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エレベーターに閉じ込められたその後で。

夜が明ける前に君と。②(陸くんの場合)※

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背後注意。

















成瀬にベッドに押し倒されて上から顔を覗き込まれると心臓の鼓動が早まる。

俺はずっと好きだった成瀬の顔を、こんなに今近くで見れる幸せを噛みしめる。

ああ、成瀬、本当にかっこいい。
顔もかっこいいけど、乾かした後の真っ直ぐで癖のない少し茶色くて長めの髪が照明に照らされて綺麗。

吸い込まれそうな少し色素の薄い茶色の目と、整った目鼻立ちなのに垂れ目だから笑うと目尻が下がって急に可愛くなるんだ。

ずっと、この人とこうなる妄想をしてた。

「ちょっと確認なんだけど、こんな煌々と部屋の電気つけてお前の事抱いてもいいの?」

迂闊にも自分が暗所恐怖症だという事を忘れてて、成瀬が一瞬何を言ってるのかわからなかった。

「何言ってんだよ、電気なんて恥ずかしいから消すに決まって…」

「暗所恐怖症なのに?」

そうだった…真っ暗が俺ダメなんだ。
大好きな成瀬の顔を見ながら挿れて欲しいとは思うけど、自分の感じてる顔を好きな人にこんな明るい中で晒して抱かれるなんて無理だ。

こんな所で自分の弱点が仇になるなんて。
本当なら恥ずかしいから電気なんて一切つけないで、暗い中で抱かれたい。

多分ほとんど目を瞑ってるから暗くしても同じだと思うんだけど、本当に真っ暗がだめだから難しい。

暗い中だと成瀬がどんな表情で俺を抱いてるのかもわからなくて嫌だし、本当に気持ち良いのかも感じられない気がした。

俺が意気消沈してると、成瀬は気を使って寝る時の照明に変えてくれる。

暗過ぎなくていいけど、正直まだ全然明るくて死ぬほど恥ずかしい。

でもこれ以上、成瀬を我慢させたくない…。
俺が恥ずかしいのを我慢すれば済む話だ。

そんなのも忘れてしまうほど乱れてしまいそうで怖いけど。

「これなら、いいの?」

こんな時なのに柔らかく笑う成瀬の人懐っこい笑顔が眩しくて、頰を触られただけでもう身体が敏感に反応してしまう。

「ふ、まだ何にもしてないのに」

「……う、だって、いっぱい焦らされて…俺もう…」

俺の身体にゆっくりと覆いかぶさって、成瀬が丁寧に唇を重ねてくる。

「ん…ふ、なるせ…好き……」

何度か啄むようなキスの後、唇を舐められるとそれだけで淫らな気持ちになって、開けてと言われたわけでもないのに唇を薄く開いてしまう。

まるで舌を入れて欲しいと主張してるみたいに舌で迎え入れて絡めると、それだけでまた俺の下半身は火がついたように火照って勃ち上がる。

俺の両手をベッドに縫い付けて指を絡められると、力を込めて握り返す。

また大きくなってくれてる成瀬の下半身が腰に触れると素直に嬉しくて、きっと今成瀬と俺は同じ気持ちなんだと思うと我慢出来ずに腰が動いてしまう。

「陸、最後まで抱くつもりだけど、いい?」

唇を離されたのが不満で、追いかけるように自分からまた唇を塞いだ。

「最後までしてくれなきゃ嫌だ……」

成瀬が息を呑んだ音が聞こえた。

舌を絡めながら成瀬の足が俺の太腿の間に割り入れられて少し足を開かされて、わざと俺のモノに当たるように擦り付けられると声が抑えられなかった。

「んんっ、あ…っん、や、うごかさ…ないで…ッ」

「どうして?気持ち良くない…?」

少し強めに足を擦られるとたまらなくて、それでも止まないキスのせいでうまく息もできないし、声も出せない。

指に絡められてた手が外されて、頭の後ろに手を入れられてまだもっと深く舌が入り込んで来ていやらしいキスをされる。

ぐちゅぐちゅと音を立てて口の中をかき回されて、行き場を失った手を成瀬の首に巻き付かせて強く引き寄せる。

「陸、めちゃくちゃエロい顔してる…」

だって好きな人にこんな情熱的に唇を塞がれて、おかしくならないわけがないんだ。

どれだけ長い間成瀬を好きだったのか、きっとこんな短時間じゃ伝わらないんだと思うとちょっと悔しいと思った。

「…は、はぁっ、なるせ、もっと…」

成瀬の手が俺のTシャツの裾から入って来て胸の辺りまで捲られると、乳首に掠って身体が跳ねる。

脇腹から上に向かって這う手が胸の突起を摘むと、口の端から喘ぎ声がたまらず漏れた。

くるくると胸の辺りを焦らすように触られて、太腿に入れられてる足が意地悪に揺れる。

乳首を摘んで引っ張られる瞬間に、股間にも押し付ける感触を強くされて、俺が身体をビクつかせるのを楽しんでるみたいだった。

思わず両方の膝を少し立てて成瀬の股間にも押し付けるようになってしまって、多分お互い快感を与え合うような体勢になってて身悶える。

唇を離されて首筋に吐息がかかって、成瀬が小さく呻くのが色っぽくてたまらなかった。

「…陸がエロくて、色々やばい…」

「え、ど、どこが……?」

「だから、押しつけ方がエロいんだって…」

「だって気持ち良くて…腰が勝手に…」

頭にフィルターがかかったみたいにボーッとして、普段なら口が裂けても言えそうもない事を普通に言ってしまってるのがわかる。

「成瀬にもっといっぱい触って欲しい…」

「…いいよ、どこ触って欲しいの?」

目を閉じて荒い息を繰り返す俺の首に唇を当てながら、成瀬が俺の股間をまた強く押して思わずため息を漏らす。

「あっんん、む、胸…触って…?」

「触るだけ?」

片方の胸の突起を摘んでぐりぐりと押し付けられると、風呂場では感じなかった快感が突き抜けて背中を反らす。

「あ…ッふ、や、きもち…」

「あと、どうして欲しい…?」

成瀬の声が少し興奮してるのがわかって、俺が素直に言葉にするだけで成瀬も興奮するんだと理解する。

俺の身体が男だからどうとかじゃなく、成瀬は俺の事が好きで、俺自身が強く求められてるんだと感じられて嬉しくてまた下半身に響いた。

恥ずかしくて言えないような事も、成瀬が望むなら聞かせてあげたい。

俺がどんなに成瀬を好きか今日、俺の身体で伝えたいと強く思った。

「胸、舐めて…?強く、吸って…?」

すぐに胸に吸い付かれて舌で転がされて、もう一つの突起はくるくると指の腹で擦り付けられる。

俺の淫らな声が部屋に響いたけど、雨の音が強くなってその喘ぎ声はかき消されて消えた。
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