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ミリア、ユリア、ダリアとともに一緒に村へとやってくる。
「今日は宿屋に泊まろうか」
「私たち、家を借りようと思うんです」
「家を借りる? そんなお金があるのか」
家を借りるには安くても、一か月に金貨三枚という金額が必要である。
一日に三百円あれば、やどやに泊まることができるのだが、わざわざそれ以上のお金を払って宿を借りたいと思う冒険者もそんなにはいないだろう。
いないはずなのだが、目の前の冒険者たちは、早速家を借りるようである。
「お金があるのならば何も言わないが、そんなお金などあるというのか」
「私たち、王族なので」
とぼそっとした声でいうのはダリア。
ダリアは小さな女の子である。
「王族?」
「いえ、なんでもありません」
というのはミリア。
なんでもない?
今、確かに王族だとか言っていたような気がしたけれど。
王族というのが本当であれば、お金について心配することはないのである。
本当にうらやましい限りだ。
「そこでお願いがあるんですが、よかったらサトウさんにも一緒に私たちと一緒に住んでほしいんです」
「一緒に住む? それはうれしい話だが、わざわざこんな男と一緒に住むというのは、危険ではないか?」
「いえ、私たちは三人姉妹なので、男手が一つでもあれば、助かるかなーとそう思ったんです」
というのはユリア。
「ちょっと待って、急にそんな話をして大丈夫なの?」
というのはついてきたマリア。
「はい。私たちはサトウさんのことを、冒険者として信用していますので」
「信用してくれているのはありがたいが、そんな話を急にされて、すぐにはいそうですか、と返事をするわけにもいかないよ。ちょっとの間、考える時間をくれないと」
「なら、私たちはこの部屋にすることを決めたので、サトウさんがよかったら、一緒にこの部屋に住んでください」
「一か月に金貨三枚」
それは大変安い家ではあるが、そんな都合のいい物件がそう都合よく出ているだろうか。
さすがに安すぎるような気もする。
一か月三万円。
何かわけがあって、その値段の安さなのではないだろうか。
普通なら金貨六枚は必要だろう。
「もしよかったらなんですけど、この家、一緒に住んでください。訳アリ物件かもしれないので」
「訳アリ物件なら、借りるのをやめておいたほうがいいんじゃないか? そんな焦って契約をする必要もないだろう」
「でも、ほかの人が契約してしまうかもしれないし」
というミリア。
だが、そんな焦って契約をして、中から幽霊が出てきては困るだろう。
だがミリアはよっぽどその安い物件から目がはなせなくなっているのであろう。
どうしてもその物件がいいのか、
「ねえ、はやく契約してこようよ。ほかの人にこの家を取られたら困るよ」
なんて、言っている。
「やめておけよ。宿屋なんてそこらへんにいくらでもあるだろう」
「でも私、決めました! この家を借りることに。この家を金貨三枚で借りることにしました」
「この家が金貨三枚は安すぎだろう。何かいわくがあるんじゃないか?」
「そんなこと……」
そんなことはあった。
そこでは人が死んだことがある、いわゆるいわくつきの家だったのである。
金貨三枚でこの家の広さ、それはちょっとおかしいと、誰でもわかるのだが、この家の広さで金貨三枚は、それはそれは安すぎるといいう金額なのはわからないでもない。
さすが王族である。
というか、王族ならば、もっと金貨二十枚くらいのお値段で、もっと安心安全な家でも借りればいいのではないだろうか。
なんて思ってしまうオレは、どこかほかの人とはちょっと違うのだろうか。
金貨二十枚はさすがに高すぎだが。
「今日は宿屋に泊まろうか」
「私たち、家を借りようと思うんです」
「家を借りる? そんなお金があるのか」
家を借りるには安くても、一か月に金貨三枚という金額が必要である。
一日に三百円あれば、やどやに泊まることができるのだが、わざわざそれ以上のお金を払って宿を借りたいと思う冒険者もそんなにはいないだろう。
いないはずなのだが、目の前の冒険者たちは、早速家を借りるようである。
「お金があるのならば何も言わないが、そんなお金などあるというのか」
「私たち、王族なので」
とぼそっとした声でいうのはダリア。
ダリアは小さな女の子である。
「王族?」
「いえ、なんでもありません」
というのはミリア。
なんでもない?
今、確かに王族だとか言っていたような気がしたけれど。
王族というのが本当であれば、お金について心配することはないのである。
本当にうらやましい限りだ。
「そこでお願いがあるんですが、よかったらサトウさんにも一緒に私たちと一緒に住んでほしいんです」
「一緒に住む? それはうれしい話だが、わざわざこんな男と一緒に住むというのは、危険ではないか?」
「いえ、私たちは三人姉妹なので、男手が一つでもあれば、助かるかなーとそう思ったんです」
というのはユリア。
「ちょっと待って、急にそんな話をして大丈夫なの?」
というのはついてきたマリア。
「はい。私たちはサトウさんのことを、冒険者として信用していますので」
「信用してくれているのはありがたいが、そんな話を急にされて、すぐにはいそうですか、と返事をするわけにもいかないよ。ちょっとの間、考える時間をくれないと」
「なら、私たちはこの部屋にすることを決めたので、サトウさんがよかったら、一緒にこの部屋に住んでください」
「一か月に金貨三枚」
それは大変安い家ではあるが、そんな都合のいい物件がそう都合よく出ているだろうか。
さすがに安すぎるような気もする。
一か月三万円。
何かわけがあって、その値段の安さなのではないだろうか。
普通なら金貨六枚は必要だろう。
「もしよかったらなんですけど、この家、一緒に住んでください。訳アリ物件かもしれないので」
「訳アリ物件なら、借りるのをやめておいたほうがいいんじゃないか? そんな焦って契約をする必要もないだろう」
「でも、ほかの人が契約してしまうかもしれないし」
というミリア。
だが、そんな焦って契約をして、中から幽霊が出てきては困るだろう。
だがミリアはよっぽどその安い物件から目がはなせなくなっているのであろう。
どうしてもその物件がいいのか、
「ねえ、はやく契約してこようよ。ほかの人にこの家を取られたら困るよ」
なんて、言っている。
「やめておけよ。宿屋なんてそこらへんにいくらでもあるだろう」
「でも私、決めました! この家を借りることに。この家を金貨三枚で借りることにしました」
「この家が金貨三枚は安すぎだろう。何かいわくがあるんじゃないか?」
「そんなこと……」
そんなことはあった。
そこでは人が死んだことがある、いわゆるいわくつきの家だったのである。
金貨三枚でこの家の広さ、それはちょっとおかしいと、誰でもわかるのだが、この家の広さで金貨三枚は、それはそれは安すぎるといいう金額なのはわからないでもない。
さすが王族である。
というか、王族ならば、もっと金貨二十枚くらいのお値段で、もっと安心安全な家でも借りればいいのではないだろうか。
なんて思ってしまうオレは、どこかほかの人とはちょっと違うのだろうか。
金貨二十枚はさすがに高すぎだが。
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