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タイキ 1
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地球では人が作り出した機械と、半分だけ機械にされた改造人間との戦いが10年以上も続いていた。
改造人間が前線に出るために戦い方を教え込まれる施設、そんな所で俺は5年も過ごしている。
本来なら1年でASクラスになって前線に出ていた筈で、俺もそれを望んでいた筈だった。
さっさとこんな戦いを終わらせて、荒れ果てた地球を元に戻して平和に暮らす……これが俺の夢。それは今も変わっていない。
孤児だった俺はこの施設から程近い場所にあった孤児院で育てられ、15歳の誕生日を迎えたと同時、改造人間にされた。
そんな現実を受け入れられず、ただ暴れていた俺を支えてくれたのは人間だった時からの友達、ジュタだった。
ジュタは俺が改造人間にされるよりも少しばかり早めに施設に売られていて、ジュタを売った金を持った母親はそのまま月に移住したんだと教えてもらった。
母親については淡々と喋っていたジュタだが、ガドルと言う兄の名前を口にすると機嫌が悪くなった。
それもその筈、ガドルはジュタを売った金を使って月で施設を建てたんだ……改造人間にするための子供を育てる施設を。
俺よりも強いジュタは、人間のために戦うって頭がないのか、それとも夢がないのか無気力で、進級テストも見て分かる程手を抜いている。
俺は、早く前線に出て戦って、こんな戦争を終わらせてジュタに……人間だった頃みたいに笑って欲しいんだ。変わり果てた地球を一緒に復興して、昔みたいに笑って……遊んで。
「貴方達はいつから改造人間としてここにいるんですか?」
飯休憩の時、今日改造人間にされたばかりの子供が俺達の所に来るなりそう尋ねてきた。明らかにジュタは係りたくないと言った様子で子供から視線を外し、他の連中もこの子供の世話を俺達に押し付けようとしているのかそそくさと食堂からいなくなった。
この様子じゃあ全員にそんな事を聞いて回ってたんだろうな。
仕方なく5年前と教えてやると、子供は急に無邪気な笑顔を向けてきて、
「じゃあ、じゃあ、ジュタって人知ってるよね?」
と、はしゃぎ始めた。
ガシャン!
目の前にいるジュタは相当ビックリしたらしい、珍しく力加減を間違えてテーブルを破壊した。
「ジュタの知り合い?」
「な訳あるか」
まぁ、そうだろうな。地球で育った俺達が月で育っただろうこんな子供と知り合う切欠がない。なのに何故この子供はジュタを知って……あぁ、もしかしたら。
「ジュタ……ガドルの事……恨んでる?」
やっぱりソコから来たのか。
ルルだと名乗った子供に対してジュタは容赦の無い視線を浴びせかけ、それでルルは完全に腰を抜かす程恐怖している。それでもルルは言葉を続けた、ガドルを恨まないで欲しいと。
「ガドルは今適性テストに落ちて月に戻され、強制施設から逃げ出し路上生活している子供を保護する施設を経営してるんだ」
それは知ってる。結果としてここに改造人間の材料を送る施設、強制施設から逃げ出して路上生活する子供が行き着くのは、孤児院と言う名前の強制施設なんだ。
ルルはまだジュタに向かって色々と言い、それによって心底嫌気の差した表情のジュタによって投げ飛ばされ、食堂の壁に埋まった。それでも尚ガドルの名前を口にしている。
「タイキ、ちょっと片付け頼む」
久しぶりに感情をむき出しにしたジュタは、俺に片づけを頼んだ後はいつもの無表情に戻っていて、さっきまで本当に怒っていたにも関わらずヒラヒラと手を振りながら歩いて行ってしまった。
「あんたなんかっ!ガドルとは大違いだ!!」
歩いて行くジュタの背中にルルはまた大声を上げた。
だから立ち止まって振り返って、もう1回睨む位の事はするのかと思ったが、実際ジュタは立ち止まりもせずに行ってしまった。
やる気なさそうにダラダラと歩く後姿は、今日まで俺が嫌と言うほど見つめ続けてきたジュタの姿。
一緒に前線に出ようと言い出せない俺では触れる事さえ出来ないジュタの心の奥に、ルルは少しだけ立ち入った……一瞬だが力加減を誤ってテーブルを破壊し、壁に埋まる程の勢いで投げ飛ばした。
俺が一緒にいても駄目なのか?
どうやればお前に夢を見せる事が出来る?
何をすればお前は笑う?
俺は、どうしたら良いんだ?
「あんたタイキ、とか呼ばれてたよな。ジュタとは友達かなにか?」
壁に埋まっていたルルがいつの間にか隣にいた。
人間だった頃から一緒にいて、今も一緒にいるんだから間違いなく友達。ジュタに聞いたら親友とか言ってくれるだろう。
そうだ、俺はジュタにとっては親友だ。ならこのまま一緒に過ごす事が正しいんだ。俺だけ夢を持っててもしょうがない、ジュタがちゃんとした目標を持つまでは傍にいてやる。それが親友の俺がすべき事……。
「CFクラスは1番下、上のクラスに対しての言葉使いには気を付けろ。上位クラス優先、それは覚えとけよ?後は……」
とりあえず、押し付けられる形となったルルの世話係は引き受けよう。
「先輩方のように腐らない、ですか?」
一応言葉使いには気を付けたらしいから注意はしない。それに、言われてる事はもっともだ。
「前線に行って戦争を終わらせる……それが第一……」
「じゃあ、先輩方は何故腐ってるんですか?」
真っ直ぐな視線と、真っ直ぐ投げかけられる質問。さっき親友の俺がすべき事についての最終確認を終わらせた筈なのに、答えられない。
分かっているんだろう、心の奥ではとっくに分かっていたんだ……こんな所でこんな風にしていても、戦争が終わらないって事。けど、同時にジュタが前線に出る気がない事も知っている。
俺は……。
「適正テストに合格しないだけ、それだけ」
夢が、あるんだ。ジュタと一緒にいたいと見た夢。楽しかった人間時代に少しでも戻れたら良いって……無気力な姿はもう見たくない。そう思うのに置いてなんか行ける訳ないだろ?俺が暴れててスクラップにされかけてた時、必死になって助けてくれたのはジュタだけなんだ。そんな恩人が俺を親友だって言ってくれてる……置いてなんか行けるかよ。
「俺はガドルに会いたいから、先輩方を後輩にしますね」
はいはい、勝手にしてくれ……ん?ガドルに会いたい?どう言う事だ?
「お前をここに売った奴に会いたいのか?」
月にある強制施設なんだろ?それで改造人間にされて、なのに何故会いたいと言う感情が出るんだ?いや、コイツの言動は初めから可笑しい。ジュタに向かってガドルを許せだの恨むなだの。まるで必死になって庇っているようだ。
「俺は自分の意思でここにジュタを見に来た。だから俺はここにいる間ジュタを見る。それでASになって月に行った時に教えてあげるんだ……」
真っ直ぐ俺を見るルルの視線には迷いがなく、的確な目標を持った強い視線だった。
「その後、前線に出てどうする?」
ガドルに会ってジュタの様子を伝える、それが夢だって言うならその後はどうなる?無気力になるんじゃないのか?
「戦って勝つ以外になにかあんの?」
確かにそうだが、そうじゃない。そんな模範解答が聞きたい訳じゃない。こんな強い意志を感じる目をしているルルが、どんな夢を見ているのか、それが知りたいんだ。
「じゃあ、戦って勝った後。どうする?」
単純に変な質問だな。改造人間なんだから戦いに勝つっていうのは共通した最終的な夢の筈だろ?戦いが終わった後も生かされる保障もないんだ。
「これ何かのテスト?」
「いや、腐った先輩が密かに思った疑問だ」
「フーン……。全部終わったら俺ガドルん所に戻る。そんで施設に残った子供を一緒に育ててやんだ。それが終わったらデートだな」
「ぷっ」
デートだぁ?なんと言うか……馬鹿げた夢だな……改造人間だぞ?月になんか戻れる訳ないってのに、ブッ飛び過ぎた夢だ。
「なっ!何笑ってんだよ!」
いや、ゴメンゴメン、久しぶりに心の底から笑えた。それと、デカイ夢を見れた清々しさってのかな、年は俺の方が上だってのに全然ルルの方がこれから先についてを考えている。例えそれがブッ飛んだ夢だったとしても、それを叶えられるようにしてやりたい。
前線に出て、戦って勝つ事。これが改造人間にとっての最終的な夢じゃなくて、最初の夢にしてやりたい。
「そろそろ訓練が始まる時間だ、遅刻は厳禁だからな」
俺はルルの背中をバシバシと軽く叩き、ジュタが待っているだろうトレーニングルームに向かって走った。
それ以降、ルルは休憩時間毎に俺達の所にやって来た。俺が教育係なんだからそれはしょうがない事ではあるんだろう。
宣言通りルルは俺と喋りながらジュタを見ている。そんなジュタは俺達に話しかけもしないし、だからって機嫌悪そうにしている訳でもなく無表情。まるでここに俺やルルがいないかのような態度。ボンヤリと遠くを見つめ、時々目を細めて何かを睨んだ。もちろんジュタが睨む相手なんてのは研究員しかいない。
分厚い防弾ガラスの向こうにある廊下を歩く数人の研究員達は、自分達を密かに睨んでいる視線には気付く事はないだろう……それ程ジュタの表情の変化は些細なんだ。
休憩時間は2時間あるんだけど、ジュタは1時間休んだ後はフラっと何処かへ行く。それはルルが来てからの日課と言う訳でもなく、2年位前から。1度一緒に行った事があるが、ジュタは渡り廊下からひたすら2階を見上げていた。
その場所からは、まだ人間である奴らが改造人間適正テストを受けるための部屋……の入り口が見える。
「そうだ、先輩。俺昨日のテストでBFクラスになったんですよ」
ジュタの姿が完全に見えなくなった所で、ルルはキラキラした目を俺に向けてきた。
しかし、まだ2ヶ月しか経ってないのに、もうB級になったのか。飛び級は珍しい事じゃないが、これ程までに進級に前向きな改造人間はかなり珍しい。
自分の夢に向かって一直線にむかうルルが羨ましく思えてしょうがない。
「このままじゃ本気で後輩にされるな」
5年間繰り返してきた事、なのに今更それが恐ろしく情けない事だって感じ始めている。けど、だからってどうしたら良いって言うんだ?
「先輩の夢ってなんですか?」
まただ……頼むからそんな目で見ないで欲しい。
俺はこうするのが1番だと納得してジュタと一緒にいるだけ……俺の夢だってジュタと一緒に……戦争が終わった地球で楽しく……けど、ジュタがそれを望んでないんだからどうしようもないだろ。手を抜いてテストに落ちて、それでスクラップにされても、それが運命だとか平気で言えるような奴なんだ。
「戦争を……終わらせる。それが改造人間共通の夢だろ」
「じゃ、戦争が終わった後は?先輩が俺に聞いた事ですよ?」
確かにそうだったな。ルルの夢はガドルとのデートとか言う果てしない夢だっけ。それで大笑いしたのを覚えてる。
俺の夢……。
「地球の復興……元通りにして……昔みたいに笑う顔が見たい」
「アイツって笑うの?」
今でも微妙に笑ってるだろ!?
俺が見たいのは作り笑顔でも、不敵でも、卑屈でもなくて純粋な満面の笑顔。喜怒哀楽をちゃんと示して欲しいって言うのが正しいのかも知れない。今のジュタは自分のためでさえ心を動かさないから、無気力で無関心。本来そんな奴じゃないんだ……。
「まだ人間だった頃の話なんだけど、ジュタがお袋さんに頼まれたハンドクリームを買うって言うから店に着いてった事があって……アロエが良いらしいって得意げにさ……で、買って帰ったんだけど、それを使ったお袋さん……ぷっ!」
徐々に思い出したら笑えて来た。
「なに?なに?なんだよ~」
いや、ごめん。話し始めたのは俺なんだけど、思い出し笑いが止まらない……それ買う時にアロエが良いって言った後のジュタのドヤ顔っ!
腹痛い、腹っ!
「それ、使ったお袋さんの手が泡立つんだよ。んで、よ~く見たらハンドクリームじゃなくて、ハンドソープって書いててさ……アハハ……あん時のジュタの顔っ!あははははは」
顔なんか真っ赤で、間違えやすい配置が悪いんだーとか訳の分からない文句言ってさ。
「アロエでテンション上がり過ぎて間違えたんだな」
「ぶわぁっはっははははははは!!無理っ!腹死ぬっ!」
大笑いして、何とか気分を落ち着かせるとルルも俺に釣られて笑ってた。そんな顔を見て思い出した事は、改造人間にされてからすぐにジュタが無気力になった訳じゃないと言う事。始めは俺達も周りの奴らと一緒にテストを普通に受けてB級までは順調に進んだって事実。
いつから?いつからジュタはあぁなった?
BCクラスに進級して間もなく言われたのは、前線には出ないと言う結果発表。そう思うまでの途中経過を俺は知らない。その次のテストで俺はBBクラスになり、ジュタはBCに留まった。その次に俺もBBに留まったが、そこでもジュタはBCのままで俺に合せてBBに上がって来なかった。
その時点で俺はジュタの世界にはいなかったのか?
「先輩の夢は、ここで腐ってて叶うんですか?」
5年間俺はここにいた。
もう……良いか?俺は俺に出来る最大の事をしてジュタの世界に入れてもらう。
「テストに合格しなかっただけだって。ほら、そろそろ訓練の時間だぞ」
食堂にルルを残したまま俺は渡り廊下まで走った。思った通りそこでジュタは2階にある適性テスト部屋の入り口前にずらりと並ぶ改造人間候補の人間を見ていた。
声をかけるよりも先に俺を見るジュタの顔は無表情だ。
「俺、ルルがA級に上がって来たら手加減せずにテスト受けようと思うんだ」
一瞬だけ、ほんの一瞬だけビックリした風に目を開いたジュタは、軽く目を閉じると2回微妙に頷いてから目を開け、ルルにも負けないって位の真っ直ぐな目をして俺を見た。
「あぁ、頑張れよ。俺が前線に出るって事になるまでには戦争終わらせてくれよ?」
親友だって思ってくれてたんだよな?それで俺が決断した事を応援してくれてるんだろう、俺を見ているジュタの顔は人間だった頃と変わらない綺麗で優しげな笑顔だったんだ。
それから僅か2ヶ月、ルルは俺達と同じAFに上がってきた。同級生になったんだからとルルは俺達に対する敬語を止めている。
同じ訓練内容と同じ時間帯の休憩時間、睡眠時以外は常に一緒に行動している訳だがジュタの態度は無関心のまま変わる事が無い。
「A級になった途端訓練キツ過ぎ」
訓練をただこなしていると隣にいたルルからそんな文句が聞こえてきた。
ルルの戦闘センスはかなり良いし、銃器を扱う授業でもちゃんと敵の的に2発ずつは入れている。それでクラス次席のポイントを叩き出しているんだから優秀。主席は手加減する事を止めた俺、研究員の的を撃つ事を止めただけだから大した努力はしていない。で、俺よりもズット強いジュタの点数は限りなく0に近い。理由なんか至って単純、敵の的には3発入れ、研究員の的には5発入れている事が原因。ジュタはかなり本気でこの授業には取り組んでいて顔が本気なんだ。ただ、的を間違っていると言うだけでクラス最下位。
他の授業はポイント制ではないから俺もジュタもかなり評価は高い。5年もここにいてスクラップにならなかった最大の理由は、普段の訓練においての成績が優秀だからだろう。
進級テスト前の、俺にとってはAF最後になるだろう休憩時間、食堂に移動した途端ルルがジュタを壁に押しやりながら「10分だけでも話を聞け」と睨みを利かせた。ジュタは無表情だったがルルではなく俺を見ている。多分だけど“お前の教え子が何か言ってるけど”とか思ってるに違いない。だから俺は“10分位は我慢しろ”の意を込めてただただ笑顔を見せた。
「……ガドルはジュタに謝ろうと改造人間になろうとまでしたんだ。ガドルは今でも悔やんでんだ、アンタはそれでもガドルを恨むのかよ!!アンタを売ったのは母親だろ?ガドルのせいにすんなよ!!」
出会った時に言ってた事をもう1回怒鳴るように言うルルに対するジュタの反応は……恐ろしい程の皆無。あの時は怒りに任せて睨んだり投げ飛ばしたりした事を改めて言われていると言うのに、興味なさそうにルルの顔を眺めているだけ。壁に押しやられているって状況にすら感情を動かされないのか?
「話は終わりか?」
チラッと視線が泳いだ先にあるのは時計、10分付き合うってだけでここに留まっているジュタにとっては話の内容すらどうでも良いってのか?どこまで無関心なんだよ、どんだけ無気力なんだよ。
「……俺に言いたい事ねーのかよ……前線に出る時俺はガドルに会いに行くんだ。言って欲しい事があったら伝えるけど?」
無言なまま時間だけが過ぎ、丁度10分。ジュタは一瞬目を伏せた後ルルを吹っ飛ばして引き離すと、
「……10分だ。じゃーな」
と、行ってしまった。
今度は壁に埋まらず綺麗に着地したルルは「言いたい事もないのかよ!」とジュタの背中に叫んだが、一旦歩き出したジュタは立ち止らない事を俺は良く知っている。もぅ、ガドルと言う名前でさえ心を動かさなくなったんだからジュタの心にはもう、何もないんだろう……なのに俺はここに1人残して行こうとしてる。
気が向いたらで良いし、戦わなくても良い。だから前線に出て来いよ?
俺、待ってるからな。
「やっぱりジュタは手を抜いたんだな」
進級テストが終わり、結果発表されてすぐ、たった1人テストに落ちたジュタに話しかける。ルルはもうACクラスに移動したようだ。
「いや、本気でやったさ」
「嘘バレバレだっての」
決して笑い事ではない状況だと言うのにジュタは笑顔で俺の前に立っている。そして、
「じゃーな、俺今から休憩だから」
と、大きく手を振りながら食堂の方に歩き出した。ダラダラと歩く後姿は1回も振り返らずに角を曲がって見えなくなった。
ACクラスからは休憩が1時間になって、時間も変わるんだ。だから会う機会なんてそうそうないんだ。それは知ってんだろ?なのになんでそんな呆気無く離れて行けるんだよ。ジュタにとっては俺も、ルルも同等な扱いなのか?親友だったんじゃねーのかよ……なのに、なんでこんなアッサリ行けたんだよ!
「くそっ!」
本当は追いかけてって薄情者、とか言いながら本気でテスト受けろって説得とかしたいのに、俺は怒るとすぐに涙腺に出る性質だから何も出来そうにない。いや、追いかけて説得した所で動くような奴じゃないのは分かっているから、どっちにしたって俺が出来る事なんか前線に出て戦争を終わらせる事しかないんだ。
改造人間が前線に出るために戦い方を教え込まれる施設、そんな所で俺は5年も過ごしている。
本来なら1年でASクラスになって前線に出ていた筈で、俺もそれを望んでいた筈だった。
さっさとこんな戦いを終わらせて、荒れ果てた地球を元に戻して平和に暮らす……これが俺の夢。それは今も変わっていない。
孤児だった俺はこの施設から程近い場所にあった孤児院で育てられ、15歳の誕生日を迎えたと同時、改造人間にされた。
そんな現実を受け入れられず、ただ暴れていた俺を支えてくれたのは人間だった時からの友達、ジュタだった。
ジュタは俺が改造人間にされるよりも少しばかり早めに施設に売られていて、ジュタを売った金を持った母親はそのまま月に移住したんだと教えてもらった。
母親については淡々と喋っていたジュタだが、ガドルと言う兄の名前を口にすると機嫌が悪くなった。
それもその筈、ガドルはジュタを売った金を使って月で施設を建てたんだ……改造人間にするための子供を育てる施設を。
俺よりも強いジュタは、人間のために戦うって頭がないのか、それとも夢がないのか無気力で、進級テストも見て分かる程手を抜いている。
俺は、早く前線に出て戦って、こんな戦争を終わらせてジュタに……人間だった頃みたいに笑って欲しいんだ。変わり果てた地球を一緒に復興して、昔みたいに笑って……遊んで。
「貴方達はいつから改造人間としてここにいるんですか?」
飯休憩の時、今日改造人間にされたばかりの子供が俺達の所に来るなりそう尋ねてきた。明らかにジュタは係りたくないと言った様子で子供から視線を外し、他の連中もこの子供の世話を俺達に押し付けようとしているのかそそくさと食堂からいなくなった。
この様子じゃあ全員にそんな事を聞いて回ってたんだろうな。
仕方なく5年前と教えてやると、子供は急に無邪気な笑顔を向けてきて、
「じゃあ、じゃあ、ジュタって人知ってるよね?」
と、はしゃぎ始めた。
ガシャン!
目の前にいるジュタは相当ビックリしたらしい、珍しく力加減を間違えてテーブルを破壊した。
「ジュタの知り合い?」
「な訳あるか」
まぁ、そうだろうな。地球で育った俺達が月で育っただろうこんな子供と知り合う切欠がない。なのに何故この子供はジュタを知って……あぁ、もしかしたら。
「ジュタ……ガドルの事……恨んでる?」
やっぱりソコから来たのか。
ルルだと名乗った子供に対してジュタは容赦の無い視線を浴びせかけ、それでルルは完全に腰を抜かす程恐怖している。それでもルルは言葉を続けた、ガドルを恨まないで欲しいと。
「ガドルは今適性テストに落ちて月に戻され、強制施設から逃げ出し路上生活している子供を保護する施設を経営してるんだ」
それは知ってる。結果としてここに改造人間の材料を送る施設、強制施設から逃げ出して路上生活する子供が行き着くのは、孤児院と言う名前の強制施設なんだ。
ルルはまだジュタに向かって色々と言い、それによって心底嫌気の差した表情のジュタによって投げ飛ばされ、食堂の壁に埋まった。それでも尚ガドルの名前を口にしている。
「タイキ、ちょっと片付け頼む」
久しぶりに感情をむき出しにしたジュタは、俺に片づけを頼んだ後はいつもの無表情に戻っていて、さっきまで本当に怒っていたにも関わらずヒラヒラと手を振りながら歩いて行ってしまった。
「あんたなんかっ!ガドルとは大違いだ!!」
歩いて行くジュタの背中にルルはまた大声を上げた。
だから立ち止まって振り返って、もう1回睨む位の事はするのかと思ったが、実際ジュタは立ち止まりもせずに行ってしまった。
やる気なさそうにダラダラと歩く後姿は、今日まで俺が嫌と言うほど見つめ続けてきたジュタの姿。
一緒に前線に出ようと言い出せない俺では触れる事さえ出来ないジュタの心の奥に、ルルは少しだけ立ち入った……一瞬だが力加減を誤ってテーブルを破壊し、壁に埋まる程の勢いで投げ飛ばした。
俺が一緒にいても駄目なのか?
どうやればお前に夢を見せる事が出来る?
何をすればお前は笑う?
俺は、どうしたら良いんだ?
「あんたタイキ、とか呼ばれてたよな。ジュタとは友達かなにか?」
壁に埋まっていたルルがいつの間にか隣にいた。
人間だった頃から一緒にいて、今も一緒にいるんだから間違いなく友達。ジュタに聞いたら親友とか言ってくれるだろう。
そうだ、俺はジュタにとっては親友だ。ならこのまま一緒に過ごす事が正しいんだ。俺だけ夢を持っててもしょうがない、ジュタがちゃんとした目標を持つまでは傍にいてやる。それが親友の俺がすべき事……。
「CFクラスは1番下、上のクラスに対しての言葉使いには気を付けろ。上位クラス優先、それは覚えとけよ?後は……」
とりあえず、押し付けられる形となったルルの世話係は引き受けよう。
「先輩方のように腐らない、ですか?」
一応言葉使いには気を付けたらしいから注意はしない。それに、言われてる事はもっともだ。
「前線に行って戦争を終わらせる……それが第一……」
「じゃあ、先輩方は何故腐ってるんですか?」
真っ直ぐな視線と、真っ直ぐ投げかけられる質問。さっき親友の俺がすべき事についての最終確認を終わらせた筈なのに、答えられない。
分かっているんだろう、心の奥ではとっくに分かっていたんだ……こんな所でこんな風にしていても、戦争が終わらないって事。けど、同時にジュタが前線に出る気がない事も知っている。
俺は……。
「適正テストに合格しないだけ、それだけ」
夢が、あるんだ。ジュタと一緒にいたいと見た夢。楽しかった人間時代に少しでも戻れたら良いって……無気力な姿はもう見たくない。そう思うのに置いてなんか行ける訳ないだろ?俺が暴れててスクラップにされかけてた時、必死になって助けてくれたのはジュタだけなんだ。そんな恩人が俺を親友だって言ってくれてる……置いてなんか行けるかよ。
「俺はガドルに会いたいから、先輩方を後輩にしますね」
はいはい、勝手にしてくれ……ん?ガドルに会いたい?どう言う事だ?
「お前をここに売った奴に会いたいのか?」
月にある強制施設なんだろ?それで改造人間にされて、なのに何故会いたいと言う感情が出るんだ?いや、コイツの言動は初めから可笑しい。ジュタに向かってガドルを許せだの恨むなだの。まるで必死になって庇っているようだ。
「俺は自分の意思でここにジュタを見に来た。だから俺はここにいる間ジュタを見る。それでASになって月に行った時に教えてあげるんだ……」
真っ直ぐ俺を見るルルの視線には迷いがなく、的確な目標を持った強い視線だった。
「その後、前線に出てどうする?」
ガドルに会ってジュタの様子を伝える、それが夢だって言うならその後はどうなる?無気力になるんじゃないのか?
「戦って勝つ以外になにかあんの?」
確かにそうだが、そうじゃない。そんな模範解答が聞きたい訳じゃない。こんな強い意志を感じる目をしているルルが、どんな夢を見ているのか、それが知りたいんだ。
「じゃあ、戦って勝った後。どうする?」
単純に変な質問だな。改造人間なんだから戦いに勝つっていうのは共通した最終的な夢の筈だろ?戦いが終わった後も生かされる保障もないんだ。
「これ何かのテスト?」
「いや、腐った先輩が密かに思った疑問だ」
「フーン……。全部終わったら俺ガドルん所に戻る。そんで施設に残った子供を一緒に育ててやんだ。それが終わったらデートだな」
「ぷっ」
デートだぁ?なんと言うか……馬鹿げた夢だな……改造人間だぞ?月になんか戻れる訳ないってのに、ブッ飛び過ぎた夢だ。
「なっ!何笑ってんだよ!」
いや、ゴメンゴメン、久しぶりに心の底から笑えた。それと、デカイ夢を見れた清々しさってのかな、年は俺の方が上だってのに全然ルルの方がこれから先についてを考えている。例えそれがブッ飛んだ夢だったとしても、それを叶えられるようにしてやりたい。
前線に出て、戦って勝つ事。これが改造人間にとっての最終的な夢じゃなくて、最初の夢にしてやりたい。
「そろそろ訓練が始まる時間だ、遅刻は厳禁だからな」
俺はルルの背中をバシバシと軽く叩き、ジュタが待っているだろうトレーニングルームに向かって走った。
それ以降、ルルは休憩時間毎に俺達の所にやって来た。俺が教育係なんだからそれはしょうがない事ではあるんだろう。
宣言通りルルは俺と喋りながらジュタを見ている。そんなジュタは俺達に話しかけもしないし、だからって機嫌悪そうにしている訳でもなく無表情。まるでここに俺やルルがいないかのような態度。ボンヤリと遠くを見つめ、時々目を細めて何かを睨んだ。もちろんジュタが睨む相手なんてのは研究員しかいない。
分厚い防弾ガラスの向こうにある廊下を歩く数人の研究員達は、自分達を密かに睨んでいる視線には気付く事はないだろう……それ程ジュタの表情の変化は些細なんだ。
休憩時間は2時間あるんだけど、ジュタは1時間休んだ後はフラっと何処かへ行く。それはルルが来てからの日課と言う訳でもなく、2年位前から。1度一緒に行った事があるが、ジュタは渡り廊下からひたすら2階を見上げていた。
その場所からは、まだ人間である奴らが改造人間適正テストを受けるための部屋……の入り口が見える。
「そうだ、先輩。俺昨日のテストでBFクラスになったんですよ」
ジュタの姿が完全に見えなくなった所で、ルルはキラキラした目を俺に向けてきた。
しかし、まだ2ヶ月しか経ってないのに、もうB級になったのか。飛び級は珍しい事じゃないが、これ程までに進級に前向きな改造人間はかなり珍しい。
自分の夢に向かって一直線にむかうルルが羨ましく思えてしょうがない。
「このままじゃ本気で後輩にされるな」
5年間繰り返してきた事、なのに今更それが恐ろしく情けない事だって感じ始めている。けど、だからってどうしたら良いって言うんだ?
「先輩の夢ってなんですか?」
まただ……頼むからそんな目で見ないで欲しい。
俺はこうするのが1番だと納得してジュタと一緒にいるだけ……俺の夢だってジュタと一緒に……戦争が終わった地球で楽しく……けど、ジュタがそれを望んでないんだからどうしようもないだろ。手を抜いてテストに落ちて、それでスクラップにされても、それが運命だとか平気で言えるような奴なんだ。
「戦争を……終わらせる。それが改造人間共通の夢だろ」
「じゃ、戦争が終わった後は?先輩が俺に聞いた事ですよ?」
確かにそうだったな。ルルの夢はガドルとのデートとか言う果てしない夢だっけ。それで大笑いしたのを覚えてる。
俺の夢……。
「地球の復興……元通りにして……昔みたいに笑う顔が見たい」
「アイツって笑うの?」
今でも微妙に笑ってるだろ!?
俺が見たいのは作り笑顔でも、不敵でも、卑屈でもなくて純粋な満面の笑顔。喜怒哀楽をちゃんと示して欲しいって言うのが正しいのかも知れない。今のジュタは自分のためでさえ心を動かさないから、無気力で無関心。本来そんな奴じゃないんだ……。
「まだ人間だった頃の話なんだけど、ジュタがお袋さんに頼まれたハンドクリームを買うって言うから店に着いてった事があって……アロエが良いらしいって得意げにさ……で、買って帰ったんだけど、それを使ったお袋さん……ぷっ!」
徐々に思い出したら笑えて来た。
「なに?なに?なんだよ~」
いや、ごめん。話し始めたのは俺なんだけど、思い出し笑いが止まらない……それ買う時にアロエが良いって言った後のジュタのドヤ顔っ!
腹痛い、腹っ!
「それ、使ったお袋さんの手が泡立つんだよ。んで、よ~く見たらハンドクリームじゃなくて、ハンドソープって書いててさ……アハハ……あん時のジュタの顔っ!あははははは」
顔なんか真っ赤で、間違えやすい配置が悪いんだーとか訳の分からない文句言ってさ。
「アロエでテンション上がり過ぎて間違えたんだな」
「ぶわぁっはっははははははは!!無理っ!腹死ぬっ!」
大笑いして、何とか気分を落ち着かせるとルルも俺に釣られて笑ってた。そんな顔を見て思い出した事は、改造人間にされてからすぐにジュタが無気力になった訳じゃないと言う事。始めは俺達も周りの奴らと一緒にテストを普通に受けてB級までは順調に進んだって事実。
いつから?いつからジュタはあぁなった?
BCクラスに進級して間もなく言われたのは、前線には出ないと言う結果発表。そう思うまでの途中経過を俺は知らない。その次のテストで俺はBBクラスになり、ジュタはBCに留まった。その次に俺もBBに留まったが、そこでもジュタはBCのままで俺に合せてBBに上がって来なかった。
その時点で俺はジュタの世界にはいなかったのか?
「先輩の夢は、ここで腐ってて叶うんですか?」
5年間俺はここにいた。
もう……良いか?俺は俺に出来る最大の事をしてジュタの世界に入れてもらう。
「テストに合格しなかっただけだって。ほら、そろそろ訓練の時間だぞ」
食堂にルルを残したまま俺は渡り廊下まで走った。思った通りそこでジュタは2階にある適性テスト部屋の入り口前にずらりと並ぶ改造人間候補の人間を見ていた。
声をかけるよりも先に俺を見るジュタの顔は無表情だ。
「俺、ルルがA級に上がって来たら手加減せずにテスト受けようと思うんだ」
一瞬だけ、ほんの一瞬だけビックリした風に目を開いたジュタは、軽く目を閉じると2回微妙に頷いてから目を開け、ルルにも負けないって位の真っ直ぐな目をして俺を見た。
「あぁ、頑張れよ。俺が前線に出るって事になるまでには戦争終わらせてくれよ?」
親友だって思ってくれてたんだよな?それで俺が決断した事を応援してくれてるんだろう、俺を見ているジュタの顔は人間だった頃と変わらない綺麗で優しげな笑顔だったんだ。
それから僅か2ヶ月、ルルは俺達と同じAFに上がってきた。同級生になったんだからとルルは俺達に対する敬語を止めている。
同じ訓練内容と同じ時間帯の休憩時間、睡眠時以外は常に一緒に行動している訳だがジュタの態度は無関心のまま変わる事が無い。
「A級になった途端訓練キツ過ぎ」
訓練をただこなしていると隣にいたルルからそんな文句が聞こえてきた。
ルルの戦闘センスはかなり良いし、銃器を扱う授業でもちゃんと敵の的に2発ずつは入れている。それでクラス次席のポイントを叩き出しているんだから優秀。主席は手加減する事を止めた俺、研究員の的を撃つ事を止めただけだから大した努力はしていない。で、俺よりもズット強いジュタの点数は限りなく0に近い。理由なんか至って単純、敵の的には3発入れ、研究員の的には5発入れている事が原因。ジュタはかなり本気でこの授業には取り組んでいて顔が本気なんだ。ただ、的を間違っていると言うだけでクラス最下位。
他の授業はポイント制ではないから俺もジュタもかなり評価は高い。5年もここにいてスクラップにならなかった最大の理由は、普段の訓練においての成績が優秀だからだろう。
進級テスト前の、俺にとってはAF最後になるだろう休憩時間、食堂に移動した途端ルルがジュタを壁に押しやりながら「10分だけでも話を聞け」と睨みを利かせた。ジュタは無表情だったがルルではなく俺を見ている。多分だけど“お前の教え子が何か言ってるけど”とか思ってるに違いない。だから俺は“10分位は我慢しろ”の意を込めてただただ笑顔を見せた。
「……ガドルはジュタに謝ろうと改造人間になろうとまでしたんだ。ガドルは今でも悔やんでんだ、アンタはそれでもガドルを恨むのかよ!!アンタを売ったのは母親だろ?ガドルのせいにすんなよ!!」
出会った時に言ってた事をもう1回怒鳴るように言うルルに対するジュタの反応は……恐ろしい程の皆無。あの時は怒りに任せて睨んだり投げ飛ばしたりした事を改めて言われていると言うのに、興味なさそうにルルの顔を眺めているだけ。壁に押しやられているって状況にすら感情を動かされないのか?
「話は終わりか?」
チラッと視線が泳いだ先にあるのは時計、10分付き合うってだけでここに留まっているジュタにとっては話の内容すらどうでも良いってのか?どこまで無関心なんだよ、どんだけ無気力なんだよ。
「……俺に言いたい事ねーのかよ……前線に出る時俺はガドルに会いに行くんだ。言って欲しい事があったら伝えるけど?」
無言なまま時間だけが過ぎ、丁度10分。ジュタは一瞬目を伏せた後ルルを吹っ飛ばして引き離すと、
「……10分だ。じゃーな」
と、行ってしまった。
今度は壁に埋まらず綺麗に着地したルルは「言いたい事もないのかよ!」とジュタの背中に叫んだが、一旦歩き出したジュタは立ち止らない事を俺は良く知っている。もぅ、ガドルと言う名前でさえ心を動かさなくなったんだからジュタの心にはもう、何もないんだろう……なのに俺はここに1人残して行こうとしてる。
気が向いたらで良いし、戦わなくても良い。だから前線に出て来いよ?
俺、待ってるからな。
「やっぱりジュタは手を抜いたんだな」
進級テストが終わり、結果発表されてすぐ、たった1人テストに落ちたジュタに話しかける。ルルはもうACクラスに移動したようだ。
「いや、本気でやったさ」
「嘘バレバレだっての」
決して笑い事ではない状況だと言うのにジュタは笑顔で俺の前に立っている。そして、
「じゃーな、俺今から休憩だから」
と、大きく手を振りながら食堂の方に歩き出した。ダラダラと歩く後姿は1回も振り返らずに角を曲がって見えなくなった。
ACクラスからは休憩が1時間になって、時間も変わるんだ。だから会う機会なんてそうそうないんだ。それは知ってんだろ?なのになんでそんな呆気無く離れて行けるんだよ。ジュタにとっては俺も、ルルも同等な扱いなのか?親友だったんじゃねーのかよ……なのに、なんでこんなアッサリ行けたんだよ!
「くそっ!」
本当は追いかけてって薄情者、とか言いながら本気でテスト受けろって説得とかしたいのに、俺は怒るとすぐに涙腺に出る性質だから何も出来そうにない。いや、追いかけて説得した所で動くような奴じゃないのは分かっているから、どっちにしたって俺が出来る事なんか前線に出て戦争を終わらせる事しかないんだ。
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