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敵国に生まれ変わったのだから…
しおりを挟む「リア!」
見知った顔の兵士に連れられて城に戻ったとき、真っ青な顔をしたギル王子が駆け寄ってきて、両腕で抱きしめられる。くっ付いた体が僅かに震えていて、かなりの心配を掛けてしまったことに気付いて申し訳なくなってしまった。
「良かった…突然消えたものだから…」
「ギル王子…わたしは大丈夫ですから…怪我もありませんし」
ばくばくと心臓の鼓動が早いのはわたし?それとも――…
「おーいお二人さん。そんなとこでいちゃついてねーで早く戻ろうぜ」
ルナの声にはっとすると慌てて離れる。
お互い顔が真っ赤になってしまって、上手く顔が見れない。
ルナの方を見ればにやにやしていて余計に恥ずかしくなってしまう。
「と、とりあえず戻ろうか」
「そ…そうですね…」
ギル王子がこほんと咳払いをしてから手を取られて歩き出す。繋いだ手が汗ばんでしまうくらい、熱く感じる。わたし達の様子を部屋に戻るまでずっとルナはにやにやと見ていた…。
長かったような、短かった一夜が明ける。
白いドレスを着させられて、ギル王子と共に謁見の間へと連れて行かれる。
……ギル王子が言うには、エドワードは必ずわたし達を処刑する可能性が高いだろうと。もしも素直に王の座を譲り渡せばそこでエドワードの独裁的王政は終わり。処刑宣告をされたら……帝国と、ギル王子側の王国の兵士が押し寄せてくると。
昨日のエドワードの様子を思い出す。……いや、今は感傷に浸っている場合ではない。
玉座のある大きな扉がゆっくりと開かれていく。一番奥の金であしらわれた椅子にエドワードと寄り添うアリアの姿が見える。エドワードは無表情だが、アリアは笑みを浮かべている。何も知らない人から見れば、まるで聖母のような笑みに見えるだろう。
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