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妖鬼対策研究会編
獣は隠れていても匂いで分かるんです。出てきなさい
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玉藻姑獲鳥は阿波が勝手に脚本を書き替えた事に一抹の不満を感じていた。
彼女の考えたダイナマイトを利用しての爆破計画は自分が最初に考えた計画よりも随分と劣って見えた。
だが、もういいだろう。彼女は千年以上の長い時間を掛け、妖鬼として活躍していたが、ここら辺で用済みだろう。
玉藻姑獲鳥は喫茶店で話しを聞いた時からそう確信していた。
自分の立てた計画が吹き飛んでしまうのは心苦しいが、仕方がない。
失敗は彼女の死で償ってもらおう。
そうすれば、自分にはお咎めは掛からない。だが、折角なので彼女は失敗する有り様を間近で見る事に決めた。
な彼女は体型を変え、服を世間一般の女学生が着る様な格好に着替えて再び大学に聴講生として潜り込む。
どうせ、単位など貰えないお情け学生。
暫く顔を見せていなくても教授陣は気にも止めないだろう。
案の定、久方ぶりの講義でも彼女は気には止められず、ノートを取り、進んでいた授業を苦もなく終えて、教場を出て行く。
そのときに見つけたのだ。聴講生として潜入していた対魔師の新人、獅子王院風太郎を。
玉藻姑獲鳥は彼に狙いを定め、忌々しい上位の対魔師の斑目綺蝶と、同じく新人の近作日向と楽しげに談笑する姿が見えた。
彼女は風太郎を引き離すために、背後から声を掛ける。
振り向いた風太郎に有無を言わさずに、講義の内容についての確認を取っていく。
風太郎は講義の重要な箇所を教えてやり、そのまま別れるのかと思われたが、彼女は別れるどころか、風太郎に積極的に纏わりついていく。
隣にいた斑目綺蝶が嫉妬の情を宿す程に。
そして、風太郎と彼女とが最近流行りの歌手の話の話題になった際にとうとう堪忍袋の尾が切れたらしい。
二人の間に割って入って、
「申し訳ありませんが、次の講義が始まりますので……良かったら、講義の後にしてもらえませんか?」
彼女はいつも通りの笑顔。笑顔であったのだが、その眉間には深く皺が寄り、他に肌のあちこちに青筋が立っていた。
玉藻姑獲鳥はその光景を見て笑う。彼女が明らかに嫉妬の表情をしている事と、彼女の仇が目の前に居るのに気が付かないという事態に。
だが、彼女は笑ったという一点にのみ、怒りを募らせたらしい。
彼女は黒い笑顔を作ると、姑獲鳥の前に立ち塞がって言った。
「本当に申し訳ありませんが、獅子王院さんと私はこの後にもなすべき事があるんです。本当に退いて頂けないでしょうか?それとも、獅子王院さんと何か特別な関係でもあると語られるのでしょうか?無いですよね。なら、そろそろ行きましょう?本当に始まりますよ?」
明らかに怒気の含んだ声。その言葉もまた痛い。刃物の様に突き刺さる。
彼女はやむを得ずに譲歩して一人、次の講義の教場へと向かう。
彼女は次の講義の時間にもワザと自分の顔を見せて笑ったが、風太郎はそれを感じたのか、そのまま視線を机の下の帳面に降ろす。
同時に、近くの席に座っていた綺蝶が牽制の視線を彼女に向ける。
彼女と争うのは厄介だろう。今は譲渡してやろう。
姑獲鳥は教授が語る室町時代の文学に耳を澄ませていく。
だが、どの内容も既に彼女は知っている。この授業の復習のために後世の復刻された教典を読んだのでは無い。
元から知っていたのだ。彼女自身が室町時代にその原本を読んで。
彼女はその内容を書き、授業の内容を帳面の中に纏めると、教場を出ていく。
最も、それは見せかけ。全て、綺蝶を騙し、風太郎を追うための演技。
午後の講義が全て終了し、彼は再びあの二人に囲まれて教場を出ていく。
姑獲鳥は三人が教場を出ていくのを確認すると、そのまま自身も遠い下宿へと足を運ぶ。
わざわざ路面電車を乗らなければならないのは不便だが、致し方あるまい。
彼女は家に帰ると、講義の書かれた帳面を開いて自分の綺麗な文字を確認して鼻歌を歌う。
そのまま、彼女は下宿で時代小説を開くと、懐かしい気持ちに浸っていく。
内容は江戸時代についてのもので、奉行を主人公にしたものである。
彼女は徳川が江戸に幕府を開いていた頃の自分の事を思い出して笑う。
そう言えば、姉もあの頃が一番楽しいと言っていた。
だが、同時に江戸の時代、それも徳川がまだその支配を磐石なものとしていない明暦の頃に、姉が酷く怯え、彼女の弟であり、自身の兄である遠呂智に何やら頼んでいた事も思い出す。
姉が何故、怯えていたのかは思い出せない。何か重要な……。
まぁ、時代小説とは関係がない。彼女は買ってきた古本に唾をつけてめくっていく。
「獅子王院さん。答えてくれませんか?あの人は誰です?」
黒い笑顔を浮かべながら、彼女は五畳一間の狭い部屋の中で、壁に寄っていく風太郎に向かって問い掛ける。
この勢いのままなら、彼女は台所に置いてある包丁を握るかもしれない。風太郎の背筋から冷や汗が垂れている事に気が付く。
浮気がバレた亭主というのはこんな立場なのだろうか。
風太郎は唇を必死に動かして、弁解の言葉を口に出す。
綺蝶はそれを聞くとやっと黒い笑顔を捨て、いつもの柔和な笑顔を浮かべる。
「なら、いいです。折角なのでここらで気分を変えませんか?銭湯に行きましょう」
彼女はそう言うと、お風呂の道具が揃った桶を手渡して自身もそれを脇に抱えて下宿を出て行く。
それに続く近作日向。三人で夜道を歩く過程は西遊記の様に明るく楽しげに見える。
その過程、彼女は明るい空気を壊す事なくさりげなく言った。
「獅子王院さん。あの人には……いえ、あの妖鬼にはくれぐれも気を付けてください」
「え、妖鬼って?」
「明らかに違う匂いを感じました。妖鬼独特の穢らわしい匂いがプンプンと漂ってきましたよ。全く、厄介なものですね。獣というのは隠れていても匂いで分かるんですから」
彼女はいつもの笑顔で言ってのけると、風太郎に二人分の銭湯の代金を渡して、背中を見せて鼻歌を歌いながら、銭湯へと向かっていく。
彼女は銭湯について、暖簾を潜ると風呂の代金を払って銭湯へと入っていく。
風太郎は日向に背中を洗ってもらいながら、今後の事を考えていく。
この無意味な生活はいつまで続くのかと。
いい加減、判断のつかない生活をやめて次に進みたい。
そんな事を考えていた時だ。風呂と脱衣所とを仕切る扉の前から大きな声が響く。
それは、正妖大学で爆破未遂事件があったという声だった。
彼女の考えたダイナマイトを利用しての爆破計画は自分が最初に考えた計画よりも随分と劣って見えた。
だが、もういいだろう。彼女は千年以上の長い時間を掛け、妖鬼として活躍していたが、ここら辺で用済みだろう。
玉藻姑獲鳥は喫茶店で話しを聞いた時からそう確信していた。
自分の立てた計画が吹き飛んでしまうのは心苦しいが、仕方がない。
失敗は彼女の死で償ってもらおう。
そうすれば、自分にはお咎めは掛からない。だが、折角なので彼女は失敗する有り様を間近で見る事に決めた。
な彼女は体型を変え、服を世間一般の女学生が着る様な格好に着替えて再び大学に聴講生として潜り込む。
どうせ、単位など貰えないお情け学生。
暫く顔を見せていなくても教授陣は気にも止めないだろう。
案の定、久方ぶりの講義でも彼女は気には止められず、ノートを取り、進んでいた授業を苦もなく終えて、教場を出て行く。
そのときに見つけたのだ。聴講生として潜入していた対魔師の新人、獅子王院風太郎を。
玉藻姑獲鳥は彼に狙いを定め、忌々しい上位の対魔師の斑目綺蝶と、同じく新人の近作日向と楽しげに談笑する姿が見えた。
彼女は風太郎を引き離すために、背後から声を掛ける。
振り向いた風太郎に有無を言わさずに、講義の内容についての確認を取っていく。
風太郎は講義の重要な箇所を教えてやり、そのまま別れるのかと思われたが、彼女は別れるどころか、風太郎に積極的に纏わりついていく。
隣にいた斑目綺蝶が嫉妬の情を宿す程に。
そして、風太郎と彼女とが最近流行りの歌手の話の話題になった際にとうとう堪忍袋の尾が切れたらしい。
二人の間に割って入って、
「申し訳ありませんが、次の講義が始まりますので……良かったら、講義の後にしてもらえませんか?」
彼女はいつも通りの笑顔。笑顔であったのだが、その眉間には深く皺が寄り、他に肌のあちこちに青筋が立っていた。
玉藻姑獲鳥はその光景を見て笑う。彼女が明らかに嫉妬の表情をしている事と、彼女の仇が目の前に居るのに気が付かないという事態に。
だが、彼女は笑ったという一点にのみ、怒りを募らせたらしい。
彼女は黒い笑顔を作ると、姑獲鳥の前に立ち塞がって言った。
「本当に申し訳ありませんが、獅子王院さんと私はこの後にもなすべき事があるんです。本当に退いて頂けないでしょうか?それとも、獅子王院さんと何か特別な関係でもあると語られるのでしょうか?無いですよね。なら、そろそろ行きましょう?本当に始まりますよ?」
明らかに怒気の含んだ声。その言葉もまた痛い。刃物の様に突き刺さる。
彼女はやむを得ずに譲歩して一人、次の講義の教場へと向かう。
彼女は次の講義の時間にもワザと自分の顔を見せて笑ったが、風太郎はそれを感じたのか、そのまま視線を机の下の帳面に降ろす。
同時に、近くの席に座っていた綺蝶が牽制の視線を彼女に向ける。
彼女と争うのは厄介だろう。今は譲渡してやろう。
姑獲鳥は教授が語る室町時代の文学に耳を澄ませていく。
だが、どの内容も既に彼女は知っている。この授業の復習のために後世の復刻された教典を読んだのでは無い。
元から知っていたのだ。彼女自身が室町時代にその原本を読んで。
彼女はその内容を書き、授業の内容を帳面の中に纏めると、教場を出ていく。
最も、それは見せかけ。全て、綺蝶を騙し、風太郎を追うための演技。
午後の講義が全て終了し、彼は再びあの二人に囲まれて教場を出ていく。
姑獲鳥は三人が教場を出ていくのを確認すると、そのまま自身も遠い下宿へと足を運ぶ。
わざわざ路面電車を乗らなければならないのは不便だが、致し方あるまい。
彼女は家に帰ると、講義の書かれた帳面を開いて自分の綺麗な文字を確認して鼻歌を歌う。
そのまま、彼女は下宿で時代小説を開くと、懐かしい気持ちに浸っていく。
内容は江戸時代についてのもので、奉行を主人公にしたものである。
彼女は徳川が江戸に幕府を開いていた頃の自分の事を思い出して笑う。
そう言えば、姉もあの頃が一番楽しいと言っていた。
だが、同時に江戸の時代、それも徳川がまだその支配を磐石なものとしていない明暦の頃に、姉が酷く怯え、彼女の弟であり、自身の兄である遠呂智に何やら頼んでいた事も思い出す。
姉が何故、怯えていたのかは思い出せない。何か重要な……。
まぁ、時代小説とは関係がない。彼女は買ってきた古本に唾をつけてめくっていく。
「獅子王院さん。答えてくれませんか?あの人は誰です?」
黒い笑顔を浮かべながら、彼女は五畳一間の狭い部屋の中で、壁に寄っていく風太郎に向かって問い掛ける。
この勢いのままなら、彼女は台所に置いてある包丁を握るかもしれない。風太郎の背筋から冷や汗が垂れている事に気が付く。
浮気がバレた亭主というのはこんな立場なのだろうか。
風太郎は唇を必死に動かして、弁解の言葉を口に出す。
綺蝶はそれを聞くとやっと黒い笑顔を捨て、いつもの柔和な笑顔を浮かべる。
「なら、いいです。折角なのでここらで気分を変えませんか?銭湯に行きましょう」
彼女はそう言うと、お風呂の道具が揃った桶を手渡して自身もそれを脇に抱えて下宿を出て行く。
それに続く近作日向。三人で夜道を歩く過程は西遊記の様に明るく楽しげに見える。
その過程、彼女は明るい空気を壊す事なくさりげなく言った。
「獅子王院さん。あの人には……いえ、あの妖鬼にはくれぐれも気を付けてください」
「え、妖鬼って?」
「明らかに違う匂いを感じました。妖鬼独特の穢らわしい匂いがプンプンと漂ってきましたよ。全く、厄介なものですね。獣というのは隠れていても匂いで分かるんですから」
彼女はいつもの笑顔で言ってのけると、風太郎に二人分の銭湯の代金を渡して、背中を見せて鼻歌を歌いながら、銭湯へと向かっていく。
彼女は銭湯について、暖簾を潜ると風呂の代金を払って銭湯へと入っていく。
風太郎は日向に背中を洗ってもらいながら、今後の事を考えていく。
この無意味な生活はいつまで続くのかと。
いい加減、判断のつかない生活をやめて次に進みたい。
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