ベノムリップス

ど三一

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罪人探し編

第31話 ニスのお使い日和

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前日の夕食後、ニスはギャリアーにお使いを頼まれた。

「明日の早朝、農場で花を調達してきて欲しいんだ」

ギャリアーの依頼主のリクエストは、季節の花をガラスの中で流した風流な一品で、新たに開店するレストランの個室に飾りたいとの事だ。複数ある個室のテーマに合わせて、依頼はそのテーマが得意な複数の工房に出しているらしい。納品期日まで余裕はあるが、これから観光客が増える時期が近づいているので、それに伴って依頼は溜まっている。前倒しで進めていきたい。

「買ってきて欲しいのは、この紙に書いてある。農場の方に行って直接買い付けて来てくれ。ヴェルヴィ姉弟の農場って書かれた看板があるから、それ見て進めば迷わない。姉のシドか弟のスミ、2人のどちらかにこの紙を見せてくれ」

渡された紙を見ると、5種類の花の名前に、葉の名前、種も数種類書いてある。下にはギャリアーの名前と、工房のマークが押印されている。

「全部は使わないかもしれないが、一応バランスを考えて試してみたい。目利きは2人とも確かだから、いいの選んでくれる筈だ。ここに書いてある以外でお勧めの季節の花があったら数点包んで貰ってくれ、頼めるか?」

ニスが起床すると、隣のグンカからは寝息が聞こえ、ギャリアーは丁度伸びをしている所だった。依頼が溜まっている時は、早朝から工房に籠り作業をする。ここ4日間は薄暗い時間に起床していた。2人は朝の挨拶をすると、ニスは作業着に着替えてバッグを背負い、ギャリアーは工房で制作途中の依頼品を作業机に置いて準備をする。

ニスは裏口のドアを貰った鍵で施錠すると、朝早くギャリアー宅を出た。まだ薄暗い町の中を歩いていると、日中の賑わいが嘘のように静かだ。時折散歩をしている人や、出荷作業、仕入れ作業をしている店員を見かける。海からは船が帰って来て、沢山のガラス玉が下がった船は、暗い海の中で輝きを放っていた。朝早く出なければ、知らない景色である。ニスは早朝の涼しい海風を胸いっぱいに吸い込んで、眠気眼をすっきりさせる。

農場に到着すると、既に農業に従事している人、買い付けに来ている人が大勢いた。皆眠気など感じさせない程、活発に動いている。
「案内看板……ヴェルヴィ…ここ」
大農場の奥の方に、ヴェルヴィ農場責任者シド・スミと書かれた区画があった。ニスが道順を覚えている間に、背後を通り過ぎてゆく常連の者達。見慣れぬニスを時たま振り返り、心配そうに見る者も居る。
「……」
「あっ…乾物屋の…」
案内看板を見ているニスの肩を叩いたのは、乾物屋珍奇世界商店の店員だった。店の常連であるニスを農場で見かけた事がないので、何か用があって道に迷っているのではないかと心配していた。
「このヴェルヴィ農場にお使いを頼まれて…これから…」
「……」
店員はニスを手招きして、先導する。案内図にある目的の農場と方角は一緒、案内してくれるというのだろう。
ニスが隣で歩くと、店員は片手で疑問のハンドサインを出した。店員は、基本的にジェスチャーで意思疎通をしている。それをニスは「何の用か?」という意味だととった。
「花の調達……作品に使うんだって」
「……」
店員は腕を組んで頷くと、自分を指差して何かを前から取るような動作をした後、それを手に振りかけて混ぜるジェスチャーをした。
「貴方は…仕入れ?味付け?」
「……」
店員は頷いた。懐から小さい字で書かれた謎の花や種が書かれている。店員のジェスチャーを読み取ると、伝わり辛いので、文字で書くかイラストを描いて注文してる、らしい。
「大変ね…」
「……」
店員はため息を吐いた。どうやらしゃべれはするが、何か話してはいけないルールがあるとニスには伝わった。


シド、スミ姉弟は初対面の客より、時折農場に買い付けに来る怪しい人物を警戒していた。

「スミ、お客さんだよ」
「姉ちゃん行けよ…」
「あたしはあの赤い髪のお嬢さんと話すからさ」
「狡い!」
「ほら、早くいきな」

姉のシドが膝でスミの尻を前に押すと、スミは時折来る白装束の怪しい人物の前に躍り出た。

「……」
「…い、いらっしゃいませ~」

スミが顔をひきつらせながら対応していると、シドはニスの背を押して、農場にある小屋の奥の椅子に座らせた。自分も横に椅子を持ってきて座ると、怯えながら対応する弟の様子を見てにやにやとしながらニスに振り向いた。

「いらっしゃい。ご用件は?」
「これ…頼みたくて」

ニスはギャリアーから貰った紙をシドに渡した。2人の姿が見えた時に、乾物屋店員にどちらがシドでスミか聞いておいた。

「シド…よね?」
「そうだよ。あっちが弟のスミ」

紙に目を落としながら、親指で示す。店員とスミは向き合って何とか意思疎通を図ろうと、ジェスチャー合戦をしていた。

「お客さん、あの変な店の変な店員と知り合いなの?」
「よく店を利用するわ……」
「マジ?あそこって大丈夫なトコなの?よくわからないもの売ろうとしてくるって噂だけど」
「…勧めて貰った乾物、みんな美味しかったけれど」
「ああ~一部の熱狂的なファンってやつか……ま、お嬢さんが美味いっていうなら大丈夫か」

シドは立ち上がると、ニスにここで待っているように言う。紙に書いてある注文の品を調達してくるのだろう。

「あと、季節の花でお勧めがあったら数点包んで欲しいって…ギャリアーが」
「あいよ。お嬢さん、海辺の工房のとこのお嬢さんか…成程…」

シドが立ち去ると、代わりにスミが店員を連れてやってきた。置いてある籠に、棚にある種類を入れてゆく。
5キロ袋いっぱいに種と花、植物を入れて貰うと、その場で料金を支払った。ニスに一度手を振ると、袋を肩に担いで帰って行った。

「はあ~…疲れた…」

スミは隣のテーブルに突っ伏した。苦手な客への対応で気疲れしてしまったようだ。ニスは姉シドの話を思い出す。変な店の変な店員、それがこの町での認識なのだろうと思った。

テーブルに頬を付けたままニスの方を向くスミ。ニスの赤い髪と、その全体的な印象を見て友人の話を思い出す。お姉さんは、と何か言いかけた所で横っ面に大声が降ってくる。

「コラッッッ!!!」
「うひゃあっ!?」
「お客さんの前でだらしない恰好するんじゃないよ!!いつも言ってるだろう!!」

姉シドの弟への躾がニスの目の前で始まった。ニスはただ見ているだけしか出来ない。壮絶な姉弟喧嘩は、あっという間に姉の圧勝で決着がつき、弟スミはしょんぼりとした顔で椅子に正座していた。

「お客さんごめんね、こいつ失礼な態度とって」
「いえ……」
「あんたチャムちゃんの知り合いだからって、次同じ事したら…」
「しません…ごめんなさい…」

スミがぺこっと頭を下げた。ニスはふるふると頭を振って、顔を上げて欲しいと言うと、「よし」と姉からお許しが出た弟は、救世主のようにニスを見る。

「注文の物揃ったよ。数と…変色とか傷無いの確認してね」
「ええ……でも、目利きは確かだと言っていたから…」
「おっ…やっぱいい男だね、海辺の工房の人。これは気持ちだから、持ってってよ」

シドは数本の花を包んで渡した。代金を支払うと、ニスに注文の品が入った袋を持たせて農場の前まで見送った。

「噂の赤い髪の子だね。チャムちゃんの話では工房の人の恋人じゃないんだろ?」
「違うってさ」
「なら、あたしあの人狙おっかな…海猫運輸の女将さんも言ってたけど、いい男…」
「えー…チャムから姉ちゃんが振られるの聞きたく無いよ」

余計な一言は、姉の琴線に触れた。


ニスが帰宅すると、台所でグンカが朝食を作っている所だった。

「ご苦労」
「ただいま…」

グンカは手を止めて、ニスが抱える袋を受け取った。ニスの声がしたギャリアーは、工房から出てきてニスを労った。

「助かったよ、ありがとな」
「これは気持ち」

ギャリアーが中身を確認していると、ニスが数本の花束をギャリアーに差し出す。

「俺に?」
「うん…」

数本の花は、そのどれもが求愛や恋愛にまつわる花言葉を持つものだった。植物のモチーフをよく手掛けるギャリアーは、花言葉にも精通している。

「恋の喜び……逢瀬……私を、忘れない…で」
「花言葉か……随分熱のあるものを選んだな…」

ボソボソとギャリアーが口に出す言葉にニスは首を傾げる。グンカも詳しいのか、その花が持つ他の意味も幾つかあげる。

「目星、再会、真実の愛…等か色でも意味は変わってくるが、代表色で言ったらこんなものだろう」
「そうなの?」
「知ってて選んだのでは無いのか?」
「ヴェルヴィ農場のお姉さんの方が、ギャリアーに気持ちだって…」

花を見つめていたギャリアーは、その言葉にハッとして顔を上げた。

「なんだ、ニスから俺へじゃ無いのか」

ギャリアーはふうとため息を吐いた。額には汗が光っている。

「全く紛らわしい…」

ぶつぶつと文句を言うグンカは、朝食作りに戻った。今日のメニューは味の薄い卵焼き。テーブルの上には既に醤油が置いてある。
ニスは釣り銭や領収書をギャリアーに渡すと、自分も朝食作りに加わった。

ギャリアーは手元の花束ごしにニスの後ろ姿を見る。赤い長い髪はふわふわと揺れている。グンカと話すニスの横顔を見て、ざわついた心を沈めた。


ニスのお使いは午後にもあった。
珍奇世界商店の店員に、釣りをよくしていると話したら、店員がタコを欲している様子だった。

「最近は、イカはたくさん釣れるけど…タコは釣った事ない、かも」

ニスの記憶では、素潜りでしかタコを捕まえたことはない。店員はタコが1番だが、イカでも構わないので譲って欲しいと頼んだ。

ニスはタコを捕まえるべく、水に潜る準備をしていると、夜勤のグンカが熱心にタオルを見ているのを不思議に思う。

「…ほつれたのなら、脱衣所に代えがあるのでそれを使え」
「いえ…違うの」

ニスはタオルを一枚一枚服の上から胸に巻き付けて、前で縛ってみる。

「これも駄目…」
「一体何をしている?」
「素潜りするから、身体を隠す為の布を合わせてるの…」
「身体?隠す?」

素潜りでなぜタオルが必要かわからないグンカは、詳細を求めた。

「2枚使えば大丈夫」

ニスはタオルを複数使って下着のような形の下履きを作り出した。そこで合点がいく。出来栄えに頷くニスの腕を握り、下履きを奪い取った。

「水着を着ろ……!」
「え…でも、私はずっとコレで…」
「そんなすぐ解けてしまいそうな装備は許さん!!」

茹蛸のように赤くなって怒るグンカによって、手製サラシと手製褌を没収されてしまったニスは、諦めてイカを釣ることにした。ギャリアーが違う文化の人間だから、とフォローするも、せめてシャツの上からにしろと念を押した。

ニスはとぼとぼ釣竿を持って岩場を渡る。岩の隙間にタコが居ないか、一応見て回りながらポイントに向かう。

「居ない……」

小さな水蛸の姿すらなかった。
仕方なく海水を汲んで桟橋に向かう。
ニスはギャリアーに加工してもらった仕掛けを海に投げる。釣りに詳しく無いギャリアーだが、ニスがどの様な仕掛けが有効かを話すと、あっという間に再現してしまった。丁寧にギャリアーの名前も入っている。ニスの釣果が羨ましくなったグンカもギャリアーに同じ物を頼み作って貰う予定だ。

「うん…いい感じ」

ニスのバケツには、形のいいイカが泳いでいる。周りの同じ目的の町民達も釣果に沸いている。グンカが夜の勤務で無ければ、誘ってもよかったと思う。

暫くすると桟橋にはニスだけが残った。
空いた時間にしめたイカの、点滅のような反応が不思議だと見下ろしていると、バケツに影がもう一つ映る。

「……!」
「うん…それじゃあ…」

ニスは珍奇世界商店の店員に手を振って店を後にする。店員が持つ袋には、ぬるぬるとしたタコが入っている。これから塩抜き作業に入るのだろう。

代わりにニスは、何かのチケットを3枚貰い、懐にしまった。

イカしか釣れなかったニスだが、後に現れたタコ漁師と物物交換した。仕掛けていた罠に掛かったいいサイズのタコを渡す代わりに、その釣り針の仕掛けを交換してくれと漁師は話した。ニスは迷ったが、ギャリアーという男が作ったと言うと、漁師はニスについてギャリアーの店に向かった。

「えっこの仕掛けを?」
「コレをくれたら、タコを渡すって…」

ニスは珍奇世界商店の店員が困っていることを話した。

「じゃあ…これはニスのだから、新しく作るよ」

ギャリアーと漁師が話すと色々とこだわりがあるらしく、料金を支払って正式なオーダーメイドでとの話になった。

今回はタコとイカの物物交換でおさめることが出来た。イカが大好物らしい。

ニスは貰ったチケットをギャリアーに見せると、グンカも覗き込んだ。

「隣町で開催される劇のチケットだな」
「3人分も…タコより価値があるぞ…マイナスなのでは…」
「タコは色々…色々、アレすると…コレくらいになるんだって…」

ニスがジャスチャーで伝えた金額に、2人は目を丸くした。ニスは驚く2人に、人差し指を一本口に当てて見せた。

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