大物mogurar純平の異世界物語

漆黒の電気鼠

文字の大きさ
9 / 14

蛮貝塚・千本の桜嗅げよ歯

しおりを挟む
純平side

(何故俺はこんなに落ち着いているんだ?)
てっきり自分はこんな場面になったら土下座して財布を出し命乞いするようなキャラだと思ってたんだが…
もしかすると異世界に来たおかげで今までの自分とはサヨナラ出来たのかな。
スキルを使いたいときは歌を歌え、どんな歌でも構わん………だったな。
今朝は失敗したが、思えばあの時は歌を歌っていなかった。
ちょうどいい、神から貰ったスキルを使う時が来た!
「まずは防御の仕方から教えてやるよ」
シタバ達はそういいながら俺に近づいてくる。
俺はシタバ達を軽く睨み付けて忠告する。
「初めてスキルを使用するからな、怪我しても文句は言うなよ」
そういって俺は詠唱を始める。
「曲名!千本の!桜!ピャァアオ!テンション!上げて!いこうぜーワアアアアォ!」
詠唱の声に呼応するようにどこからともなく桜の花びらが現れた。
「センボンノザクラァァ↑↑!ヨルヘマギレエエエエ↓↓↓!キミノコエハァァァ!トドカヘンヨォォォ!!!」
その花びらは次々に数を増やしていき、シタバ達の周りを覆っていく。
「な、なんだこれは!?」
「魔法か!?それともユニークスキルか!?」
シタバ達は驚きの声をあげている。
「くそっ!こんなもんでいい気になるな!」
周りを覆っている桜にシタバは腰の剣を引き抜き切りかかる。
「無駄だ」
俺の声が響くと同時にシタバは弾き飛ばされ倒れていた。
「この曲は千を超える桜の花びら、それらを鋼の檻の様に変質させ拘束する技だ。そして」
次の技で終わりだ。そう俺が言うや否や、桜の檻はバラバラに分離しテニスボール位の大きさのボールとなった。
「千本の桜!【桜線銃】」
俺が叫んだ瞬間、桜のボールからはビームのようなものが飛び出し、シタバ達を訓練場の外まで吹き飛ばした。


シタバside


(何が起こっている!?)
最近クエストが上手くいかず、ファンも減り始めていて俺は今日イライラしてた。
そこに見るからに田舎者の弱そうな新人が来たからストレス発散に付き合ってもらうつもりだった。
別に再起不能にしようとかは考えてなかったし、あまりにも弱いなら本当に稽古を付けてやるつもりだった。
だが、
(流石にこれは予想外すぎるな…)
周りには見たことのない花の花びらが数え切れないほどある。
どんなスキルなのかは知らないが直観的にヤバいと察した。
俺は無我夢中で斬りかかったが、簡単に弾き飛ばされた。
一方で奴は余裕の表情を見せながら技の説明をしている。
「次の技で終わりだ」
奴がそういった瞬間、花びらは球体になりこちらに何かを出してきた。
俺はせめて受け身だけでも取ろうと思ったが、花びらから放たれた何かは俺の想像をはるかに超える強さで俺たちを訓練場の外まで放り出し、そのあまりの衝撃に俺は意識を手放した。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。

カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。 だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、 ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。 国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。 そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。

俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。

true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。 それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。 これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。 日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。 彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。 ※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。 ※内部進行完結済みです。毎日連載です。

魔王を倒した手柄を横取りされたけど、俺を処刑するのは無理じゃないかな

七辻ゆゆ
ファンタジー
「では罪人よ。おまえはあくまで自分が勇者であり、魔王を倒したと言うのだな?」 「そうそう」  茶番にも飽きてきた。処刑できるというのなら、ぜひやってみてほしい。  無理だと思うけど。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

ヤンデレにデレてみた

果桃しろくろ
恋愛
母が、ヤンデレな義父と再婚した。 もれなく、ヤンデレな義弟がついてきた。

処理中です...