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渡辺明日奈 編
第41話「石田奈美と接触」
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【九月八日(月曜日)】
私は休み明けから、本の探索を本格的に開始した。
***
相葉君は、本のウワサ話を同じクラスの石田奈美から、聞いたと言っていた。相葉君同様、ほとんど話したこともない相手だったが、傍から見ている分には、大変なウワサ好きのようだ。
なにか、貴重な情報を持っているかもしれない。
そういえば、相葉君は石田奈美と親しいのだろうか。席は確か、相葉君の隣だったはずだ。これは使えるかもしれない。
***
私は体育の時間を狙って、相葉君の話題をカモに、石田奈美と話すきっかけを作り、本のウワサへと話題を移していった。
彼女は呆れるくらい喋るは喋る、まるでマシンガンだ。言葉に詰まらない人間は、頭の回転が早いからだそうだが、石田奈美も、一見軽いノリの人間に見えて、頭のいい女なのかもしれない。
***
彼女が示したキーワードは“女子トイレ”だった。
女子トイレで、本を見つけたというウワサがあるらしいのだ。トイレの花子さんが、持っているとでも言うのだろうか。
なんだか、怪談みたいなノリになってきた。
ただどの女子トイレかは分からず、私は学校内の女子トイレを、片っ端から調べることになった。このときばかりは、自分が女で良かったと、心底思った。
つづく
私は休み明けから、本の探索を本格的に開始した。
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相葉君は、本のウワサ話を同じクラスの石田奈美から、聞いたと言っていた。相葉君同様、ほとんど話したこともない相手だったが、傍から見ている分には、大変なウワサ好きのようだ。
なにか、貴重な情報を持っているかもしれない。
そういえば、相葉君は石田奈美と親しいのだろうか。席は確か、相葉君の隣だったはずだ。これは使えるかもしれない。
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私は体育の時間を狙って、相葉君の話題をカモに、石田奈美と話すきっかけを作り、本のウワサへと話題を移していった。
彼女は呆れるくらい喋るは喋る、まるでマシンガンだ。言葉に詰まらない人間は、頭の回転が早いからだそうだが、石田奈美も、一見軽いノリの人間に見えて、頭のいい女なのかもしれない。
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彼女が示したキーワードは“女子トイレ”だった。
女子トイレで、本を見つけたというウワサがあるらしいのだ。トイレの花子さんが、持っているとでも言うのだろうか。
なんだか、怪談みたいなノリになってきた。
ただどの女子トイレかは分からず、私は学校内の女子トイレを、片っ端から調べることになった。このときばかりは、自分が女で良かったと、心底思った。
つづく
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