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大統領の陰謀編
点と線を繋いだ先に存在したのは砂の器を持つ海の男であった
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大統領は砂の軍人を私の元へと向かわせていく。それに続いて私も砂の兵士一命を向かわせていく。
勿論、それだけでは収まらない。私は銃を構えてストロンバーグを狙う。
だが、ストロンバーグも私の狙いを察したらしい。彼は持っていた小型の拳銃を私に向ける。
彼はどうやら互いの銃の腕は互角だと判断したらしい。ニヤニヤとした笑顔を浮かべながら、私を見下ろす。
まるで、弱る鼠をいたぶる猫のような視線だ。
その様子に私は思わず生唾を飲み込む。それくらい男は銃の腕に自信があるという事なのだろうか。
意を決した私は引き金を引く。私の持っていた自動式拳銃の出っ張った銃口から弾丸が回転しながら大統領の元へと向かっていく。
だが、ストロンバーグも同時に弾を放つ。ストロンバーグの放った弾丸は幸いにも私に直撃する事は無かったのだが、咄嗟に私が体を下げた瞬間に右肩に掠めてしまう。
私は思わず唸り声を上げてしまう。あの男はその様子を見てまた笑う。
私は意地になり、大統領にもう二発目の銃を構えようとした時だ。私の目の前に九体程の人型の鋭い砂の槍を持った魔人が現れた。しまった!私は咄嗟に心の中で毒付く。ストロンバーグとの銃撃戦で忙しくして
顔は作られていないのか、砂の魔人はいや、ストロンバーグに忠実な砂の兵士は私を拘束し、私の手に持っていた拳銃を叩き落とすと私を自分の仕えるべき主人の元へと引き摺り出す。
「フッ、プリンセスもそうなってしまっては形無しだな。貴様さえ捕まれば怖いものなどない。このままこの宮殿に集まった王族貴族どもを皆殺しにさせてもらうよ。キミはそこで両親やお仲間の貴族、そして他国の貴族の方々が死ぬのを見ていると良い」
彼は自身に忠実な砂の兵士に捕らえられた私を見下ろしながら言う。
何処までも腐っている男だ。私をここまで連れてくるのにわざわざ砂の兵士を使用するとは。
私がそんな事を言いながら歯を食い縛って大統領を睨んでいると、私は砂の兵士に拘束されている私の腕が砂を掴んでいる事に気が付く。
もし、この砂をあいつの目に掛けることが出来たのならばどんなに愉快だろう。
私はかつて劇団〈ダヤン〉の時に思い出した別世界の私の記憶と台詞を拝借させてもらう。
「ま、負けたわ!ストロンバーグ様!私をあなた様の女として見定めてくださいませ!私は絶対に抵抗したりなど致しません!ですから、あなた様の未来を掴まんとする黄金の両腕で私の頬を優しくさすってくださいませ!そうすれば、私もあなた様の思いに答えましょう!」
私は別世界の私を真似て懇願していく。別世界の私は何の作戦もなく、愚かにも襲い掛かったエルフの相棒の勇者に懇願した際にこの台詞を発したのだが、今の私は違う。
勝算があっての台詞。あくまでも相手をその気にさせるための台詞だ。
私は必死の顔で相手を見つめると、この砂の兵士たちの頭目は自らの勝利を確信したらしく、ニンマリと満足そうな顔を浮かべて、私の元へと近寄っていく。
武器も無いからと安心していたのだろう。和やかな声で砂の兵士たちに声を掛け、私の拘束を解き放つ。
そして、彼が父親のような優しい顔を浮かべながらポケットの中に小型拳銃を仕舞って両腕を広げて近寄った時だ。
私はその男の顔に思いっきり砂を掛けてやる。砂を掛けられた男は悲鳴を上げて地面の上を転がっていく。
主人の咄嗟のピンチにオロオロとする砂の兵士たちの隙を付き、私は男のポケットから男の持っていた小型式の拳銃を抜き取り、男を拘束していく。
その際に男の両目に付着していた砂を拭ってやったのは私なりの優しさだった。
すると、彼は私に拘束され、銃を突き付けられているという状況であるのにも関わらず、彼は子供のように目を輝かせて夜空を眺めながら笑う。
彼は大きな声で笑いながら、空に向かって叫ぶ。
「親父!見てくれ!オレはお姫様に目のゴミを取られたぞ!親父、オレはあんたの意向に逆らう!オレは絶対にこの女を妻にしてみせるッ!」
ストロンバーグはそう言うと羽交い締めにしていた筈の私の脇腹に向かって蹴りを喰らわせてその場から逃げ出す。
だが、隙こそは作らなかったものの私にはこの拳銃がある。
加えて、運の良い事には私はこれと同じ型の小型拳銃を持っている。扱い方が分からない訳ではない。
幸いな事に先程は肩に掠めただけであったのだが、あの銃弾が体に直撃すれば二日間苦しんで死ぬ事になるという恐ろしいものだ。
その恐ろしさはストロンバーグだって分かっている筈だ。
幾ら、砂の兵士に自分の周りを囲ませていると言ってもクッションとなるのには不十分だろう。
ならば、彼が取る手段はたった一つしかあるまい。それは私が銃を放つ前に私を仕留めるという事だ。
予想通りに、彼は砂の兵士達に命令して私を抹殺を図る。
私は銃を使用するのはやめにして、左手の掌を広げて砂の兵士を新たに一体作り出す。
彼らと同様に鋭く尖った砂の槍を持つ兵士は他の九体の兵士の元へと向かう。
私は九体の砂の兵士達が彼の元を離れた瞬間を突き、彼の目の前で銃を突き付ける。
「動かないで撃つわよ。言っておくけれど、この拳銃の威力と成果はあなた自身がよく知っている筈だから、素直に私のいう事を聞いた方が良いと思うわよ」
私は両眼を鋭く尖らせて警告した。だが、大統領はクックと笑いながら、
「お姫様とは思えない過激な台詞だね。シンディ王女……いや、キミはシンディじゃあないな。私は今年のレースにあの子と会ったが、そんな強い目はしていなかった。キミは指図詰め、王宮を追放された落ちこぼれの双子の姉のウェンディ。そうだろう?」
私は思わず言葉を失ってしまう。この男は私と妹の入れ替わりを見抜いたのだ。
すると、動揺した私の腕を彼は強く掴んで、
「辞めたまえ、キミはお姫様だろう?お姫様といえばお淑やかで優しくて銃なんてものとは最も縁の無い存在だ。そんな物は仕舞いなさい」
と、右手に握った小型拳銃を私の手から叩き落とす。
それから、彼は老人だが、枯れていないまだ張りのある唇を私に重ねようとする。
辞めてくれ!と叫びたい気分だった。私はこの老いた共和国の指導者と結ばれて仲間を売る気は無いのだ。
だが、男は静かに唇を近付けていく。私が思わず両眼を瞑ろうとしたまさにその時だ。
彼の顔の頬が空いている事に気が付く。私は彼の顔に向かって頭突きを喰らわせる。
彼が顔を抑えている間に私は痛む頭を抑えて逃げ出したのだが、その直後にストロンバーグがまだ笑っている事に戦慄してしまう。
幼少の頃の執念とは凄いものだ。私はそう思わざるを得ない。
とにかく、彼と彼の操る砂の兵士はまだ残っているのだ。用心しなくてはなるまい。
そう決めて私は地面に落ちた自分の愛銃を拾いに向かう。
あの男が近くに落ちた小型の拳銃を拾う前に。
勿論、それだけでは収まらない。私は銃を構えてストロンバーグを狙う。
だが、ストロンバーグも私の狙いを察したらしい。彼は持っていた小型の拳銃を私に向ける。
彼はどうやら互いの銃の腕は互角だと判断したらしい。ニヤニヤとした笑顔を浮かべながら、私を見下ろす。
まるで、弱る鼠をいたぶる猫のような視線だ。
その様子に私は思わず生唾を飲み込む。それくらい男は銃の腕に自信があるという事なのだろうか。
意を決した私は引き金を引く。私の持っていた自動式拳銃の出っ張った銃口から弾丸が回転しながら大統領の元へと向かっていく。
だが、ストロンバーグも同時に弾を放つ。ストロンバーグの放った弾丸は幸いにも私に直撃する事は無かったのだが、咄嗟に私が体を下げた瞬間に右肩に掠めてしまう。
私は思わず唸り声を上げてしまう。あの男はその様子を見てまた笑う。
私は意地になり、大統領にもう二発目の銃を構えようとした時だ。私の目の前に九体程の人型の鋭い砂の槍を持った魔人が現れた。しまった!私は咄嗟に心の中で毒付く。ストロンバーグとの銃撃戦で忙しくして
顔は作られていないのか、砂の魔人はいや、ストロンバーグに忠実な砂の兵士は私を拘束し、私の手に持っていた拳銃を叩き落とすと私を自分の仕えるべき主人の元へと引き摺り出す。
「フッ、プリンセスもそうなってしまっては形無しだな。貴様さえ捕まれば怖いものなどない。このままこの宮殿に集まった王族貴族どもを皆殺しにさせてもらうよ。キミはそこで両親やお仲間の貴族、そして他国の貴族の方々が死ぬのを見ていると良い」
彼は自身に忠実な砂の兵士に捕らえられた私を見下ろしながら言う。
何処までも腐っている男だ。私をここまで連れてくるのにわざわざ砂の兵士を使用するとは。
私がそんな事を言いながら歯を食い縛って大統領を睨んでいると、私は砂の兵士に拘束されている私の腕が砂を掴んでいる事に気が付く。
もし、この砂をあいつの目に掛けることが出来たのならばどんなに愉快だろう。
私はかつて劇団〈ダヤン〉の時に思い出した別世界の私の記憶と台詞を拝借させてもらう。
「ま、負けたわ!ストロンバーグ様!私をあなた様の女として見定めてくださいませ!私は絶対に抵抗したりなど致しません!ですから、あなた様の未来を掴まんとする黄金の両腕で私の頬を優しくさすってくださいませ!そうすれば、私もあなた様の思いに答えましょう!」
私は別世界の私を真似て懇願していく。別世界の私は何の作戦もなく、愚かにも襲い掛かったエルフの相棒の勇者に懇願した際にこの台詞を発したのだが、今の私は違う。
勝算があっての台詞。あくまでも相手をその気にさせるための台詞だ。
私は必死の顔で相手を見つめると、この砂の兵士たちの頭目は自らの勝利を確信したらしく、ニンマリと満足そうな顔を浮かべて、私の元へと近寄っていく。
武器も無いからと安心していたのだろう。和やかな声で砂の兵士たちに声を掛け、私の拘束を解き放つ。
そして、彼が父親のような優しい顔を浮かべながらポケットの中に小型拳銃を仕舞って両腕を広げて近寄った時だ。
私はその男の顔に思いっきり砂を掛けてやる。砂を掛けられた男は悲鳴を上げて地面の上を転がっていく。
主人の咄嗟のピンチにオロオロとする砂の兵士たちの隙を付き、私は男のポケットから男の持っていた小型式の拳銃を抜き取り、男を拘束していく。
その際に男の両目に付着していた砂を拭ってやったのは私なりの優しさだった。
すると、彼は私に拘束され、銃を突き付けられているという状況であるのにも関わらず、彼は子供のように目を輝かせて夜空を眺めながら笑う。
彼は大きな声で笑いながら、空に向かって叫ぶ。
「親父!見てくれ!オレはお姫様に目のゴミを取られたぞ!親父、オレはあんたの意向に逆らう!オレは絶対にこの女を妻にしてみせるッ!」
ストロンバーグはそう言うと羽交い締めにしていた筈の私の脇腹に向かって蹴りを喰らわせてその場から逃げ出す。
だが、隙こそは作らなかったものの私にはこの拳銃がある。
加えて、運の良い事には私はこれと同じ型の小型拳銃を持っている。扱い方が分からない訳ではない。
幸いな事に先程は肩に掠めただけであったのだが、あの銃弾が体に直撃すれば二日間苦しんで死ぬ事になるという恐ろしいものだ。
その恐ろしさはストロンバーグだって分かっている筈だ。
幾ら、砂の兵士に自分の周りを囲ませていると言ってもクッションとなるのには不十分だろう。
ならば、彼が取る手段はたった一つしかあるまい。それは私が銃を放つ前に私を仕留めるという事だ。
予想通りに、彼は砂の兵士達に命令して私を抹殺を図る。
私は銃を使用するのはやめにして、左手の掌を広げて砂の兵士を新たに一体作り出す。
彼らと同様に鋭く尖った砂の槍を持つ兵士は他の九体の兵士の元へと向かう。
私は九体の砂の兵士達が彼の元を離れた瞬間を突き、彼の目の前で銃を突き付ける。
「動かないで撃つわよ。言っておくけれど、この拳銃の威力と成果はあなた自身がよく知っている筈だから、素直に私のいう事を聞いた方が良いと思うわよ」
私は両眼を鋭く尖らせて警告した。だが、大統領はクックと笑いながら、
「お姫様とは思えない過激な台詞だね。シンディ王女……いや、キミはシンディじゃあないな。私は今年のレースにあの子と会ったが、そんな強い目はしていなかった。キミは指図詰め、王宮を追放された落ちこぼれの双子の姉のウェンディ。そうだろう?」
私は思わず言葉を失ってしまう。この男は私と妹の入れ替わりを見抜いたのだ。
すると、動揺した私の腕を彼は強く掴んで、
「辞めたまえ、キミはお姫様だろう?お姫様といえばお淑やかで優しくて銃なんてものとは最も縁の無い存在だ。そんな物は仕舞いなさい」
と、右手に握った小型拳銃を私の手から叩き落とす。
それから、彼は老人だが、枯れていないまだ張りのある唇を私に重ねようとする。
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だが、男は静かに唇を近付けていく。私が思わず両眼を瞑ろうとしたまさにその時だ。
彼の顔の頬が空いている事に気が付く。私は彼の顔に向かって頭突きを喰らわせる。
彼が顔を抑えている間に私は痛む頭を抑えて逃げ出したのだが、その直後にストロンバーグがまだ笑っている事に戦慄してしまう。
幼少の頃の執念とは凄いものだ。私はそう思わざるを得ない。
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