モンスターに転生したけど種族が決まって無い(仮題)

最強願望者

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1章『自分の姿決め編』

『戦闘』

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火の玉を消し、鉈を放り投げ、刀に持ち替える。

すると突然、物凄い殺気と共に団長が迫ってきた。

「うんうん、今度は竜化しようかな」

腕と脚を竜化し、構える。
完全な運極ではなくなったが、それに匹敵する空間把握と竜の反射神経で滞り無くする。

「どういうつもりだ」

竜化したことにより、運極よりも弱くなってしまった事だろうか?それとも、これだけのスピードとパワーがあるにもかかわらず守りに徹している事だろうか?

「そんなの、お前を理解しようとしてるからに決まってるだろう?」

団長の長剣が俺の鳩尾に入りそうになるが、鍔で叩き落とし、距離を取る。

「そんなことを聞いているのではない。何故反撃しない」

感情を感じさせない喋り方だが、内心ではイライラしているのが分かる。

「特に意味は無いさ。強いて言うなら、弱過ぎてどれが隙だか分からないってところだ」

明らかな挑発。だが、今の団長には十分な刺激となりえた。

「ほざけ!その余裕を打ち砕いてやる!いくぞ!」

左下に剣先を向け、大きく振りかぶりながら距離を詰める。
軽く刀を上げ、突きの姿勢を見せると、団長は横に大きく飛び、腿を狙って斜めに切り上げて来た。

「脚を狙うか・・・悪くない判断だが、俺が一番懸念している場所だからな、お前じゃ切れないよ」

忘れてはいけないのが、いくら『運極』じゃないからと言っても、吸血鬼と竜化だけの場合は『運』が5桁になる。
それだけで常人より『運がいい』だろう。

団長が舌打ちと共に頭目掛けて上段切りを仕掛けるも、鉈の柄を斜めに持ち地面に受け流す。
無理やり体を捻り、回転切りを繰り出す団長。

「凄いな、やっぱり天才は違うな・・・しかも、文字通りの天才と来た」

運が良いのか悪いのか・・・いや、悪いってことはないだろう・・・多分、恐らく、かもしれない。

「ほざけ、私が天才ならばそれを息も乱さずに受け流す君はなんだ?」

「うーん、多分、モンスター?」

あっ、シャレじゃないよ!本当の事だしね!

「くそ!何故当たらない!人間の死角を全て狙っているのだぞ!」

まぁ、細かい所はより緻密な魔力を置いているからな・・・とりわけ異次元の速度じゃないと、俺は切れないのさ(真摯)。

「次はこちらから攻めさせてもらおう」

他意はない・・・うん、無いったら無い。

「良かろう!受けて立つ!」

威勢は良いんだけどな・・・実力も・・・まぁ普通の人間よりは強いのかもしれないがな・・・

俺は団長との間合いを数歩で詰め、無造作に刀を横薙にふるう。
それを団長がほぼ直感で上げた長剣で受け止めるも、力負けして横に吹っ飛ぶ。吹っ飛んだ威力を転がって受け流し、剣を構える。

「おいおい、俺が攻めるからって守りに徹するか?普通攻撃されたら攻撃し返すだろう?」

そうは言っても竜の、しかも『悪魔』と呼ばれた竜の力だ、それを受け流し不可能な技量とパワーでは撃ち負けるのも必然、受け止めた瞬間に勝負が決まると言っても過言では無い。

「無茶を言うな。君の力を耐え切るには幾分か力が足りないんでね」

当然だと頷くスライム(仮名)に苦笑を浮かべているであろうアクションを行う団長。
もっとも、肩を少し竦めるだけだが。

「ほら、次は本場の『剣の舞』を見せてやろう」

もっとも、『刀』故に『刀の舞』になるのだろうが・・・

「これが本当の剣技だ」

そう言って、に刀を持つのであった。
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