転生鍛冶師は異世界でモノづくりをすることにしました。

15

　森の中。
　森の中をマリアさんとともに探索していると、数匹の狼に襲われている冒険者を発見する。
　その冒険者は女の冒険者。
　女の冒険者の姿からいって、それらは歴戦の冒険者という姿には見えなかった。
　まるで初心者みたいな恰好をした冒険者のように見える。
「ぐぎゃああああああああああああああああ」
「大丈夫ですか？」
「あ、はい。大丈夫です。モンスターに襲われているところを助けていただきありがとうございました」
　オレは狼数匹を倒すと、女の冒険者からそう声をかけられた。
　マリアも数匹の狼を討伐して、息も乱さずにその場にいる。
「無事でよかった。でも、初心者の冒険者が森にやってきたのは得策ではないぞ。この森はモンスターが出現する森。あまり中に入るべきではない」
「それはわかってはいるんですが……私たちも冒険を始めたばかりでして」
　髪の色は金色。
　その神の色を見て、きれいだなーと思ってしまった。
「えっと……私、ミリアと申します」
「ミリアか。よろしく」
「私はユリア。よろしくねっ」
「私はダリア。よろしく」
　この三人、王女だなんてオレはまだこのときは知らなかった。
　王女と教えてもらっていなかったのだから、そんなことをこの場で知るのは無理だったのだろうが、まさかその見た目とは裏腹に、王女だったとは……。
　王女が冒険者をやっているなどと、そんなこと考えるわけもないのである。