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1章・10人の英雄編
第5話・海神の子供
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アテナイ国へ向かう道中、ヘラクレスとペルセウスはずっと口喧嘩していた。
俺は苛々していたが、あまりの暑さにそれどころでは無かった。故郷であるカイラの村は比較的涼しいところだった。だが、アテナイ国へと繋がるガリアの村はかなり暑く、歩くだけで体力が奪われていった。
ガイズ「ヘラクレス…、ペルセウス…。お前ら暑くないのか?よくそんな元気でいられるな…。」
ヘラクレス「この程度、暑くも何ともないぜ!そんなことより、ペルセウス!誰が脳筋牛野郎だ!?」
ペルセウス「お前のことを言ったんだ。脳筋牛野郎。」
ヘラクレス「なんだとてめぇ!お前はあれだろうが!あの、えっとー…。そうだ!大根野郎だ!お前は!」
ペルセウス「なんだと…?もう一度言ってみろ…。このハルペーで叩き斬ってやる…。」
子供のような口喧嘩を再開させた2人を放って俺はただ黙黙と前に進んだ。
それから約一時間。やっとの思いでアテナイ国へ着いた俺は立っていられなくなり、座り込んでしまった。
ペルセウス「情けないな、ガイズ。この程度の距離を歩いたくらいで座り込んでしまうとは。」
ガイズ(いくら暑いとはいえ、ミケーネにいた時より明らかに体力が落ちている…。傷は負っていないのに、何故だ…。)
俺はすぐさま立ち上がりアテナイ国へと入っていった。
アテナイ国―砂漠に囲まれた灼熱の国。
そんな所に海神の子供がいるというのはおかしな事のようにも思えた。
その時だった。突然後ろから怒声が聞こえた。
???「そこをどけー!!!!邪魔だー!!!!」
その声を発した男はまだ若い少年だった。俺は横に避け、全力で走っているその少年を通した。だが、ヘラクレスがその男を襟首を掴んだ。
???「おい!なにすんだ!って、貴方は!ヘラクレスさん!?なんでこんな所にいるんですか!?」
ヘラクレス「お前に用があってきたんだ、テセウス」
俺はその言葉を聞き、驚いてヘラクレスに聞いた。
ガイズ「この小柄な少年がテセウス??まだ子供じゃないか。」
その言葉を言い終わった瞬間、目の前にいたはずの少年が消えていた。そしていつの間にか俺の後方にいて、首元にナイフを突き付けられていた。
テセウス「誰が子供だって?俺はもう24歳だぞ!!」
全くもってそんな歳には見えないと思ったが、ナイフを突き付けられている俺はテセウスを刺激しないように宥めるように言った。
ガイズ「すまなかった。愚か者の戯れ言だ。許してくれないか?」
テセウス「何だその言い方は!本当に反省しているならちゃんと謝れ!」
ガイズ「……。本当に申し訳なかった。」
テセウス「仕方ない!許してやろう!」
テセウスが満足そうにそう言った、その時。
周りを何人もの盗賊が囲んでいた。完全に気配を消していた為、気付かなかった。
ペルセウス「お前たち、何者だ?完璧に気配を消すとは只者じゃないな?」
盗賊A「あぁ。俺達は全員、デミゴッドだからな。」
ガイズ「デミゴッドだと?一体俺達になんの用だ」
その時、盗賊達の中から威厳のある男が現れた。その男は自分がリーダーだと名乗った。
盗賊リーダー「その少年をこちらに渡してもらおうか。その少年は俺達が罪深き独裁者から手に入れた宝を横から盗んだ汚い盗人だからな。」
お前らも盗人だろ、と思いながら俺はテセウスを見た。確かにテセウスの手にはたくさんの宝石が見えた。
テセウス「黙れ!お前たちは俺の母さんを殺した仇だ!絶対に許さない!」
テセウスは小さなナイフを構えた。
盗賊リーダー「ふん…。貴様の母親は、貧しさで今にも死にそうになっている者達になんの恵みも与えず、ただ貶しただけの愚者だ。殺されて当然だ。」
テセウス「なんだと!?てめぇ…。絶対殺す!」
今にも飛びかかっていきそうなテセウスを止め、俺はリーダーに聞いた。
ガイズ「名前を聞いてもいいか?」
盗賊リーダー「俺の名はアキレウス。昔はトロイア戦争で活躍した英雄だった。まぁ、説得力は無いだろうがな。」
アキレウスは自嘲するように肩をすくめた。
ガイズ「アキレウスか。すまないが、この男はお前たちには渡せないな。この男は俺の目的に必要不可欠な男なんでな。」
テセウス「は!?何言ってるんだ!?なんで俺の肩を持つ!こんな奴ら俺一人で……ぐぬぅ!?!?」
俺はうるさいテセウスの口を塞ぎ、雷霆を抜いてアキレウスに言った。
ガイズ「テセウスを連れて行きたいなら、力ずくで来い。」
ヘラクレス「よし!いっちょやるか!」
ペルセウス「全く…。なんの相談もせずに…。」
ヘラクレスとペルセウスも武器を抜いて構えた。
アキレウス「そうか…。後悔しても知らないぞ。」
アキレウスはそう呟き、部下達に命令を出した。
盗賊達が徐々に迫ってくる。
ガイズ「行くぞ!ヘラクレス!ペルセウス!テセウス!」
ヘラクレス「おう!」
ペルセウス「任せておけ。」
テセウス「よっしゃ!っていつから俺はお前らの仲間になっ…」
テセウスが言葉を言い終わらないうちにアキレウスが恐ろしいスピードで迫ってきた。そして、俺は瞬間的に雷霆を振りかざした…!
第5話に続く
俺は苛々していたが、あまりの暑さにそれどころでは無かった。故郷であるカイラの村は比較的涼しいところだった。だが、アテナイ国へと繋がるガリアの村はかなり暑く、歩くだけで体力が奪われていった。
ガイズ「ヘラクレス…、ペルセウス…。お前ら暑くないのか?よくそんな元気でいられるな…。」
ヘラクレス「この程度、暑くも何ともないぜ!そんなことより、ペルセウス!誰が脳筋牛野郎だ!?」
ペルセウス「お前のことを言ったんだ。脳筋牛野郎。」
ヘラクレス「なんだとてめぇ!お前はあれだろうが!あの、えっとー…。そうだ!大根野郎だ!お前は!」
ペルセウス「なんだと…?もう一度言ってみろ…。このハルペーで叩き斬ってやる…。」
子供のような口喧嘩を再開させた2人を放って俺はただ黙黙と前に進んだ。
それから約一時間。やっとの思いでアテナイ国へ着いた俺は立っていられなくなり、座り込んでしまった。
ペルセウス「情けないな、ガイズ。この程度の距離を歩いたくらいで座り込んでしまうとは。」
ガイズ(いくら暑いとはいえ、ミケーネにいた時より明らかに体力が落ちている…。傷は負っていないのに、何故だ…。)
俺はすぐさま立ち上がりアテナイ国へと入っていった。
アテナイ国―砂漠に囲まれた灼熱の国。
そんな所に海神の子供がいるというのはおかしな事のようにも思えた。
その時だった。突然後ろから怒声が聞こえた。
???「そこをどけー!!!!邪魔だー!!!!」
その声を発した男はまだ若い少年だった。俺は横に避け、全力で走っているその少年を通した。だが、ヘラクレスがその男を襟首を掴んだ。
???「おい!なにすんだ!って、貴方は!ヘラクレスさん!?なんでこんな所にいるんですか!?」
ヘラクレス「お前に用があってきたんだ、テセウス」
俺はその言葉を聞き、驚いてヘラクレスに聞いた。
ガイズ「この小柄な少年がテセウス??まだ子供じゃないか。」
その言葉を言い終わった瞬間、目の前にいたはずの少年が消えていた。そしていつの間にか俺の後方にいて、首元にナイフを突き付けられていた。
テセウス「誰が子供だって?俺はもう24歳だぞ!!」
全くもってそんな歳には見えないと思ったが、ナイフを突き付けられている俺はテセウスを刺激しないように宥めるように言った。
ガイズ「すまなかった。愚か者の戯れ言だ。許してくれないか?」
テセウス「何だその言い方は!本当に反省しているならちゃんと謝れ!」
ガイズ「……。本当に申し訳なかった。」
テセウス「仕方ない!許してやろう!」
テセウスが満足そうにそう言った、その時。
周りを何人もの盗賊が囲んでいた。完全に気配を消していた為、気付かなかった。
ペルセウス「お前たち、何者だ?完璧に気配を消すとは只者じゃないな?」
盗賊A「あぁ。俺達は全員、デミゴッドだからな。」
ガイズ「デミゴッドだと?一体俺達になんの用だ」
その時、盗賊達の中から威厳のある男が現れた。その男は自分がリーダーだと名乗った。
盗賊リーダー「その少年をこちらに渡してもらおうか。その少年は俺達が罪深き独裁者から手に入れた宝を横から盗んだ汚い盗人だからな。」
お前らも盗人だろ、と思いながら俺はテセウスを見た。確かにテセウスの手にはたくさんの宝石が見えた。
テセウス「黙れ!お前たちは俺の母さんを殺した仇だ!絶対に許さない!」
テセウスは小さなナイフを構えた。
盗賊リーダー「ふん…。貴様の母親は、貧しさで今にも死にそうになっている者達になんの恵みも与えず、ただ貶しただけの愚者だ。殺されて当然だ。」
テセウス「なんだと!?てめぇ…。絶対殺す!」
今にも飛びかかっていきそうなテセウスを止め、俺はリーダーに聞いた。
ガイズ「名前を聞いてもいいか?」
盗賊リーダー「俺の名はアキレウス。昔はトロイア戦争で活躍した英雄だった。まぁ、説得力は無いだろうがな。」
アキレウスは自嘲するように肩をすくめた。
ガイズ「アキレウスか。すまないが、この男はお前たちには渡せないな。この男は俺の目的に必要不可欠な男なんでな。」
テセウス「は!?何言ってるんだ!?なんで俺の肩を持つ!こんな奴ら俺一人で……ぐぬぅ!?!?」
俺はうるさいテセウスの口を塞ぎ、雷霆を抜いてアキレウスに言った。
ガイズ「テセウスを連れて行きたいなら、力ずくで来い。」
ヘラクレス「よし!いっちょやるか!」
ペルセウス「全く…。なんの相談もせずに…。」
ヘラクレスとペルセウスも武器を抜いて構えた。
アキレウス「そうか…。後悔しても知らないぞ。」
アキレウスはそう呟き、部下達に命令を出した。
盗賊達が徐々に迫ってくる。
ガイズ「行くぞ!ヘラクレス!ペルセウス!テセウス!」
ヘラクレス「おう!」
ペルセウス「任せておけ。」
テセウス「よっしゃ!っていつから俺はお前らの仲間になっ…」
テセウスが言葉を言い終わらないうちにアキレウスが恐ろしいスピードで迫ってきた。そして、俺は瞬間的に雷霆を振りかざした…!
第5話に続く
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