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第1章『まずは成長しましょう』
12話『情報収集と召喚』
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──side神々──
「なに!?それは本当か!」
ここは天界、神々が住む禁忌かつ神聖な場。
その一角にある三十柱の神が会議という名の談笑を開く場で、その叫びは轟く様に鳴り響いた。
「どうした?アポロン?」
叫んだ神の名はアポロン、太陽の化身と呼ばれる神であり、三十柱の上位12位の内の1人である。
呼び掛けたのは同じく12位の内の1人であるアテネ、戦の女神であり、常に甲冑を身に付けている。
「ああ、彼の者が神聖召喚を行おうとしているらしい」
途端にザワザワと騒ぐ神々、ある者は目を瞑り、ある者はニヤつき、ある者は周りの神と話し合っている。
「静まれ!!」
そこに一際大きな声で号令を掛ける声が響く。
声の主の名はゼウス、三十柱12位の内の2位であり、全知の神である。
いつもはその長く伸びた白い髭を撫で、ニコニコと優しげな老人だが、この時ばかりは、有り得ないような厳しい顔をして、周りを見渡していた。
「これは由々しき事態ぞ!しっかと話し合わんか!儂は子供たちには手は出さんが、今回は訳が違う!神聖召喚は我々神のみならず、死者や冥界の猛者、最悪エロースやタルタロスまで召喚できるのだぞ!」
原初の神、エロースやタルタロス、ガイアやカオス、ウラヌスは現在、眠りに着いている。
約二千億年前から百億年単位で1人ずつ眠りにつき、現在まで起きていないのだ。
しかし、ゼウスの後に、こう続ける者が出た。
「ゼウス・・・違うよ・・・最悪なのは・・・」
そう続けるのは彼の者・・・カインを転生させた本人、転生神だ。
転生神は序列10位の神であり、発言力がかなりある。
「ああ、分かっている、アルテマ様だろう?」
答えたのはゼウスでは無くハデス、死神とは違う、冥界の支配者だ。
序列は15位の中位圏だが、その力はウラヌスに傷を負わせるまでに至る。
「アルテマ様・・・」
アルテマとは、天界では無く、神界と呼ばれる天界の上位の世界の支配者であり、神界九柱の筆頭兼最強と謳われる女神である。
「・・・しかし、彼の者を止める手段は無い。最早神々や世界の命運は彼の者に掛かっている。我等は神、常に見守る立場よ」
そう言ったのは、天界序列1位、ゼウスを破り、天界最強の座を奪い取った神。
「なんとも、儂の継人も面白い事をするのう」
そう言ったのも、天界序列1位の、死神だった。
──mainカイン──
「リル、そこの本を戻しておいて」
教師から図書室の場所を教えてもらい、現在午前11時過ぎ。
僕はこの学園自体が召喚魔法陣だと聞き、研究資料を探しているのだが・・・
「一旦分かったことをまとめてみよう」
1、召喚魔法陣は真ん中に持続的に魔力を送らないといけない。周囲から魔力を吸い取る効果がある。(微弱)
2、学園自体が魔法陣と化しているのは、死亡阻止の魔法陣のみ。
3、真ん中は校庭の僕達が寝ていた所。かなり偶然。
4、必要魔力は約500000、僕の魔力をフルで25回入れないとダメだけど、初期の頃から長年の吸収した蓄えがあると思う。
5、この魔法陣は神聖召喚魔法陣と呼ばれ、遥か昔の勇者が起動させて以来、起動されていないらしい。
6、召喚されるのは万物を含めた完全ランダムで、最後に魔力を込めた人物の思考に比例した性格や意図の何かが出てくるらしい。
7、過去では神や神獣、魔王やら異世界の人間が召喚されたらしい。
8、クールタイムがあり、約100年で使えるようになるらしい。
9、最後に使われたのは約800年前で、それ以来流し込んだ奴が全員死んでいるらしい。(魔力枯渇で)
10、召喚された者は召喚者に絶対服従、もしくは敵対の二つしかない。
また、逆に服従を誓った例もある。
という事くらいかな。
神やら異世界の住人やらかなり不思議な事が書かれているが、物語風のものもあり、信評性に欠けるなぁ。
「まぁ、いっか」
本を片付けてくれたリルの頭を撫でながら、計画を組み立てる。
神召喚の計画を。
──十二時間後──
さーてと、今僕はリルを連れ、昨日昼寝していた木の影にいる。
少し魔力に集中していると、確かに少しづつ吸い取られるのが分かった。
「・・・ここかな」
魔力が1番強く吸い取られる場所に近づき、魔力を送り込む、すると、頭の中に数字が浮かんできた。
─残り5000─
これが恐らく残りの必要魔力だろう。
800年だよ?逆にこうじゃなかったら泣いてたよ。
「さて、イメージイメージ・・・」
召喚にはイメージが大事なのはリルで実証済み。
今回のイメージは強く、執拗で、狡猾で、正直で、僕に従順で、リルと仲良く、自分を持っている奴がいいなぁ。
「神か、俺もなれるかなぁ?」
不意に、口から出た言葉に自分で驚きながら魔力を込める。
僕の・・・全魔力を込めた。
リルの時もオーバー分はスキルとかに現れていたと思ったから、今回も出来るだけ強く、出来るだけ優しく、出来るだけ役に立つ奴を。
「さぁさぁ、そろそろ来てくれるかな?」
その言葉に返事をするように学園が光り輝いた。
暗く、果てしなく黒い光。
王都を覆う黒い光に世界が目を瞑り、人々が叫び、困惑し、これを知るものは冷や汗を流した。
つまり・・・
「召喚成功だ」
「なに!?それは本当か!」
ここは天界、神々が住む禁忌かつ神聖な場。
その一角にある三十柱の神が会議という名の談笑を開く場で、その叫びは轟く様に鳴り響いた。
「どうした?アポロン?」
叫んだ神の名はアポロン、太陽の化身と呼ばれる神であり、三十柱の上位12位の内の1人である。
呼び掛けたのは同じく12位の内の1人であるアテネ、戦の女神であり、常に甲冑を身に付けている。
「ああ、彼の者が神聖召喚を行おうとしているらしい」
途端にザワザワと騒ぐ神々、ある者は目を瞑り、ある者はニヤつき、ある者は周りの神と話し合っている。
「静まれ!!」
そこに一際大きな声で号令を掛ける声が響く。
声の主の名はゼウス、三十柱12位の内の2位であり、全知の神である。
いつもはその長く伸びた白い髭を撫で、ニコニコと優しげな老人だが、この時ばかりは、有り得ないような厳しい顔をして、周りを見渡していた。
「これは由々しき事態ぞ!しっかと話し合わんか!儂は子供たちには手は出さんが、今回は訳が違う!神聖召喚は我々神のみならず、死者や冥界の猛者、最悪エロースやタルタロスまで召喚できるのだぞ!」
原初の神、エロースやタルタロス、ガイアやカオス、ウラヌスは現在、眠りに着いている。
約二千億年前から百億年単位で1人ずつ眠りにつき、現在まで起きていないのだ。
しかし、ゼウスの後に、こう続ける者が出た。
「ゼウス・・・違うよ・・・最悪なのは・・・」
そう続けるのは彼の者・・・カインを転生させた本人、転生神だ。
転生神は序列10位の神であり、発言力がかなりある。
「ああ、分かっている、アルテマ様だろう?」
答えたのはゼウスでは無くハデス、死神とは違う、冥界の支配者だ。
序列は15位の中位圏だが、その力はウラヌスに傷を負わせるまでに至る。
「アルテマ様・・・」
アルテマとは、天界では無く、神界と呼ばれる天界の上位の世界の支配者であり、神界九柱の筆頭兼最強と謳われる女神である。
「・・・しかし、彼の者を止める手段は無い。最早神々や世界の命運は彼の者に掛かっている。我等は神、常に見守る立場よ」
そう言ったのは、天界序列1位、ゼウスを破り、天界最強の座を奪い取った神。
「なんとも、儂の継人も面白い事をするのう」
そう言ったのも、天界序列1位の、死神だった。
──mainカイン──
「リル、そこの本を戻しておいて」
教師から図書室の場所を教えてもらい、現在午前11時過ぎ。
僕はこの学園自体が召喚魔法陣だと聞き、研究資料を探しているのだが・・・
「一旦分かったことをまとめてみよう」
1、召喚魔法陣は真ん中に持続的に魔力を送らないといけない。周囲から魔力を吸い取る効果がある。(微弱)
2、学園自体が魔法陣と化しているのは、死亡阻止の魔法陣のみ。
3、真ん中は校庭の僕達が寝ていた所。かなり偶然。
4、必要魔力は約500000、僕の魔力をフルで25回入れないとダメだけど、初期の頃から長年の吸収した蓄えがあると思う。
5、この魔法陣は神聖召喚魔法陣と呼ばれ、遥か昔の勇者が起動させて以来、起動されていないらしい。
6、召喚されるのは万物を含めた完全ランダムで、最後に魔力を込めた人物の思考に比例した性格や意図の何かが出てくるらしい。
7、過去では神や神獣、魔王やら異世界の人間が召喚されたらしい。
8、クールタイムがあり、約100年で使えるようになるらしい。
9、最後に使われたのは約800年前で、それ以来流し込んだ奴が全員死んでいるらしい。(魔力枯渇で)
10、召喚された者は召喚者に絶対服従、もしくは敵対の二つしかない。
また、逆に服従を誓った例もある。
という事くらいかな。
神やら異世界の住人やらかなり不思議な事が書かれているが、物語風のものもあり、信評性に欠けるなぁ。
「まぁ、いっか」
本を片付けてくれたリルの頭を撫でながら、計画を組み立てる。
神召喚の計画を。
──十二時間後──
さーてと、今僕はリルを連れ、昨日昼寝していた木の影にいる。
少し魔力に集中していると、確かに少しづつ吸い取られるのが分かった。
「・・・ここかな」
魔力が1番強く吸い取られる場所に近づき、魔力を送り込む、すると、頭の中に数字が浮かんできた。
─残り5000─
これが恐らく残りの必要魔力だろう。
800年だよ?逆にこうじゃなかったら泣いてたよ。
「さて、イメージイメージ・・・」
召喚にはイメージが大事なのはリルで実証済み。
今回のイメージは強く、執拗で、狡猾で、正直で、僕に従順で、リルと仲良く、自分を持っている奴がいいなぁ。
「神か、俺もなれるかなぁ?」
不意に、口から出た言葉に自分で驚きながら魔力を込める。
僕の・・・全魔力を込めた。
リルの時もオーバー分はスキルとかに現れていたと思ったから、今回も出来るだけ強く、出来るだけ優しく、出来るだけ役に立つ奴を。
「さぁさぁ、そろそろ来てくれるかな?」
その言葉に返事をするように学園が光り輝いた。
暗く、果てしなく黒い光。
王都を覆う黒い光に世界が目を瞑り、人々が叫び、困惑し、これを知るものは冷や汗を流した。
つまり・・・
「召喚成功だ」
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