねぇとな?」
「………はい」
働かざるもの食うべからず……神化してもそれは変わらないみたいだ。
取り敢えず、帰ったらマウに何か御馳走を買ってあげよう。心配もさせちゃったし……。
「さて……そんじゃ送るぜ?」
「はい。色々ありがとうございました」
「おう、気にすんな。またな、兄弟」
ギデリさんが指を鳴らすと、僕はソファーに座ったまま高速で移動を始めた。あっという間にギデリさんは見えなくなる。
初めて見るけど遠退く景色に光が集まって行く。あれは星?瞬く間に眼前に銀河が生まれた。
………。神化か……。しかも見えないのは以前と変わらないって……ツイているのかツイてないのか……。
ともかく、今は早くマウに会いたい。そして一緒にご飯を食べるんだ。
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