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第三話。カゴノトリ
しおりを挟む「い、いや」
「……入れるよ、姉さん」
「やめて……っ! お願いだから」
「僕のお願いは聞いてくれなかったのに」
「……っ!」
容赦なく侵入してくる熱いものに、私はたまらずうめき声を漏らす。
痛い、痛い、痛い!!!!
みしみしと押し広げられる感覚に息もできない。
「っ……力を抜いて、姉さん。食いちぎられそうだ……」
「っはっ……うっ!!」
力を抜く? どうやって、こんなに痛いのに痛い、痛い……。
私は痛みをこらえることしか頭になかった。
「姉さんっ……はっ、好きだ、好きだ、好きだったんだっ……」
「ん、んっ!! くっ、あ、はっ……!」
熱のこもった声で好きだというたびに、侑大は私の中で動く。
中で暴れる熱い熱の塊。
私は痛くて、その言葉を言われるたびに痛みを感じ、「その言葉」が嫌になる一方的な行為。
ぐたぐちゃとつながっている所から、音が嫌に響いて……その責め苦は、気が遠くなるように長く感じた。
気が付けば、裸のまま侑大に抱きしめられてベッドの中。
寝ていても逃がさないというかのように、侑大はがっちりと私を離さない。
体中が痛くて、特に胸と……乱暴にされた体の中がしみるように痛い。
どろどろに足についていた、精液や血なんかは寝ている間に拭かれたのだろうきれいになっていた。
自分のわからないところで見られて、触られていたと思うと、気持ち悪いし悔しかった。
何とか逃げようと、侑大を起こさないように腕をほどいてベッドから出た瞬間。体の中から自分の意志とは関係なく流れる液体に、愕然とした。体の中に残った物、それは。
気持ち悪い。
嫌だ……柿崎君……。
柿崎君の事を考えて、私ははっとして、もう会わせる顔がないと思った。
弟に犯された私なんて、会えない、会えるわけない。
どうして、どうしてこんな目に?
なんでこんなことするぐらい私を好きなんだろう、この完璧な弟だったら女なんて選び放題だろうに。
今日、侑大から呼び出された理由は、昇進と彼女ができたって報告だと思ってた。
昇進の話は、うちの会社でも持ちきりだったし、うちの会社でも女優さんかと思うほどの美女と、付き合っているという噂が流れていたから。
このままここにいたら、侑大に何をされるのか怖くて、洋服を拾い集めて着た。犯された痕跡が残る服に嫌悪感がつのったが、この服を着ないと帰れないから仕方がない。
とにかくここから逃げたかった。逃げて自分の狭いアパートに逃げ込みたかった。
ふと、顔を上げるといつの間にか侑大が起きていた。ひっ、と悲鳴をあげそうになる。
「姉さん……」
「こ、来ないで……嫌」
すごく悲しそうな顔をして私を見る侑大の表情にも、もう私の心は動かない。侑大はどうしたらいいかわからない顔をしてから、決心したように眼をつぶった。
そして、何を考えたのか、携帯で電話し始める。
「誰に、かけ、てる……の?」
嫌な予感がした、本当ならその携帯電話を奪いたいのに、侑大に近寄りたくなくて、私は問いかけるしかなかった。侑大は答えない。
しばらくすると、相手が出たようだ。
「あ、義母さん? ごめんこんな早い時間に。大事な話があるんだけど」
――何で、今こんな時にお母さんに?
私は何を言うのかと、びくっと震える。
「実は僕、結婚しようと思うんだ……え、相手?」
ちらりと、侑大が熱い視線でこっちをみた、じっとりとその場に縫い取られたように私は硬直する。
「姉さんと……実は姉さんと僕、付き合ってたんだ」
「!!」
う、嘘!! そんなウソ。
そう言いたいのに声が出ない。
「ちょっと言いにくかったんだけど……やっぱり責任を取りたいと思って」
嫌な予感は、当たった。
「うん、姉さん僕の子供……妊娠してるかもしれないから」
私は、侑大の強い視線を感じながら、自分のお腹を抑える。
散々吐き出された侑大の精が自分の中に存在していると、さっき嫌というほど思い知らされたばかりだ。
そのあと、どんな話をお母さんと侑大がしていたのか、全く耳に入らずに私はひたすらお腹を押さえていた。
その間にいつの間にか、侑大は電話を切って、私のそばに来ていた。
私のバッグから、勝手に私の携帯電話を取り出すと、操作を始める。
何をしているんだろうと、正常に考えることができない。
ぼーっとただ見てる事だけしかできない。
「ごめんね姉さん。もう嫌われる覚悟を決めたんだ……姉さんを僕のものにする」
浮かぶのは泣きそうな笑顔。
泣きたいのはこっちだ。
そして私は、侑大が今まで成し遂げようとしたことを一度も成し遂げられなかったことはなかったと思い出し、もう私は逃げられないことに気が付いた。
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後日談読みたいです。
何処でお姉さんを好きになって行ったのか、お姉さんに近寄る男を牽制してきたんだろうな~と想像しました。
感想ありがとうございます!
大体そんな感じで侑大は裏で色々していたのですが、潰しきれなかった唯一の男それが柿崎です。いつか続きがかければと思っていますが……侑大は覚悟してしまったのでどんな結末を迎えても、主人公はともかく幸せだと思います。
わー。
なんだか遣り切れないような切ない結末ですね。
でも、この二人には幸せになってほしい気がするので、主人公(名前、決まってないんですね…)と侑大の気持ちが通い合う、って続きが読みたいです。
ありがとうございます
この二人は少しでも何かがずれていたら幸せになる道もあったと思うので侑大にエール頂けて嬉しかったです。続きは今のところバッドなEDしか思いつかないので、いつか二人が幸せになればいいなぁと作者も思っております。