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第三章 指切
第三十九話
しおりを挟む終焉
月日は流れ一大の結婚式当日。
親友の結婚式だからと、今夜は店を休む旨をまえもってキャストと客には伝えてある。当然ながら一大との関係を知らない者たちは遥希に祝福を預け、逢ったこともない新郎新婦を祝ってその日の売り上げは破格となった。
披露宴が近づいてくると、それまでもやのかかった胸の不快感も薄れ、逆に「なるようになれ」と開き直るまでに心は強くなった。
けれども遥希が平然と過ごすにつれ対照的に龍哉は思いつめたようになる。彼を頼って訪れる客に対してもピリピリとした対応、それは同じ空間で接客をするキャストにも伝わる。
どうしたことかと訊きたくても、不機嫌なナンバーワンに近寄れる猛者など遥希か高峻くらいだろう。店の風紀にも関わること、どうにかしてくれと後輩ホストの純平に遥希は頼まれた。
営業も終わりそれとなく遥希が訊いてみることに。すると龍哉から返ってきた内容は「今日は野郎の結婚式じゃん。遥希が辛い思いをするって考えたらムカついてしかたねえ」だった。
朝日が昇り鳥がさえずる帰り道に、よもやそんな答えが返ってくるとは思わなかった。意表をつかれ立ち止まる遥希、つづいてくつくつと笑いがこみ上げ腹を抱える。
やにわに笑いだす遥希に龍哉も意表をつかれて訝しみ、「なに笑ってんだよっ!」と子供のように口を尖らせ地団太を踏む。その表情は真っ赤で、また遥希の笑いを誘ってしまう。
ともあれ微かに残っていたもやも吹き飛んだ。
存分に笑い終えると、「俺の代わりにキレてくれてありがとう」と龍哉に礼を言い、「さあ帰ってセックスするぞ」と遥希が宣言、龍哉の肩に腕をまわすと帰途を急いだ。
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