スキル【ファミレス】を使っていたら伝説になりました。

キンモクセイ

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親は時々テンション上がると子供で着せ替え人形をする

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「買い物に行くぞ!」

 優は、突然声高らかに叫んだ。

 メリーはキョトンとしていた。

「おい、お主以前はギルドにまっすぐ行ってたでは無いのか?」

「良いから。とりあえず行くぞ。店を探すから。」

 一同は、目的の店を探す為に、住人に聞き込みをした。

 なお、門での一騒動を知っている住人からは、秒で逃げられた。

 右葉曲折ありつつ、ようやく店にたどり着いた。

「此処は……、服屋か?」

「お洋服?」

「そう!早く入るぞ。キー、お前はここに残れ。」

「ぬ?何故だ!」

「いくら小さくなったとはいえ、お前入ったら店ぶっ壊れるわ。」

「むぅ………、仕方あるまい。」

 キーは、大人しく店前に座る事にした。

 優とメリーは、ドアベルを鳴らしながら店内に入っていった。


 店内には子供向けの服がたくさんあった。

「うわぁ……、すごい。」

 メリーはたくさんの服に圧倒されていると、奥から人が出てきた。

「いらっしゃい。あら、かわいいお客さまだわ。」

 ふくよかな、女性だった。

「突然すまない。この子に合う服を買いに来た。」

「あら大変、なんてボロボロの服なのかしら。すぐ見繕ってあげるわ。」

 女性店主は、急いで店裏へと戻った。

「あ、あの!服って高いんじゃ………。」

「子供はそんな事気にすんな。」

 優はメリーの頭に手を置いた。

「それに、そんなボロ着せてると、俺が非道なヤツだと思われる。飲食店は第1印象が大事だからな。」

「そうなんですね。」

「まぁその分、メリーにはしっかり働いてもらわないとだけどな。」

「え?」

「お待たせ致しました~。」

 メリーが聞き返そうとしたが、店主が戻ってきて機会を失った。

「こんな感じの服なんかどうかしら?サイズも合うと思うの。」

「どれどれ……。メリー、こっちおいで。」

 メリーは慌てて、優のもとへ駆け寄った。

「うーん……、ご婦人。どう思う?」

「まぁ、なんて可愛らしいの。その服が似合うならこっちも似合いそうだわ。」

 店主は、次々と服をメリーに合わせ、時折頷いたり、少し悩ましい顔したり、百面相して、2人は、置いてけぼり状態だった。。

 気がつけば、メリーが合わせた服は、山のように積み上げられていた。

「ご婦人、そろそろメリーが疲れてきているし、買うのは、3着くらいにしようかと。」

「あらやだ、ソフィアでいいわ。ごめんなさいね。メリーちゃんがかわいくてつい、興奮してしまったわ。メリーちゃん、大丈夫?」

「だ、だいじょぶです。」

 だが、メリーは少しだけ、気疲れしていた。

「先ほど合わせたこの服もう一着あるか?」

「えぇ、あるわよ。その服は、軽くて頑丈で汚れが付きにくい素材なの。」

「そうか、なら仕事着にピッタリだ。」

「あとの1着は、私に決めさせて。私、女の子の服を見繕うのが夢だったの。」

「そうか、では頼む。普段着でお願い出来るか?」

「えぇ、いいわよ。どれにしようかしら………。ちょっと奥で、選ばせてもらえるかしら?」

「ソフィアさん、ありがとうございます。着ている服がコレなんで、着て帰ろうかと。」

「分かったわ。じゃあメリーちゃん、奥で着替えに行きましょう」

「は、はい。」

ソフィアとメリーは、店の奥へと入っていった。

「そうね………、これなんでどうかしら?ちょ着てみてくれる?」

「はい。」

「きゃー、とっても似合うわメリーちゃん!次はこれを着てみて!」

そんな事を、繰り返してかれこれ1時間はたった。

優は流石に待ちくたびれ、どう止めようか思考を巡らせていた。

カランカランと、後ろからドアベルが鳴った。

優は驚いた。先ほど出会った軍の隊長ルキアスだったからだ。

「隊長さんじゃないですか。まさか店前にいるやつがなんか悪さしました?」

「いやなに、自宅の前で見知ったジャイアント・ウルフがいるんだ。客が誰だか見当がつかないわけない。」

「大人しくしてるなら良かった。」

「それよりメリー嬢は?」

「奥でここの店主さんの着せ替え人形になってます。」

「あいつ……、またか。すまん、ソフィアは私の妻だ。」

「隊長の奥方でしたか。」

「ルキアスでいい。すまないな、あいつはずっと娘が欲しがっていたんだか、生まれて来たのは、全員男だったんだ。」

「そうだったんですね。」

「とはいえ、そろそろメリー嬢が可哀想だ。声を掛けてくる。」

「助かります。」

ルキアスは、奥に行き少ししてから2人を連れて来てくれた。

ソフィアは満足気な表情で戻ってきた。

「ごめんなさいね、何でも似合うからつい熱が入ってしまったわ。さぁメリーちゃん、こちらにいらっしゃい。」

メリーは、ソフィアの後ろに隠れるようにしていたが、おずおずと出てきた。

そこにはボサボサだった髪を2つに結い上げ、耳の間には、服と同じ色で作った髪飾りをつけていた。



「ど、どうですか?」

「可愛いじゃないかメリー。良く似合っているよ。」

「ありがとうございます。」

「ルキアスさん、ソフィアさん礼を言う。お代はいくらだ?」

「服3着で銀貨9枚だね。その髪飾りと、アタシが選んだ1着は、オマケだよ。」

「いいのか?」

「気にするな、ソフィアが渡したくて仕方ないみたいなんだ。受け取ってくれ。」

「そう言われると、断われないな。ありがたく受け取る事にするよ。」

そう言いながら優は、代金を支払った。

「毎度あり。」

「あの、お洋服ありがとうございます。」

メリーはペコリと頭を下げた。

「こちらこそ、ありがとう。またいらっしゃいな。」

メリーは、新しい服に緊張しながらも、嬉しそうに優の元へ駆け寄った。

「じゃあ行こうか。メリー。」

着替えが済み、2人は店をあとにしたのだった。

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