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「――…で。ここがそのニッポンって国にあったショウジョマンガってやつの世界で、お前が悪い王女で、本当の王女をいじめ倒して処刑されるって?」
「そうなのです!レオ様の本当の婚約者は、アリスという女の子なんですのよ!」
レオは知らない単語ばかりで混乱していたけど、最後まで話を聞いてくれたがまだ半信半疑の様子だ。
わたしも突然、前世の記憶が!とか言われたら何言ってんだコイツって思ってしまうだろうし気持ちは分からなくもない。
「……で?」
「はい?」
「それで、本当の婚約者が違うからなんなんだよ」
「…………えーと」
なんだって言われたら困ってしまう。
本当の婚約者が違うから、見付けるために協力をしてほしくて…?
言葉に詰まって考えていると、目の前からはああ~と大きなため息が聞こえる。
「顔も知らねーやつが婚約者とか言われてもな」
「で、でもレオ様の運命の女性で――」
「俺の運命の相手は俺が決める。ショウジョマンガとかわけのわかんねーもんに振り回されて堪るかっつの」
悪態をついているが、思っていた以上にレオは自分をしっかり持っている男の子のようだ。
わたしの一つ上とはいえ、前世の記憶があるわたしよりもよっぽど大人びているように見える。
「お前が悪役になるっていうなら全力で止めてやる」
真っ直ぐな瞳がわたしを見る。
視線があうと心臓がドキッと跳ねて、心拍数が早くなって――…って、あれ?ドキ?
「ほら、怒られる前に戻るぞ」
「え、ええ、でも…」
「いーから。お前のせいで俺まで怒られたらどうすんだよ」
なんの鼓動だったんだと考えようとしたら手を掴まれる。
一緒には怒られてくれないのか。
レオが歩き出して、仕方なくわたしも後ろをついていく。…握り締められた手がすっごく熱く感じて、振りほどけないのはきっと前世の話をして興奮しているせい…だよね?
「あ、あと。このことは他のやつに言うなよ。また王女が頭おかしいって噂になるし」
「う…っわ、わかってますわ」
そんな噂が流れたら今度こそお母様が泡を吹きだしてしまうかもしれないからね!
お茶会の部屋に戻ったとき、ドーラに逃げ出したことを物凄く叱られてしまった…。
レオはドーラの方について涼しい顔をしているのが悔しい。さっきのドキッはただ単に見詰めあってびっくりしたからだったんだわ、うん。
「さあ、姫様。令嬢たちがお待ちですよ」
レオはわたしがまた逃げ出さないように真後ろに居て、一通り怒ったドーラがお茶会の部屋の扉をゆっくりと開けていく。
ああ、また一つ破滅エンディングへのフラグが立ってしまった音が聞こえた気がした。
――悪役令嬢仲間たちとの、対面だ。
「そうなのです!レオ様の本当の婚約者は、アリスという女の子なんですのよ!」
レオは知らない単語ばかりで混乱していたけど、最後まで話を聞いてくれたがまだ半信半疑の様子だ。
わたしも突然、前世の記憶が!とか言われたら何言ってんだコイツって思ってしまうだろうし気持ちは分からなくもない。
「……で?」
「はい?」
「それで、本当の婚約者が違うからなんなんだよ」
「…………えーと」
なんだって言われたら困ってしまう。
本当の婚約者が違うから、見付けるために協力をしてほしくて…?
言葉に詰まって考えていると、目の前からはああ~と大きなため息が聞こえる。
「顔も知らねーやつが婚約者とか言われてもな」
「で、でもレオ様の運命の女性で――」
「俺の運命の相手は俺が決める。ショウジョマンガとかわけのわかんねーもんに振り回されて堪るかっつの」
悪態をついているが、思っていた以上にレオは自分をしっかり持っている男の子のようだ。
わたしの一つ上とはいえ、前世の記憶があるわたしよりもよっぽど大人びているように見える。
「お前が悪役になるっていうなら全力で止めてやる」
真っ直ぐな瞳がわたしを見る。
視線があうと心臓がドキッと跳ねて、心拍数が早くなって――…って、あれ?ドキ?
「ほら、怒られる前に戻るぞ」
「え、ええ、でも…」
「いーから。お前のせいで俺まで怒られたらどうすんだよ」
なんの鼓動だったんだと考えようとしたら手を掴まれる。
一緒には怒られてくれないのか。
レオが歩き出して、仕方なくわたしも後ろをついていく。…握り締められた手がすっごく熱く感じて、振りほどけないのはきっと前世の話をして興奮しているせい…だよね?
「あ、あと。このことは他のやつに言うなよ。また王女が頭おかしいって噂になるし」
「う…っわ、わかってますわ」
そんな噂が流れたら今度こそお母様が泡を吹きだしてしまうかもしれないからね!
お茶会の部屋に戻ったとき、ドーラに逃げ出したことを物凄く叱られてしまった…。
レオはドーラの方について涼しい顔をしているのが悔しい。さっきのドキッはただ単に見詰めあってびっくりしたからだったんだわ、うん。
「さあ、姫様。令嬢たちがお待ちですよ」
レオはわたしがまた逃げ出さないように真後ろに居て、一通り怒ったドーラがお茶会の部屋の扉をゆっくりと開けていく。
ああ、また一つ破滅エンディングへのフラグが立ってしまった音が聞こえた気がした。
――悪役令嬢仲間たちとの、対面だ。
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