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10.恋愛っていいものですね
恋愛っていいものですね①
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「千智さん、また人助けしていたのね」
困っている人を放っておくことができない正義感の強い鷹條だ。朝倉も綺麗な顔を微笑ませた。
「おや? 亜由美さんも?」
亜由美はにこりと笑う。その時鷹條にぎゅっと肩を抱かれた。
「朝倉、杉原亜由美さんだ」
「えーと……杉原さん」
言い直した朝倉にその通りと鷹條はうなずいている。
「とても大事な人なんですね?」
「そうだな」
愛おしそうに亜由美を見る鷹條に、名前で呼ぶのもどうやらダメらしいと知って、朝倉は楽しそうに笑った。
「とてもお似合いです」
それを言われたのは本日二度目だ。
鷹條と朝倉の出会いについては朝倉が話してくれた。
酔っ払った客に朝倉が乱暴された時、たまたま居合わせた鷹條が暴れていた客を鮮やかに取り押さえたらしい。
「別のお客様が通報して下さって、お店に警察の方がいらっしゃった時もテキパキ対応して頂いて、それはそれはカッコ良かったですよ」
「分かります!」
亜由美の時もそうだったのだ。それはとってもよく分かる。
「なんで、朝倉と亜由美が意気投合してるんだよ」
鷹條がカッコ良い! という点で意気投合した朝倉と亜由美を鷹條は納得できないような表情でじっと見ていた。
「それはだって千智さんがカッコ良いっていう点では合意しかないもの」
キッパリと言い切った亜由美の頭を鷹條が無表情でくしゃくしゃと撫でる。
「千智さんっ、くしゃくしゃになっちゃう」
そんな亜由美と鷹條に朝倉は苦笑していた。
「仲良いなぁ。なーんか、羨ましくなっちゃいますね。お二人見てると、交際っていいものだなぁって思えてきます」
それはまさに亜由美が実感していることだった。
朝倉はお酒が飲めないという亜由美にもノンアルコールのフルーツベースのカクテルなどを作ってくれて、料理も二人で摘まみながら楽しむのにいいメニューを提供してくれる。
時折、朝倉も参加しながら楽しい時間を過ごして、亜由美と鷹條はお店を後にした。
「ん」
そう言われて鷹條が手を差し出していた。亜由美はその差し出された手をきゅっと握る。
「千智さん、寄っていく?」
「少しだけ。なんだか、離れがたくて……」
離れがたいと言う鷹條の眉が少しだけ寄っていた。鷹條も自分の感情を持て余しているのかもしれない。
皆にお似合いだと言われたら、とても幸せで、他からもそんなふうに見られているということが、とても嬉しかったのだ。
亜由美が先にシャワーを浴び、髪を乾かしたりスキンケアをしている間、鷹條がシャワーを浴びに行く。
この待っている時間が亜由美にはまだ慣れない。
それでも、ふわりとボディソープの香りをまとって、濡れた髪をタオルで抑えながらキッチンに「水飲んでいい?」と現れる鷹條にいつもドキドキさせられてしまう。
「あ、うん」
亜由美はカップボードからコップを取り出し、冷蔵庫に入れてある水を注いで、鷹條に手渡した。
「ん、サンキュ」
ごくごくと仰のいて水を飲む姿にすら、ドキドキして、ついじっと見てしまう。手の甲で軽く口元を拭うのもセクシーだ。
困っている人を放っておくことができない正義感の強い鷹條だ。朝倉も綺麗な顔を微笑ませた。
「おや? 亜由美さんも?」
亜由美はにこりと笑う。その時鷹條にぎゅっと肩を抱かれた。
「朝倉、杉原亜由美さんだ」
「えーと……杉原さん」
言い直した朝倉にその通りと鷹條はうなずいている。
「とても大事な人なんですね?」
「そうだな」
愛おしそうに亜由美を見る鷹條に、名前で呼ぶのもどうやらダメらしいと知って、朝倉は楽しそうに笑った。
「とてもお似合いです」
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酔っ払った客に朝倉が乱暴された時、たまたま居合わせた鷹條が暴れていた客を鮮やかに取り押さえたらしい。
「別のお客様が通報して下さって、お店に警察の方がいらっしゃった時もテキパキ対応して頂いて、それはそれはカッコ良かったですよ」
「分かります!」
亜由美の時もそうだったのだ。それはとってもよく分かる。
「なんで、朝倉と亜由美が意気投合してるんだよ」
鷹條がカッコ良い! という点で意気投合した朝倉と亜由美を鷹條は納得できないような表情でじっと見ていた。
「それはだって千智さんがカッコ良いっていう点では合意しかないもの」
キッパリと言い切った亜由美の頭を鷹條が無表情でくしゃくしゃと撫でる。
「千智さんっ、くしゃくしゃになっちゃう」
そんな亜由美と鷹條に朝倉は苦笑していた。
「仲良いなぁ。なーんか、羨ましくなっちゃいますね。お二人見てると、交際っていいものだなぁって思えてきます」
それはまさに亜由美が実感していることだった。
朝倉はお酒が飲めないという亜由美にもノンアルコールのフルーツベースのカクテルなどを作ってくれて、料理も二人で摘まみながら楽しむのにいいメニューを提供してくれる。
時折、朝倉も参加しながら楽しい時間を過ごして、亜由美と鷹條はお店を後にした。
「ん」
そう言われて鷹條が手を差し出していた。亜由美はその差し出された手をきゅっと握る。
「千智さん、寄っていく?」
「少しだけ。なんだか、離れがたくて……」
離れがたいと言う鷹條の眉が少しだけ寄っていた。鷹條も自分の感情を持て余しているのかもしれない。
皆にお似合いだと言われたら、とても幸せで、他からもそんなふうに見られているということが、とても嬉しかったのだ。
亜由美が先にシャワーを浴び、髪を乾かしたりスキンケアをしている間、鷹條がシャワーを浴びに行く。
この待っている時間が亜由美にはまだ慣れない。
それでも、ふわりとボディソープの香りをまとって、濡れた髪をタオルで抑えながらキッチンに「水飲んでいい?」と現れる鷹條にいつもドキドキさせられてしまう。
「あ、うん」
亜由美はカップボードからコップを取り出し、冷蔵庫に入れてある水を注いで、鷹條に手渡した。
「ん、サンキュ」
ごくごくと仰のいて水を飲む姿にすら、ドキドキして、ついじっと見てしまう。手の甲で軽く口元を拭うのもセクシーだ。
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