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万年Fランクのメスビッチお兄さん
田中という青年
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まーさんが目を覚ますとそこは木立の中の爽やかなコテージだった。
ピチピチと都会では聞いたことはないような鳴き声で小鳥達がおしゃべりをしている。
ぼんやりとした視界が徐々にはっきりしてくると、窓辺で静かに本を読む青年がいた。
まだ若く、大学生と言ってもおかしくないような年ごろの青年だ。
「あ、起きられましたね? お身体は大丈夫でしょうか」
白皙の美青年とは彼の事を指すのではないかと、しばしまーさんは見惚れた。
「まーさん? あ、皆さんがそう呼んでいたので、思わずそう呼んでしまいました。失礼いたしました。僕はこのMTCに今年入った田中と申します」
田中と名乗る美青年はまーさんの目の前で「見えてますか?」と手を振る。
まーさんははっと気づくとベッドの上で正座し、三つ指をつく。
「はい。皆さんにはまーさんと呼ばれています。本名は雑賀誠といいます。なので、「まーさん」でも全く違和感がございません。今日はよろしくお願いいたします」
「そんなに硬くならないでください。僕はまだ若造なのですから」
「は。すみません。なるべく改めます」
田中は「ふふ」と笑うと、まーさんのデータをタブレットで呼び出す。
「ふむふむ。まーさんの前立腺、雄導弁の配置は問題ないようですね。分泌される愛液に関しても問題ない。どうも心の問題のような気がします。忌憚のない意見を頂きたいのですが、今日のお相手は僕でよろしいでしょうか」
まーさんとしては問題ないどころか、伏してお願いしたいところだと、心はもうすでに田中の方を全方位で向いている。
「はい。田中さんに是非おねがいし……」
でも声が小さい。どうしても恥ずかしくなってしまうのだ。性に奔放になりがちなメスビッチお兄さんにしてはなんともお堅い。致命的である。田中は内心困ったなと思ったが、そんな気持ちはおくびにも出さず優しくまーさんの頬を撫でる。
「光栄です。先ほど身体は拭かせて頂きましたが、お風呂も準備していますよ。温泉の露天風呂ですが、どうでしょう、一緒に入りますか?」
「はいぃぃ」
「まーさんだと恋人ぽくないですね。マコトと呼び捨てにさせて頂きますね」
「恋人……」
ピチピチと都会では聞いたことはないような鳴き声で小鳥達がおしゃべりをしている。
ぼんやりとした視界が徐々にはっきりしてくると、窓辺で静かに本を読む青年がいた。
まだ若く、大学生と言ってもおかしくないような年ごろの青年だ。
「あ、起きられましたね? お身体は大丈夫でしょうか」
白皙の美青年とは彼の事を指すのではないかと、しばしまーさんは見惚れた。
「まーさん? あ、皆さんがそう呼んでいたので、思わずそう呼んでしまいました。失礼いたしました。僕はこのMTCに今年入った田中と申します」
田中と名乗る美青年はまーさんの目の前で「見えてますか?」と手を振る。
まーさんははっと気づくとベッドの上で正座し、三つ指をつく。
「はい。皆さんにはまーさんと呼ばれています。本名は雑賀誠といいます。なので、「まーさん」でも全く違和感がございません。今日はよろしくお願いいたします」
「そんなに硬くならないでください。僕はまだ若造なのですから」
「は。すみません。なるべく改めます」
田中は「ふふ」と笑うと、まーさんのデータをタブレットで呼び出す。
「ふむふむ。まーさんの前立腺、雄導弁の配置は問題ないようですね。分泌される愛液に関しても問題ない。どうも心の問題のような気がします。忌憚のない意見を頂きたいのですが、今日のお相手は僕でよろしいでしょうか」
まーさんとしては問題ないどころか、伏してお願いしたいところだと、心はもうすでに田中の方を全方位で向いている。
「はい。田中さんに是非おねがいし……」
でも声が小さい。どうしても恥ずかしくなってしまうのだ。性に奔放になりがちなメスビッチお兄さんにしてはなんともお堅い。致命的である。田中は内心困ったなと思ったが、そんな気持ちはおくびにも出さず優しくまーさんの頬を撫でる。
「光栄です。先ほど身体は拭かせて頂きましたが、お風呂も準備していますよ。温泉の露天風呂ですが、どうでしょう、一緒に入りますか?」
「はいぃぃ」
「まーさんだと恋人ぽくないですね。マコトと呼び捨てにさせて頂きますね」
「恋人……」
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