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第二章 後悔はしたくない
一時の休息とアルの愚行
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数時間かけ、地下シェルターに潜り込んだアリーシャ、アル、そして僕は唯一生き残ったラミリアと共にまずは体力回復のために休憩をしていた。
お腹も鳴るほど空いていたので、キッチンらしき部屋でアリーシャが食事を作ってあげると言ってくれた。
が、アルが何故か必死になって止める。
「待て、アリーシャが飯なんか作ったらそれこそ俺ら全滅する」
「……アトラス、それはアリーシャに失礼よ」
確かに女性に対して失礼すぎる言葉だが、一目惚れした運命の出会いというラミリアに向かってアルは必死に抗議した。
「いやそういう問題じゃねぇよっ」
慌ててアルが、僕とラミリアを近くに寄せて小声で話し始める。アリーシャは荷物の整理と、寝室のベッドを整えに行ったのでこの場には居ない。
「…前に学校に居たとき、アイツが栄養あるもん作ってやるって言ってくれたんだけどな?」
「優しいね、アリーシャ」
「おう、アイツはいいやつだ。でもな、出来上がって持ってきたのは…マジで中身が何なのか分かんない紫色の物体Xだったわけ」
「……つまり、アリーシャって…」
「…ド下手なんだよ、料理。毒物しか作れねぇ。しかも本人自覚ねぇし、食べないと今後無視される」
「……ちなみに、作ってもらった時は食べたのよね?」
「……食ったよ。仕方なく。一週間寒気が収まんなかったし、食い物目にするだけで吐きそうになった…」
「…一週間断食したってことか」
事情を聞いて理解した僕達は、とにかくアリーシャを説得して調理させないようにせねば、と思い直した。
失礼だ、と言っていたラミリアも流石に物体Xは食べたくないようで説得に協力すると言ってくれた。
「それじゃあ作ってくるので、待ってて下さいね」
アリーシャが寝室などの整理を終えて戻ってくるなり、食事を作ろうとキッチンへ行こうとしたので男二人で腕を掴み、必死さを然り気無く隠しながら説得する。
「その、僕ちょっと自炊しようと思っててさ…ここは料理するの譲ってくれないかな?」
「あ、私もちょっとやってみたい」
「お、俺もっ…」
「…ラミリアさんとレオンさんならともかく、アルは料理するの嫌いでしたよね?」
「うぐっ…」
アルが言葉に詰まり、黙り込んでしまった。
「…まあ、アル以外のお二人がそこまで仰るなら譲りましょう」
アルが愚行をしてしまったものの、何とかアリーシャは僕達に譲ってくれたので安心した。
しかし、料理をする担当を譲って貰ったものの、料理は出来るのだろうか。材料は恐らく十分だろうが。
「……えっと、レオン?」
「…アル、僕に料理しろって言うんじゃないよね」
「……出来ないんでしょどうせ。レオン、私と二人でやろ」
ラミリアがぐいっと僕の手を掴んでキッチンへ強引に連れていき、後ろからアルが俯きながら子犬のように付いてくる。
「…さて、じゃあやりましょ」
「…僕、カルボナーラしか作れないんだけど」
「何かは知らないけど、とりあえず作れるならそれ作ろう」
僕の好物だということであらかじめ作ってもらっていたスパゲッティと、卵、チーズなどを荷物から取り出してきて、僕はラミリアに作り方を教えながらカルボナーラを作る。アルは後ろからじっと見ている。
「ん、これで完成だね」
「…い、意外と美味しそう…かるぼなーらって…」
女性も大好きなメニューということと、大きな半熟の卵が乗った白く輝く麺もあり、ラミリアはすぐに食べたそうに料理を運んでいった。
アルもラミリアの後ろをずっと付いて回っている。既にもう捨てられた子犬状態で、一言も話さず落ち込んでいるようだ。
「これ、凄いですね!新しいお料理ですか?」
アリーシャも始めてみる料理に興味津々で、早速皆で円になってカルボナーラを味わうことに。
「ほら、アルもいつまでも落ち込んでないで食べようよ」
「……おれ、は…いいや…食欲ねぇし…」
「これからノヴィグレン脱出しなきゃいけないんだし、それにいいの?これ、やり方教えたのは僕だけど殆どラミリアが作ったんだよ?」
「……え?…ま、マジか!」
ラミリアの手作り料理と伝えただけで復活したアルは、すぐにいただきますと食べ始め、それをきっかけに皆も食べ始めた。
「ん、やっぱり美味しい」
まろやかな卵と麺の食感と、チーズと胡椒の風味がよく合っている。
「こ、これうめぇ!」
「凄く美味しいです!」
「…初めてかも、こんなに美味しいの」
皆もカルボナーラの魅力と美味しさに気付いてくれたようで、食欲が止まらない。
僕もカルボナーラ好きとして嬉しい。
こうして食事を終えて、それぞれ自由時間を暫く過ごし、一晩が明けてから翌朝にノヴィグレン脱出を開始した。
〈後書き〉
カルボナーラ、美味しいですよね。
私も好物で大好きです。勿論、カルボナーラにしたのは私の好みからです!
今回からこうやって後書きを勝手に書いてしまおうかなと思います。
次回も頑張りますので、誤字や脱字御座いましたら教えてくださると嬉しいです!
感想もお待ちしてます、書いてくれたら励みになります!
お腹も鳴るほど空いていたので、キッチンらしき部屋でアリーシャが食事を作ってあげると言ってくれた。
が、アルが何故か必死になって止める。
「待て、アリーシャが飯なんか作ったらそれこそ俺ら全滅する」
「……アトラス、それはアリーシャに失礼よ」
確かに女性に対して失礼すぎる言葉だが、一目惚れした運命の出会いというラミリアに向かってアルは必死に抗議した。
「いやそういう問題じゃねぇよっ」
慌ててアルが、僕とラミリアを近くに寄せて小声で話し始める。アリーシャは荷物の整理と、寝室のベッドを整えに行ったのでこの場には居ない。
「…前に学校に居たとき、アイツが栄養あるもん作ってやるって言ってくれたんだけどな?」
「優しいね、アリーシャ」
「おう、アイツはいいやつだ。でもな、出来上がって持ってきたのは…マジで中身が何なのか分かんない紫色の物体Xだったわけ」
「……つまり、アリーシャって…」
「…ド下手なんだよ、料理。毒物しか作れねぇ。しかも本人自覚ねぇし、食べないと今後無視される」
「……ちなみに、作ってもらった時は食べたのよね?」
「……食ったよ。仕方なく。一週間寒気が収まんなかったし、食い物目にするだけで吐きそうになった…」
「…一週間断食したってことか」
事情を聞いて理解した僕達は、とにかくアリーシャを説得して調理させないようにせねば、と思い直した。
失礼だ、と言っていたラミリアも流石に物体Xは食べたくないようで説得に協力すると言ってくれた。
「それじゃあ作ってくるので、待ってて下さいね」
アリーシャが寝室などの整理を終えて戻ってくるなり、食事を作ろうとキッチンへ行こうとしたので男二人で腕を掴み、必死さを然り気無く隠しながら説得する。
「その、僕ちょっと自炊しようと思っててさ…ここは料理するの譲ってくれないかな?」
「あ、私もちょっとやってみたい」
「お、俺もっ…」
「…ラミリアさんとレオンさんならともかく、アルは料理するの嫌いでしたよね?」
「うぐっ…」
アルが言葉に詰まり、黙り込んでしまった。
「…まあ、アル以外のお二人がそこまで仰るなら譲りましょう」
アルが愚行をしてしまったものの、何とかアリーシャは僕達に譲ってくれたので安心した。
しかし、料理をする担当を譲って貰ったものの、料理は出来るのだろうか。材料は恐らく十分だろうが。
「……えっと、レオン?」
「…アル、僕に料理しろって言うんじゃないよね」
「……出来ないんでしょどうせ。レオン、私と二人でやろ」
ラミリアがぐいっと僕の手を掴んでキッチンへ強引に連れていき、後ろからアルが俯きながら子犬のように付いてくる。
「…さて、じゃあやりましょ」
「…僕、カルボナーラしか作れないんだけど」
「何かは知らないけど、とりあえず作れるならそれ作ろう」
僕の好物だということであらかじめ作ってもらっていたスパゲッティと、卵、チーズなどを荷物から取り出してきて、僕はラミリアに作り方を教えながらカルボナーラを作る。アルは後ろからじっと見ている。
「ん、これで完成だね」
「…い、意外と美味しそう…かるぼなーらって…」
女性も大好きなメニューということと、大きな半熟の卵が乗った白く輝く麺もあり、ラミリアはすぐに食べたそうに料理を運んでいった。
アルもラミリアの後ろをずっと付いて回っている。既にもう捨てられた子犬状態で、一言も話さず落ち込んでいるようだ。
「これ、凄いですね!新しいお料理ですか?」
アリーシャも始めてみる料理に興味津々で、早速皆で円になってカルボナーラを味わうことに。
「ほら、アルもいつまでも落ち込んでないで食べようよ」
「……おれ、は…いいや…食欲ねぇし…」
「これからノヴィグレン脱出しなきゃいけないんだし、それにいいの?これ、やり方教えたのは僕だけど殆どラミリアが作ったんだよ?」
「……え?…ま、マジか!」
ラミリアの手作り料理と伝えただけで復活したアルは、すぐにいただきますと食べ始め、それをきっかけに皆も食べ始めた。
「ん、やっぱり美味しい」
まろやかな卵と麺の食感と、チーズと胡椒の風味がよく合っている。
「こ、これうめぇ!」
「凄く美味しいです!」
「…初めてかも、こんなに美味しいの」
皆もカルボナーラの魅力と美味しさに気付いてくれたようで、食欲が止まらない。
僕もカルボナーラ好きとして嬉しい。
こうして食事を終えて、それぞれ自由時間を暫く過ごし、一晩が明けてから翌朝にノヴィグレン脱出を開始した。
〈後書き〉
カルボナーラ、美味しいですよね。
私も好物で大好きです。勿論、カルボナーラにしたのは私の好みからです!
今回からこうやって後書きを勝手に書いてしまおうかなと思います。
次回も頑張りますので、誤字や脱字御座いましたら教えてくださると嬉しいです!
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