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本編・第三部
196 雑踏に、消えていった。(上)
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コチコチと。応接室の壁掛け時計の秒針が、静かに時を刻む。
「……」
「…………」
ただただ、無言の時間が続いていく。
ふい、と時計を見遣る。出勤しPCを立ち上げたばかりの黒川を問答無用と言わんばかりにこの応接室に引きずり込んで、既に1時間が経過していた。俺に残された時間を計算して、つぅ、と目を細める。
(……あと…30分)
あと、30分は。時間を稼がなければ。
心が急いていくのを必死に抑え込み、テーブルの上の資料―――片桐から提供された証拠を凝視したままの黒川に声をかけた。
「……いい加減、お認めになったらいかがでしょう、黒川さん」
面長の額に汗が浮き出ている。それもそうだろう。
自分が行っていた、循環取引の動かぬ証拠の欠片をつきつけられて。嫌な汗も出るだろう。
……だが。
(そういう事に手を染めて売上生み出してんのが、間違ってんだ)
心の中で小さく呟いて、膝の上に乗せた手のひらで拳を作る。
企業会計のルールでは、循環取引のように在庫が動いていないものは売上とみなされない。
本来は売上として認められないものを、売上として計上しようとする、つまり不正会計を行っているとみなされる。架空の売上を計上することで、外部の会社から見た三井商社は、本来はそれだけの力量がないのに、それだけの力量があるように見えてしまう。
企業成績が良ければ―――与信を取りやすくなり、相手側は三井商社に本来の力量を超えた販売をすることが可能となる。
俺を陥れるために取った作戦だったのかもしれないが、循環取引は俺だけでなく三井商社全体にダメージを負わせる不正処理だ。黒川はそこまで考えていたのか。恐らく、否、だろう。
「……自分の恋路が上手くいかないからと、俺に八つ当たりか」
ぽつり、と。黒川が、テーブルの上の資料を見つめたまま呟く。その言葉の意味が噛み砕けず、訝しげに目を細めた。
「自分の彼氏の不正を暴かれれば、あの女も片桐から離れざるを得なくなるからなぁ。狡いことをよく考えたもんだ」
地を這うような、黒川の声。ふっと。黒川が顔をあげる。その細い瞳が、嘲笑うように俺を見つめていた。
「お前が狙ってるあの女。極東商社通関部の一瀬。農産販売部の……片桐の女なんだな?」
突きつけられたその言葉に、片桐の名前に。知香は自分の恋人だ、と、思わず怒声が上がりそうになるのを必死で押し込んだ。
(かっとなるな……落ち着け。冷静に)
片桐にも。あの夜、言われた。かっとなりやすい俺が、黒川を刺激した、と。
だから……今、かっとなって返答すれば……黒川の思う壺。
膝の上の握りしめた拳に再度力を入れて、表情を変えず淡々と返答する。
「話を逸らさないでください。私は黒川さんの不正処理についてお話ししているつもりですが、」
「シンポジウムに参加した時。片桐が、一瀬を指して俺の女だと言っていた」
黒川が俺の言葉を遮るように言葉を被せた。放たれた黒川の言葉で、先ほど噛み砕けなかった言葉の真意を瞬時に悟った。
(……睡眠薬で意識を朦朧とさせ連れ去ろうとした時に…片桐が『俺の女』と間に割って入ったのか)
目の前で、無音映画のようにそのシーンが再生されるようだった。
ふらつく身体を必死に支えながら、焦げ茶色の瞳に拒絶の色を灯して黒川を睨みつける、知香。ニタリとした気持ちの悪い笑みを浮かべながら、知香に手を伸ばす、黒川。黒川が伸ばした手を掴んだ片桐が、獲物を捕らえたようにヘーゼル色の瞳を細めて―――『俺の女に手を出すな』と、口を動かした。
ふるり、と。心の中で小さく頭を振って、その幻影を追い払う。
黒川は。俺と知香が恋人、だと思い込んでいたから。知香を巻き込み、害する、という手段に出た。けれど、片桐が『俺の女』と口にしたことで。
(片桐と、知香が恋人で……俺が横恋慕しようとしている、と……認識した)
「……」
だから。先ほどの言葉になったのか。自分の恋路が上手くいかないから、八つ当たりのように黒川の不正を暴いている、と。
黒川の発想は至極当然のことだ。片桐が関わっていたこの循環取引のことを暴けば、片桐の恋人である知香は片桐から離れる可能性がある。片桐と知香が破局したところで俺が手を出せば、俺に靡いてくれる公算が大きい。
それを達成するために―――邨上は証拠を揃えたのだろう、と。黒川はそう言いたいのだ。
知香は、紛れもなく俺の恋人だ。知香を愛し、知香に愛されているのは、片桐ではなくこの俺だ。ふつふつと込み上げる怒りを、違うのだと叫びだしそうな自分を、奥歯を噛みしめることで律する。
(……今は…浅田と藤宮が来るまでは、勘違いさせておく方が都合がいい)
ぐっと握りしめた手のひらが、ブツリと音を立てた。爪が食い込んで血が滲んでいく。肉が裂かれる痛みがする。その痛みで、沸騰しそうな自分を抑え込む。
(かっとなるな。落ち着け)
三井商社を守るために。知香を、守るために。
ここは、細心の注意を払って慎重に事を運ばなければ。
俺が出社直後の黒川を応接室に連行し、その間に浅田と藤宮が手分けして黒川のデスクやPCを精査する、という作戦を発案したのは藤宮だ。
これまで一切の事情を知らせなかった藤宮にも協力を頼んだ。片桐からもたらされた証拠を無駄にするわけにはいかなかったからだ。俺の安いプライドなど、全て捨てた。
片桐の想いを背負うために。俺は、形振り構ってはいられないのだ。
目の前の黒川を睨みつけていると、くっと。黒川が喉を鳴らした。
「情けねぇな、そんな動機で俺を追い詰めているのか。お前はもう少し賢い男かと思っていたが」
「……」
黒川が椅子の背もたれに背中を預けて。ニタリ、と笑みを浮かべた。細い目がさらに細くなり、弧を描いた。
「俺さ。うちの社長の子どもなんだ。……社長は、俺の親父。わかるか?だからこれくらいじゃ俺は潰せない。この循環取引も、親父が無かったことにしてくれる手筈なんだ」
「は……?」
社長の、子ども。こいつは、社長の命の恩人の息子、では無かったか。呆けたような声が自分の喉から上がったのを見て、黒川が『形勢逆転』と言わんばかりに満足そうに微笑んだ、その瞬間。
バタバタと、廊下を誰かが走ってくるような。革靴の底が叩きつけられて響く、ふたつの足音がこの応接室に近づいてくる。
「邨上!揃った!」
ガチャリ、と音を立て、応接室に浅田が滑り込んで来た。浅田の後ろには、藤宮もいた。ふたりのその手にはしわくちゃになった資料。
証拠が、揃った。目の前にいる黒川は社長の息子、という衝撃的な言葉に茫然とした頭で、その言葉だけが俺の中に落ちてきた。
「循環取引での損失を補うために架空取引までしていた。PCの中にタイトルを変えて巧妙なファイルが作ってあった。……言い逃れはもう不可能ですよ、黒川さん」
呼吸が乱れているのもそのままに、浅田がぎっと黒川を睨みつけた。
視線を向けられた黒川は、俺に向けていたようなニタリとした笑みを崩さず、余裕そうに口を開く。
「………邨上にも言ったんだがな?俺の親父は、うちの社長なんだ。なんなら今から役員室で聞いてきてもらってもいいぞ?」
「は?」
浅田と藤宮から同時に声が上がった。ふたりとも、俺と同じように呆けた表情をしている。その表情を眺めて、はっと自分を取り戻した。
協力を乞うた浅田と藤宮には、池野課長から聞かされた黒川の出自のことだけは伏せていた。池野課長が、俺を信頼して話してくれたことだからだ。先に話しておくべきだったか、いや、話していたところで俺と同じように混乱させるだけ、と、小さく考えこむ。
「残念だったな、お前らの苦労は徒労に終わる」
ふん、と。黒川が鼻を鳴らしながら腕を組んだ。
「必死こいて這いつくばってまで証拠を集めて、ご苦労さん。俺はお前らでは潰せない」
ニタリ、と。気持ちの悪い笑みを、黒川がふたたび浮かべた。
社長の……息子。ただ、それだけで。不正な処理も、何もかもが見逃されるのか。
自分の感情が、低く、暗いところまで堕ちていく。まるで床が抜けたかのような浮遊感が俺の身体を包んでいく。ストン、と。何もかもが……世界が音を立てて崩れ落ちていくような―――そんな感覚。
ふい、と。視線を向けると、応接室に駆け込んできた浅田は愕然とした表情で。藤宮に至っては―――今にも倒れそうに、真っ青に青ざめている。
(……そりゃ、そうか…)
今のこの状況は。社長の息子に楯突いた。そう解釈される。俺たち3人に待っているのは、左遷、もしくは論旨解雇……このふたつ、だろう。
安いプライドだとしても、捨てるべきではなかった。俺のせいで、ふたりを巻き込んでしまった。ふたりの人生を大きく捻じ曲げてしまったのだ。ふたりにどんなに謝っても許されることでは、ない。
ただただ。俺たちの間に、沈黙が訪れた。
浅田と藤宮に、すまない、と…言葉をかけようと小さく息を飲む。すると、コンコン、と。開いたままの応接室のドアがノックされた。音がした方向に視線を向けると、無機質な声がこの応接室に響いた。
「……ちょっといいかしら?」
琥珀色の瞳が、無感動に黒川を貫いている。池野課長が、開いたドアに左肩を預けて、寄りかかるようにそこに立っていた。彼女のヒールの音にも気が付かないほど、俺たちは茫然自失としていたのだと気が付かされる。
「黒川。そのオトウサマがお呼びよ。役員室へ向かいなさい」
黒川が池野課長の言葉に、『俺の勝ちだ』、と……俺たちを嘲笑うように笑みを浮かべた。
黒川が応接室を辞して、その足音が聞こえなくなった頃。
「……黒川、が…社長の息子、というのは……」
凍りつく喉を叱咤して、開いたドアに寄りかかったまま腕を組んでいる池野課長に問いかけた。ひゅうひゅうと、喉が音を立てている。
「事実よ」
形の良い赤い唇が、肯定の言葉の形にゆっくりと開かれる様を、呆然と眺めた。椅子から立ち上がることすら、出来ない。
「……悪かったわね、邨上。あなたを騙すつもりはなかったのだけれど。あの時、結果的に濁す形になったことは謝るわ」
「……」
ほぅと。ため息をついて、組んだ腕が崩される。琥珀色の瞳が、俺たち3人を強く貫いた。
「今朝の定例会議で。黒川は懲戒解雇となることが決まったわ」
世界から。全ての音が消えた気がした。
定例会議。懲戒解雇。
この応接室から1階上の役員室。毎朝、その役員室で……役員が集まり定例会議を行ってから各々の持ち場へ降りてくるのが、この三井商社の幹部陣の慣例だ。
その、会議で。懲戒解雇が、決まった。と。
無機質な声は、その事実を俺たちに突きつけた。
池野課長がドアに寄りかからせていた身体を起こして、俺と同じように懲戒解雇という言葉を飲み込めないでいる浅田と藤宮に歩み寄っていく。コツコツと、ヒールの音が響いた。
「浅田、藤宮。架空取引の証拠も抑えたのよね?」
藤宮が手に持っていた資料をするりと池野課長が抜き取っていく。
「えっ……ああ、はい」
茫然としていた藤宮が、はっと我に返ったように池野課長に視線を合わせた。
「循環取引はどこかで必ず綻びが出るわ。それの穴埋めに架空取引をするはず。架空取引をしているなら、恐らく横領もしていると踏んで……管理部門に、黒川に強引に関わらせられていた人間がいないか、軽く調べていたの」
淡々と、その言葉を紡ぎながら。池野課長が藤宮の手から抜き取った資料をパラパラと捲っていく。
管理部門。総務部、経理部、システム部からなる三井商社の根幹組織。池野課長が口にしたように、横領は営業課単体では不可能だ。俺には……考えつきもしない視点、だった。
「ゴールデンウィーク中に、管理部門の子達全員に電話をかけて私が聞き取り調査をした。……すると、管理部門の中の子が、ひとり。強引に関わらせられていたことがわかったわ」
池野課長の声が、途中から震えた。ふい、と、池野課長の顔に視線を向けると、琥珀色の瞳が、僅かに…濡れていた。
「昨年の忘年会。ビールに睡眠薬を混ぜられて、連れ込まれていた。その時の写真をネタに揺すられていたそうよ。……彼女には、然るべき所へ訴えるように促したわ」
「な…?」
次々と出てくる衝撃的な事実に、言葉を失う。
アルコールに、睡眠薬。それは、黒川の常套手段だったのだ。そうして、慣れた手段を用いて……知香を、狙った。
池野課長は浅田の手からも資料を抜き取り、目尻に浮かんだ涙を指で拭って、込み上げるような何かを吐き出すように小さくため息をついた。
「今朝の定例会議では、証拠が揃っていない状態だったからかなり紛糾したけれど。循環取引に架空取引、横領、そして性犯罪。……特に上場企業である極東商社を巻き込んだ罪は重い。上場企業であるからこそ、あちらから三井商社を相手取って刑事告訴される可能性もある。社長も、もうこれ以上は庇えない、と、判断した」
ふわり、と。アーモンド色の髪がたなびいて、池野課長が応接室のドアに向かった。出入り口で立ち止まり、手に持った資料を脇に挟んでくるりと俺たちを振り返る。
「今、役員室で家族会議をしてる最中よ。暫く上の階には近づかないことね」
そうして、にこり、と。池野課長が、いつもの柔和な笑みを浮かべた。
「よく頑張ったわね、3人とも。さ、次の仕事よ。浅田と藤宮は黒川のデスクの片付けと撤去を。邨上は、極東商社へ通関差し止めの連絡を。……ほら、ぼーっとしてないで動く!」
パンっと、池野課長が手を叩いた。びくり、と、俺たち3人の身体が跳ねる。その様子を眺めながら、池野課長は知香そっくりのいたずらっぽい微笑みを浮かべて―――応接室から離れていった。コツコツと、ヒールの音が遠くなる。
「……む、ら……かみ…」
浅田が、掠れたような声で俺を呼んだ。ゆっくりと、その声がする方向に視線を向ける。
(やっと……終わった)
長かった。疑念を持って1ヶ月。ひとりで藻搔いていた時は遅々としてなにひとつ進まなかったのに。浅田と藤宮に協力を乞うてから、一気に事が進んだ。衆力功をなす、とは、まさにこのことだろう。
込み上げる感情を必死に抑えながら、フラフラと席を立つ。ふたりともありがとう、と、頭を下げようとした瞬間。
「せ、っ、先輩~~~っ!!」
わっと。藤宮が涙をボロボロ流しながら、俺に駆け寄ってきた。ドスン、と、身体に衝撃が走る。
こいつは、去年の新入社員。まだ…23歳。こんな緊迫した異常な雰囲気の中に放り込まれて、平静でいられる方がおかしい。
俺の胸の中で子どものように泣きじゃくる藤宮の頭を宥めるようにぽんぽんと叩く。
「悪かったな、藤宮……まだ若いお前をこんなことに巻き込んで。助かった。ありがとう」
泣きじゃくる藤宮を見て、苦笑したように小さく吐息を吐き出しながら、浅田が俺に近寄ってくる。ぱちりとした二重の瞳と、視線がかち合った。
「……」
「………」
言葉なんか、要らなかった。ふっと。お互いに口の端を吊り上げながら、コツン、と。拳を合わせた。
藤宮が泣き止むのを待って、俺は企画開発部のブースに戻った。自分のデスクまで歩み寄って、電話機に手を伸ばす。ボタンをゆっくりと押して、極東商社通関部に電話をかけていく。
女性である池野課長だからこそ……決定打となる事実を引き出せた。被害にあった社員も、女性同士だからこそ打ち明けられたのだろう。
池野課長は、管理部門の中の誰々さん、という名前も口にしなかった。それは、女性としての心配りだ。
(……んっとに……出来た、ヒトだ…)
彼女がいなければ。この三井商社は成り立たない。呼び出し音を聴きながら、改めて実感した。
『極東商社通関部、一瀬です』
知香の声が左耳元で響いた。どっと、肩から力が抜けた。妙な安心感から涙が零れそうになるのを必死に堪える。
「……三井商社の邨上です」
小さくため息をついて震える声で名乗ると、安堵したかのような呼吸音が聞こえた。
『少々お待ち下さい』
水野さんに電話をかける、と、伝えていたからか。それ以上何も言わなくても、知香は保留に切り替えた。
保留音が途切れて、水野さんの声が電話口で響く。その応答する声に、ひとつひとつこちらの情報を伝えながら。
(やっと。終わったぞ、知香…)
そう、心の中で小さく、呟いた。
「……」
「…………」
ただただ、無言の時間が続いていく。
ふい、と時計を見遣る。出勤しPCを立ち上げたばかりの黒川を問答無用と言わんばかりにこの応接室に引きずり込んで、既に1時間が経過していた。俺に残された時間を計算して、つぅ、と目を細める。
(……あと…30分)
あと、30分は。時間を稼がなければ。
心が急いていくのを必死に抑え込み、テーブルの上の資料―――片桐から提供された証拠を凝視したままの黒川に声をかけた。
「……いい加減、お認めになったらいかがでしょう、黒川さん」
面長の額に汗が浮き出ている。それもそうだろう。
自分が行っていた、循環取引の動かぬ証拠の欠片をつきつけられて。嫌な汗も出るだろう。
……だが。
(そういう事に手を染めて売上生み出してんのが、間違ってんだ)
心の中で小さく呟いて、膝の上に乗せた手のひらで拳を作る。
企業会計のルールでは、循環取引のように在庫が動いていないものは売上とみなされない。
本来は売上として認められないものを、売上として計上しようとする、つまり不正会計を行っているとみなされる。架空の売上を計上することで、外部の会社から見た三井商社は、本来はそれだけの力量がないのに、それだけの力量があるように見えてしまう。
企業成績が良ければ―――与信を取りやすくなり、相手側は三井商社に本来の力量を超えた販売をすることが可能となる。
俺を陥れるために取った作戦だったのかもしれないが、循環取引は俺だけでなく三井商社全体にダメージを負わせる不正処理だ。黒川はそこまで考えていたのか。恐らく、否、だろう。
「……自分の恋路が上手くいかないからと、俺に八つ当たりか」
ぽつり、と。黒川が、テーブルの上の資料を見つめたまま呟く。その言葉の意味が噛み砕けず、訝しげに目を細めた。
「自分の彼氏の不正を暴かれれば、あの女も片桐から離れざるを得なくなるからなぁ。狡いことをよく考えたもんだ」
地を這うような、黒川の声。ふっと。黒川が顔をあげる。その細い瞳が、嘲笑うように俺を見つめていた。
「お前が狙ってるあの女。極東商社通関部の一瀬。農産販売部の……片桐の女なんだな?」
突きつけられたその言葉に、片桐の名前に。知香は自分の恋人だ、と、思わず怒声が上がりそうになるのを必死で押し込んだ。
(かっとなるな……落ち着け。冷静に)
片桐にも。あの夜、言われた。かっとなりやすい俺が、黒川を刺激した、と。
だから……今、かっとなって返答すれば……黒川の思う壺。
膝の上の握りしめた拳に再度力を入れて、表情を変えず淡々と返答する。
「話を逸らさないでください。私は黒川さんの不正処理についてお話ししているつもりですが、」
「シンポジウムに参加した時。片桐が、一瀬を指して俺の女だと言っていた」
黒川が俺の言葉を遮るように言葉を被せた。放たれた黒川の言葉で、先ほど噛み砕けなかった言葉の真意を瞬時に悟った。
(……睡眠薬で意識を朦朧とさせ連れ去ろうとした時に…片桐が『俺の女』と間に割って入ったのか)
目の前で、無音映画のようにそのシーンが再生されるようだった。
ふらつく身体を必死に支えながら、焦げ茶色の瞳に拒絶の色を灯して黒川を睨みつける、知香。ニタリとした気持ちの悪い笑みを浮かべながら、知香に手を伸ばす、黒川。黒川が伸ばした手を掴んだ片桐が、獲物を捕らえたようにヘーゼル色の瞳を細めて―――『俺の女に手を出すな』と、口を動かした。
ふるり、と。心の中で小さく頭を振って、その幻影を追い払う。
黒川は。俺と知香が恋人、だと思い込んでいたから。知香を巻き込み、害する、という手段に出た。けれど、片桐が『俺の女』と口にしたことで。
(片桐と、知香が恋人で……俺が横恋慕しようとしている、と……認識した)
「……」
だから。先ほどの言葉になったのか。自分の恋路が上手くいかないから、八つ当たりのように黒川の不正を暴いている、と。
黒川の発想は至極当然のことだ。片桐が関わっていたこの循環取引のことを暴けば、片桐の恋人である知香は片桐から離れる可能性がある。片桐と知香が破局したところで俺が手を出せば、俺に靡いてくれる公算が大きい。
それを達成するために―――邨上は証拠を揃えたのだろう、と。黒川はそう言いたいのだ。
知香は、紛れもなく俺の恋人だ。知香を愛し、知香に愛されているのは、片桐ではなくこの俺だ。ふつふつと込み上げる怒りを、違うのだと叫びだしそうな自分を、奥歯を噛みしめることで律する。
(……今は…浅田と藤宮が来るまでは、勘違いさせておく方が都合がいい)
ぐっと握りしめた手のひらが、ブツリと音を立てた。爪が食い込んで血が滲んでいく。肉が裂かれる痛みがする。その痛みで、沸騰しそうな自分を抑え込む。
(かっとなるな。落ち着け)
三井商社を守るために。知香を、守るために。
ここは、細心の注意を払って慎重に事を運ばなければ。
俺が出社直後の黒川を応接室に連行し、その間に浅田と藤宮が手分けして黒川のデスクやPCを精査する、という作戦を発案したのは藤宮だ。
これまで一切の事情を知らせなかった藤宮にも協力を頼んだ。片桐からもたらされた証拠を無駄にするわけにはいかなかったからだ。俺の安いプライドなど、全て捨てた。
片桐の想いを背負うために。俺は、形振り構ってはいられないのだ。
目の前の黒川を睨みつけていると、くっと。黒川が喉を鳴らした。
「情けねぇな、そんな動機で俺を追い詰めているのか。お前はもう少し賢い男かと思っていたが」
「……」
黒川が椅子の背もたれに背中を預けて。ニタリ、と笑みを浮かべた。細い目がさらに細くなり、弧を描いた。
「俺さ。うちの社長の子どもなんだ。……社長は、俺の親父。わかるか?だからこれくらいじゃ俺は潰せない。この循環取引も、親父が無かったことにしてくれる手筈なんだ」
「は……?」
社長の、子ども。こいつは、社長の命の恩人の息子、では無かったか。呆けたような声が自分の喉から上がったのを見て、黒川が『形勢逆転』と言わんばかりに満足そうに微笑んだ、その瞬間。
バタバタと、廊下を誰かが走ってくるような。革靴の底が叩きつけられて響く、ふたつの足音がこの応接室に近づいてくる。
「邨上!揃った!」
ガチャリ、と音を立て、応接室に浅田が滑り込んで来た。浅田の後ろには、藤宮もいた。ふたりのその手にはしわくちゃになった資料。
証拠が、揃った。目の前にいる黒川は社長の息子、という衝撃的な言葉に茫然とした頭で、その言葉だけが俺の中に落ちてきた。
「循環取引での損失を補うために架空取引までしていた。PCの中にタイトルを変えて巧妙なファイルが作ってあった。……言い逃れはもう不可能ですよ、黒川さん」
呼吸が乱れているのもそのままに、浅田がぎっと黒川を睨みつけた。
視線を向けられた黒川は、俺に向けていたようなニタリとした笑みを崩さず、余裕そうに口を開く。
「………邨上にも言ったんだがな?俺の親父は、うちの社長なんだ。なんなら今から役員室で聞いてきてもらってもいいぞ?」
「は?」
浅田と藤宮から同時に声が上がった。ふたりとも、俺と同じように呆けた表情をしている。その表情を眺めて、はっと自分を取り戻した。
協力を乞うた浅田と藤宮には、池野課長から聞かされた黒川の出自のことだけは伏せていた。池野課長が、俺を信頼して話してくれたことだからだ。先に話しておくべきだったか、いや、話していたところで俺と同じように混乱させるだけ、と、小さく考えこむ。
「残念だったな、お前らの苦労は徒労に終わる」
ふん、と。黒川が鼻を鳴らしながら腕を組んだ。
「必死こいて這いつくばってまで証拠を集めて、ご苦労さん。俺はお前らでは潰せない」
ニタリ、と。気持ちの悪い笑みを、黒川がふたたび浮かべた。
社長の……息子。ただ、それだけで。不正な処理も、何もかもが見逃されるのか。
自分の感情が、低く、暗いところまで堕ちていく。まるで床が抜けたかのような浮遊感が俺の身体を包んでいく。ストン、と。何もかもが……世界が音を立てて崩れ落ちていくような―――そんな感覚。
ふい、と。視線を向けると、応接室に駆け込んできた浅田は愕然とした表情で。藤宮に至っては―――今にも倒れそうに、真っ青に青ざめている。
(……そりゃ、そうか…)
今のこの状況は。社長の息子に楯突いた。そう解釈される。俺たち3人に待っているのは、左遷、もしくは論旨解雇……このふたつ、だろう。
安いプライドだとしても、捨てるべきではなかった。俺のせいで、ふたりを巻き込んでしまった。ふたりの人生を大きく捻じ曲げてしまったのだ。ふたりにどんなに謝っても許されることでは、ない。
ただただ。俺たちの間に、沈黙が訪れた。
浅田と藤宮に、すまない、と…言葉をかけようと小さく息を飲む。すると、コンコン、と。開いたままの応接室のドアがノックされた。音がした方向に視線を向けると、無機質な声がこの応接室に響いた。
「……ちょっといいかしら?」
琥珀色の瞳が、無感動に黒川を貫いている。池野課長が、開いたドアに左肩を預けて、寄りかかるようにそこに立っていた。彼女のヒールの音にも気が付かないほど、俺たちは茫然自失としていたのだと気が付かされる。
「黒川。そのオトウサマがお呼びよ。役員室へ向かいなさい」
黒川が池野課長の言葉に、『俺の勝ちだ』、と……俺たちを嘲笑うように笑みを浮かべた。
黒川が応接室を辞して、その足音が聞こえなくなった頃。
「……黒川、が…社長の息子、というのは……」
凍りつく喉を叱咤して、開いたドアに寄りかかったまま腕を組んでいる池野課長に問いかけた。ひゅうひゅうと、喉が音を立てている。
「事実よ」
形の良い赤い唇が、肯定の言葉の形にゆっくりと開かれる様を、呆然と眺めた。椅子から立ち上がることすら、出来ない。
「……悪かったわね、邨上。あなたを騙すつもりはなかったのだけれど。あの時、結果的に濁す形になったことは謝るわ」
「……」
ほぅと。ため息をついて、組んだ腕が崩される。琥珀色の瞳が、俺たち3人を強く貫いた。
「今朝の定例会議で。黒川は懲戒解雇となることが決まったわ」
世界から。全ての音が消えた気がした。
定例会議。懲戒解雇。
この応接室から1階上の役員室。毎朝、その役員室で……役員が集まり定例会議を行ってから各々の持ち場へ降りてくるのが、この三井商社の幹部陣の慣例だ。
その、会議で。懲戒解雇が、決まった。と。
無機質な声は、その事実を俺たちに突きつけた。
池野課長がドアに寄りかからせていた身体を起こして、俺と同じように懲戒解雇という言葉を飲み込めないでいる浅田と藤宮に歩み寄っていく。コツコツと、ヒールの音が響いた。
「浅田、藤宮。架空取引の証拠も抑えたのよね?」
藤宮が手に持っていた資料をするりと池野課長が抜き取っていく。
「えっ……ああ、はい」
茫然としていた藤宮が、はっと我に返ったように池野課長に視線を合わせた。
「循環取引はどこかで必ず綻びが出るわ。それの穴埋めに架空取引をするはず。架空取引をしているなら、恐らく横領もしていると踏んで……管理部門に、黒川に強引に関わらせられていた人間がいないか、軽く調べていたの」
淡々と、その言葉を紡ぎながら。池野課長が藤宮の手から抜き取った資料をパラパラと捲っていく。
管理部門。総務部、経理部、システム部からなる三井商社の根幹組織。池野課長が口にしたように、横領は営業課単体では不可能だ。俺には……考えつきもしない視点、だった。
「ゴールデンウィーク中に、管理部門の子達全員に電話をかけて私が聞き取り調査をした。……すると、管理部門の中の子が、ひとり。強引に関わらせられていたことがわかったわ」
池野課長の声が、途中から震えた。ふい、と、池野課長の顔に視線を向けると、琥珀色の瞳が、僅かに…濡れていた。
「昨年の忘年会。ビールに睡眠薬を混ぜられて、連れ込まれていた。その時の写真をネタに揺すられていたそうよ。……彼女には、然るべき所へ訴えるように促したわ」
「な…?」
次々と出てくる衝撃的な事実に、言葉を失う。
アルコールに、睡眠薬。それは、黒川の常套手段だったのだ。そうして、慣れた手段を用いて……知香を、狙った。
池野課長は浅田の手からも資料を抜き取り、目尻に浮かんだ涙を指で拭って、込み上げるような何かを吐き出すように小さくため息をついた。
「今朝の定例会議では、証拠が揃っていない状態だったからかなり紛糾したけれど。循環取引に架空取引、横領、そして性犯罪。……特に上場企業である極東商社を巻き込んだ罪は重い。上場企業であるからこそ、あちらから三井商社を相手取って刑事告訴される可能性もある。社長も、もうこれ以上は庇えない、と、判断した」
ふわり、と。アーモンド色の髪がたなびいて、池野課長が応接室のドアに向かった。出入り口で立ち止まり、手に持った資料を脇に挟んでくるりと俺たちを振り返る。
「今、役員室で家族会議をしてる最中よ。暫く上の階には近づかないことね」
そうして、にこり、と。池野課長が、いつもの柔和な笑みを浮かべた。
「よく頑張ったわね、3人とも。さ、次の仕事よ。浅田と藤宮は黒川のデスクの片付けと撤去を。邨上は、極東商社へ通関差し止めの連絡を。……ほら、ぼーっとしてないで動く!」
パンっと、池野課長が手を叩いた。びくり、と、俺たち3人の身体が跳ねる。その様子を眺めながら、池野課長は知香そっくりのいたずらっぽい微笑みを浮かべて―――応接室から離れていった。コツコツと、ヒールの音が遠くなる。
「……む、ら……かみ…」
浅田が、掠れたような声で俺を呼んだ。ゆっくりと、その声がする方向に視線を向ける。
(やっと……終わった)
長かった。疑念を持って1ヶ月。ひとりで藻搔いていた時は遅々としてなにひとつ進まなかったのに。浅田と藤宮に協力を乞うてから、一気に事が進んだ。衆力功をなす、とは、まさにこのことだろう。
込み上げる感情を必死に抑えながら、フラフラと席を立つ。ふたりともありがとう、と、頭を下げようとした瞬間。
「せ、っ、先輩~~~っ!!」
わっと。藤宮が涙をボロボロ流しながら、俺に駆け寄ってきた。ドスン、と、身体に衝撃が走る。
こいつは、去年の新入社員。まだ…23歳。こんな緊迫した異常な雰囲気の中に放り込まれて、平静でいられる方がおかしい。
俺の胸の中で子どものように泣きじゃくる藤宮の頭を宥めるようにぽんぽんと叩く。
「悪かったな、藤宮……まだ若いお前をこんなことに巻き込んで。助かった。ありがとう」
泣きじゃくる藤宮を見て、苦笑したように小さく吐息を吐き出しながら、浅田が俺に近寄ってくる。ぱちりとした二重の瞳と、視線がかち合った。
「……」
「………」
言葉なんか、要らなかった。ふっと。お互いに口の端を吊り上げながら、コツン、と。拳を合わせた。
藤宮が泣き止むのを待って、俺は企画開発部のブースに戻った。自分のデスクまで歩み寄って、電話機に手を伸ばす。ボタンをゆっくりと押して、極東商社通関部に電話をかけていく。
女性である池野課長だからこそ……決定打となる事実を引き出せた。被害にあった社員も、女性同士だからこそ打ち明けられたのだろう。
池野課長は、管理部門の中の誰々さん、という名前も口にしなかった。それは、女性としての心配りだ。
(……んっとに……出来た、ヒトだ…)
彼女がいなければ。この三井商社は成り立たない。呼び出し音を聴きながら、改めて実感した。
『極東商社通関部、一瀬です』
知香の声が左耳元で響いた。どっと、肩から力が抜けた。妙な安心感から涙が零れそうになるのを必死に堪える。
「……三井商社の邨上です」
小さくため息をついて震える声で名乗ると、安堵したかのような呼吸音が聞こえた。
『少々お待ち下さい』
水野さんに電話をかける、と、伝えていたからか。それ以上何も言わなくても、知香は保留に切り替えた。
保留音が途切れて、水野さんの声が電話口で響く。その応答する声に、ひとつひとつこちらの情報を伝えながら。
(やっと。終わったぞ、知香…)
そう、心の中で小さく、呟いた。
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