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27・ただ一つ、仄暗い喜び
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しおりを挟む自分が何をしているのか。
そんな疑問は、空が白み始めた頃には忘れていた。
俺の腕の中で眠る理央の目蓋を、じっと見つめていた。
目蓋が開いて、夜色の双眸が俺を映した瞬間、理央に口付けた。
抱き締めてその容(かたち)を確かめるように細い身体を手と指と唇で撫でて吸った。
理央は嫌がることも驚くこともなく、ただ素直に俺を受け入れた。
それが、当然であるかのように。
「…っは、」
「…っ、ッ、っぁ、」
ぱくぱくと。
陸に打ち上げられた魚のように喘ぐ理央の口からは、かすれた吐息が漏れただけだった。
もう何度目かも、俺にはわからない。
俺の器官を咥えている穴から覗く赤い粘膜を、指先で撫でる。
「…こんなに酷くされても濡れるものなんですね、オメガは」
「…、っ、」
かすれた吐息を漏らして目の縁を赤く染め、羞恥に息を殺す様はオスの情を刺激する慰みとしては過ぎる代物だった。
もはや我が主ではなく、極上のオメガであると本能が訴える。
「可愛い。…吉良のものになると思うと引き裂いても足りませんが」
「っぁ、…ッ、」
「…っ理央、」
身を捩り、シーツを手繰る細い身体は、片手で押さえ付けるだけで簡単に自由を奪えた。
…そんな姿すら、愛らしい。
「…ッ、ぁ、ぁ…っ、」
俺の射精につられて、理央は達する。
決められていることのように。
解放せず、繋がったまま手をのばし、ベッドヘッドに置かれたミネラルウォーターのペットボトルの蓋を開けた。
水を口に含み、理央に口付ける。
「…酷い声ですよ」
そうさせたのは自分だが。
「やまと、」
力なくベッドに沈む理央の頬に口付けてうつ伏せにさせ、また奥を突いた。
びく、と理央の身体が跳ねる。
「…萎えませんよ、まだ、」
「待、っ…、ッァ、」
真っ直ぐに伸びた背骨を人差し指で辿った。
白い肌は少し汗ばんでいる。
ゆっくりと、理央の中を蹂躙しながら、襟足に口付け、チョーカーの上から項を咬んだ。
理央の人差し指で光るリングがやけに目につく。
「あなたが全てです、俺にとっては」
「…っ、」
微かに。
安堵するように頬を緩めた理央が可愛くて、結局また仰向けにさせて口付けた。
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