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第一部 世界熔解
15 ばれました
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俺のレベルを鏡の魔物が大声でばらしてくれた。向こうにステータスはばれたが、こっちも敵三人の情報は鑑定済みだ。
奴らは攻撃の手を止めて俺を見ている。
周囲では倒れていたプレイヤーたちが、呻きながら身を起こしつつあった。前線で剣を構えた城山が、ギギギと首を回して俺を見て「近藤さんLv.999……?」と呻いている。ばれたか。まあ、そろそろきちんと話そうと思っていたから、ちょうど良い頃合いかもしれない。
「Lv.999?! すごーい! 永治と同じじゃない!」
八代とかいうセーラー服の少女が、何故か嬉しそうにはしゃぐ。
黒崎が目を細める。
「俺の魔法を無傷で防げる使い手は限られる。まだ直接戦ったことのない者で、該当するのは仙神ジョウガか……あるいは、アダマスの守護神」
「!!」
「当たりか」
動揺を顔に出してしまった。
こちとら石だったから、ポーカーフェイスは苦手なんだよ。
もう誤魔化したって無駄な気はするが、一応「人違いだ」と否定してみる。
「随分、自分の魔法に自信があるんだな。世界は広い、上には上がいるかもだぜ?」
「こと異世界アニマに限っては、広くはないさ。あそこは生まれたばかりの世界だからな」
どういう意味だ。
俺は、薄い笑みを浮かべている黒崎を睨みながら問いかけた。
「お前ら、いったい何なんだ?」
「俺たちはギルド不死者」
黒崎はあっさり、俺の疑問に答える。
「不死者?」
「俺たちは異世界で人間以外のモノに転生した者の集まりだ。不死者ゆえに人間のレベル上限を突破している。お前もそうだろう、近藤?」
レベルを高くするには時間が掛かるからな。
人間の寿命じゃ、Lv.999に到達するのは不可能だ。
そうか。黒崎たちは俺と同じように、人外に転生したから、レベルが異様に高いのか。
「俺たちの仲間に入らないか」
「は?」
「そんな驚くことは無いだろう。異世界で人外だった者同士、理解しあえることもあるはずだ」
理解しあえる……?
セーブポイント転生が??
「枢たん……」
振り返った心菜のじとっとした目線に、俺は咳払いした。
「い、いや。遠慮しとく」
黒崎の勧誘はお断りする。
よく分からんが街中でカニを暴走させてる奴らの仲間に入るなんて、とんでもない。
「そうか、残念だな。だが話くらいはしようじゃないか」
「俺は特に話したいことはない」
「本当に? 俺たちの目的について知りたくないか?」
ガンデムやカニを暴走させる目的……?
「テーマパークでも作るのか??」
俺の呟きに真がブッと吹き出した。
黒崎が快活な笑い声を上げる。
「ははは、面白いな、近藤は。俺と話したくなったら、仲間を連れず一人きりでビッグサイトに来い。待っている」
誰が行くかと思ったが、黒崎は俺の返答に構わず「撤収するぞ」と仲間に声を掛けている。
奴らが闇の中に消えるのを、俺は黙って見送った。
遅れてピーポーピーポーと警察や消防のサイレンの音が響き始める。
カニが派手に暴れたせいで、ビルが壊れたり怪我人が出たりしていた。
八代の幻惑魔法で気絶した奴らも起き出して、念のため病院に行こうと言っている。ここに残っていると事情聴取されそうだ。俺たちもさっさと離れた方が良いだろう。
「皆さん、こっちです」
黒塗りの乗用車の中から、佐々木さんが手招きする。
俺たちは急いで車に乗り込んだ。
佐々木は俺たちを車に招き入れると、スマホを操作する。
スマホの画面から、立体的なアマテラスの姿が浮かび上がった。
「うわっ」
『ふふふ、驚いたか? 遠方でも、このように幻を通して話ができるのじゃ!』
本人が直接来た訳ではなく、立体動画のテレビ電話みたいなものらしい。
『それで、何があったのじゃ?』
俺は途中から戦いに入ったので、状況が分からない。
最初からいた真がアマテラスに説明した。
「……と、言う訳で、アマテラスさまの居場所を狙って襲ってきた連中は、枢っちに仲間になれと勧誘してあっさり立ち去ったのでした、マル」
『そなたは色々な者たちに好かれるのう、枢や』
「好かれるとか……変なこと言わないでください」
茶々を入れるアマテラスに、俺は両腕を抱えて鳥肌をさする。
『しかし、その者たちは、妾がダンジョンに張った結界に興味があると見ゆる。いったい何のために……?』
車内に沈黙が落ちる。
誰かのスマホが振動音を立てた。
佐々木が「もう一つ携帯を持っているので」と断って、鞄から別のスマホを取り出す。
彼はどこかと連絡を取った後、険しい顔で俺たちに言った。
「大変な事になりました」
「どうしたの?」
「首相から、非常事態対策委員会が召集したプレイヤーたちを解散させるように指示がありました。事態の確認が取れるまで、プレイヤーの活動は凍結するしかなさそうですね」
「なっ?!」
黒崎の登場と言い、何やらきな臭い状況になってきたぞ。
奴らは攻撃の手を止めて俺を見ている。
周囲では倒れていたプレイヤーたちが、呻きながら身を起こしつつあった。前線で剣を構えた城山が、ギギギと首を回して俺を見て「近藤さんLv.999……?」と呻いている。ばれたか。まあ、そろそろきちんと話そうと思っていたから、ちょうど良い頃合いかもしれない。
「Lv.999?! すごーい! 永治と同じじゃない!」
八代とかいうセーラー服の少女が、何故か嬉しそうにはしゃぐ。
黒崎が目を細める。
「俺の魔法を無傷で防げる使い手は限られる。まだ直接戦ったことのない者で、該当するのは仙神ジョウガか……あるいは、アダマスの守護神」
「!!」
「当たりか」
動揺を顔に出してしまった。
こちとら石だったから、ポーカーフェイスは苦手なんだよ。
もう誤魔化したって無駄な気はするが、一応「人違いだ」と否定してみる。
「随分、自分の魔法に自信があるんだな。世界は広い、上には上がいるかもだぜ?」
「こと異世界アニマに限っては、広くはないさ。あそこは生まれたばかりの世界だからな」
どういう意味だ。
俺は、薄い笑みを浮かべている黒崎を睨みながら問いかけた。
「お前ら、いったい何なんだ?」
「俺たちはギルド不死者」
黒崎はあっさり、俺の疑問に答える。
「不死者?」
「俺たちは異世界で人間以外のモノに転生した者の集まりだ。不死者ゆえに人間のレベル上限を突破している。お前もそうだろう、近藤?」
レベルを高くするには時間が掛かるからな。
人間の寿命じゃ、Lv.999に到達するのは不可能だ。
そうか。黒崎たちは俺と同じように、人外に転生したから、レベルが異様に高いのか。
「俺たちの仲間に入らないか」
「は?」
「そんな驚くことは無いだろう。異世界で人外だった者同士、理解しあえることもあるはずだ」
理解しあえる……?
セーブポイント転生が??
「枢たん……」
振り返った心菜のじとっとした目線に、俺は咳払いした。
「い、いや。遠慮しとく」
黒崎の勧誘はお断りする。
よく分からんが街中でカニを暴走させてる奴らの仲間に入るなんて、とんでもない。
「そうか、残念だな。だが話くらいはしようじゃないか」
「俺は特に話したいことはない」
「本当に? 俺たちの目的について知りたくないか?」
ガンデムやカニを暴走させる目的……?
「テーマパークでも作るのか??」
俺の呟きに真がブッと吹き出した。
黒崎が快活な笑い声を上げる。
「ははは、面白いな、近藤は。俺と話したくなったら、仲間を連れず一人きりでビッグサイトに来い。待っている」
誰が行くかと思ったが、黒崎は俺の返答に構わず「撤収するぞ」と仲間に声を掛けている。
奴らが闇の中に消えるのを、俺は黙って見送った。
遅れてピーポーピーポーと警察や消防のサイレンの音が響き始める。
カニが派手に暴れたせいで、ビルが壊れたり怪我人が出たりしていた。
八代の幻惑魔法で気絶した奴らも起き出して、念のため病院に行こうと言っている。ここに残っていると事情聴取されそうだ。俺たちもさっさと離れた方が良いだろう。
「皆さん、こっちです」
黒塗りの乗用車の中から、佐々木さんが手招きする。
俺たちは急いで車に乗り込んだ。
佐々木は俺たちを車に招き入れると、スマホを操作する。
スマホの画面から、立体的なアマテラスの姿が浮かび上がった。
「うわっ」
『ふふふ、驚いたか? 遠方でも、このように幻を通して話ができるのじゃ!』
本人が直接来た訳ではなく、立体動画のテレビ電話みたいなものらしい。
『それで、何があったのじゃ?』
俺は途中から戦いに入ったので、状況が分からない。
最初からいた真がアマテラスに説明した。
「……と、言う訳で、アマテラスさまの居場所を狙って襲ってきた連中は、枢っちに仲間になれと勧誘してあっさり立ち去ったのでした、マル」
『そなたは色々な者たちに好かれるのう、枢や』
「好かれるとか……変なこと言わないでください」
茶々を入れるアマテラスに、俺は両腕を抱えて鳥肌をさする。
『しかし、その者たちは、妾がダンジョンに張った結界に興味があると見ゆる。いったい何のために……?』
車内に沈黙が落ちる。
誰かのスマホが振動音を立てた。
佐々木が「もう一つ携帯を持っているので」と断って、鞄から別のスマホを取り出す。
彼はどこかと連絡を取った後、険しい顔で俺たちに言った。
「大変な事になりました」
「どうしたの?」
「首相から、非常事態対策委員会が召集したプレイヤーたちを解散させるように指示がありました。事態の確認が取れるまで、プレイヤーの活動は凍結するしかなさそうですね」
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