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番外編
ミランダさんの変【後編】
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「ここ最近、付きまといに悩まされていたんですぅ。毎日毎日、誰かが後ろから尾けてきて……。ホントに怖かったぁ……」
……つまり、ストーカーというわけか。
ところ変わって軍本部の一室である。
ストーカー男を連行するために、全員で移動してきたのだ。
うつむきながら説明するジェシカさんに、ギルバートさんが大きく頷いた。
「先週、仕事の帰り道にその場面に遭遇したのだ。男を取り押さえようとしたのだが、逃げ足が早くてな。同僚として放っておけず、恋人同士の振りをして犯人をおびき出したわけだ」
「他の人には知られたくなくってぇ……。無理言って申し訳ありませんでした、グレイ少将……」
しゅんと瞳を潤ませる。
……確かに小動物っぽくて可愛いかも。
「なに、構わんさ。……しかし、複数人が尾行してきた時は驚いたぞ。まさかお前たちだとは思わなかったから、付きまとい男が人を雇ったのかと勘違いした」
まあ、何人来ようがわたしの敵ではないがな!
大笑するギルバートさんに、ジェシカさんはぽっと頬を赤らめた。そっとギルバートさんの手を握り、肩をすり寄せ身体を密着させる。
「ホントにありがとうございましたぁ。あたし、昔からヘンなひとが寄ってくる事が多くてぇ。『俺のこと好きなんだろ?』とか自惚れるしぃ」
「──それは、自業自得だろ?」
地を這うような低い声でミランダさんが口を挟む。
部屋の空気がピシリと凍りつき、あざ女が息を呑む気配がした。
あざ女がギルバートさんの手を握ったあたりから、隣に座るミランダさんの雰囲気が変わっていた。鋭い目であざ女を睨みつける。
「君は誰に対しても気安く触れるし、思わせぶりな態度を取りすぎだな。勘違いする男ばかりを責められまい」
「……あたしが、悪いって言うんですか?」
冷たく言い放つミランダさんを、ジェシカさんも恨めしそうな表情で見返す。
「無論、付きまといをした男が一番悪い。だが、君も自衛の意識を持つべきだな。──自分が可愛いのだという事を、君はもっと自覚しなければいけない」
諭すように言い聞かされ、ジェシカさんははっと目を見開いた。ややあって、おずおずと頷く。
「……わかり、ました……。すみませんでした、キャロル中尉……」
──こうして、ギルバートさんデート事件は幕を閉じた。
しかし、私には気付いてしまった事がひとつある。
◇
翌日、王城での仕事を終えて。
迎えに来てくれた軍人さんに、今日は自宅ではなく軍本部に送ってもらうようお願いした。
良い知らせを早急に、ミランダさんに伝えたかったからだ。
昨夜、ミランダさんがあざ女を諭した時。
ギルバートさんは感心したようにミランダさんを見つめ、それから優しく微笑んでいた。いつもの気障ったらしい笑顔ではなく、柔らかく慈しむような笑顔だった。
(もしかして、ギルバートさんてばミランダさんの事……!?)
ようやく彼女の長年の恋が叶うかもしれない。
私はうきうきと軍本部の門をくぐった。
「……あっ、ユキコさん! 昨夜はありがとうございました。旦那様のお迎えですかぁ?」
受付のジェシカさんから聞かれ、ふるふると首を振る。
「いえ、今日はミランダさんに会いに来たんです。中に入らせてもらっても……」
言った瞬間、ジェシカさんの目の光が失われ、すうっと雰囲気が変わった。思わずぎょっとして後ずさる私に、ジェシカさんは口角を上げて微笑む。
「……ユキコさんは、キャロル中尉と親しいんですね?」
「あ、はい……。友達、ですけど……?」
「ふぅん、友達……。へえぇ、友達……」
含みのある言い方に固まっていると、「ユキ!」と嬉しそうに声を掛けられた。
「迎えに来てくれたのか? 少し早めに上がらせてもらったから、帰りに買い物でも……」
駆け寄ってくる男の背後にバッと隠れる。ナイスタイミングだ、壁旦那よ……!
男の軍服の裾をくいくいと引っ張り、そっとささやきかけた。
「……ね、ミランダさんは?」
「キャロル? あいつなら、廊下で叔父としゃべっていたが──」
ディーンが言いかけたところで、すばやくジェシカさんが立ち上がる。無言で廊下へと駆け出す彼女を、慌てて私も追いかけた。
「……で、良かったら礼に夕食でも……」
ふわりと微笑むギルバートさんが、優しくミランダさんに誘いをかけている。……おおっ!?
ミランダさんは呆けたように口を開け、それからみるみる真っ赤になった。
「そ、その……あの……」
「──グレイ少将っ!!」
二人の良い雰囲気をぶち壊し、あざ女・ジェシカが乱入する。
「あたしぃ、助けていただいたお礼がしたいなって思っててぇ。みんなで、ごはんに行きませんかっ? そう、みんなでっ」
「…………」
ぽかんと固まる私たちなどお構いなしに、あざ女は鼻息荒く全員を見回した。誰よりも早く、空気を読まない壁旦那が首を振る。
「いや、俺とユキは遠慮しておく。今から帰るところだしな」
「えーっ、残念ですぅ。それじゃ、お二人はまたの機会に!」
「ちょ、待っ……!──むしろ、ジェシカさんがうちにごはんを食べに来て!? ミランダさんたちは取り込み中みたいだしっ」
「……はあ? なんであたしが」
あからさまな不満の声を上げるあざ女の腕をつかみ、ずりずりと引きずる。ディーンはディーンで不満げな顔をしていたが、構っている暇はない。
未だ呆けている友に目配せを送ると、急ぎあざ女と共に自宅へと戻った。
◇
「……どうして、邪魔をしたんですか?」
気まずい夕食を終えた後、怒りを込めた口調でジェシカさんが上目遣いに私を見た。返す言葉に迷い、うぐっと言葉に詰まる。
……わかってはいる。
私は友達だからミランダさんに肩入れしてしまうけれど、きっとジェシカさんはジェシカさんで真剣なのだ。それなのに、彼女の恋を邪魔するような真似をしてしまった。
自己嫌悪に陥る私の隣で、ディーンが不思議そうに首を傾げる。
「なんだか雰囲気が変わったな。もう健康体操はしないのか?」
……健康体操?
「いつも、くねくねうねうね動いていたろう? 健康維持に余念が無いなと感心していたが」
大真面目な顔で言う。
テーブルに頭を打ち付けそうになる私をよそに、ジェシカさんがカッと目を見開いた。
「わかりますぅ!? そう、日常に骨盤体操を取り入れているんです、あたしぃ!」
「えええ、本当にぃ!?」
驚きの声を上げる私に、ジェシカさんはこっくりと頷いた。
「そうなんですぅ。それなのに、ぶりっ子だのウザいだの、みんな言いたい放題で……。女ってホント性格悪い」
不愉快そうに眉をひそめた後で、ふっと微笑む。
「でも、キャロル中尉は違いました。厳しく叱られたけど、優しさを感じたっていうかぁ」
……いや、ミランダさんもあなたを「あざ女」呼ばわりしてましたよ?
心の中で突っ込む私にはもちろん気付かず、彼女は嬉しそうに頬を緩めた。
「ホント、素敵なひと。……だから、あんな中年タラシは絶対相応しくない」
最後に不穏な一言をぼそりとつぶやく。
勢いよく立ち上がると、くねくねとうごめいた。
「それじゃ、あたしはこれで。ご馳走さまでしたぁ」
ぱっと身を翻して出て行ってしまった。
私は衝撃に固まりながら、今日の出来事を反芻する。
(……ええと、つまり……?)
ジェシカさんが好きなのは、ギルバートさんではない。
ミランダさんとギルバートさんはなんだか良い感じだけれど、ジェシカさんはそれが気に入らない。
……その後、案の定。
ギルバートさんがミランダさんを誘い、ジェシカさんがことごとく邪魔をするという図式が出来上がったという。
熱烈なファンのせいで、ミランダさんの変……じゃなくて恋は、どうやらまだまだ前途多難であるらしい。合掌。
……つまり、ストーカーというわけか。
ところ変わって軍本部の一室である。
ストーカー男を連行するために、全員で移動してきたのだ。
うつむきながら説明するジェシカさんに、ギルバートさんが大きく頷いた。
「先週、仕事の帰り道にその場面に遭遇したのだ。男を取り押さえようとしたのだが、逃げ足が早くてな。同僚として放っておけず、恋人同士の振りをして犯人をおびき出したわけだ」
「他の人には知られたくなくってぇ……。無理言って申し訳ありませんでした、グレイ少将……」
しゅんと瞳を潤ませる。
……確かに小動物っぽくて可愛いかも。
「なに、構わんさ。……しかし、複数人が尾行してきた時は驚いたぞ。まさかお前たちだとは思わなかったから、付きまとい男が人を雇ったのかと勘違いした」
まあ、何人来ようがわたしの敵ではないがな!
大笑するギルバートさんに、ジェシカさんはぽっと頬を赤らめた。そっとギルバートさんの手を握り、肩をすり寄せ身体を密着させる。
「ホントにありがとうございましたぁ。あたし、昔からヘンなひとが寄ってくる事が多くてぇ。『俺のこと好きなんだろ?』とか自惚れるしぃ」
「──それは、自業自得だろ?」
地を這うような低い声でミランダさんが口を挟む。
部屋の空気がピシリと凍りつき、あざ女が息を呑む気配がした。
あざ女がギルバートさんの手を握ったあたりから、隣に座るミランダさんの雰囲気が変わっていた。鋭い目であざ女を睨みつける。
「君は誰に対しても気安く触れるし、思わせぶりな態度を取りすぎだな。勘違いする男ばかりを責められまい」
「……あたしが、悪いって言うんですか?」
冷たく言い放つミランダさんを、ジェシカさんも恨めしそうな表情で見返す。
「無論、付きまといをした男が一番悪い。だが、君も自衛の意識を持つべきだな。──自分が可愛いのだという事を、君はもっと自覚しなければいけない」
諭すように言い聞かされ、ジェシカさんははっと目を見開いた。ややあって、おずおずと頷く。
「……わかり、ました……。すみませんでした、キャロル中尉……」
──こうして、ギルバートさんデート事件は幕を閉じた。
しかし、私には気付いてしまった事がひとつある。
◇
翌日、王城での仕事を終えて。
迎えに来てくれた軍人さんに、今日は自宅ではなく軍本部に送ってもらうようお願いした。
良い知らせを早急に、ミランダさんに伝えたかったからだ。
昨夜、ミランダさんがあざ女を諭した時。
ギルバートさんは感心したようにミランダさんを見つめ、それから優しく微笑んでいた。いつもの気障ったらしい笑顔ではなく、柔らかく慈しむような笑顔だった。
(もしかして、ギルバートさんてばミランダさんの事……!?)
ようやく彼女の長年の恋が叶うかもしれない。
私はうきうきと軍本部の門をくぐった。
「……あっ、ユキコさん! 昨夜はありがとうございました。旦那様のお迎えですかぁ?」
受付のジェシカさんから聞かれ、ふるふると首を振る。
「いえ、今日はミランダさんに会いに来たんです。中に入らせてもらっても……」
言った瞬間、ジェシカさんの目の光が失われ、すうっと雰囲気が変わった。思わずぎょっとして後ずさる私に、ジェシカさんは口角を上げて微笑む。
「……ユキコさんは、キャロル中尉と親しいんですね?」
「あ、はい……。友達、ですけど……?」
「ふぅん、友達……。へえぇ、友達……」
含みのある言い方に固まっていると、「ユキ!」と嬉しそうに声を掛けられた。
「迎えに来てくれたのか? 少し早めに上がらせてもらったから、帰りに買い物でも……」
駆け寄ってくる男の背後にバッと隠れる。ナイスタイミングだ、壁旦那よ……!
男の軍服の裾をくいくいと引っ張り、そっとささやきかけた。
「……ね、ミランダさんは?」
「キャロル? あいつなら、廊下で叔父としゃべっていたが──」
ディーンが言いかけたところで、すばやくジェシカさんが立ち上がる。無言で廊下へと駆け出す彼女を、慌てて私も追いかけた。
「……で、良かったら礼に夕食でも……」
ふわりと微笑むギルバートさんが、優しくミランダさんに誘いをかけている。……おおっ!?
ミランダさんは呆けたように口を開け、それからみるみる真っ赤になった。
「そ、その……あの……」
「──グレイ少将っ!!」
二人の良い雰囲気をぶち壊し、あざ女・ジェシカが乱入する。
「あたしぃ、助けていただいたお礼がしたいなって思っててぇ。みんなで、ごはんに行きませんかっ? そう、みんなでっ」
「…………」
ぽかんと固まる私たちなどお構いなしに、あざ女は鼻息荒く全員を見回した。誰よりも早く、空気を読まない壁旦那が首を振る。
「いや、俺とユキは遠慮しておく。今から帰るところだしな」
「えーっ、残念ですぅ。それじゃ、お二人はまたの機会に!」
「ちょ、待っ……!──むしろ、ジェシカさんがうちにごはんを食べに来て!? ミランダさんたちは取り込み中みたいだしっ」
「……はあ? なんであたしが」
あからさまな不満の声を上げるあざ女の腕をつかみ、ずりずりと引きずる。ディーンはディーンで不満げな顔をしていたが、構っている暇はない。
未だ呆けている友に目配せを送ると、急ぎあざ女と共に自宅へと戻った。
◇
「……どうして、邪魔をしたんですか?」
気まずい夕食を終えた後、怒りを込めた口調でジェシカさんが上目遣いに私を見た。返す言葉に迷い、うぐっと言葉に詰まる。
……わかってはいる。
私は友達だからミランダさんに肩入れしてしまうけれど、きっとジェシカさんはジェシカさんで真剣なのだ。それなのに、彼女の恋を邪魔するような真似をしてしまった。
自己嫌悪に陥る私の隣で、ディーンが不思議そうに首を傾げる。
「なんだか雰囲気が変わったな。もう健康体操はしないのか?」
……健康体操?
「いつも、くねくねうねうね動いていたろう? 健康維持に余念が無いなと感心していたが」
大真面目な顔で言う。
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不愉快そうに眉をひそめた後で、ふっと微笑む。
「でも、キャロル中尉は違いました。厳しく叱られたけど、優しさを感じたっていうかぁ」
……いや、ミランダさんもあなたを「あざ女」呼ばわりしてましたよ?
心の中で突っ込む私にはもちろん気付かず、彼女は嬉しそうに頬を緩めた。
「ホント、素敵なひと。……だから、あんな中年タラシは絶対相応しくない」
最後に不穏な一言をぼそりとつぶやく。
勢いよく立ち上がると、くねくねとうごめいた。
「それじゃ、あたしはこれで。ご馳走さまでしたぁ」
ぱっと身を翻して出て行ってしまった。
私は衝撃に固まりながら、今日の出来事を反芻する。
(……ええと、つまり……?)
ジェシカさんが好きなのは、ギルバートさんではない。
ミランダさんとギルバートさんはなんだか良い感じだけれど、ジェシカさんはそれが気に入らない。
……その後、案の定。
ギルバートさんがミランダさんを誘い、ジェシカさんがことごとく邪魔をするという図式が出来上がったという。
熱烈なファンのせいで、ミランダさんの変……じゃなくて恋は、どうやらまだまだ前途多難であるらしい。合掌。
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