186 / 220
第三章 指切
第二十六話
しおりを挟む3
諦めの悪い龍哉の求愛にとうとう絆されてしまった遥希。
失恋を涙とともに捨て去った日、龍哉の告白を受けてから遥希の日常はアクティブに変化した。それまでの一日を車のギアで表すとすれば”ロー”、それがニュートラルを経て一気に”ハイトップ”までチェンジしたといった具合だ。
とにかく龍哉は遥希のプライベートをひとり占めしたいようで、ことある毎に「今どこ?」「今なにしてんの?」「写メおくって」「今からそっち行っていい?」と連絡が届く。
学生時代の友人と食事の約束をしていて今から出かけると返せば、「そいつ男? 俺もついてっていい?」と即座に牽制的な催促が届く始末。
告白を受けたこと自体に後悔はないが、こうも行動を把握したがったり時には制限をされたりと、束縛の激しい男だとはつゆと思わなかったのだ。
遥希の知るかぎり、これまで龍哉がはべらせていた歴代の彼女に対する反応は淡白なもので、間違っても嫉妬するなどあり得ないクールなキャラと記憶する。
また遥希を本命と溺愛する今も、職業柄つき合いを切ることはできない。浮気というと語弊があるが、遥希に悟られないようアフターでデートをして肉体関係もつづけているようだ。
もっとも遥希には気づかれないよう巧く隠しているようだが、はっきり言ってまったく隠し切れていない。それどころか、そんな気遣いは不要だと呆れてしまう。
彼が粘着質な性格だと知った遥希。辟易とすることもあるが、けれど嫌だと感じることはなかった。元々遥希も依存するタイプ、面倒な相手ほど愛を感じられるらしい。
日々を自宅と店の往復で過ごし、目標は自分の店を持つこと。そんな遥希の日常を強引に割り込んできた龍哉。出勤までのリラックスタイムは、彼によってめまぐるしいものとなった。
0
あなたにおすすめの小説
ふたなり治験棟 企画12月31公開
ほたる
BL
ふたなりとして生を受けた柊は、16歳の年に国の義務により、ふたなり治験棟に入所する事になる。
男として育ってきた為、子供を孕み産むふたなりに成り下がりたくないと抗うが…?!
鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。
鎖に繋がれた騎士は、敵国で皇帝の愛に囚われる
結衣可
BL
戦場で捕らえられた若き騎士エリアスは、牢に繋がれながらも誇りを折らず、帝国の皇帝オルフェンの瞳を惹きつける。
冷酷と畏怖で人を遠ざけてきた皇帝は、彼を望み、夜ごと逢瀬を重ねていく。
憎しみと抗いのはずが、いつしか芽生える心の揺らぎ。
誇り高き騎士が囚われたのは、冷徹な皇帝の愛。
鎖に繋がれた誇りと、独占欲に満ちた溺愛の行方は――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる