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2章 森に引きこもってもいいかしら?
閑話 王都での噂と不満2
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流入してくる商品が少なくなって一番困っているのは平民と言われている町で暮らす人々だった。
露店で野菜を売っていた農民はいなくなった。余剰の野菜や麦などが無くなったからだ。
鍛冶屋は鉱石が手に入らないため、たくさんの鉱物をつかう新しい物は打てなくなり、修理物しか受付けていない。また炉に使う魔石も薪も制限され火はそうそう起こせなくなった。
魔道具屋は魔石が小さくなっているため、大きな物は作れずこれもまた出来ることは修理にとどまっている。
薪は手に入りにくくなり高騰した。木を切り薪に出来るだけの時間が塀の外では取れなくなっているからだ。
樵たちは数人で纏まり、または護衛の冒険者を雇い木を切っている。それでも魔獣たちに邪魔をされ時には傷つき倒され、より薪を作れなくなっていった。
冒険者たちの装備が悪くなり、手に入る獣や魔獣の肉も少なくなっていく。
親を亡くす子供は増え、孤児院は収納しきれなくなり孤児は飢えて亡くなるものがでる始末。
それどころか大人さえ飢えていっていた。
パン屋には入る小麦が無くなり、商品を並べる事がなくなっていった。
また宿は食事を出さなくなり、素泊まりだけになった。
そして彼ら自身も食べるのが難しくなっていった。
パン屋のイグランは家族でティユルに近い村に一度避難する事にした。そこは妻のスーラの実家があり身を寄せてはどうかと連絡が入ったからだった。
店は何か無いかと何度も押し入られ壊された。
小麦の一粒すら残らない。既に身の危険を感じ、持ち出せるものはすべて手放した。
ほぼ身一つでの移動になる。
妻と息子と三人で移動しようとしてギルドに護衛を頼みに行ったところ他の人達と一緒に移動してはどうかと持ち掛けられた。
冒険者ギルドでは他にも同じような依頼がきており、ばらばらに受けるよりは纏まった方が良いだろうと考えたのだ。
ギルドはすぐさま冒険者のチームをいくつかと馬車などを用意し、彼らはティユルにたてる事になった。
布を織っても食べ物に変える事が出来ず、服を縫製して貴族に納めても食べる事はできない。
そうして人々は伝手を頼みにティユルへ、またはデライクへと流れていく。
何処にも行く事の出来ない人々だけが王都といわれたトアルスに残されていく。
兵士や役人でさえ歯が抜けるようにぽつぽつと逃げ出し移動していくなかで、とうとう神殿側が動いた。
教会も炊き出しをすると発表した。
それらの動きに応じ王宮も動くこととなった。
そうして勇者といわれる四人のうち、聖女と賢者がティユルの地に赴き、勇者は王女と騎士を従え魔獣討伐にでると触れがでた。
民は望みができたと喜んだ。だがそれはほんの少しだけだったかもしれない。
──────────────────
またまたとても短いです。すみません。
なんとか今年中に二章を終わらせようと頑張っています。
露店で野菜を売っていた農民はいなくなった。余剰の野菜や麦などが無くなったからだ。
鍛冶屋は鉱石が手に入らないため、たくさんの鉱物をつかう新しい物は打てなくなり、修理物しか受付けていない。また炉に使う魔石も薪も制限され火はそうそう起こせなくなった。
魔道具屋は魔石が小さくなっているため、大きな物は作れずこれもまた出来ることは修理にとどまっている。
薪は手に入りにくくなり高騰した。木を切り薪に出来るだけの時間が塀の外では取れなくなっているからだ。
樵たちは数人で纏まり、または護衛の冒険者を雇い木を切っている。それでも魔獣たちに邪魔をされ時には傷つき倒され、より薪を作れなくなっていった。
冒険者たちの装備が悪くなり、手に入る獣や魔獣の肉も少なくなっていく。
親を亡くす子供は増え、孤児院は収納しきれなくなり孤児は飢えて亡くなるものがでる始末。
それどころか大人さえ飢えていっていた。
パン屋には入る小麦が無くなり、商品を並べる事がなくなっていった。
また宿は食事を出さなくなり、素泊まりだけになった。
そして彼ら自身も食べるのが難しくなっていった。
パン屋のイグランは家族でティユルに近い村に一度避難する事にした。そこは妻のスーラの実家があり身を寄せてはどうかと連絡が入ったからだった。
店は何か無いかと何度も押し入られ壊された。
小麦の一粒すら残らない。既に身の危険を感じ、持ち出せるものはすべて手放した。
ほぼ身一つでの移動になる。
妻と息子と三人で移動しようとしてギルドに護衛を頼みに行ったところ他の人達と一緒に移動してはどうかと持ち掛けられた。
冒険者ギルドでは他にも同じような依頼がきており、ばらばらに受けるよりは纏まった方が良いだろうと考えたのだ。
ギルドはすぐさま冒険者のチームをいくつかと馬車などを用意し、彼らはティユルにたてる事になった。
布を織っても食べ物に変える事が出来ず、服を縫製して貴族に納めても食べる事はできない。
そうして人々は伝手を頼みにティユルへ、またはデライクへと流れていく。
何処にも行く事の出来ない人々だけが王都といわれたトアルスに残されていく。
兵士や役人でさえ歯が抜けるようにぽつぽつと逃げ出し移動していくなかで、とうとう神殿側が動いた。
教会も炊き出しをすると発表した。
それらの動きに応じ王宮も動くこととなった。
そうして勇者といわれる四人のうち、聖女と賢者がティユルの地に赴き、勇者は王女と騎士を従え魔獣討伐にでると触れがでた。
民は望みができたと喜んだ。だがそれはほんの少しだけだったかもしれない。
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またまたとても短いです。すみません。
なんとか今年中に二章を終わらせようと頑張っています。
応援ありがとうございます!
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退会済ユーザのコメントです
神の天罰だからな。
ばぁちゃんが動く必要は全くない。
まったく神は何しているのか。
とっとと神託出して不可侵であると宣言すればいいことを。
それとばぁちゃんにも連絡をとても大事です。
焦らずゆっくりでいいんですよ、待ってるのも楽しみの一つですw