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敵情視察のために
しおりを挟む「リアマリア、本気で言っているのか?」
「はい、お父様」
お父様もギル王子もわたしが言い出すなんて思っていなかったようで驚いている。
お父様が聞き返してくるがはっきりした声で頷くと頭を抱えてしまった。
「リアマリア皇女、無理に来ていただく必要は…」
「無理にじゃありませんわ。少し…調べたいことがあるんですの」
お父様からしたら不安になるのも無理はない。王国のエドワード王は冷酷王と呼ばれているらしいから。帝国にも入ってくるほど、悪名高い王のいる国に、何かあったときのことを考えると行かせたくないのだと思う。……あれ、それならどうしてギル王子を婚約者にしたんだろう…。
お父様はギル王子と懇意にしているし、わたしの知らない何かがあることはわかるけど。
「調べたいこととは?」
「それは……」
お父様の質問に言い淀んでしまう。前世の関係を調べたい、なんて言えるわけもない。言ってもきっと、信じてくれないだろう。わたしだって信じきれていない部分もあるのだから。
黙って俯くわたしに、お父様は深く溜め息を吐き出して。
「婚約関係であり…和平を結んでいるとはいえ、送り出せん」
「そうですか…」
ギル王子の目の前だが危険な場所だと言ってもいいのだろうか。だがギル王子もお父様と同じ意見のようで頷いていた。
「調べものがあるのでしたら私が代わりに探しますよ」
「い、いえ、お手を煩わせるわけにはいきませんから」
わたしの前世…ジリアナの周辺についてギル王子に頼むわけにはいかない。首を横に振ってお断りをしておく。
「では、わたしはこれで失礼しますね」
一度頭を下げてからその場を後にする。
…帝国から王国へは、ギル王子が来るとき以外は行き来がない。それならば――
「動きやすい服、あったかしら」
お父様、リアマリアは少しだけ反抗期になります。
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