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第二章 耽溺
第二十七話
しおりを挟むそれまで仲の良かったダチさえ距離を置くようになられっと、さすがの俺だってかなりへこむと思うぜ。けど音稀は半年以上もそんな地獄に耐えていたという。
人の噂も七十五日。そんなデマ誰が言ったんだ。消えるどころか尾ひれがついてデカくなるばかりじゃねえか。とうとう教授からもやんわりと注意され、それで音稀は大学にいけなくなってしまった。
教育者の無言の圧力は酷でえとしか言いようがない。んで、そのことは親に知られることになった。当然ながら両親は激怒。けど怒りの対象は音稀にではなく大学側に向けられる。
元々長男可愛がりの長女は空気扱いという親だ、息子がゲイでも寛容するというスーパー両親。音稀をビッチとして貶めた男は、両親によって地獄に落とされたという。
音稀も元彼の末路はよく知らないそうだが、そいつは退学に追い込まれたんだと。家族は夜逃げのように他府県に引っ越していったらしい。すげえな、しかし。どんな手を使ったんだ。
それから徐々に汚名は返上されてったようだが、けど一部ではまだ根強く残っていて居心地の悪さは変わらないようだ。
性悪な女のなかには噂を針小棒大に広めるやつもいて、おかげでキャンパスを歩くだけで男から声をかけられるんだと。ビッチ=股の緩い男だそうだ。殴りてえ。
けど音稀は負けず挫けず大学に通った。ンなクソみてえなやつらのために、高い授業料を無駄にするなんて馬鹿らしいだろ。
親が必死に働いて稼いだ金で通わせてくれてるんだ、歯あ食いしばって講義にでたそうだ。それ聞いたときは泣きそうになったぞ、ガチで格好いいじゃん音稀。マジ惚れ直す。
それがどうしてまた自宅警備に徹する羽目になったのか──それは魔女のせいだった。
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