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第六十六話 大勝負
しおりを挟むオルレアン公爵が兵を持ってくるまでにあと一〇日。
こっちは、べつに何もする気はないが、カズマはヘルムじいさんと相談した。
「オルレアン公爵さまの兵ですか。」
若干しわの寄った口元に、嘲笑のように歪んだ笑いが見える。
「ああ、俺は一人で大丈夫なんだが、町の住民はどうしたもんかと思ってな。」
「そうですなあ、特に避難するとか必要なもんですかな?」
じいさんは、強化された防壁を見上げている。
厚さも倍にしたし、高さも伸びている。
外には、差しわたし五〇メートルはありそうな堀を、住民総出で掘ってある。
いまのところ、水も張ってあるので、これを越えるのは大変だよ。
カズマは、鼻からため息を吐きだした。
「そこなんだわ、俺はダイアナ峡谷の向こうに住むところを作ろうと思う。」
「それはまた、遠いところですな。」
「ああ、ここから直線でダイアナ峡谷まで一二〇キロはある。狭いところと言っても、峡谷は五〇キロの幅がある。」
「それは遠いですな。」
じいさんは、大事なことなので二回口にした。
「さらに峡谷を渡ってから、やはり二〇〇キロくらいはあるはずなんだ。」
「なるほど。わかりました。ではどうでしょう?お屋形さまの住むところが決まったら、レジオの住民が移転すると言うことでは。」
ヘルム爺さんは、こともなげに口にする。
住民の移転は、決定事項なのかよ?
「全員がか?残りたいものも居るのではないか?」
「そりゃまあ、そう言うものも居ましょうが、だいたいはお屋形さまに着いて行きたいと思いますぞ。」
「そうかなあ?」
「ま、ゴルテスさま、ロフノールさまを始めとして、ヒターチさまや、マキタさまなども、きっと着いていくとおっしゃいますよ。」
カズマは、酢を飲んだような顔をする。
「それでは、苦労させるだけじゃないか。」
「そうでしょうか?宿屋のベスやマリアたちだって、お屋形さまに着いていくと決まってますよ。」
「おいおい、俺としては街作りのために人は欲しいが…」
「そこはそれ、お屋形さまの思うとおりになさいませ。足跡だけつけてあれば、我らはそれを辿りますれば。」
「バカ言え、それじゃヘルム爺さんが死んじまうよ。」
「ははは!まだまだ、若い者には任せておけませんて。後のことはお任せ下され、お屋形さまはまずは公爵さまの軍勢を…」
「打ち破ってくるか。」
ヘルム爺さんは、明るく笑って頷いている。
「そうだな、まずはそちらを片づけよう。」
「奥方さまたちも、存外頼りになるものですよ。」
「…」
爺さんは、さすがに長く生きてはいない。
カズマの腹の中など、お見通しのようだ。
「古来、引越しの下準備などは、ヨメの仕事ですよ。」
「それも、ヨメに任せてしまうのか?」
「そうです。信用なさいませ、奥方、メイドたち、ラル、頼りになりますよ。」
「わかった、内向きのことは気にするまいよ。」
レジオ北側の平原は、かなり力を入れて農地化しているが、ここを踏みにじられるのは我慢ならんなあ。
さて、ここでやつらを迎え撃つか、もう少し北に移動するか。
ソンヌ川を右に見て進むと、やがてセイレーンの養殖場が見えてくる。
「あいつらにショックを与えるために、目の前でセイレーンを放流してやるか…」
川漁師の生活もある、見逃すべきか…
農地の外れまでくると、高さ二メートルの土壁がずっと続いている。
こちらは、ティリスやラルが中心になって、冒険者たちと積み上げた土壁だ。
彼らの努力を無にするのも気が引ける。
結局、俺はウエットな奴なんだろうな。
農民たちの努力を無碍にできない。
町の住民が苦しむのは見たくない。
ついでの仕事に、農地の防壁の厚さを倍にしていく。
こうすれば、重装備騎兵が当たったところで、崩れるようなことはない。
当たった騎兵の方が負けるだろう。
「トゲでも生やしてやるか?」
長さ二〇センチくらいのとげを、びっしり生やす。
アカン、住民が刺さったら洒落にならんな。
その剣山は、そこだけにとどめておいた。
野生の獣などは、近づかないだろう。
ならば、戦場はもう少し北西に移動させよう。
「お屋形さま~。」
馬で駆けてくるのは、マルノ=マキタだ。
「どうした?」
「いえ、おひとりで出かけられたと兵士に聞きましたので、お迎えに。」
「そうか、まあここは俺の領地の内だ、どうと言うことはなかろう。」
「平時であればです、今は非常時ですぞ。」
なるほど、向こうには素っ破のような影が見えるな。
へたくそめ、よく見えるぞ。
トラの爪の垢でも煎じて飲むがいい。
「そうか?まあいい、少し座れ、お茶でも飲もう。」
カズマは、お茶セットを出して、手近な枝を集めて火を着けた。
「はあ…」
マルノは、馬をつないでから側に寄ってきた。
このお屋形さまは、のんきなことでは王国でも一・二を争うに違いない。
カズマは、やかんの湯が沸くのを待って、銅のマグにお茶を注いで、マルノに渡した。
こう言うことに魔法を使わないあたり、風情を大切にしているようだ。
「あ、恐縮です。」
「まあいい、どうだマルノ、戦場をこの先に設定しようと思うが。」
「このさきですか?う~ん、農地の影響は少ないと思いますが、それでよろしいので?」
「領主が俺であれ、オルレアンのクソガキであれ、農地が荒れては住民が困るだろう?」
「そりゃそうですが。」
「じゃあいいじゃないか、馬防柵を張り巡らせて、長槍で突きまくってやろう。」
実際には、ハルバートでのド突き合いになるだろうが。
「そうですね、飛び道具は大掛かりな奴がいいですね、あいつらがド胆を抜かれるような奴が。」
「なるほど、じゃあ丸太でも飛ばしてやるか。」
「そりゃあいいですが、飛ばせるのはお屋形さまだけですよ。」
「そうかな?みんなで風魔法を合わせれば、何とかなりそうな気がするが。」
「魔法の同調なんて高度な技、一朝一夕ではできませんよ。」
「そうか、それじゃあしょうがない。固定式バリスタで、一気に一〇〇本ぐらいぶっ飛ばすのはどうだ?」
「それならできそうですね。」
「馬防柵で馬を止めて、一気にバリスタで倒す。」
「おお!それはいいです!では、さっそく手配します。」
「たのむ、とにかくも馬防柵は必要だ、農地を荒らされてはかなわん。」
「御意。」
マルノは、馬を飛ばして戻って行った。
『まったく、捨てて行く領地の心配までするとは、カズマも苦労性ですね。』
背後から聞きなれた声が聞こえた。
「なんだよ。ジェシカか?」
「はい、新しい魔法を覚えましたね。私が教えようと思っていたのに。」
「まあな、プルミエはいい先生だよ。」
「そうですね、エルフの中でも特に長寿なハイエルフ、私たちとほぼ同等に未来を見通す超未来視。」
「そうなの?」
「あれは、占いなどと言う生易しいものではありませんよ。」
「へえ、そうなんだ。」
「フライもそこそこ覚えたようですね、では、物質変換魔法を教えてあげましょう。」
「物質変換?」
「あなたが土中から化学物質を生成するようなものです、目の前にあるものの性質を全く違う者に交換できる魔法です。」
「へえ。」
「原子レベルでものが見えるカズマには、かなり有用でしょう。」
「なんて言うか、先まで見えているのかね?あの駄女神は。」
「女神ですから。」
「ポンコツのくせになまいきな。」
ジェシカはしきりに頷いている。
うんうん。
「ふふふ、では、カズマ、手を。」
カズマが手を出すと、それをつかまえて、ジェシカから魔力の奔流が迫ってきた。
「…!」
精神を翻弄するような、強力な魔力の流れ。
こいつは、なかなか抗しがたい。
魔力も、同様にして増加している、ステータスなんか見てないけど、これはすごいことになってるぞ。
メモリが、いままでより二桁くらい上昇している感じだ。
ただただ流される、抵抗しても無駄なんだ。
かえって流れを阻害すると、いいことにならない。
「わかりましたか?」
「ああ、わかった。できるよ。」
「では、それを利用して、今後の運命を切り開いてください。」
「気軽に言ってくれちゃうね。」
「女神の従者ですからね。」
「なんじゃそら、話が微妙に噛み合ってない気がする。」
「ふふふ、ごまかしてます。ではね。」
ちっ、駄女神とそのポンコツ従者がよ。
ありがいものなのかねえ?
まったく、神様ってのも信用ならねえな、なにをたくらんでいるのやらだ。
「まあいい、つまりこういうことだろう?」
カズマは、目の前に樹木を精製して、バリスタを作り上げた。
「これを大きくすれば、さっきの丸太バリスタになるか…」
女神のくせに、戦争をあおるとか、どう言うつもりなのかね?
カズマは、家族を守るためには、戦争も辞さないけどな。
行き当たりばったりはお家芸なもな?
木製のバリスタは、魔力が尽きるまで作っても五〇〇は下らなかった。
おかげで、周りの木がなくなって、広い平原になったけどな。
ついでに杭にして、ずらりと積んでおいた。
兵士の仕事を取ってもアカンし。
やがて、二〇〇人あまりの兵士と一緒に、マルノ=マキタが戻ってきた。
「お屋形さま!、あれ?なんすかこのバリスタの山は!」
「ああ、ちょっと作っておいた。杭もあるから、みんなで馬防柵を組み立ててくれ。」
「御意!みんな配置につけー!」
「「「おう!!!」」」
カケヤをかついだ兵士が、前に出て縄張りした場所に、次々と杭を立てて行く。
それに縄で固定しながら、馬防柵が設置されて行った。
「バリスタは、ここにずらっと並べますか?」
「そうしてくれ、馬防柵で追い込んで、こっちの正面に向けばありがたいな。」
「地形的に、ここしか通りようがありませんから。騎馬隊も森には入れませんし。」
「そうだな、森の方にも嫌がらせに、横木をかけてやるか。」
「ああ、そうですね、とがった杭が出ていると、もっといいですね。」
マルノ=マキタはかなり過激な準備を始めた。
木の幹に、横木を縛り付け、それに先のとがった杭を取り付ける。
馬に乗って、森を抜けることはかなうまい。
もちろん、勢いをつけて飛び込めば、杭のエサになる。
盛大な馬肉工場ができあがりだ。
追い込んでトドメと言う、地引網と言うか蟻地獄だな。
その上、そこかしこに落とし穴を掘っている。
やられた方はたまったもんじゃない、物量がモノを言う作戦だが、準備の問題がクリアされたら、これほどありがたいこともない。
時間との勝負に勝てるかどうかが問題なんだ。
下準備があるとないとで、勝敗は始まる前から八割がた決まっている。
あとは、できるだけ死者を出さないことなんだが、こんなにバリスタがあると、それも難しいなあ。
いっそ、オルレアン公爵の軍隊は、壊滅してもらうか?
あんなやつに兵隊持たせるのが危険だ。
財力もあるし…
そのうえで、勘違い野郎だし。
なぜ貴族が偉いのか、理解してくれないと困るんだよ。
そのためにも、この一戦は負けられない。
王都からレジオに向かった街道筋では、このあたりがいちばん広い。
つまり、大軍が展開しやすいと言うことだ。
五〇〇〇のオルレアン軍の内訳は、騎士一〇〇〇と歩兵四〇〇〇で、かなり金がかかっている。
騎馬を一〇〇〇頭賄うのは、並大抵ではあるまい。
替えの馬も含めると倍だ。
これは、オルレアン公爵の広大な領地と、莫大な税収に寄るところが大きい。
領民をかなり絞ってないと、こうはいくまい。
五公五民か、それ以上か…
あくでぇ。
戦費が足りなくなれば、増税するタイプだな。
軍隊も、街道を通って来るのか、もしくはまとめて別のルートを通るのか?
考えたが、街道を外れるとすぐに森になるし、街道から来るだろう。
つまり、この農地との境のナガシ平原が、絶対防衛線だな。
できれば、高圧電流のバリアでも欲しいところだ。
自衛隊は大変だよな、ゴジラやガメラは容赦がない。
だが、対人間と考えると、どこを抜けてくるかわかったもんじゃないところが、かえって厄介だ。
うまく誘導されてくれればいいが…
「お屋形さま、向こうの森には入りにくくしてありますが、街道筋はどうしますか?」
「放っておけ、どうせここで俺たちが野営していたら、それ以上は入って来れんだろう。」
「ああ…なにか仕掛けていると疑いますね。」
「そう、だから旗でも立てておけ。全軍ここで野営の煙を上げて待ち構えようぜ、そうしたらこの平原で対峙する。」
「了解です。」
「ああ、スパイやら偵察隊は、勝手にやらせてやれ。バリスタには木の枝や草を乗せて隠せ。」
「了解であります。」
「魔法部隊の隠れる塹壕を掘ってやれ。」
「御意!」
塹壕の前には、厚く土嚢を積んでおくんだ。
魔術師が、いちばん矢面に立たされる。
できるだけ、防御には力を入れるべきなんだ。
できれば、ポリカの盾でもほしいところさ。
空を飛べるのは俺たちだけでもない、魔法使いたちの中には、フライで飛べるものも何人かは居る。
そう言う奴らには、積極的に敵の状態を観察させるようにしている。
斥候部隊は、馬だけに限らんと言うことさ。
ナガシ平原での防衛準備はこうして整えられた。
なんだかんだで、ウチの兵士は二〇〇〇人近くいるが、そのうち四〇〇名は国軍だ。
だから、帝都に返そうとしたが、「レジオの防衛こそが使命です!」と言ってはばからない。
こまった連中だ。
そう言うやつらを怪我させるわけにもいかないので、少し後方に配置しておく。
また、兵士とは別に、市民からの義勇兵も一〇〇〇人以上やってきた。
一般兵に交じって、気勢をあげている。
「だいじょうぶかヘルム爺さん。」
「お屋形さま、ワシらはレジオ暴走の生き残りですよ、人間相手に後れは取りませんよ。」
「はは、そりゃ頼もしい。」
こいつらも、後方でバリスタの警備だな。
用意周到、準備万端、と言う言葉の通り、レジオ防衛線はマコキ狭間からナガシ平原に出るところで整えられた。
(狭間と言うほど狭いものでもない、丘と丘が交差するあたりだ。)
さて、こちらの準備には七日ほどもかかったが、いつ敵が来ても大丈夫だとマルノが言ってきた。
それから二日して、マコキ狭間に人影が現れた。
オルレアン公爵は、自軍五〇〇〇人と国軍を無理矢理連れだして、二〇〇〇人の国軍歩兵を連れてやってきたのだ。
脅して、すぐに降参するだろうと言う、甘い目算のうえである。
そんな風に、断定していいものかと思うが、あまりにきれいに並んでくるので、びっくりするですよ。
白銀の鎧に身を包み、隊列の真ん中に近衛の騎士を侍らせて、オルレアン公爵が悠々と現れる。
白馬に乗った、威風堂々と言う文句が似合いそうな出で立ちだ。
近衛の騎馬隊は約二〇〇名ほどに囲まれて、旗印も鮮やかに街道からマコキ狭間を抜けてナガシ平原に現れた。
黄色い三角旗が、オルレアン公爵軍の旗印だ。
「なるほど、なかなかの陣容じゃないか。」
「御意。」
ユリウス=ゴルテスが、がしゃりと鎧をゆらした。
左から、マリウス=ロフノールも顔を出す。
こちらの軍勢は、兵士二千人に、民兵千人ほど。
もはや、馬防柵のこちら側で、いまやおそしと待ち構えている。
「お前ら二人とも来たの?だれか町の防衛とか考えなかったのかよ。」
「そんなものは、ホルスト一人おれば十分でありましょう。ましてや、今回は人族、後ろを守る必要もありますまい。」
ロフノールの言葉にうなずくも、後背からの攻撃に備えるべく、ロフノールを走らせる。
マルノ=マキタの用意した馬防柵と、塹壕は土魔法で強化され土竜(モグラじゃありませんよ。)程度では破ることはできまい。
塹壕の前には、ズラリと並ぶ強力なバリスタ。
その陣容は、十連奏の対人矢を放つモノと、強力な丸太を飛ばすものとに分かれている。
王さまにはその場しのぎに死者は出さないと言ったが、相手を見てモノを言うべきだな。
こんな奴らに対して、こちらが手加減しても無理だわ。
そこで、かえってこちらの陣営にはよく言って聞かせる。
『いいか皆の者!絶対死ぬな、手足取れた程度なら治してやるから、諦めるんじゃないぞ。ぜったい生き残ると覚悟せよ!』
「「「「「おおお~!!!」」」」」
塹壕の中には、多数の魔術師。
だれもが緊張して、青白い顔色をしている。
それも仕方あるまい、久々の実戦だ。
歩兵たちの、大型の盾で弓矢から守られているが、大規模火魔法でも来たらたまらんだろう。
これは、バリスタにも言えるが、ぎりぎりまでカモフラージュでごまかされてくれないかな~?
出来る限り、大型の盾で守っているが、必ず防ぐとは言い難い。
敵さんの隊列は、マコキ狭間から、完全にナガシ平原に整列した。
そこで、オルレアン公爵が進み出て、口上を並べて来た。
「やあやあ、われこそは王弟オルレアン公爵である、レジオ男爵にもの申す。王城における貴殿の暴挙許し難し、よってわが軍勢を持って誅するものである。いざ尋常に勝負せよ。」
カズマは、一人前に出る。
青いドラゴンスケールがきらきらと輝きを見せる。
「片腹いたし!王弟の権限を弄し、我儘三昧!弱い者いじめがお好きな、おこちゃまが!よくよく躾けて差し上げよう!かかってまいられい!」
「わ、わかぞうが~!!!」
「わが尻を喰らえ!」
後ろを向いて、ケツを軽く叩いて見せた。
「くわ~!魔術師隊!弓隊!前え~!」
「くるぞ、先にやっちまえ!バリスタ転回!てー!」
詠唱が始まると同時に、バリスタから大量の矢が放たれる。
向こうの弓など、まだ届きゃしないよ。
こちとら射程が倍だぞ。
「魔術師隊、はなてー!」
「負けるな、焼きはらえ!」
オルレアン公爵軍からも、火魔法の指示が飛んだ。
同時に、弓隊が前に出る。
木の盾を持った、防御兵がわきに並ぶ。
向こうさんは、魔術師隊が出てきた。
バリスタから発射された丸太は、魔術師隊の手足をふっ飛ばし、詠唱の邪魔をする。
軟弱な木の盾程度では、丸太の矢は防げない。
次々と、怪我をして戦線を離脱する魔術師たち。
また、弓隊に襲いかかるバリスタの矢は、盾で半分は防がれているようだが、ばたばたと倒れているところを見ると、かなり効いているようだ。
「魔術師隊、ファイヤーボールだ、いくぞ!」
言うと同時に、カズマもファイヤーボールを練る。
こっちの陣営で魔術師たちが進み出る。
練る!練る!練る!
カズマは、直径三メートルはあろうと言う、極大なファイヤーボールを練り上げて、敵陣の真ん中に放り込む。
もはや、フレアと言われても過言ではないな。
あくまで、ファイヤーボールだよ。
こちらの魔術師隊も、次々にファイヤーボールを打ち出している。
一歩だけ出遅れた相手の魔術師たちは、必死になってウオーターボールで対応している。
後手に回っちゃ、魔法は勝てないぜ。
どかあん!
カズマのファイヤーボールが炸裂した、直径一五メートルほどのクレーターを残して、敵兵たちが吹っ飛ぶ。
高いものは五メートルくらいは舞い上がってるな。
落ちると痛いぞ。
人命?なにそれおいしいの?
なるべく殺さないとは行ったが、すべて助かるとは思ってない。
この国では、ヒトの命は紙より軽い。
敵に情けがいるものなら、こっちもケンカを買ったりしないよ。
向こうは殺す気で来ているのに、甘いこと言ってちゃ死ぬのはこっちだ。
ほらほら、馬防柵の前にも敵の魔法が炸裂してきた。
危ない危ない、土嚢積んでおいて正解だよ。
それでも炸裂したファイヤーボールを受けて、土砂の雨がザーっと音を立てて頭の上から降って来る。
カズマは、徹底して遠距離攻撃で、敵をせん滅するつもりだ。
「風魔法隊、土魔法隊構え!いいか、ランドランサーを空高く打ち上げて、敵陣に突っ込ませるぞ!訓練通りやれば勝てる!撃てえ!」
土魔法師が、固めに固めた土の槍は、もはや石と言っても過言ではない。
それを、風魔法で高く高く打ち上げて、敵陣に弾道軌道で打ち込むのだ。
高ければ高いほど、加速の付いたランドランサーが落ちる。
カズマのランドランサーは、はるか成層圏まで打ち上げて落としている。
ほとんど音速を突破して落下する。
ウチの魔術師たちの打ち出したランサーは、それでも高いものになると二キロを超える高さから落とされる。
弾道軌道とか意味はわからなくても、絵で描いて見せればなんとなく理解するものだ。
これなら魔法の弱いものでも、持ち上げるだけ持ち上げれば、後は勝手に落ちてくれる。
魔術師たちのランサーは、雨あられと敵陣に到達する。
「わああああああ!」
オルレアン公爵軍は、それまで見たこともない攻撃を受けて、すでに浮足立っている。
そこに、音速を超えてソニックブームをまとったランドランサーが、爆撃機のように突っ込んでくるのだ。
どかああああん!
と言う、石が落ちるとは思えないような音が聞こえて、その後から衝撃波が襲ってくる。
二段構えの落下攻撃に、騎士の馬は棹立ちになり、振り落とされた騎士は、馬の蹄に踏みつけられる。
「「「「「わあああ!!!」」」」」
「バリスタ、なにやってんの!弾幕薄いよ!」
「御意!」
あわててバリスタ隊が、矢を放つ。
「あるだけ撃ってしまえ!出し惜しみするな!」
この一戦のみで、決着をつけるのだ。
オルレアン公爵軍は、まるで手が出せない。
国軍に至っては、じりじりと後退を始める始末だ。
「敵さんビビってるよ!魔法撃ちこめ!ポーションも使い切ってかまわん!撃て!撃て!」
ごおおおおおお!
と言う、魔法を撃っているとは考えられないような音を残して、ファイヤーボールが飛んで行く。
カズマは、魔術師の訓練に飛距離の向上を命じ、遠距離攻撃の重要性を教えて来た。
だから、わが軍は、敵の倍の距離からの攻撃が可能なんだ。
みんな血反吐を吐きながら、訓練してくれた。
怪我するんじゃないぞ。
「圧倒的じゃないかわが軍は!」
レジオ軍の遠距離攻撃は、何者も寄せ付けない。
オルレアン公爵軍は、それまでのセオリーにない遠距離攻撃に、なすすべもない。
「魔力の切れたものから下がれ!役に立たなくなったなら、死ぬな!いいか!」
一人ももれず頷く。
みんな、必死の顔だ。
魔法の使い過ぎで、顔色も青を通りこして、白いものも居る。
「おまえ!下がれってば。もう、魔力ないだろう!」
「まだポーションがあります!」
「じゃあ、それ持って下がれ、回復するまで戻るな!」
若い魔術師は、顔色を真っ白にしながら、ポーションをがぶ飲みしている。
「くそがあ!まだ前進するかよ!」
カズマは、無詠唱のマジックアローを前面に二〇本出して、一気に水平発射する。
前面に展開していた槍部隊の足を、ことごとく貫いて、槍隊は前のめりに倒れ込んだ。
「みんな、足だ!足を狙え!」
バリスタも角度を下げて、敵軍の進軍を止めようと必死である。
もう、普通の弓矢も届く距離だ。
槍を弓に持ち替えて、懸命に矢を放つ。
「もういやだああああああ!」
オルレアン公爵軍の歩兵の一人が、槍を放り出して、森に駆けこんで行くと、歩兵で足の無事な奴がそれに続く。
「「「「「わああああああああ!」」」」」」
「こらー!隊列を崩すなー!」
指揮官が馬の上から叫ぶが、だれも聞いていない。
カズマは、もう一発ファイヤーボールを撃ちこんでやった。
槍隊の真ん中で炸裂する、紅蓮の炎はまたたく間に歩兵を呑みこんで行く。
「「「わああああああ!!!」」」
それとともに、槍をもった雑兵は、手に持った槍を放り捨てると、我も我もと森に向かって駆けだした。
こうなっては、指揮官がどれほど声を上げようと、だれも聞いてはいない。
がこおおおおおおおん
しかし、慌てているので、森に仕掛けた横木に当たってひっくり返った。
続々と横木に当たって、ひっくり返っている。
逃げるに逃げられない、人垣ができてしまった。
こりゃ無理だわ。
重装騎馬隊が、大槍を構え、矢の雨をかいくぐって、レジオ陣営に迫るが、カモフラージュされた落とし穴にはまって、一気になだれ落ちる。
重装備があだとなって、穴から這い出ることもできない。
そこに向かって、水攻めである。
穴の中は一面水たまり。
あわれ、そこから這い上がれるものはいない。
重装備の鎧は、一度ひっくり返ると立ち上がれないくらいに重い。(実質四〇~五〇キロくらい。)
こちらにも、情けはある。
水深は一メートルそこそこにしてやった。
ドロ田状態で、這い上がることはできないだろうけどな。
「や~い、オルレアン公爵~!悔しかったらここまでおいで~!」
風魔法で、オルレアン公爵軍の全部に聞こえるように、拡声してやった。
正面押ししかできない、無様な指揮官に着いた兵士は不幸だ。
「うおにょれ~~~~~!!!」
顔を真っ赤にして怒り狂うオルレアン公爵。
腹から手首が顔を出しているので、まともに鎧が着られない。
腹に穴をあけて、手首を出している。
「お屋形さま!落ち着いてください!」
直臣らしい白髭のおじさんが声をかけるが、それでは収まらない。
しかし、すでにオルレアン公爵軍の三割は動けなくなっている。
どこまでが、あんたらのデッドラインなんだ?
本来ならすでに撤退基準に到達しているぞ。
これ以上であれば、無条件降伏ラインまで突っ走ることになる。
国軍は、指揮官も含めて全員がじりじりと下がって、完全にオルレアン公爵軍から離れてしまっている。
タイミングが来たら、一気に下がる腹積もりだろう。
国軍の司令官は頭がよい。
いや、オルレアン公爵が嫌われているのか?
おそらくは、そうなんだろう。
「な!国軍がおらん!」
今頃気が付いたのか?
オルレアン公爵は、素っ頓狂な声を上げた。
国軍の将軍だって、こんな小競り合いで自軍の兵士をゴリゴリすり減らしたくはない。
ましてや、相手は『ドラゴン砕き』と称される英雄。
こりゃもう、オルレアン公爵の我儘につきあってはいられないと、俺と目があった途端に踵を返した。
「全軍、後退!丘のふもとまで転進する!」
あ、逃げるとは言えないものな。
撤退じゃなくて、転進ね。
賢いかしこい。
おかげで、国軍の兵士はだれ一人傷ついていない。
「還せ!戻せ!」
陸軍大臣も、よほどこのゴリ押しが気に入らなかったのか、指揮官には無理をするなと言ってあるのだろう。
オルレアン公爵が、何を言っても兵士の足は、戦場に向かわない。
「あのジジイ!頭から足でも生やしてやらないと、降参しないのか?」
「お屋形さま、捕虜にしませんか?」
マルノ=マキタが、横合いから声をかけてくる。
「ふむ、おっさん、かなり前に出て来たな。」
オルレアン公爵は、命令どおりに軍が動かないので、どんどん前に出て兵士たちを鼓舞している。
「衛士が少ない今がチャンスです。」
「ならば待て、今からアレを出す。」
「あ、アレですか!どのくらいまで範囲ですか?」
「ああ、ここまでは届かんが、対閃光防御を徹底しろ。」
「御意!伝令!全員に伏せて、対ショック!対閃光防御!」
「はっ!」
カズマが魔力を練り始めると、オルレアン公爵軍の上で、黒雲が渦を巻き始める。
徐々に広がったそれは、パリパリと閃光を放ちつつ、不気味な渦を広げていく。
「な!なんだなんだ!」
「そらが!」
「ななな!なにごとじゃ!」
オルレアン公爵は、空を見上げて不安な顔つきになった。
「クロスゲージオープン。」
「照準固定!」
「電影クロスゲージ、明度二〇!」
全部、カズマのお遊びです。
「サンダーブレーク!」
練りあがった魔力を一気に放ち、黒雲のそこかしこから、数え切れないほどの稲妻が、地面に向けて落ちて行く。
あまりのまぶしさに、世界が真っ白に染められていく。
半径一〇〇メートルの円の中は、すべての生き物がしびれて動きもいざりもできなくなった。
「それ!今だ!全員捕獲!」
マルノ=マキタの声に、全員が一斉に飛び出して、倒れ伏した兵士を縛りあげて行く。
もはや、こうなっては指揮官も、雑兵もない。
ただし、報奨金のこともあるので、兜に飾りのあるモノから縛りあげられて、こちらの陣まで引きずられて行く。
はっきり言って、雑兵など放置にされる。
騎馬武者は、残らず捕獲された。
全員しびれかえって、俺の目の前に並べられた。
もはや、オルレアン公爵軍は、壊滅した。
サンダーにやられなかった者たちは、風を喰らって逃げ出して、戦場には死屍累々。
もちろん国軍は、風をくらって王都に駆け戻った。
こちらの兵士には、奇跡的に死者はない。
不幸にも骨折したもの、剣に切られたものが出たが、それはさっさとヒールをかけた。
敵さんは、どうしたもんかね?
要請があれば、助けてやるが、おっさんはシビれたままだ。
「しょうがねえなあ、ヒール。」
回復魔法をかけると、オルレアン公爵が目を覚ました。
「う・う~ん、ここは?」
「気が付いたかい?いい格好だなおっさん。」
「れ!レジオ男爵!するとここは!」
「レジオ軍の陣地内さ。あんたんとこの軍は、みんな逃げちまったぜ。」
戦場を指差すと、立っているものは一人も居ない。
寝っ転がっているやつらは、できるかぎりヒールをかけて、回復させた。
怪我も治しておいたが、どの程度損失が出ているのかはわからんが。
「あ、あああああああ」
泥にまみれて、白銀の鎧は薄汚れている。
へそから飛び出した手首が、力なく揺れている。
兵士によって椅子に座らされた公爵は、顔をゆがめて俺を見た。
その目には、絶望の色が浮かんでいる。
そりゃまあ、自分の軍が大将である自分を捨てて逃げてしまったのだから、仕方のないことだ。
そこまで自分の権力を過信していたのかとあきれるが。
命をかけてまで、公爵を守ろうと言う家臣が居なかったことが堪えたんだろうな。
しかし、そんな家臣が居ても、全員シビレちゃったんだから、それは無理だよ。
「くっ!殺せ!」
出ました!クッコロさん!
あっさんのクッコロさんはなあ、需用がないなあ。
エルフじゃねえと、しまらないよ。
ましてや、あんた殺してもそれで気がすむわけでもないんだよ。
「あのなあ、あんた殺したら、俺おたずねもんよ?それじゃ、割にあわんだろう。」
「ならばなぜ私を捕えた!」
「貴族のあるべき姿を思い出してもらいたかったんだよ。」
「はあ?」
「王族も貴族も、民衆が納める税で生きている。民衆なくして、国は成り立たない。」
「当たり前ではないか。」
「あなたがた貴族は、本当にそれがわかっているのか?自分より弱いものを、どう扱うか考えているのか?」
「…」
「高貴な者のなすべきことが、本当にわかっているのか?」
「?」
「高貴なる者は、謙虚でなければならん。」
「?」
「専制君主を否定するつもりはない。それが国のありようなら、それに従う。」
「…」
「だが、高貴なるものは、わがまま言っちゃいかんよ。」
「…」
「今回、この騒動の責任を取って、俺は国を出る。」
「お屋形さま!」
ゴルテスが叫ぶ。
カズマは、手で持ってみなを抑える。
「あんたはあんたの責任を取るがいい。レジオもくれてやろう。」
「とりあえず、あんたの身代金はたんまり取ってやろう。」
「…」
縛られたまま、オルレアン公爵はカズマを見上げた。
「どうだ、金貨三枚では?」
「安すぎるだろう!!!」
俺は高笑いで公爵を見つめた。
くつくつと肩が揺れてしまう。
「家柄だけの男などには、高すぎだ。息子など、今なら銀貨二枚だな。その程度の見識で、レジオは運営できんぞ。」
「俺に、金貨千枚と言わせてみるのだな。もっとも、俺はロワール領の向こうに行くので、二度と会うこともあるまい。」
「…」
「あとは好きにするが好かろう。おっと、そうであった。」
俺は、オルレアン公爵のヘソから手首を抜いて、元に戻した。
「民あっての王国なのだ、間違ってはなりませんぞ。」
カズマは、公爵の縄を解いた。
「凱旋!」
「「「おおおー!!!」
公爵をこちらの陣に置き忘れて、レジオ軍は陣をはらった。
みな、てきぱきとテントをたたんだり、旗をまとめたりしている。
それは、すぐに馬車に乗せられて行くが、だれもオルレアン公爵に構う者はいない。
「マルノ、バリスタは燃やしてしまえ。」
「御意。」
バリスタはまとめて、ファイヤーボールを撃ちこんで燃やしてしまった。
過剰な戦力は、また、判断を誤らせる。
欲しければ、自前で用意するんだな。
こんなものまで残してやるほど、お人よしでもないわ。
レジオ軍は、隊伍を組んで堂々と凱旋した。
オルレアン公爵を、椅子に縛り付けたままで…アレぇ?
開戦からほぼ二時間余り、簡単な戦争であった。
戦場からは、約一〇キロ。
徒歩でも二時間そこそこの距離だ。
みな、足取りも軽く、わいわいと明るい帰り道だ。
みなが笑っている。
これでいい。
カズマは、レジオの笑顔を守ったのだと、自己満足に浸る。
それでいいじゃん、むずかしいこと考えるなよ。
「お屋形さま!」
凱旋した俺たちを、レジオの住民はこぞって迎えてくれた。
水や、酒や、食べ物が戦士たちにふるまわれる。
帰った者、待っていた者、みな笑顔で肩をたたきあい、抱きしめあい、凱旋を喜んだ。
この笑顔を守れたことで、カズマは十分満たされた気持ちになったのだ。
カズマのしてきたことは、間違っていたのかもしれんが、この笑顔で報われた気にもなる。
みんな許せ、俺はこの国を出る。
知らず涙が流れた。
戦に勝ち、領内みなそろって祝杯を挙げた。
誰の顔も明るく笑っている。
「ユリウス・マリウス、俺は明日城を出る。」
「お屋形さま!」
「考え直してくださらんか?」
両君は、ひざをついて俺に詰め寄った。
「しょうがなかろう、此度の仕儀は王国に叛旗を翻したのだからな。」
「いや、かと言って、なにもお屋形さまが…」
「もう決めたのだ、なにも言うな。」
「お屋形さま~!うう!」
ユリウス=ゴルテスはこぶしで涙をぬぐった。
「ならばゴルテスよ、わしらも行こうかの。」
マリウス=ロフノールは、涼しい顔をして言う。
前田吟のシブい笑顔が踊る。
「は!とうに仕度は済んでおるわい!」
武田鉄也の明るい笑顔がはじける。
「それは結構。わしは、すべて処分した。槍一丁でどこでも行けるわ。」
「わははははは!お屋形さま!逃がしはしませんぞ!」
「うえ~。」
カズマは心底いやそうな顔をしていたことだろう。
まったく、男の覚悟に涙が出るわ。
翌未明、城門を出たのはパリカールの馬車。
目指すはロワール伯爵領である。
馬車にはティリス・アリステア・アンジェラが乗り込み、恵理子・トラ・ラルは馬車に沿って歩いている。
しかし…
「チグリス!チコ!お前らまであにやってる!」
「あ?ワシは新しい鉄を探しに行くのだ。」
「あたしは、とうちゃんを手伝うのだ。」
…ったく!
チコなんか、メイド服のままじゃないか!
ゴルテス、ロフノール、ゲオルグ=ベルンまでいるじゃないか。
行く当てのないメイドや、召使も並んでいる。
「お前たち、どうするんだ?」
「私たちは、お屋形さまがいなくては、行くあてがありません。ご一緒させてください。」
「あほう、行き先は地の果てぞ、いかがする。」
「かまいませぬ、お屋形さまのあるところが、われわれの住むところでございます。」
「しょうがねぇなあ、いっちょブワ~っと行きますかあ!」
「「「お屋形さま~!」」」
孤児院の子供たちがかけてきた。
「ど、どうするんだ恵理子!孤児院の子供たちまで来たぞ!」
「まあ、しょうがおへんな、お屋形さまがお世話してくださいな、連れて参りましょうよ。」
恵理子も明るく笑った。
「おまえなあ~。」
二〇人ぐらいいるぞ。
こぢんまりと出かけるつもりが、思いもよらぬ大所帯。
まあいい、のんびり旅に出ようぞ。
オルレアン公爵が、無理矢理持たせた身代金(金貨一〇〇〇枚)もあるしな、ロワール領でのんびり過ごすさ。
「さて、行くぞ。」
パリカールがいい感じにいなないた。
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