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4.抗う術
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邸に戻り、理央を部屋へ送り届け、自室に戻るとノックがきこえて着替える前にドアを開けた。
俺の部屋を訪れる者など同じようにこの邸に住み込みで働いているメイドや執事くらいだ。
理央がこの部屋に足を踏み入れたことは一度もない。
ドアの向こうには案の定、メイドが立っていた。
「理聖様からこちらが届きました」
「俺宛に?」
「はい」
受け取って包装を開け、納得する。
確かに、直接理央に贈ってもクローゼットの隅で眠るだけだろう。
夕食の後、紅茶を届けるついでに理聖さまからの届け物を持参した。
「……こちらを、理央」
「?」
「チョーカーです」
「そんなもの、注文した覚えはないが」
ティーカップに口をつけながら、不信を露に眉を寄せた理央に苦笑する。
「理聖さまからですよ。アルファからの一方的な番の強制を防ぐためのものです。今日から理央にもしていただきます」
あからさまに嫌そうな顔をした理央の足元に跪き、許しを乞おうと手首に口付ける。
「……好きにしろ」
「有り難う御座います」
立ち上がり、理央のシャツの釦をいくつかはずした。
理央がティーカップをソーサーに置く。
派手すぎず、かといってシンプル過ぎず、適度なシルバーの装飾の黒のレザーチョーカー。
項を覆うため、太いせいでハードな印象が強かった。
喉仏の上で留まるリングに鍵を掛ける。
鍵でもある指輪を理央の右手の人差し指に通した。
このチョーカーの鍵を自由に出来るのは、理央本人と番に選ばれる者だけ。
通常ならばアルファが選ぶ側だが理央は別だ。
数多くのアルファから望まれるオメガ。
「……鬱陶しい」と理央が呟く。
「我慢してください」
ティーカップに二杯目を注いだ。
また「息苦しい」とぼやく理央の華奢な首を見つめる。
「さすが理聖さまの見立てですね。よくお似合いです。うちの制服が詰襟でよかった」
※
「剱」
「ん」
「……うちに来て」
「……」
放課後、教室を出ようと席を立ったところで二条に張り付かれて内心溜め息を吐いた。
理央は鼻が利く。これ以上嫌われたくはないのだが。
「剱」
「二条、いい加減に、」
「……嫌だ。ねぇ、剱、アルファなんでしょ、」
「他にもアルファは大勢居るよ」
「剱がいい、」
理央が、二条のように俺を番にと望んでくれたら。
明日死ぬとしても、俺は番になることを選ぶのに。
「……理央に許しをもらってくれ」
「どうして暁に」
「俺は理央の剱だからね」
「……剱、ぼく、」
二条に腕を掴まれた瞬間、違和感を感じた。
……震えている。
「……二条、?」
「あ、」
腕を掴んでいる二条の指を解こうと手をかけた瞬間、二条は教室の床に膝をついてくずおれた。
「……っ」
甘い匂いに思考が止まりそうになる。
理央から感じたものよりはるかに強い。
咄嗟に吉良に渡された遮断薬をシートから取り出して口に含む。
噛み砕いて息を吐いた。
俺の部屋を訪れる者など同じようにこの邸に住み込みで働いているメイドや執事くらいだ。
理央がこの部屋に足を踏み入れたことは一度もない。
ドアの向こうには案の定、メイドが立っていた。
「理聖様からこちらが届きました」
「俺宛に?」
「はい」
受け取って包装を開け、納得する。
確かに、直接理央に贈ってもクローゼットの隅で眠るだけだろう。
夕食の後、紅茶を届けるついでに理聖さまからの届け物を持参した。
「……こちらを、理央」
「?」
「チョーカーです」
「そんなもの、注文した覚えはないが」
ティーカップに口をつけながら、不信を露に眉を寄せた理央に苦笑する。
「理聖さまからですよ。アルファからの一方的な番の強制を防ぐためのものです。今日から理央にもしていただきます」
あからさまに嫌そうな顔をした理央の足元に跪き、許しを乞おうと手首に口付ける。
「……好きにしろ」
「有り難う御座います」
立ち上がり、理央のシャツの釦をいくつかはずした。
理央がティーカップをソーサーに置く。
派手すぎず、かといってシンプル過ぎず、適度なシルバーの装飾の黒のレザーチョーカー。
項を覆うため、太いせいでハードな印象が強かった。
喉仏の上で留まるリングに鍵を掛ける。
鍵でもある指輪を理央の右手の人差し指に通した。
このチョーカーの鍵を自由に出来るのは、理央本人と番に選ばれる者だけ。
通常ならばアルファが選ぶ側だが理央は別だ。
数多くのアルファから望まれるオメガ。
「……鬱陶しい」と理央が呟く。
「我慢してください」
ティーカップに二杯目を注いだ。
また「息苦しい」とぼやく理央の華奢な首を見つめる。
「さすが理聖さまの見立てですね。よくお似合いです。うちの制服が詰襟でよかった」
※
「剱」
「ん」
「……うちに来て」
「……」
放課後、教室を出ようと席を立ったところで二条に張り付かれて内心溜め息を吐いた。
理央は鼻が利く。これ以上嫌われたくはないのだが。
「剱」
「二条、いい加減に、」
「……嫌だ。ねぇ、剱、アルファなんでしょ、」
「他にもアルファは大勢居るよ」
「剱がいい、」
理央が、二条のように俺を番にと望んでくれたら。
明日死ぬとしても、俺は番になることを選ぶのに。
「……理央に許しをもらってくれ」
「どうして暁に」
「俺は理央の剱だからね」
「……剱、ぼく、」
二条に腕を掴まれた瞬間、違和感を感じた。
……震えている。
「……二条、?」
「あ、」
腕を掴んでいる二条の指を解こうと手をかけた瞬間、二条は教室の床に膝をついてくずおれた。
「……っ」
甘い匂いに思考が止まりそうになる。
理央から感じたものよりはるかに強い。
咄嗟に吉良に渡された遮断薬をシートから取り出して口に含む。
噛み砕いて息を吐いた。
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