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大統領の陰謀編
ビーストテイマーの最後
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少女は優越感に浸っているという様な顔だ。自分は絶対的な優位に立っていると言わんばかりの表情。
彼女を、いや、彼女の使役するあの怪物はどうやって倒せば良いのだろう。
私には理解できない。少なくともこの事態を打破する方法が思い付かないのだ。
例えるのなら、底無しの沼にでも沈んだかの様な絶望といった所だろうか。
私は先輩の足に喰らい付いている怪物に向かって銃を構えた。
これが何の役にも立たない事はこれまでの経験で知っていた。
だが、何もしないよりはマシだろう。ケネスも、私も、そして怪物も三者三様の様子で睨み合う。
最も、怪物が動いたとしても私たちに勝ち目など無いのだが……。
それに、幾ら嫌味な先輩と言えどもあの怪物に足を齧られて嬲られ続ける理由など無い筈だ。
私は一か八かの可能性に賭け、引き金を引く。銃の乾いた音が森の中に響くものの、怪物は倒れる気配は見せない。
それを木の枝の上で余裕の笑みを浮かべた少女は笑いながら、
「ハッハッ、無理だって、その怪物は魔獣なんだよ。魔獣にあんた、人間の武器が効くと思う?アッハッハッハッ」
明らかな嘲笑。明らかに馬鹿にした口調。
彼女は恐らく私とケネスが勝てない事を踏んでいるのだろう。
私も誰かにこの状況から状況を打破できるのかと問われれば、ノーと迷わずに答えるだろう。
それくらい困難な状況だ。銃が通じないとなれば魔法しかないのだが、あの怪物が盗める様な魔法を使うのかと問われれば、それもゼロだ。
目の前の怪物が魔法を使う場面は見た事が無い。怪物は世の獣同様に爪やら牙やらを使用して相手を攻撃する。
実際に何人もの人間が凶悪極まりない爪や牙の前に死亡している。
万事休すの状態だ。それでも、私は目の前から迫る獣に向かって引き金を引く。
目の前の凶悪な獣の体を銃弾が滑り、私の放った筈の銃弾が地面やら木の中へと向かっていく。
絶望の淵に立った私にあの怪物が襲い掛かって来るのだが、その前に怪物の体に雷が落ちた事により、怪物は犬の様な悲鳴を上げて後退していく。
何事かと辺りを見渡すと、隣に右手の掌から雷雲を作り出したケネスの姿。
彼は口元を引き締めて、目の前の庶民の害を睨んでいた。
「下衆がッ!貴様をウェンディには指一本触れさせんぞ!」
怯えた犬の様な表情を見せる怪物であったが、木の上の猛獣使いの少女の口笛の前に怪物は体勢を立て直し、もう一度私に向かって来る。
と、その時だ。ケネスがもう一度獣に向かって雷雲を向かわせたのは。
ケネスの指示により、怪物の真上を漂う雷雲が怪物へと落雷を落とそうとした時だ。
あの少女が木の上から降り立ち、ケネスに銃を構えた。
ケネスは咄嗟にその場にしゃがみ込み、銃弾を避け、カウンターとして少女に向かって引き金を引いたのだが、少女はケネスに向かって銃撃を喰らわせるのを辞めるのと引き換えに、弾を回避してその場から去り、再度木の上へと登っていく。
屋根の上に登った少女に向かってケネスは舌を打ち、雷雲を少女の元へと向かわせていたのだが、その時に思わずにアッと叫んでしまう。
「そうだよぉ~!その表情が見たかったんだッ!あたしは!」
嬉々とした表情でケネスを指差すアーリー。
ケネスは今頃、気付いたのだろう。私の応援のために向かわせていた筈の雷雲を彼女と応戦していくうちに、彼女の方に向かわせていたという事実に。
私は、と言えば、目の前の怪物に対し手も足も出ないくなっているという状況だろうか。
私は怪物に体を制圧され、あの狂犬の様な顔が私を狙おうと、涎を垂らしていた。何と、おぞましい光景だろう。
冒険小説の主人公ならば、ここで近くに武器が落ちているという状況であるのは間違いあるまい。
少なくとも、この様な状況になる前に何とかできているという事は間違いあるまい。
だが、どうして対処すれば良い。銃はあの怪物が私の体を組み伏した時に落としてしまった。
相手の魔法を吸収して反撃しようにも、この四足歩行の怪物が魔法を使えるとも思えない。
何とかしようと思った矢先だ。ケネスが雷雲を怪物の上に向かわせていた。
あそこから雷が上手く怪物の体にでも当たれば、私は助かるだろう。
だが、失敗すれば私の肉体はその魂を永久に奪われて永久にあの世へと旅立ってしまうだろう。
危険な賭けだ。だが、やる価値はあるだろう。このまま私の体をねじ伏せる狂犬に頭から喰われるよりはずっとマシではないか。
私が目を瞑って審判の時を待とうとした時だ。突如、雷雲が私の元から去ろうとする。
咄嗟に私は左手を雷雲に向けてケネスの雷雲を吸収していく。
これで、一度だけケネスの魔法を使用できる事になった。私は意を決して左手の掌から雷雲を空中へと放つ。
それを見たケネスは大きな声で静止する。
「寄せッ!やめろッ!その落雷が当たれば、お前にも……」
「大丈夫、私はまだ死にはしないわ。私はあなたとまだ見たい未来があるんだもの」
「……それって」
ケネスが次の言葉を言おうとする前に私は怪物に向かって雷撃を放つ。
怪物は悲鳴を上げて私の上から離れてその場でのたうち回っていく。
私は既に黒焦げになった怪物を蹴り上げ、側に落ちていた私の愛用の自動式拳銃を拾い上げて、弱った怪物の頭に銃弾を撃ち込む。
怪物はダメージのためかそれとも、頭に直接に銃を撃ち込まれたのは始めてだったためか、一気に命を失っていく。
と、ここで私は自分の体に一切のダメージが負わされていない事に気が付く。
奇跡としか言いようがない。いや、厳密には少しだけ腹に攻撃を喰らったのだが、それはあの怪物がのたうち回った時に掠めた引っ掻き傷。
落雷による負傷ではない。どうやら、落雷のダメージはあの牡牛ほどの大きさの怪物が一身に受けてくれたらしい。私がこれ程までに丈夫なのもこのためだろう。私は服の上に付着した埃を払ってから、木の上の猛獣使いを睨む。
「あなたを守る怪物はもういないわ!覚悟するのねッ!」
その言葉に恐怖したのか、木の上の少女は必死に拳銃を乱射したのだが、照準が定まらないためかその銃弾が当たる事は無い。
私は両手に拳銃を構えて、木の上の少女を怯えさせる目的のために大きな声で叫ぶ。
「このド外道がァァァァァ~!」
私の叫び声と共に彼女の額に銃弾が撃ち込まれ、彼女は木の下へと落ちていく。
私は振り返る事なく、ケネスに声を掛けると無言で足を負傷した先輩に肩を貸し、その場を去って行く。
この時の私はこれで事件は解決したと思っていた。これから先に四大国家を巻き込んだ大きな陰謀が待ち構えているとも知らずに。
彼女を、いや、彼女の使役するあの怪物はどうやって倒せば良いのだろう。
私には理解できない。少なくともこの事態を打破する方法が思い付かないのだ。
例えるのなら、底無しの沼にでも沈んだかの様な絶望といった所だろうか。
私は先輩の足に喰らい付いている怪物に向かって銃を構えた。
これが何の役にも立たない事はこれまでの経験で知っていた。
だが、何もしないよりはマシだろう。ケネスも、私も、そして怪物も三者三様の様子で睨み合う。
最も、怪物が動いたとしても私たちに勝ち目など無いのだが……。
それに、幾ら嫌味な先輩と言えどもあの怪物に足を齧られて嬲られ続ける理由など無い筈だ。
私は一か八かの可能性に賭け、引き金を引く。銃の乾いた音が森の中に響くものの、怪物は倒れる気配は見せない。
それを木の枝の上で余裕の笑みを浮かべた少女は笑いながら、
「ハッハッ、無理だって、その怪物は魔獣なんだよ。魔獣にあんた、人間の武器が効くと思う?アッハッハッハッ」
明らかな嘲笑。明らかに馬鹿にした口調。
彼女は恐らく私とケネスが勝てない事を踏んでいるのだろう。
私も誰かにこの状況から状況を打破できるのかと問われれば、ノーと迷わずに答えるだろう。
それくらい困難な状況だ。銃が通じないとなれば魔法しかないのだが、あの怪物が盗める様な魔法を使うのかと問われれば、それもゼロだ。
目の前の怪物が魔法を使う場面は見た事が無い。怪物は世の獣同様に爪やら牙やらを使用して相手を攻撃する。
実際に何人もの人間が凶悪極まりない爪や牙の前に死亡している。
万事休すの状態だ。それでも、私は目の前から迫る獣に向かって引き金を引く。
目の前の凶悪な獣の体を銃弾が滑り、私の放った筈の銃弾が地面やら木の中へと向かっていく。
絶望の淵に立った私にあの怪物が襲い掛かって来るのだが、その前に怪物の体に雷が落ちた事により、怪物は犬の様な悲鳴を上げて後退していく。
何事かと辺りを見渡すと、隣に右手の掌から雷雲を作り出したケネスの姿。
彼は口元を引き締めて、目の前の庶民の害を睨んでいた。
「下衆がッ!貴様をウェンディには指一本触れさせんぞ!」
怯えた犬の様な表情を見せる怪物であったが、木の上の猛獣使いの少女の口笛の前に怪物は体勢を立て直し、もう一度私に向かって来る。
と、その時だ。ケネスがもう一度獣に向かって雷雲を向かわせたのは。
ケネスの指示により、怪物の真上を漂う雷雲が怪物へと落雷を落とそうとした時だ。
あの少女が木の上から降り立ち、ケネスに銃を構えた。
ケネスは咄嗟にその場にしゃがみ込み、銃弾を避け、カウンターとして少女に向かって引き金を引いたのだが、少女はケネスに向かって銃撃を喰らわせるのを辞めるのと引き換えに、弾を回避してその場から去り、再度木の上へと登っていく。
屋根の上に登った少女に向かってケネスは舌を打ち、雷雲を少女の元へと向かわせていたのだが、その時に思わずにアッと叫んでしまう。
「そうだよぉ~!その表情が見たかったんだッ!あたしは!」
嬉々とした表情でケネスを指差すアーリー。
ケネスは今頃、気付いたのだろう。私の応援のために向かわせていた筈の雷雲を彼女と応戦していくうちに、彼女の方に向かわせていたという事実に。
私は、と言えば、目の前の怪物に対し手も足も出ないくなっているという状況だろうか。
私は怪物に体を制圧され、あの狂犬の様な顔が私を狙おうと、涎を垂らしていた。何と、おぞましい光景だろう。
冒険小説の主人公ならば、ここで近くに武器が落ちているという状況であるのは間違いあるまい。
少なくとも、この様な状況になる前に何とかできているという事は間違いあるまい。
だが、どうして対処すれば良い。銃はあの怪物が私の体を組み伏した時に落としてしまった。
相手の魔法を吸収して反撃しようにも、この四足歩行の怪物が魔法を使えるとも思えない。
何とかしようと思った矢先だ。ケネスが雷雲を怪物の上に向かわせていた。
あそこから雷が上手く怪物の体にでも当たれば、私は助かるだろう。
だが、失敗すれば私の肉体はその魂を永久に奪われて永久にあの世へと旅立ってしまうだろう。
危険な賭けだ。だが、やる価値はあるだろう。このまま私の体をねじ伏せる狂犬に頭から喰われるよりはずっとマシではないか。
私が目を瞑って審判の時を待とうとした時だ。突如、雷雲が私の元から去ろうとする。
咄嗟に私は左手を雷雲に向けてケネスの雷雲を吸収していく。
これで、一度だけケネスの魔法を使用できる事になった。私は意を決して左手の掌から雷雲を空中へと放つ。
それを見たケネスは大きな声で静止する。
「寄せッ!やめろッ!その落雷が当たれば、お前にも……」
「大丈夫、私はまだ死にはしないわ。私はあなたとまだ見たい未来があるんだもの」
「……それって」
ケネスが次の言葉を言おうとする前に私は怪物に向かって雷撃を放つ。
怪物は悲鳴を上げて私の上から離れてその場でのたうち回っていく。
私は既に黒焦げになった怪物を蹴り上げ、側に落ちていた私の愛用の自動式拳銃を拾い上げて、弱った怪物の頭に銃弾を撃ち込む。
怪物はダメージのためかそれとも、頭に直接に銃を撃ち込まれたのは始めてだったためか、一気に命を失っていく。
と、ここで私は自分の体に一切のダメージが負わされていない事に気が付く。
奇跡としか言いようがない。いや、厳密には少しだけ腹に攻撃を喰らったのだが、それはあの怪物がのたうち回った時に掠めた引っ掻き傷。
落雷による負傷ではない。どうやら、落雷のダメージはあの牡牛ほどの大きさの怪物が一身に受けてくれたらしい。私がこれ程までに丈夫なのもこのためだろう。私は服の上に付着した埃を払ってから、木の上の猛獣使いを睨む。
「あなたを守る怪物はもういないわ!覚悟するのねッ!」
その言葉に恐怖したのか、木の上の少女は必死に拳銃を乱射したのだが、照準が定まらないためかその銃弾が当たる事は無い。
私は両手に拳銃を構えて、木の上の少女を怯えさせる目的のために大きな声で叫ぶ。
「このド外道がァァァァァ~!」
私の叫び声と共に彼女の額に銃弾が撃ち込まれ、彼女は木の下へと落ちていく。
私は振り返る事なく、ケネスに声を掛けると無言で足を負傷した先輩に肩を貸し、その場を去って行く。
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