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第2編皇帝陛下と軍制改革
第12章祈り
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私はお義兄ちゃんが出かけてから、ひたすら水で身を清め、祈りを捧げ続けていた。
こんな事に大した意味が無い事は分かっている。
でも少しでもお義兄ちゃんのために何か出来る事をしたくて、祈りを続けていた。
ある時、3日3晩祈り続けて意識がもうろうとしてきた頃、私の前に李林甫がやって来た。
李林甫は私に対して言った。
「随分と必死にお祈りされているようですね。少し休まれた方が良いのではないですか。お体に触りますよ。」
しかし、私は言った。
「李林甫。気にするな。私はな。好きでやっているんだ。私が痩せて民が潤うのなら、それは本望だ。」
それを聞いて李林甫は呆れた様子で言った。
「民のためですか。それでこんなに必死に祈りを捧げていたとしたら陛下は聖人でしょうね。」
私は言った。
「聖人か。私には遠く及ばない存在だ。だけど、私は目指したいんだ。皆が平和に暮らせる世の中をな」
私は本当は、お義兄ちゃんのためだけに祈っている。
民のために祈っているというのは嘘である。
もっとも三日三晩、水しか飲んでいないためか心が晴れやかであり、私にしては珍しく純粋に民の幸福を望んでいる事もまた事実である。
しかし、歪んだこの男はそんな私の様子が気に食わなかったのか不機嫌そうに言った。
「陛下。良いお酒が手に入ったんです。飲みましょうよ。もしくは賭博でもやりません?陛下はお強いんですよね。とにかくいつものめちゃくちゃな陛下に戻ってくださいよ。こんな綺麗な陛下じゃ張り合いなくてつまりません。」
私はそう言って近づいてくる李林甫を見ていやだなと思った。
こういう汚い人間が近づいてくると、私の神聖な状態まで穢されてしまいそうである。
というか私はどういう意図で、こんな男を抜擢したのだろう。
明らかに科挙で落としておくべき人材だ。
言動に何一つとしてまともなものが無い。
「ミー。ミー。」
私が困っていると突然上から鳴き声が聞こえた。
悠々である。
どうやら、この気高い猫は主人の祈りを陰ながら見守っていたようだ。
主人に不浄(李林甫)が近づいている事に気づくと、悠々はすぐさま飛び掛った。
「うわ。何するんですか?やめてくださいよ」
そしてそのまま、不浄(李林甫)を追い払ってしまった。
私は思った。
ありがとう悠々。
お前も私と一緒に戦ってくれているんだな。
ちなみに、この後、悠々も三日三晩食事を取っていなかった事を知った。
本当に忠誠心の強い立派な猫である。
私が気を取り直して祈っているとなぜか狸が近づいてきた。
最近、この辺が気に入ったらしく、風に乗ってはやってくる狸の三人組、陸、海、空である。
狸たちは私の目の前まで来ると、私の顔を下から見上げるように見つめた。
そして海が言った。
「こいつ誰だっけ?」
私は、私の事を忘れたならこいつは一体何しにきたんだと思った。
しかし、祈りの最中であったため指摘はしなかった。
すると陸が言った。
「陛下だよ。陛下。よく、煮干しを下さる方だ。」
私は狸に煮干しをやったことはない。
というか煮干しをあげたら喜ぶのだろうか。
狸は雑食と聞くが好物は正直良く分からない。
すると空が言った。
「陛下の事を忘れるとは馬鹿な狸だ。鍋にしよう。」
それに対して海が言った。
「狸は美味しくないぞ。」
空が言った。
「そうなのか勉強になった。やめよう。」
狸は深く考えず適当に言葉を発する。
そしていちいち付き合っていると際限なく時間を取られる。
そこで私は言った。
「今回は何しに来たの?」
すると陸が言った。
「今回は朝貢に参りました。」
朝貢とは周辺諸国の王が皇帝に対して貢物をして服属を誓うことを言う。
よってはこれは絶対に朝貢ではない。
ただの贈り物である。
そして海が言った。
「俺は突厥についた方が良いと思うぞ。」
空が言った。
「やめとけ。狸に二面外交は厳しい。」
陸が言った。
「でも一度はやってみたいよね。」
いつものことだが、この三匹は相互間の目的の共有が不十分なことが多い。
あとなんか話の流れ的に突厥に付きそうな感じだが、多分適当に言っているだけなので聞き流した。
すると陸が何処からか、生の大根を取り出した。
そして私の前に置き言った。
「どうぞ。」
次に海が、明らかに楊ちゃんの部屋から取ってきたであろうライチを取り出した。
そして私の前に置き言った。
「どうぞ。」
最後に空が生きている蝉を取り出し、地面において言った。
「どうぞ。」
蝉は地面に置かれるとすぐに羽を羽ばたかせどこかに飛んでいった。
私が突然の状況に困惑していると楊ちゃんがやって来た。
楊ちゃんは言った。
「陛下―。私のライチがないの。どこに行ったかしらないかしら?」
明らかに犯人は狸である。
しかもどうやら私に渡したもの以外にも大量のライチを盗んで行ったらしい。
「「「うわー。飛ばされるー」」」
しかし、犯人達は楊ちゃんが入ってきたときに起きた風で飛ばされどこかに飛んでいった。
それを見て楊ちゃんは言った。
「なる程。狸の仕業ね。しょうがない。諦めましょう。」
そして私の横に置いてある大根とライチを見て言った。
「これはあの狸が置いて行ったの?」
私は言った。
「そうだよ。朝貢とか言って順番において行った。相変わらず何考えているか分からない狸たちだよね。」
すると楊ちゃんは少し考えた様子を見せた後に言った。
「私は分かったわよ。」
私はそれを聞いてやはり怪異どうし通じ合うものがあるのかなと思った。
そして私には見当もつかないため言った。
「じゃあどういうつもりでこれを置いて行ったの?」
楊ちゃんは言った。
「あなたのことを心配してるのよ。三日三晩なにも食べてないんでしょ。それで少しでもなにか食べて欲しいと思ったのよ。まあそれでどこから取ってきたか分からない大根と、人の部屋から盗んできたライチを差し出すのはあの狸たちらしいわね。」
私は言った。
「楊ちゃん。あと蝉もくれたよ。」
楊ちゃんは言った。
「あら。それは何処に行ったの?」
私は言った。
「飛んでいった。」
楊ちゃんが呆れた様子で言った。
「生きてたのね。そりゃ手を離せば飛んでいくわ。」
あの蝉は一体どういうつもりだったのだろう。
別段、飛んで行くのを見ても何の反応も見せなかったが、それも予想の内だったのだろうか。
私がそんな事を考えていると、段々面白くなってしまい私は思わず笑ってしまった。
すると楊ちゃんはそんな私を見て、嬉しそうな表情を浮かべて言った。
「あら。良い笑顔で。久し振りに見た気がするわ。」
私は言った。
「そうかも。」
すると楊ちゃんが言った。
「ねえ。なにか食べたら。人間はそんなに丈夫に出来ていないんだから、このままだと死ぬわよ。」
私は思った。
私はどうやら色々な人に心配をかけていたらしい。
悠々に李林甫、風狸の陸、海、空、そして楊ちゃん。
私はお義兄ちゃんの事で頭が一杯でそんな事にすら気付かなかったのだ。
そして私は言った。
「分かった。食べて寝るよ。でももう少しだけお祈りしても良いかな。」
それを聞くと楊ちゃんは呆れた様子で言った。
「全くしょうがないわね。途中で倒れてしまわないように私も一緒にお祈りしてあげるわ。」
そして私と楊ちゃんはしばらく、二人並んで祈りを捧げたのだった。
こんな事に大した意味が無い事は分かっている。
でも少しでもお義兄ちゃんのために何か出来る事をしたくて、祈りを続けていた。
ある時、3日3晩祈り続けて意識がもうろうとしてきた頃、私の前に李林甫がやって来た。
李林甫は私に対して言った。
「随分と必死にお祈りされているようですね。少し休まれた方が良いのではないですか。お体に触りますよ。」
しかし、私は言った。
「李林甫。気にするな。私はな。好きでやっているんだ。私が痩せて民が潤うのなら、それは本望だ。」
それを聞いて李林甫は呆れた様子で言った。
「民のためですか。それでこんなに必死に祈りを捧げていたとしたら陛下は聖人でしょうね。」
私は言った。
「聖人か。私には遠く及ばない存在だ。だけど、私は目指したいんだ。皆が平和に暮らせる世の中をな」
私は本当は、お義兄ちゃんのためだけに祈っている。
民のために祈っているというのは嘘である。
もっとも三日三晩、水しか飲んでいないためか心が晴れやかであり、私にしては珍しく純粋に民の幸福を望んでいる事もまた事実である。
しかし、歪んだこの男はそんな私の様子が気に食わなかったのか不機嫌そうに言った。
「陛下。良いお酒が手に入ったんです。飲みましょうよ。もしくは賭博でもやりません?陛下はお強いんですよね。とにかくいつものめちゃくちゃな陛下に戻ってくださいよ。こんな綺麗な陛下じゃ張り合いなくてつまりません。」
私はそう言って近づいてくる李林甫を見ていやだなと思った。
こういう汚い人間が近づいてくると、私の神聖な状態まで穢されてしまいそうである。
というか私はどういう意図で、こんな男を抜擢したのだろう。
明らかに科挙で落としておくべき人材だ。
言動に何一つとしてまともなものが無い。
「ミー。ミー。」
私が困っていると突然上から鳴き声が聞こえた。
悠々である。
どうやら、この気高い猫は主人の祈りを陰ながら見守っていたようだ。
主人に不浄(李林甫)が近づいている事に気づくと、悠々はすぐさま飛び掛った。
「うわ。何するんですか?やめてくださいよ」
そしてそのまま、不浄(李林甫)を追い払ってしまった。
私は思った。
ありがとう悠々。
お前も私と一緒に戦ってくれているんだな。
ちなみに、この後、悠々も三日三晩食事を取っていなかった事を知った。
本当に忠誠心の強い立派な猫である。
私が気を取り直して祈っているとなぜか狸が近づいてきた。
最近、この辺が気に入ったらしく、風に乗ってはやってくる狸の三人組、陸、海、空である。
狸たちは私の目の前まで来ると、私の顔を下から見上げるように見つめた。
そして海が言った。
「こいつ誰だっけ?」
私は、私の事を忘れたならこいつは一体何しにきたんだと思った。
しかし、祈りの最中であったため指摘はしなかった。
すると陸が言った。
「陛下だよ。陛下。よく、煮干しを下さる方だ。」
私は狸に煮干しをやったことはない。
というか煮干しをあげたら喜ぶのだろうか。
狸は雑食と聞くが好物は正直良く分からない。
すると空が言った。
「陛下の事を忘れるとは馬鹿な狸だ。鍋にしよう。」
それに対して海が言った。
「狸は美味しくないぞ。」
空が言った。
「そうなのか勉強になった。やめよう。」
狸は深く考えず適当に言葉を発する。
そしていちいち付き合っていると際限なく時間を取られる。
そこで私は言った。
「今回は何しに来たの?」
すると陸が言った。
「今回は朝貢に参りました。」
朝貢とは周辺諸国の王が皇帝に対して貢物をして服属を誓うことを言う。
よってはこれは絶対に朝貢ではない。
ただの贈り物である。
そして海が言った。
「俺は突厥についた方が良いと思うぞ。」
空が言った。
「やめとけ。狸に二面外交は厳しい。」
陸が言った。
「でも一度はやってみたいよね。」
いつものことだが、この三匹は相互間の目的の共有が不十分なことが多い。
あとなんか話の流れ的に突厥に付きそうな感じだが、多分適当に言っているだけなので聞き流した。
すると陸が何処からか、生の大根を取り出した。
そして私の前に置き言った。
「どうぞ。」
次に海が、明らかに楊ちゃんの部屋から取ってきたであろうライチを取り出した。
そして私の前に置き言った。
「どうぞ。」
最後に空が生きている蝉を取り出し、地面において言った。
「どうぞ。」
蝉は地面に置かれるとすぐに羽を羽ばたかせどこかに飛んでいった。
私が突然の状況に困惑していると楊ちゃんがやって来た。
楊ちゃんは言った。
「陛下―。私のライチがないの。どこに行ったかしらないかしら?」
明らかに犯人は狸である。
しかもどうやら私に渡したもの以外にも大量のライチを盗んで行ったらしい。
「「「うわー。飛ばされるー」」」
しかし、犯人達は楊ちゃんが入ってきたときに起きた風で飛ばされどこかに飛んでいった。
それを見て楊ちゃんは言った。
「なる程。狸の仕業ね。しょうがない。諦めましょう。」
そして私の横に置いてある大根とライチを見て言った。
「これはあの狸が置いて行ったの?」
私は言った。
「そうだよ。朝貢とか言って順番において行った。相変わらず何考えているか分からない狸たちだよね。」
すると楊ちゃんは少し考えた様子を見せた後に言った。
「私は分かったわよ。」
私はそれを聞いてやはり怪異どうし通じ合うものがあるのかなと思った。
そして私には見当もつかないため言った。
「じゃあどういうつもりでこれを置いて行ったの?」
楊ちゃんは言った。
「あなたのことを心配してるのよ。三日三晩なにも食べてないんでしょ。それで少しでもなにか食べて欲しいと思ったのよ。まあそれでどこから取ってきたか分からない大根と、人の部屋から盗んできたライチを差し出すのはあの狸たちらしいわね。」
私は言った。
「楊ちゃん。あと蝉もくれたよ。」
楊ちゃんは言った。
「あら。それは何処に行ったの?」
私は言った。
「飛んでいった。」
楊ちゃんが呆れた様子で言った。
「生きてたのね。そりゃ手を離せば飛んでいくわ。」
あの蝉は一体どういうつもりだったのだろう。
別段、飛んで行くのを見ても何の反応も見せなかったが、それも予想の内だったのだろうか。
私がそんな事を考えていると、段々面白くなってしまい私は思わず笑ってしまった。
すると楊ちゃんはそんな私を見て、嬉しそうな表情を浮かべて言った。
「あら。良い笑顔で。久し振りに見た気がするわ。」
私は言った。
「そうかも。」
すると楊ちゃんが言った。
「ねえ。なにか食べたら。人間はそんなに丈夫に出来ていないんだから、このままだと死ぬわよ。」
私は思った。
私はどうやら色々な人に心配をかけていたらしい。
悠々に李林甫、風狸の陸、海、空、そして楊ちゃん。
私はお義兄ちゃんの事で頭が一杯でそんな事にすら気付かなかったのだ。
そして私は言った。
「分かった。食べて寝るよ。でももう少しだけお祈りしても良いかな。」
それを聞くと楊ちゃんは呆れた様子で言った。
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