18 / 87
第二章
第18話 腹を割ってお話しましょう?
しおりを挟む
収穫祭。
それは一年の豊穣に感謝して、精霊に「真心」を捧げる秋のお祭り。国を挙げての最重要神事。
この祭りがなければ一年は終わらない。いや、むしろ一年の始まりとも言える。
全獣人が泣いた。笑った。叫んだ。感動の渦に巻き込まれた。
そう。
これぞランダールの誇る、ワクワク楽しい秋の収穫祭――……!
「…………」
なんだろう、目が滑る。
空虚な文字を追うのは諦めて、分厚い文献を元の場所に突っ込んだ。私の身長より遥か高い本棚を見回し、ずらりと並んだ背表紙を指で辿る。
「……おかしいわ。こんなにたくさん本があるのに、収穫祭に関してはやたらと熱くて抽象的なことしか書かれてない……。エリオットのざっくりした説明だけじゃわからないっていうのに、困ったものだわ」
深々とため息をつき、書庫の床に倒れ込んだ。ちなみにクッションを敷き詰めているので冷たくない。むしろ、暖かい。
ふわふわクッションに顔を埋め、だらしなく頬をゆるめる。
「ああ、いい気持ち……。うん、やっぱりお勉強は後にしましょ。だって将来のぐうたらより、目先のぐうたらとっても大事……ぐぅ」
「――意志薄弱にも程があるぞ、リリアーナ」
ぴしりとした声が降ってきて、反射的に体を起こした。
無表情に私を覗き込むのは、猫の獣人ディアドラだった。薄暗い書庫で、その瞳はほんのり光って見える。
「……なんだ、あなただったのね。一緒にお昼寝する?」
欠伸を噛み殺しておいでおいですると、ディアドラはあきれたように天を仰いだ。荒々しくあぐらをかいて座り込む。
「私ではなくガイウスを誘え、ガイウスを。君はぐうたらーな教の教祖なのだろう。いや、居眠り精霊だったか?」
残念ながらどちらも違う。
……って、そんなことはどうでもよく。
先ほどまでの幸せ気分はすっかり消え去り、機嫌が急降下していく。
ディアドラから顔を背け、床のクッションをひとつ取り上げた。敵のように強く抱き締める。
「だって。ガイウス陛下ったら、毎日毎日朝から晩まで働き通しなんだもの。食事は誘っても五回に一回ぐらいしかご一緒してくださらないし……。これじゃあ布教活動なんかできっこないわ」
むうっと唇を尖らせた。
陛下の健康のため、私だって口酸っぱく意見してはいるのだ。「お昼寝しないならせめて早めに休みましょう」「食事だけでもゆっくり取りましょう」云々。
けれどどんなに言葉を尽くしても、陛下は右から左へ聞き流してしまう。恐ろしいほどの集中力で日々職務に精を出している。
そんな彼を見て感じるのは、怒りではなく焦燥感。今も胸につきんと痛みが走った。
「……陛下のお体が心配だわ。なんだか……意地になっているように見えて」
「リリアーナ。君はランダールに来てから、精霊の姿を見たことがあるか?」
……はい?
会話の流れをぶった切る、ディアドラの唐突な質問に目が点になる。……私達、今そんな話してましたっけ?
唖然としつつも、ふるふると首を左右に振って否定した。
「ううん、見たことないわ。と、いうか」
精霊って実在するの?
素朴な疑問が口から飛び出しかけ、慌てて両手で口を塞いだ。いけない、いけない。ランダールの獣人達は精霊を信じているのだから。
上目遣いにディアドラの様子を窺うと、彼女は難しい顔で考え込んでいた。
「……そうか。もしかしたら、と思っていたのだが。そう都合よくはいかない、か……」
沈んだ声音に、心配になって彼女を覗き込む。
私の視線に気付いたディアドラが、ふっと笑んでやわらかく髪を撫でてくれた。「実は」とためらいがちに話し出す。
「君に婚約を申し込んだ理由は、いくつかあると以前教えたろう? あのとき話したことに誓って嘘はないが……、ガイウス本人にはとても本当のことは言えなくてな。我々が仕事の邪魔をしようとしているなどと知られたら、あいつは怒って婚約を拒否するに決まっている」
それは……そうかも。
苦笑して頷くと、ディアドラは気まずそうに私から目を逸らした。口元の笑みも跡形もなく消えている。
「だから……ガイウスを説得するため、我々はもうひとつ建前上の理由を用意した。……建前、ではあるが……。そちらも決して嘘ではない」
苦しげに告げて、ディアドラはやっとこちらを見てくれた。そのかつてないほど真剣な表情に、私も息を呑んで彼女を見返した。
迷いを消したように、ディアドラはきっぱりと口を開く。
「リリアーナ。――君には、精霊を『見る』素質があるんだ」
***
ドスドスと荒っぽく足音を立てて進む。
すれ違う使用人さん達が目を丸くするけれど、私は脇目も振らずに歩き続けた。目指すはガイウス陛下の執務室だ。
「――ガイウス陛下っ!!」
音を立てて扉を開け放つと、中にいた全員が驚いたように顔を上げた。
すっかり事務仕事の戦力として頼りにされているメイベルが、大慌てで私に駆け寄ってくる。
「リリアーナ殿下っ。いくら婚約者とはいえ失礼ですよ、ノックもなしに開けるだなんてっ」
「小言なら後で聞くわ」
鼻息荒く言い放ち、大股で陛下の机の前に立った。
ガラス玉のような瞳をまんまるに見開いた陛下は、おどおどと視線を泳がせる。
「リ、リリ……? どうし……あ、いや」
全員の視線が集中していることに気が付いたのか、陛下はふんっと胸を突き出した。悠然と鬣をかき上げる。
「――そのように急いで、何事だ? 生憎とわたしは今忙し」
「陛下! 今から私とおデートしませんかっ?」
机に両手を叩きつけ、前のめりに迫った瞬間、陛下は思いっきり仰け反った。ぐらりと傾いだと思ったときにはもう遅く、地響きを立てて椅子ごと後ろに倒れ込む。……あら?
「たいへん。大丈夫ですか、陛下?」
こちら側からは、ぴくぴく痙攣する大きな靴の裏しか見えない。
執務机を回り込もうとしたら、落ち着き払ったエリオットの声が飛んできた。
「気にされなくて結構ですよ、リリアーナ様。陛下は頭が重いのです」
「あら。そうだったの」
陛下ってば幼児体形なのね。
やっぱり可愛いわ、となごんでいると、「仕事の邪魔をするおつもりかっ」と叫んでハロルドが乱入してきた。殺気立った目で私を睨む。……うん、やっぱりそう来るわよね。
妨害されるのは想定済みだ。
しおらしく眉を下げ、両手を合わせて彼を拝んだ。
「ほんの三十分で構わないの。お願い、ハロルド」
「却下ですっ。全く、ただでさえ収穫祭絡みの業務で忙しいというのにっ。おデートするような無駄な時間があるとお思いか!?」
「……無駄、ですって?」
突然、地を這うような低い声が聞こえた。
ぎょっとするほど近くにメイベルが立っていて、底冷えする視線をハロルドに向ける。
「ヒィッ!?」
ガタガタと瘧のように震え出したハロルドをとっくりと眺め、メイベルは口元に笑みを浮かべた。……ただし、その目はちっとも笑ってない。
「無駄。リリアーナ殿下は、ガイウス陛下のれっきとした婚約者なのに。仲を深めるのが、無駄」
「あああああああいやあのそのですな……!」
弁解するハロルドをひと睨みで黙らせ、メイベルはゆっくりと歩き出す。未だ倒れている陛下の腕を取り、ぬいぐるみでも掴むかのようにひょいと持ち上げた。
おひげをピンと伸ばして硬直する陛下に、今度はにっこりと優しげな笑みを向ける。
「無論、陛下はお忙しいのでしょう。ですが、休まず働くにも限界があります。……僭越ながら申し上げます。ガイウス陛下、少しばかり休憩されてはいかがでしょうか?」
「…………」
無言でコクコク……ではなく、ふぁさふぁさと鬣を揺らしまくる陛下に、メイベルは手を打って喜んだ。嬉しそうに私を振り返る。
「リリアーナ殿下。陛下は快くおデートを承知してくださるそうですよ?」
「まっ、まあ! とっても嬉しいわ! ――さ、そうと決まったら参りましょう陛下っ」
彫像よろしく固まっている陛下をひっ捕らえ、大急ぎで執務室を後にした。
廊下に細く長く響きわたる、ハロルドの悲鳴が追いかけてきた気がしたが。……うん、聞こえなかったことにしましょう。
それは一年の豊穣に感謝して、精霊に「真心」を捧げる秋のお祭り。国を挙げての最重要神事。
この祭りがなければ一年は終わらない。いや、むしろ一年の始まりとも言える。
全獣人が泣いた。笑った。叫んだ。感動の渦に巻き込まれた。
そう。
これぞランダールの誇る、ワクワク楽しい秋の収穫祭――……!
「…………」
なんだろう、目が滑る。
空虚な文字を追うのは諦めて、分厚い文献を元の場所に突っ込んだ。私の身長より遥か高い本棚を見回し、ずらりと並んだ背表紙を指で辿る。
「……おかしいわ。こんなにたくさん本があるのに、収穫祭に関してはやたらと熱くて抽象的なことしか書かれてない……。エリオットのざっくりした説明だけじゃわからないっていうのに、困ったものだわ」
深々とため息をつき、書庫の床に倒れ込んだ。ちなみにクッションを敷き詰めているので冷たくない。むしろ、暖かい。
ふわふわクッションに顔を埋め、だらしなく頬をゆるめる。
「ああ、いい気持ち……。うん、やっぱりお勉強は後にしましょ。だって将来のぐうたらより、目先のぐうたらとっても大事……ぐぅ」
「――意志薄弱にも程があるぞ、リリアーナ」
ぴしりとした声が降ってきて、反射的に体を起こした。
無表情に私を覗き込むのは、猫の獣人ディアドラだった。薄暗い書庫で、その瞳はほんのり光って見える。
「……なんだ、あなただったのね。一緒にお昼寝する?」
欠伸を噛み殺しておいでおいですると、ディアドラはあきれたように天を仰いだ。荒々しくあぐらをかいて座り込む。
「私ではなくガイウスを誘え、ガイウスを。君はぐうたらーな教の教祖なのだろう。いや、居眠り精霊だったか?」
残念ながらどちらも違う。
……って、そんなことはどうでもよく。
先ほどまでの幸せ気分はすっかり消え去り、機嫌が急降下していく。
ディアドラから顔を背け、床のクッションをひとつ取り上げた。敵のように強く抱き締める。
「だって。ガイウス陛下ったら、毎日毎日朝から晩まで働き通しなんだもの。食事は誘っても五回に一回ぐらいしかご一緒してくださらないし……。これじゃあ布教活動なんかできっこないわ」
むうっと唇を尖らせた。
陛下の健康のため、私だって口酸っぱく意見してはいるのだ。「お昼寝しないならせめて早めに休みましょう」「食事だけでもゆっくり取りましょう」云々。
けれどどんなに言葉を尽くしても、陛下は右から左へ聞き流してしまう。恐ろしいほどの集中力で日々職務に精を出している。
そんな彼を見て感じるのは、怒りではなく焦燥感。今も胸につきんと痛みが走った。
「……陛下のお体が心配だわ。なんだか……意地になっているように見えて」
「リリアーナ。君はランダールに来てから、精霊の姿を見たことがあるか?」
……はい?
会話の流れをぶった切る、ディアドラの唐突な質問に目が点になる。……私達、今そんな話してましたっけ?
唖然としつつも、ふるふると首を左右に振って否定した。
「ううん、見たことないわ。と、いうか」
精霊って実在するの?
素朴な疑問が口から飛び出しかけ、慌てて両手で口を塞いだ。いけない、いけない。ランダールの獣人達は精霊を信じているのだから。
上目遣いにディアドラの様子を窺うと、彼女は難しい顔で考え込んでいた。
「……そうか。もしかしたら、と思っていたのだが。そう都合よくはいかない、か……」
沈んだ声音に、心配になって彼女を覗き込む。
私の視線に気付いたディアドラが、ふっと笑んでやわらかく髪を撫でてくれた。「実は」とためらいがちに話し出す。
「君に婚約を申し込んだ理由は、いくつかあると以前教えたろう? あのとき話したことに誓って嘘はないが……、ガイウス本人にはとても本当のことは言えなくてな。我々が仕事の邪魔をしようとしているなどと知られたら、あいつは怒って婚約を拒否するに決まっている」
それは……そうかも。
苦笑して頷くと、ディアドラは気まずそうに私から目を逸らした。口元の笑みも跡形もなく消えている。
「だから……ガイウスを説得するため、我々はもうひとつ建前上の理由を用意した。……建前、ではあるが……。そちらも決して嘘ではない」
苦しげに告げて、ディアドラはやっとこちらを見てくれた。そのかつてないほど真剣な表情に、私も息を呑んで彼女を見返した。
迷いを消したように、ディアドラはきっぱりと口を開く。
「リリアーナ。――君には、精霊を『見る』素質があるんだ」
***
ドスドスと荒っぽく足音を立てて進む。
すれ違う使用人さん達が目を丸くするけれど、私は脇目も振らずに歩き続けた。目指すはガイウス陛下の執務室だ。
「――ガイウス陛下っ!!」
音を立てて扉を開け放つと、中にいた全員が驚いたように顔を上げた。
すっかり事務仕事の戦力として頼りにされているメイベルが、大慌てで私に駆け寄ってくる。
「リリアーナ殿下っ。いくら婚約者とはいえ失礼ですよ、ノックもなしに開けるだなんてっ」
「小言なら後で聞くわ」
鼻息荒く言い放ち、大股で陛下の机の前に立った。
ガラス玉のような瞳をまんまるに見開いた陛下は、おどおどと視線を泳がせる。
「リ、リリ……? どうし……あ、いや」
全員の視線が集中していることに気が付いたのか、陛下はふんっと胸を突き出した。悠然と鬣をかき上げる。
「――そのように急いで、何事だ? 生憎とわたしは今忙し」
「陛下! 今から私とおデートしませんかっ?」
机に両手を叩きつけ、前のめりに迫った瞬間、陛下は思いっきり仰け反った。ぐらりと傾いだと思ったときにはもう遅く、地響きを立てて椅子ごと後ろに倒れ込む。……あら?
「たいへん。大丈夫ですか、陛下?」
こちら側からは、ぴくぴく痙攣する大きな靴の裏しか見えない。
執務机を回り込もうとしたら、落ち着き払ったエリオットの声が飛んできた。
「気にされなくて結構ですよ、リリアーナ様。陛下は頭が重いのです」
「あら。そうだったの」
陛下ってば幼児体形なのね。
やっぱり可愛いわ、となごんでいると、「仕事の邪魔をするおつもりかっ」と叫んでハロルドが乱入してきた。殺気立った目で私を睨む。……うん、やっぱりそう来るわよね。
妨害されるのは想定済みだ。
しおらしく眉を下げ、両手を合わせて彼を拝んだ。
「ほんの三十分で構わないの。お願い、ハロルド」
「却下ですっ。全く、ただでさえ収穫祭絡みの業務で忙しいというのにっ。おデートするような無駄な時間があるとお思いか!?」
「……無駄、ですって?」
突然、地を這うような低い声が聞こえた。
ぎょっとするほど近くにメイベルが立っていて、底冷えする視線をハロルドに向ける。
「ヒィッ!?」
ガタガタと瘧のように震え出したハロルドをとっくりと眺め、メイベルは口元に笑みを浮かべた。……ただし、その目はちっとも笑ってない。
「無駄。リリアーナ殿下は、ガイウス陛下のれっきとした婚約者なのに。仲を深めるのが、無駄」
「あああああああいやあのそのですな……!」
弁解するハロルドをひと睨みで黙らせ、メイベルはゆっくりと歩き出す。未だ倒れている陛下の腕を取り、ぬいぐるみでも掴むかのようにひょいと持ち上げた。
おひげをピンと伸ばして硬直する陛下に、今度はにっこりと優しげな笑みを向ける。
「無論、陛下はお忙しいのでしょう。ですが、休まず働くにも限界があります。……僭越ながら申し上げます。ガイウス陛下、少しばかり休憩されてはいかがでしょうか?」
「…………」
無言でコクコク……ではなく、ふぁさふぁさと鬣を揺らしまくる陛下に、メイベルは手を打って喜んだ。嬉しそうに私を振り返る。
「リリアーナ殿下。陛下は快くおデートを承知してくださるそうですよ?」
「まっ、まあ! とっても嬉しいわ! ――さ、そうと決まったら参りましょう陛下っ」
彫像よろしく固まっている陛下をひっ捕らえ、大急ぎで執務室を後にした。
廊下に細く長く響きわたる、ハロルドの悲鳴が追いかけてきた気がしたが。……うん、聞こえなかったことにしましょう。
121
あなたにおすすめの小説
二度目の召喚なんて、聞いてません!
みん
恋愛
私─神咲志乃は4年前の夏、たまたま学校の図書室に居た3人と共に異世界へと召喚されてしまった。
その異世界で淡い恋をした。それでも、志乃は義務を果たすと居残ると言う他の3人とは別れ、1人日本へと還った。
それから4年が経ったある日。何故かまた、異世界へと召喚されてしまう。「何で!?」
❋相変わらずのゆるふわ設定と、メンタルは豆腐並みなので、軽い気持ちで読んでいただけると助かります。
❋気を付けてはいますが、誤字が多いかもしれません。
❋他視点の話があります。
夫に顧みられない王妃は、人間をやめることにしました~もふもふ自由なセカンドライフを謳歌するつもりだったのに、何故かペットにされています!~
狭山ひびき
恋愛
もう耐えられない!
隣国から嫁いで五年。一度も国王である夫から関心を示されず白い結婚を続けていた王妃フィリエルはついに決断した。
わたし、もう王妃やめる!
政略結婚だから、ある程度の覚悟はしていた。けれども幼い日に淡い恋心を抱いて以来、ずっと片思いをしていた相手から冷たくされる日々に、フィリエルの心はもう限界に達していた。政略結婚である以上、王妃の意思で離婚はできない。しかしもうこれ以上、好きな人に無視される日々は送りたくないのだ。
離婚できないなら人間をやめるわ!
王妃で、そして隣国の王女であるフィリエルは、この先生きていてもきっと幸せにはなれないだろう。生まれた時から政治の駒。それがフィリエルの人生だ。ならばそんな「人生」を捨てて、人間以外として生きたほうがましだと、フィリエルは思った。
これからは自由気ままな「猫生」を送るのよ!
フィリエルは少し前に知り合いになった、「廃墟の塔の魔女」に頼み込み、猫の姿に変えてもらう。
よし!楽しいセカンドラウフのはじまりよ!――のはずが、何故か夫(国王)に拾われ、ペットにされてしまって……。
「ふふ、君はふわふわで可愛いなぁ」
やめてえ!そんなところ撫でないで~!
夫(人間)妻(猫)の奇妙な共同生活がはじまる――
婚約破棄された悪役令嬢の心の声が面白かったので求婚してみた
夕景あき
恋愛
人の心の声が聞こえるカイルは、孤独の闇に閉じこもっていた。唯一の救いは、心の声まで真摯で温かい異母兄、第一王子の存在だけだった。
そんなカイルが、外交(婚約者探し)という名目で三国交流会へ向かうと、目の前で隣国の第二王子による公開婚約破棄が発生する。
婚約破棄された令嬢グレースは、表情一つ変えない高潔な令嬢。しかし、カイルがその心の声を聞き取ると、思いも寄らない内容が聞こえてきたのだった。
【完結】たれ耳うさぎの伯爵令嬢は、王宮魔術師様のお気に入り
楠結衣
恋愛
華やかな卒業パーティーのホール、一人ため息を飲み込むソフィア。
たれ耳うさぎ獣人であり、伯爵家令嬢のソフィアは、学園の噂に悩まされていた。
婚約者のアレックスは、聖女と呼ばれる美少女と婚約をするという。そんな中、見せつけるように、揃いの色のドレスを身につけた聖女がアレックスにエスコートされてやってくる。
しかし、ソフィアがアレックスに対して不満を言うことはなかった。
なぜなら、アレックスが聖女と結婚を誓う魔術を使っているのを偶然見てしまったから。
せめて、婚約破棄される瞬間は、アレックスのお気に入りだったたれ耳が、可愛く見えるように願うソフィア。
「ソフィーの耳は、ふわふわで気持ちいいね」
「ソフィーはどれだけ僕を夢中にさせたいのかな……」
かつて掛けられた甘い言葉の数々が、ソフィアの胸を締め付ける。
執着していたアレックスの真意とは?ソフィアの初恋の行方は?!
見た目に自信のない伯爵令嬢と、伯爵令嬢のたれ耳をこよなく愛する見た目は余裕のある大人、中身はちょっぴり変態な先生兼、王宮魔術師の溺愛ハッピーエンドストーリーです。
*全16話+番外編の予定です
*あまあです(ざまあはありません)
*2023.2.9ホットランキング4位 ありがとうございます♪
キズモノ転生令嬢は趣味を活かして幸せともふもふを手に入れる
藤 ゆみ子
恋愛
セレーナ・カーソンは前世、心臓が弱く手術と入退院を繰り返していた。
将来は好きな人と結婚して幸せな家庭を築きたい。そんな夢を持っていたが、胸元に大きな手術痕のある自分には無理だと諦めていた。
入院中、暇潰しのために始めた刺繍が唯一の楽しみだったが、その後十八歳で亡くなってしまう。
セレーナが八歳で前世の記憶を思い出したのは、前世と同じように胸元に大きな傷ができたときだった。
家族から虐げられ、キズモノになり、全てを諦めかけていたが、十八歳を過ぎた時家を出ることを決意する。
得意な裁縫を活かし、仕事をみつけるが、そこは秘密を抱えたもふもふたちの住みかだった。
天才すぎて追放された薬師令嬢は、番のお薬を作っちゃったようです――運命、上書きしちゃいましょ!
灯息めてら
恋愛
令嬢ミーニェの趣味は魔法薬調合。しかし、その才能に嫉妬した妹に魔法薬が危険だと摘発され、国外追放されてしまう。行き場を失ったミーニェは隣国騎士団長シュレツと出会う。妹の運命の番になることを拒否したいと言う彼に、ミーニェは告げる。――『番』上書きのお薬ですか? 作れますよ?
天才薬師ミーニェは、騎士団長シュレツと番になる薬を用意し、妹との運命を上書きする。シュレツは彼女の才能に惚れ込み、薬師かつ番として、彼女を連れ帰るのだが――待っていたのは波乱万丈、破天荒な日々!?
【完結】ハメられて追放された悪役令嬢ですが、爬虫類好きな私はドラゴンだってサイコーです。
美杉日和。(旧美杉。)
恋愛
やってもいない罪を被せられ、公爵令嬢だったルナティアは断罪される。
王太子であった婚約者も親友であったサーシャに盗られ、家族からも見捨てられてしまった。
教会に生涯幽閉となる手前で、幼馴染である宰相の手腕により獣人の王であるドラゴンの元へ嫁がされることに。
惨めだとあざ笑うサーシャたちを無視し、悲嘆にくれるように見えたルナティアだが、実は大の爬虫類好きだった。
簡単に裏切る人になんてもう未練はない。
むしろ自分の好きなモノたちに囲まれている方が幸せデス。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる