モンスターに転生したけど種族が決まって無い(仮題)

最強願望者

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1章『自分の姿決め編』

『偶然=必然』

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首筋に手刀が当たる瞬間、その手にスライムが振り上げた手が当たる。

「今のは完全に見切ったが、目を瞑っていても避けたかもなぁ」

「運がいいだけで・・・!」

むむむ?何を言ってんだこの団長ばかは。

「運がいい?違うぞ、運極だって言ったろ?必然しか起こんないんだよ」

偶然と言ったな。あれは嘘だ。運極にもなると、予備動作なしの銃弾でも避ける自信がある。

偶然、たまたま、運が良かった。これらを数値化したものがステータス。それを極めている時点で『運がいい事』が必然となる。

「これが運極、それが運極、それをかすめ取った俺も大概だがな」

本当に、運が良かった。たまたま倒れたドラゴンや吸血鬼がいて、いや、これも必然だったのかもしれないな。

「仕組まれれば必然、偶然が

「くっ・・・だがそれは!結果論では無いか!!!」

うーん・・・そう言われたらそれまでだ・・・

「ハイハイ、もういいや、に勝つとするよ」

ニヤニヤと笑いながら、魔法を使う。
魔法はただの火魔法だが、極小さな火の玉を無数に作成し、バリアのように四方八方に撒き散らす。

「そんな物!水魔法で相殺してやる!」

意気込む団長、だが、スライム(仮名)は主人公であり、運極である。

そんな奴に主人公補正がかからない訳が無い。

「そんな訳で、俺のこの火の玉は俺の『運』によって何者も破壊出来無い物になっているんだ」

「そんな事はどうでもいい!たかが『運』で私の人生を・・・努力を!否定するな!!!」

もはや半狂乱になって叫ぶ団長。顔は見えないが、正気に戻ったら自殺しかねない顔になっているだろう。

「否定はしない。お前がどれだけ頑張ったか、どれだけ悲しかったか、どれだけ苦しんだか、どれだけ傷ついてきたのか、それを俺は知らないが、お前の『今』を見て、俺は断定する。『よく頑張ったな』ってな」

八重歯を覗かせながらニカッと笑う。『今』の団長は・・・いや、『彼女』は、今を生きていて、その為の努力もしてきた事を今の状況や、周りの態度からも明らかだろう。

「俺は知らない。何も知らない。が、お前は俺を知っているか?何も知らないだろう?名前も、出身も、思考も、種族も、そう考えたら、俺はお前より『知っている』ことが多いい」

屁理屈で、自分でも何を言っているのかわからない。だが、鎧のヘルムから出てる涙を見て、何も間違ってはいなかった。これで彼女を救えたんだ。と、何故か優越感に浸っていた。

「だ・・・だが・・・わた・・・しは負けては・・・」

いけないと続けようとしたのだろう。だがその前に、俺が声を上げた。

「だから!しらねぇっつってんだよ!!それとも何か!?俺にお前を全部理解して、尚且つ勝たせて下さいってか!?馬鹿か!!!アホか!!!少しはそのピンクで染まりに染まって黒く見えてる脳みそ使って考えろよ!!!」

どんな色でも重ね過ぎると黒くなる。あっ、白は別。(自論)

「くっ・・・ならば・・・全力で叩き伏せる!!!」

「ああ!来いよ!」

ようやく元気を取り戻した(嘘)団長を奮い立たせ、自らも気合を入れる。

今度はしっかり、高速切り返しやって上げようかな・・・

あっ、火の玉どうしよう・・・
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