転移したのは終末を迎えた世界で

最強願望者

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新たな世界の物語

1ー2『おはようございます』

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「ふわぁあ・・・・・・お?・・・」

目が覚めた。
体感的には一瞬で、体的にはめちゃくちゃ長い間寝ていた事が分かる。
目を擦り、久方振りの世界を見ると、何故か多種多様な人達がこちらを見ていた。

驚いたように見る奴と、興味深そうに見る奴、そんで安心した様な奴。
夢は・・・見てたような、見てないような。
俺は地面に降り立ち、立とうとしたが。

「おぉ、立てないな。バランスが取れない」

見事に、仰向けに倒れた。
そして、どうした物かと座っていると、寝床の周りに跪く『何か』が居た。

「・・・え?幽霊?なんか可愛い・・・な」

というか、ちゃんと人間誕生してたんだな。
良かった良かった。
コレで敵も友も出来るってもんだ。

跪いていた『何か』は俺の周りに近づいて来ると、話し掛けてきた。

『神よ・・・何卒、我らを貴方様の庇護下に・・・』

「・・・え?女の子?」

声だけは、女の子だ。
で、庇護下って・・・舐めんてんのか?
あー、でもあれか。
弱い奴って強いやつの下につくもんな。

「って、神?俺が?」

笑わせんなよ(笑)
俺が神ならホームレスでも神になれるぞ?
仕方が無いから、空中に浮いて移動する。
未だ固まったままの奴らを見て、何かを見る。

「俺って多分、強くないよ?昔なんて、俺最弱だったからね?」

まぁ、転移前は俺格闘技やってたんだけど、チンピラにも勝てない位弱かったんだよねぇ。
しかし、何かは首を振って力強く宣言する。

『貴方様しか居りません。私共を生み出し、育てて下さった貴方様しか・・・』

「作ったってのはわかんねぇけど、まぁいっか。庇護下っつうか、仲間って感じだな」

というか、これってなんなの?
喋れるし、でもなんかモヤがかかってよく見えない。

「お前らってなんなの?そこの奴らとは違うみたいだし、不特定生物?」

『我らは貴方様に作り出された者。概念的な物は貴方様にしか決定付けられません』

どゆこと?
えっと、俺に作られたから、題名は貴方が付けてください的な?
・・・おお、わかりやすい。

「んー、じゃあ俺と仲間になるんだから、最強になってくれないとな」

かなり、ふざけて言ったつもりなのだが。
瞬間、何かは大きく膨れ上がり、人になった。
それぞれが跪きながら、困惑したように目を白黒させている。

「・・・・・・・・・・・・天使?」

とても可愛らしい者から、超絶イケメンまで。
何故かモヤもハッキリし、俺に話しかけた奴の顔が見えた。

純白の翼と漆黒の翼、真っ黒な髪に赤い目。
おーー、カッコ可愛いな!
暫く見つめていると、見られている事に気付いた何か達が一様に頭を下げて来た。

「ありがとうございます!貴方様のおかげで世界に種族として認知されました!」

「ふ、ふーん、種族名は?」

「・・・天魔・・・天魔族です!」

・・・天使と悪魔で天魔ってか。
ふはー、誰が付けたか知らんけど、しょぼいネーミングセンスだな。
ま、それ以外になにかあるのかと問われても答えられねぇけど。

★★──☆☆

ありえない。
そこまでの力、魔力。
結界が割れ、魔力が一瞬吹き出してきた。
莫大な魔力、それもすぐに抑えられ、今こうして浮いている男が神なのだと。

不特定の生物を作り出し、後付けの形で種族を確定する。
そんな事、聞いた事がない。
もしや、先代魔王様すら超えるのでは?

★★──★★

「あ、そう言えば」

叡智の書とS字の鎌・・・デスサイズにしよう。
どこ行ったかな?
というか、封印した時に一緒だったよな?

そう思った時だった。
コツッコツッと、歩く音が後ろから聞こえた。
後ろ?後ろには城しかないと思うけど・・・
後ろを見て、一瞬ビビった。
そこには、長い黒髪を揺らし、黒い目を大きく見開いた少女が居た。
何故かメイド服だが、決して俺の趣味じゃない。

「・・・あ、デスサイズ」

少女の左手にはデスサイズ、右手には叡智の書があった。
で、この少女は誰なのだろうか。
俺が声を掛けようとすると、俺に向かって飛び込んで来る少女。

「うぅ、お待ち、しておりました・・・!おかえりなさいませ・・・主様・・・!」

涙を堪える様なその声。
取り敢えず受け止めた俺はどうしようか迷う。
え・・・だって、女の子の扱いなんて分からんよ?

──★★☆☆──

「ふーん、叡智の書が人化ねぇ」

「はい!主様の魔力を吸い続けて5億年程で出来る様になりました!」

そっかそっか。
全く意味分からんけど、何となく察した。
叡智の書だと呼びづらいから、エリーと名付けたのだが、物凄い勢いで泣いてしまった。

で、今に至る。

「あぁ、すまんな。お前ら誰だ?人の寝顔を拝みに来たのか?それとも起きるのが分かってて来たのか?」

『・・・お初にお目にかかります。私はこの世界の管理をしております。バハムートと申します』

バハムートってお前(笑)
あれか?世界を支えるっていう?
ちっさくね?もっと大きいだろ?
・・・人化してんのか。

「で、何の用だ」

『神のお目覚めと聞き、馳せ参じたにございます』

言い方がウザイな。
嫌いじゃない。
デスサイズを頭上で回転させながら、俺は体を動かしながら平衡感覚を取り戻す。

「ふーん、ご苦労さま。下っ端に来させたのか?主を呼べ主を」

『──は、?』

誰だバハムートって呼ばせて俺を迎え?させたのは。
こんな雑魚、見るに堪えないぞ?
まだ後ろの天魔の方が強い。

「お前の後ろの奴もそうだ。なんで下っ端なんか寄越すかね?どうせ迎えるなら頂点が来てほしい物だ」

「失礼ですが主様、この者達が種族の頂点です」

・・・え?
この見るからに雑魚達が?
・・・マジで?
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