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第七話 女って不便

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早朝、いつもの朝のはずなのに寝返りをうつと共に飛び起きた。突然やってくるソイツのせいで朝っぱらから風呂と洗濯で憂鬱になる。敷布団まで染めちまったなんて・・・マジで泣きたくなるぜ。

紫音さんに聞いてはいたが本当に唐突にやって来るし、来たらきたでハラが重くて体が思うように動かせねえのが今のオレには厄介だった。先輩のお姉さま方には重くて起き上がれず学校に来れねぇぐらいの人もいるって聞いてたからまだオレはマシなんだと思う。紫音さんや他のお姉さま方から連れ回されて必要最低限の準備はしていたからそれに着替え、まだ時間は早いが二度寝は諦めた。横になったら伝う気持ち悪さがあったからだ。

「くっそ、大の字でおちおち寝てられもしねぇ!」

朝メシは昨日の夜の残りに残しておいた肉まんを頬張り、珍しく朝の情報番組をぼーっと見ていた。

学校に辿り着くとそのまま机に突っ伏す。レイには悪いが今日は自分の教室で大人しくしておくことにしたのだが、オレのツレがそうそう休ませてくれるはずも無く教室であっても群れてくる。

(まあ、確かに普段からガヤガヤすんのが当たり前だったもんなぁ。オレの調子が悪いとか言ったらここぞとばかりにケンカ吹っ掛けてくるヤツが現れるかもしんねーしなー)

と、風神のノリを知ってるヤツらは周りではしゃぐので少しドスの効いた声で脅す。

「昨日さー、夜中に絡まれて明け方までかかってシメてたんだよオレ・・・」

周りのざわつきが止まる。

「ちょっとよお・・・静かにしてくんねぇかなぁ?」

風神の睨みに周りは謝りつつ解散する。

(はぁ、やっと静かになったー)

力無く机に体を預けていたら・・・やっぱり来た、腹痛が。

「マジでワケわかんねぇよ、女ってみんなこんなのと月一で戦ってんのかよ!」

授業中、脂汗を拭きながら耐えてたがもう限界だ。紫音さんが持ってるって言ってた薬をもらいに屋上で待機をしよう。先生にはトイレと伝え廊下に出る。

(本当に先にトイレに行こう、喉もやたら渇くし何か買っていくか・・・)

ふらつくのをグッと堪えてトイレに向かう。飲み物を買い屋上までやって来たのは良いが、紫音さんが来るまで意識保ってられるかなあ。屋上の柵に持たれかかったと同時に視界が暗くなっていくのが分かった

「あ。ヤバ・・・」

気付くと紫音さんがそばにあったイスまで運んでくれたのか、そこで横になっていた。

「気が付いたかい、水があるからこれ飲んどきな」

紫音さんから水と薬を受け取り口の中に流し込む。

「あざっす!あれ、今日は他のお姉さま方は来ないんすか?」

「何言ってんだい。まだ昼飯時じゃないよ、授業中だったけど雷神が教えに来てくれたんだよ」

驚いてると

「アンタの事をあんなに真剣に頭下げて頼まれちまった以上、半端な真似はできないよ」

(レイはいつ気付いたんだ?オレそんなに今日ヤバかったのか?)

「2日目の洗礼も受けた事だし、今日は大人しく放課後までココにいときな、ココなら厄介事は早々来ないからね」

椅子にもたれかかり深呼吸する。

「まぁそのうち慣れるっちゃー慣れるからさ、上手に付き合っていこう」

コクンと頷きつつも、早く慣れてくれと願わずにはいられなかった。

(こんなんで風神なんて言えやしねえもんな、グロッキーになる回数減らす為オレの体よ早いとこ馴染んでくれー)
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