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第三章 機械の心
機械だらけの街
しおりを挟む道中、目的地である西部の街『コットス』についてアルに色々と聞いていた。
文明よりも科学や工場による生産が盛んな貿易街で、西部にある街の中でも最も栄えているという。
「特に目立つのが、丸々機械で作られたってとこだな。塀も鉄だし、建物も鉄」
「硬そうだね」
「見た目はな、でも兵士は大した事はねぇ。武器が立派ってだけで使いこなせてねぇし」
「そこでコットスは、兵力増量のためにお得意の機械を利用したのよ」
馬に乗っているため、僕の背中にくっついたままのラミリアが言う。
「人型の機械を作って、働かせてるの。機械人形ってとこね」
「機械人形?ゴツゴツしたやつかな」
「見た目はそうでもねぇよ?人にそっくりなんだけどな、ソイツらを見分けるのは赤目かどうかだから分かりやすい」
どうやら赤目の人間は、殆どが機械人形らしい。彼ら、彼女達は街の危険な仕事や雑務、工場での労働など様々な所で使われている。
「でも最近、古いタイプが処分されるそうよ」
「古いタイプ?」
「旧タイプ、性能が劣っている奴等のこと。新世代の今はもっと力がある新タイプを開発したらしいから、それでいらなくなったんだと。俺も街には暫く行ってねぇからどうなってるかは分からないけどな」
「…その旧タイプの人達、大丈夫なのかな」
「生きてない機械の塊だぜ?」
「…それでも何か、嫌だなって」
「あれなのか、レオンのいたトウキョウ?とかいう所はそういう考えなのか」
「…東京だけどまあいいや」
軽く流したレオンは、遠くに見えてきた煙だらけの街へ向かって馬を走らせ続けた。
街には珍しいことに、特に申請は必要なかった。町中をパトロールしている機械人形が、何かあればすぐ解決するため申請するほうが面倒なのだそうだ。
馬を郊外の草原で休ませ、僕達三人は街の中心部へと歩く。中心部は裕福層の人達が住む住宅街と店が並ぶ、華やかな場所だが、回りのスラムのような家との差が激しく、異様な光景だ。
「ここはとにかく、金を持ってるかで地位が決まるからな」
「…機械使ったり、身分あったり…僕はあまり好きじゃないな」
「一人の政治家が統治してるせいよ、お金に目がないんですって」
「ろくでもないね…その政治家」
日本にも、税を勝手に使い込んだり立場を利用して悪さしたり…そういった悪い人については異世界でも変わらないようだ。
「でも、その政治家の所に目的があるからなぁ」
「ノヴィグレンの偉い人、だよね」
「といっても、まあ自称『騎士』だけど」
その自称『騎士』に会うため、僕らは鉄板で作られた地面を音を立てながら歩く。緩やかな坂道となった大通りの両端には大小様々な金属製の家が並んでいて、所々赤目の機械人形がせっせと働いているのが見える。
全体が機械で作られ、彩られている街の中をひたすら歩き、山のような構造の頂点へと向かった。
<作者から>
遅くなって申し訳ないです、
正直に言いますとテストとネタ切れによって戦意喪失しておりました!
しかもとても短く、文才が一番ない話かもしれません。
何かネタが浮かび次第、次話投稿します!
これとは別に、全く違う小説も書き進めてますので
公開しましたらよろしくお願いします!
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