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エレベーターに閉じ込められたその後で。
夜が明ける前に君と。④(陸くんの場合)※
しおりを挟む背後注意。じわじわ挿れます。
成瀬が俺のTシャツを首から抜いて空気に肌が触れて少し寒くて身体が震えた。
自分だけ上半身裸なのがやたらと恥ずかしい。
でも成瀬も起き上がって素早くTシャツを脱いで、ベットの下に雑に放り投げる。
成瀬のがっしりした胸板や引き締まってて割れた腹筋が目に入って照明が割と明るいから目のやり場に困る。
俺は成瀬の全部が好きだけど、身体を露出されるだけでものすごく興奮するし欲情してしまうから。
昔、成瀬が部活中に汗だくになって上着を脱いで半裸になってた所を見てしまった日には、夜それを思い出して全く眠れなくて色々大変だった記憶がある。
その辺が成瀬と俺は違う。
俺は女の子を好きになった事がないし、元々男しか好きになれないんだと思う。
触りたかった素肌が手を伸ばせば触れる距離にあって、でも胸板とかべたべた触るわけにもいかなくてドキドキしながら抱き合った。
寒がってると思ったのかシーツを引っ張って成瀬の背中から掛けてくるまると、成瀬のぬくもりと布団のあったかさで少しホッとする。
「成瀬…なんか、くすぐったい…」
「そうか?俺は気持ちいいけど」
そうなの?成瀬も気持ちいいの?
それに布団をかけると成瀬は多分暑いんだと思うのに、優しいから俺に合わせてくれるのが嬉しかった。
成瀬は俺の身体を隅から隅まで堪能する様に愛撫し始める。
耳が弱いのに執拗に責めるし、首から鎖骨、胸の突起に次々と唇を落としながら、いつの間にか短パンも下着ごと下ろされてしまってた。
まさか成瀬に自分の性器を咥えられるなんて想像もしてなくて思わず止めようと頭に手を伸ばしたけど、下半身からせり上がるものすごい快感に力が全く入らなくなった。
成瀬の口の中に包まれた俺のモノは成瀬より大きくないけど、口でしてもらった事なんて人生で初めてだから、舌を這わせたり出し入れされるとあまりの刺激に何度も身体が跳ねる。
「ふ…っんんっ、なる、せ…また出ちゃうっ」
成瀬の口で果てるのだけは避けたくて、気を逸らそうとシーツを握りしめて我慢する。
こういうのって女の子が男の子にしてあげる事な気がするから、何となく俺が成瀬のモノを口でしてあげたいと漠然と思ってたのに、何もかも全部成瀬に主導権を握られてしまってる気がした。
さっきも一度イッてるから何とか果てるのは耐えていると拷問のような快感が止んで、成瀬が俺の身体を横に向かせながら後ろから抱きしめる。
いつの間にかお互い裸になってて、成瀬にひん剥かれたんだと理解して肩で息をする。
この体勢は足を開いたりするよりずっと楽で、俺の身体を気遣って負担がかからないように解すつもりなのを理解する。
成瀬の指がお尻の穴に触れて、本当にここに成瀬の性器を受け入れるんだと覚悟をすると身体がガチガチに固まってしまう。
「大丈夫、痛くしないように丁寧にするから…」
「あの、成瀬…ベッドの下に…」
「うん、借りてる」
俺が気づかないうちに成瀬はちゃんと準備を整えてくれてて、本当に俺はされるばっかりで気持ち良くなるばっかりで申し訳なくなった。
「左足少し上げて…うん、そう。挿れるよ…?」
せめて成瀬が気に病まないように、『痛い』という言葉だけは口に出さないと心に誓った。
成瀬の指は濡れているけど、ローションは適度に温められてるのか全く冷たさを感じなくてゆっくり後孔をなぞった。
大丈夫、指一本ならそう違和感は感じないはず。
それなのにこれが自分の指じゃなく成瀬の指なんだと思うだけで緊張してしまうのか、思いがけず内部が締まって身体が強張った。
そんな緊張を汲み取ってくれて、何度も俺が好きだと耳元で囁いてくれる成瀬が優し過ぎて泣きそうになる。
たっぷりとローションを纏った指がゆっくりと中に入り込むと、痛くはないけど思った通りまるで侵入を拒否してるかのように強く指を締め付けてしまった。
「……っ、く、あぁ…なる、せ…」
「痛くない?ゆっくりするから…」
「痛くはないよ…はぁっ、んん……ッ」
俺は成瀬の指がもう少しスムーズに入ると思っていたのに、何もかも妄想した時のように上手くはいかなくて焦ってじんわり汗をかく。
この部位は濡れる場所ではないから触れば触るほど蜜が溢れるわけでもないし、成瀬が出来るだけ挿入しやすいように広げて迎え入れてあげたいのに…。
「思ったより、狭いな…」
「ほ、ほんと…?ごめ、もっと…弄った方良かった…?」
自慰する時も自分の指だとあまり感じる事が出来なくて、俺は積極的に気持ち良くなる所を探す事が出来なかった。
弄ってるのがバレたらどうしようと思っていたのに、結局自分ではほぼ開発出来てなかった事に気づいて、狭いと言われると何となく落ち込んでしまう。
「馬鹿、そんな事言ってないだろ?大丈夫、いい所すぐ見つけるからな」
内壁をたった一本の指で抜き差しされるだけでこんなに違和感があるのに、前立腺なんて見つかるのかな…って苦しい呼吸の合間に思った。
ぐっと指を根本まで押し込まれてお腹に向かって折り曲げられると、急にものすごい変な感触がして大袈裟じゃなく身体が止まった。
「ひっ…あぁっ!やだ、そこ…へん」
耳元で小さく「見つけた」と成瀬が呟いた声を拾った。
「ん、変になっていいよ。一番気持ち良い所だから大丈夫…」
そこを重点的に責められて抜き差しされると、頭がスパークしたみたいに何も考えられなくなって、どんどん身体の力が抜けて甘い声ばかり口から溢れた。
「指、増やすよ?」
頷くと指が二本まとめて入り込んできて、ローションを足されたのか滑りもよくなって圧迫感もさほど感じない。
それでも一本と二本じゃまるで違うせいか、口から少し辛そうな声を漏らして二本の指をきゅうきゅうと締め付けてた。
「ああっ、はぁっ、なる、せ…そこ、きもちいい…」
俺が声に出して気持ちいいと伝えると、成瀬が耳元で息を荒くして左足を弄りやすいようにもっと大きくずらされて、バスルームで後ろから責められた時の事を思い出して身体が熱くなった。
あの時は俺のお尻には何も挿れられてなかった。
でも今は成瀬の指が内壁を擦りながら暴かれるように、ゆっくりと確実に中を広げられるように突き上げられている。
いつの間にかシーツをかけていられないほど身体から汗が吹き出ていて、背中や首筋にキスしながら成瀬は俺の中を長い時間かき回し続けた。
多分三本目の指を増やす事も成瀬は俺に聞いたはずなんだけど、自分がどう答えたかもわからなくなって成瀬の動きに合わせて腰を揺らして快感を得ていた。
「はぁ、陸エロい…もう挿れたい、無理……」
成瀬が開き切った後孔から指を引き抜いて、ゴムをしようと離れそうになるのを懇願した。
「なるせ…好き…っは、離れないで、お願い、そのまま挿れて…!!」
「くっ、どうしてそういう煽る事ばっかり言う?」
成瀬はローションを自分の性器にたっぷりつけて、本当にそのまま後ろの穴に押しつけて来た。
本当はゴムをつけるべきなのはわかってても、そのままの成瀬を感じたくて我慢が全くきかなかった。
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